「けど、妙な所もある」
「妙?」
「あぁ、どのトライアルも、個体としては結構最近の奴が多い。
性能も、俺達が知っているトライアルよりも高い奴が多くいる」
「どういう事なんだ?」
「おそらく、俺達をこの時代に送った奴と同じ奴かもしれない」
「それって、あの事故が人為的だったと言いたいのか」
「分からない。
とにかく、「おい、新入り!」はい!」
「なにほへと組のバイトと仲良くしていやがる!!」
「すいません!!」
「おい、お前、いろは組の奴に何を喋っているっ!」
「ちっ」
((このバイトをどうにかしないといけねぇ))
剣崎さんと協力する事になった俺達は、そのまま彼らの家に向かう事にした。
残念ながら、今回は俺と錬司は、現在の剣崎さんが住んでいる家に向かった。
白井牧場と呼ばれているその場所は、周りを見渡す限りでもかなり広く、それが1人の人物の所有している物件だと思うと、圧巻してしまう。
「なぁ、こっちに引っ越さないか」
「錬司」
過去に来てから、俺達はほとんど狭いアパートで男4人で暮らしている事もあってか、錬司の提案はとても魅力的だ。
「とにかく、今は話し合いをしないと。
えっと、こんにちわ」
そう、俺はそのまま剣崎さんの家に入っていく。
「来てくれたか、刀磨」
「その子が、例の」
そうしていると、出てくる剣崎さんと広瀬さんが俺を見てくる。
さすがに俺の時代に比べても広瀬さんは若々しいのに、驚いた。
「あっ、君が例の仮面ライダー刀!」
そうして、次に出てきたのは虎太郎さんだった。
虎太郎さんは相変わらず変わらない容姿に少し落ち着くような気がする。
「あれ、そっちの小さい子は」
「あっ」
そうしていると、虎太郎さんの一言に俺は思わず固まる。
「誰が」
そうしていると、錬司の身体が震えている。
「クソチビって言うのかよ!」
「えっ? そんな事は」
その一言に、俺は慌てて止めようとするが錬司は止める。
「落ち着け、そんな事は言っていないだろ」
「黙れ、刀磨!!
この野郎、俺の気にしている事を言いやがった!!」
「えぇ!?」
剣崎さんは慌てるけど、俺だって必死に錬司を止めようとした。
そもそも、まだ小さいのにそんな事を言ったら、錬司は本当にへこんでしまうだろうし、下手をすれば俺が怒られる羽目になってしまうからだ。
「はぁはぁ、なんとか止まった」
「この子は一体」
「深津羽錬司。
俺の仲間の1人であり、俺達のサポートをしてくれている」
「ふんっ」
そうして、俺は錬司を剣崎さんに紹介するが、未だに機嫌が直らない様子だ。
「あの子に身長が低い事は禁句ね」
「確かに、また暴れたら、困るし」
そう、剣崎さんと広瀬さんは錬司に聞こえないようにこそこそと話す。
「おい、また俺の事をチビって言っただろ!!」
「地獄耳!?」
その言葉に、思わず広瀬さんは叫ぶ。
確かに聞こえないくらいの小声で話していたつもりだけど、錬司は普通に聞いているとは思わなかったからだ。
「あの子も苦労しているみたいですね」
「あぁ、まぁ、それは仕方ないかも」
「なんというか、刀磨君が仲間になって、本当に良かったわね」
そのやり取りを見ていた虎太郎さんと広瀬さんはそう言って微笑む。
そう言われると、少し嬉しい気持ちになる。
「まぁ、良い。
それよりも、今はトライアルだろ」
その言葉と共に錬司は背中にあるバッグからパソコンを取り出す。
「えっなにそれ。
なんだか、結構性能良さそうだけど」
「俺がジャンクから作った」
錬司自身が研究職という事もあり、現代のパソコンも簡単に作れる事もあって、過去の時代であるここでも、高性能パソコンを簡単に作り出せる。
そして、表示されたのは、複数の個体だった。
「これは」
「俺達が調べた施設にあったトライアルシリーズだ。
こいつらはアンデットの不老不死について調べる為に作り上げた奴らだ。
アンデッドのデータを基にして作られた人造生物。他の生物の細胞も素材としているため、人語を話したり人間と意志疎通ができるなど高度な知性を有し、戦闘能力も下級アンデッドとは比べ物にならないほど高い」
「そんな奴が、まさか」
「さらに、厄介な事にアンデッド同様大ダメージを受けるとバックルが開くが、ラウズカードを投げても吸収するだけで封印することは不可能だ」
「なんだって!」
それは確かにやばい。
封印する事が、アンデットに対抗するただ一つの手段だが、それを封じられている。
「そして、今回襲った奴はトライアルX」
「トライアルX?」
その言葉と共に、表示されたのは、確かにあの時に見たトライアルだった。
「こいつの設計プランとしては、ライダーが使用しようとしたカードをケーブルで奪うなどして使用する事が可能にする。
つまり、ライダーの力を奪って、その力を我が物にする事を目的にしている」
「それって、つまり」
「あぁ、もしも、こいつがこのままライダーと戦い続ければ、最悪、全てのアンデットの力を得た最悪のトライアルとなる」
その事場に、全員が戦慄に覚える。
「だったら、どうするのさ!
