そこに二つの人影があった。
一つは黄金の鎧を身に纏った戦士であり、顔にはAの文字が刻まれた戦士。
もう一つは白いカミキリムシ”を思わせる怪人。
その2体は戦っていた様子だったが、戦士は圧倒されたのか、そのまま吹き飛ばされる。
同時に戦士の腰にあるバックルは閉じられ、その姿を変わる。
そこにいたのは小学生ぐらいの少年であり、先程まで戦っていた戦士の面影はなかった。
少年は恐怖に蝕まれながらも、目の前にいる白いカミキリムシを思わせる怪人に向けて、怒りの声を叫ぶ。
そんな少年に対して、怪人は笑いながら、ゆっくりとその手の鎌を向ける。
死を覚悟した。
その瞬間だった。
聞こえてくる足音と共に見えたのは、それは少年は知らない人物だった。
全身を黒いスーツに身に纏っている、目元はサングラスをつけていた。
その人物を知らない少年は見つめている間にも、男は手に持ったバックルを腰に巻く。
【TURNUP】
鳴り響く音と共に黄金の輝きと共に、その戦士は姿を現す。
その存在に、怪人は驚きを隠せなかった。
同時に戦士は少年を守るように前に立つ。
その戦士の名を、少年は知っていた。
「剣崎一真」
レンゲルとなった事で、暴走してしまった睦月。
暴走していた彼を止めてくれた剣崎から話を聞き終えた後、睦月は未だにレンゲルバックルをその手に持っていた。
だが、それによって持たされた影響は睦月が考えている以上に強い影響を受け入れていた。
普段ならばやらないような乱暴な言動や、すぐに謝る行動を、睦月は今回しなかった。
何よりも自分を心配してくれた大切な恋人である望美の首を絞めてしまった事に睦月の動揺は凄まじかった。
彼はすぐに近くにある橋に向かうと共に、懐から取り出したレンゲルバックルを取り出すと共に、目の前にある川へと目を向ける。
「こんな物っ」
それと共に投げられたレンゲルバックルはそのまま真っ直ぐと川の中へと投げられる。
泡と共に、ゆっくりと、レンゲルバックルは川の中へと消えていった。
「ふぅ」
それを見届け、安心したように睦月はゆっくりとその場から離れようとした。
だが
「俺を受け入れろ」
「っ」
聞こえた声、振り返ると共に、そこには煙と共に川に捨てたはずのレンゲルバックルが睦月の目の前にあった。
「俺の力を」
「ふざけるなよっ!
俺は、望美に襲い掛かったんだぞっ」
レンゲルバックルから聞こえてくる声に、睦月は怒りに覚えるよう返答する。
それと共に聞こえる音。
睦月はゆっくりと振り返ってみると、そこには人体標本を思わせる怪人がいた。
「なっなんだよ、こいつっ」
その存在に驚きを隠せない睦月は、その怪人が向かう先を見た。
そこには、先程まで睦月が捨てたレンゲルバックルがあり、怪人はなんとレンゲルバックルをそのまま腰につける。
「あいつはっ」
そこに剣崎はバイクを走らせながら向かった先。
それは睦月と共に一緒にいた謎の怪人だった。
同時に怪人はその腰につけていたバックルを開いた。
【OPENUP】
鳴り響く音声と共に、その怪人の姿はゆっくりと、仮面ライダーレンゲルへと姿を変えていった。
「なんだっあいつはっ」
そう疑問に思っている間にも、怪人が取り出したのは複数のラウズカードだった。
同時にラウズカードをばら撒き、すぐに手に持ったレンゲルラウザーを構えた。
【REMOTE】
鳴り響く音と共に、複数のアンデットが封印から解放される。
その内の一体はライオンアンデット、北極熊の祖であるポーラーベアアンデッド、蜂の祖であるビーアンデット、サイの祖であるライノセラスアンデッドの計4体のアンデットがその姿を現れる。
「あのアンデッドはっ、睦月、逃げろ!!」
それと共に剣崎は同時に走り出すと共にバックルに腰を巻く。
「変身!!」
【TURNUP】
鳴り響く音と共に睦月の前に出た剣崎はすぐにブレイドラウザーで迫り来るアンデット達を切り裂いていく。