その、トライアルはアンデットと同じ不死身なんだろ!
しかも、封印できないなんて」
「方法はある」
その事場と共に錬司はパソコンを動かし続ける。
「トライアルシリーズは、俺達の持つ人造アンデットとは違い、不死身を完全に再現されていない。
その事も相まって、アンデットとは違い、想定以上のダメージを受ければ消滅する」
それは、俺自身も知っている。
キングフォームとなった剣崎さんや、ワイルドカリスとなった始さんじゃないと倒せなかった。
しかし、今の剣崎さんはキングフォーム所か、ジャックフォームにもなっていない。
「想定以上のダメージって、どうやって」
「まぁ、無理だな」
「そんな」
「ただ、普通の方法じゃなければ、手はある」
その言葉と共に映し出されたのは、俺と剣崎さんとの共闘した時だった。
「これは」
「既に分かっていると思うが、剣崎の持つ剣と刀磨の刀はその特性がとても似ている。
その事もあってか、互いのカードが共鳴し、その威力を高める事ができる」
「なるほど」
キングフォームでの剣崎さんの必殺技であるロイヤルストレートフラッシュは5枚のラウズカードを使用し、放つ事ができる最強の必殺技。
俺と現在の剣崎さんが同時に放てる必殺技の威力は各々がそれに届かなくても、互いに息を合わせれば、それが可能になる。
「それって、2人で協力した必殺技ならば、勝てるの!!」
「だが、問題は他にもある。
タイミングだ」
「タイミング?」
「互いの攻撃の呼吸を合わせなければならない、威力は完全に出ない」
「だけど、勝てる可能性はあるんだな」
剣崎さんはそう言うと、呆れたように呟く。
「状況は分かっているのか。
レンゲルの奴は未だに3体のアンデットがいる。
そいつらを倒しながら、レンゲル自体を倒して、お前達が息を合わせて倒す。
それが、どれだけの難易度があるのか」
「可能性があるならば、やらないよりマシだろ」
その言葉を聞いて、呆れる。
「2人」
「んっ?」
「絶対にレンゲルとの戦いを邪魔されない為に残り2人のライダーを集める。
俺達のギグスとシルフィムは、今は手が離せないから無理だ」
「それって、つまり。
橘さんと、相川始の協力が必要なのか」
「そうだな、できるか?」
「やるしかないだろ」
その熱い剣崎さんの言葉に俺もまた頷く。
「あれ、ちょっと待って。
アンデットは3体でしょ。
確かにあの2人だったら、可能だけど」
「ライダーは5人で戦う」
そう言い、取り出したのはレンゲルバックルに良く似たベルトと封印されたカード。
「えっ、君も仮面ライダー!」
「あぁ、俺は仮面ライダーケイオン。
そして、こいつは俺の相棒のナチュラルだ」
深津羽 錬司
仮面ライダーケイオンの変身者で思慮深く物事を冷静に考えるタイプではあるが、結構熱血漢な性格の持ち主。
2022年ではライダーシステムの開発に携わっている事もあって、技術力は高く、ライダーシステムのパワーアップアイテムを作成する事ができる。
過去に飛ばされた際に右腕が義手へと変わっている。
身長は低く、強いコンプレックスを抱いている。
「チビ」「豆」「みじんこ」などの単語に過敏に反応して暴れ出したり、言われた回数を事細かに記憶するなど深く根に持ったりする。