数多くのアンデットを封印してきた事もあり、4体のアンデットを相手にしても、立ち回りは上手く、迫り来る攻撃を避けながら、切り裂いていく。
しかし、それが4体だけならば問題なかった。
「ふっ」
「ぐっ」
そんな4体のアンデットの攻撃の合間にある隙を狙うようにレンゲルの突きが剣崎を襲う。
吹き飛ばされた剣崎はそのまま転がりながら、振り返ると、そこにはまだ逃げている途中の睦月の姿だった。
「くそっ」
剣崎はすぐに睦月の前に出て、彼の盾になるように構える。
4体のアンデットを従えるレンゲル。
すぐにでも、ラウズカードを使いたかったが、レンゲルの持つREMOTEを使われれば、アンデットの数が増えれば、不利になるだけ。
そう苦虫を噛んでいる時だった。
「変身!!」
【TURNUP】
鳴り響く音と共に、彼らの前に現れたのは刀だった。
「刀っ」
「これは、まさか」
「とにかく、この状況を打開しないと」
「剣、俺がなんとか道を開く。
その間に」
「あぁ、分かった」
【CUT】【WATER】【MIRAGE】【スプラッシュイリュージョン】
その音声が鳴り響くと共に刀は複数に分身する。
その分身した刀はそのまま走りながら、その手に持ったブレードラウザーに纏った水の力と共に、次々とアンデットに向かって行く。
アンデットはその分身に対して、攻撃を仕掛けるが、それらは幻で、攻撃は当たらなかった。
その中で、ライオンアンデットに近づいた刀はそのまま切り裂く。
それが決定的なダメージを受けたライオンアンデットのバックルは開く。
それを見た剣崎はすぐにその手に持ったラウズカードを投げ、封印する。
「次はっ」
その言葉と共に刀はレンゲルに目を向ける。
しかし、そこにはレンゲルの姿はなかった。
「・・・」
それを見た刀はゆっくりと去ろうとした。
「待ってくれ、刀。
今回の敵は本当にやばい。
俺達と協力してくれ」
「それは」
そう言いながら、足を止める。
「それと、その悪いかもしれないけど、君の正体は既に知っている。
志村刀磨さん」
「っ」
その言葉と共に刀は足を止める。
「何時から」
「この前の戦いで偶然」
「そうでしたか」
その言葉と共に、諦めたようにその変身を解除した。
「あなたって、この前の」
「・・・」
「教えてくれ。
君は、どうしてここまで。
それに、レンゲルが変身したあいつはアンデットじゃなかった。
それも、人造アンデットなのか」
「アンデットじゃない?
どういう事なんですか」
その剣崎の言葉に驚きを隠せないのか、今度は刀磨が詰め寄る。
「分からない。
だが、見た時にはなんというか人体模型を思わせる奴だった。
同時に全身にケーブルが「トライアルっ」知っているのかっ」
「俺の持つ人造アンデットとは違う存在です。
だけど、どうして」
その言葉と共に、戸惑いを隠せない刀磨。
「・・・どうやら、少し状況が変わったかもしれません。
おそらく、俺が恐れている奴らが動き出したかもしれません」
「やはり、君は」
「その、今まで隠れていてすいません。
未だに話せない事があるかもしれませんけど、それは「良いんだ」っ」
「その話せない訳は、君が話したい時に話してくれ。
俺は、ここで正体を見せてくれた君の事を信じたい。
だから、一緒に戦ってくれないか」
「・・・はい」
志村刀磨
年齢22歳
概要
2000年生まれの少年。
4人家族であったが、彼の兄が突然行方不明になった事をきっかけに仮面ライダー達に関わる事になった。
生まれは一般家庭だったが、アンデットとの適合率が過去に仮面ライダー剣の変身者である剣崎一真と変わらない数値を持つ。
基本的には温厚で心優しく人情深い性格。芯の強さを見せ、良識人。一方で、大切な存在を傷つける者には容赦が無く、普段の穏やかさが嘘のような気迫を見せる
剣崎一真に対しては大きな憧れを持っている。
また、自身と共に戦ってくれる人造アンデットとの付き合いは長く、中でもケルベロス・アンデットとの付き合いは14年間、共に過ごしていた。