剣崎さんと橘さんの所には、エレファントアンデットの襲撃があった。
なぜ、そこでエレファントアンデットが現れたのかについては、謎が多いが、おそらくは上級アンデットであったゲンブアンデットとウルフアンデットの2体に惹かれて、来た可能性があった。
そのエレファントアンデットの力は圧倒的であり、その力の差に剣崎さん達はショックを隠しきれなかった。
その事について聞いたのは、俺が合流した後であり、家にいる2人の様子にどう声をかけて良いのか、分からなかった。
しかし、そんな時、家に訪れたのは、嶋さんだった。
彼の正体に関して、既に知っていた。
だからこそ、彼の言葉を聞いて、驚きを隠せなかった。
「刀磨君。
君はしばらく戦わないでくれ」
「えっ」
「どういう事ですか」
嶋さんの発言に驚きを隠せない剣崎さんは驚きを隠せなかった。
それと共に嶋さんの目を見つめる。
既に、彼は錬司を通して、俺達の正体を知っている。
だからこその言葉だと思えた。
同時に俺は
「分かりました」
「ありがとう」
「ぐっ」
エレファントアンデットと再び戦闘を行っていた剣崎は、その圧倒的な戦いに翻弄されていた。
その中で、剣崎の中で思い浮かんだのは、戦いを行く前に嶋からの一言だった。
「使命感か?
くだらない」
その正体はアンデットである事を既に知っているが、剣崎は僅かの間だが、確かに語り合った嶋の人柄から、既に信用していた。
イーグルアンデットとの戦いや、刀磨達との交流を通して、アンデットは敵ではない存在もいる事も十分に承知している。
だからこそ、嶋がなぜその言葉を言っていたのか、疑問に思う。
『カテゴリーKの言葉は間違いはない。
お前は何の為に戦うか』
「っ」
エレファントアンデットとの戦いを行う最中に聞こえる幻聴。
それによって、目の前の戦いに集中する事ができない。
エレファントアンデットの持つハンマーが剣崎の身体に当たる度に火花を散らしながら、後ろに下がる。
まるでダメージが通らず、困惑を隠せない。
「どうしても、こいつには勝てないのかっ」
思わず吐き出してしまう弱気の言葉。
『君は戦う事を使命とか義務と考えている。
そんな事では人は強くなれない』
『お前が本当に強い瞬間。
それは、本当に使命の為なのか』
重なる嶋と高原の声。
それに悩ます剣崎は戦いに集中できなかった。
だが、次の瞬間、エレファントアンデットの攻撃によって、吹き飛ばされた先に剣崎が見えたのは、逃げ遅れた女の子の姿だった。
「終わりだ」
「っ危ない!!」
そう言い、剣崎はすぐに女の子を守るように、その身を盾になるように前に出る。
だが、鳴り響く銃声と共に、エレファントアンデットの動きが止まる。
「なんだ」
「っ」
見ると、そこには先日のウルフアンデットの一件もあって、協力したアンデットハンター達だった。
彼らはその手に銃を持ちながら、エレファントアンデットを睨んでいた。
「無茶だ、逃げろ!!」
「例え敵わなくても、アンデットから人々を守る。
その為に、私達も戦う」
それと共に、彼らのリーダーである平井は叫びながら、銃を撃ち続ける。
「ふんっ、雑魚が」
そう言い、エレファントアンデットはその手に持つ鉄球をアンデットハンターに向けて、放とうとする。
「止めろ!!」
同時に走り出す剣崎。
だが、その鉄球は、アンデットハンターに当たる前に一つの風によって、遮られた。
「なにっ」
「嶋さん」
それを止めたのは嶋だった。
その行動に驚きを隠せない一同の中で、ゆっくりと剣崎を見つめる。
「答えは出たようだな」
「分かった。
俺の身体を動かすのは、義務や使命じゃない」
女の子を守ろうと、咄嗟に動いた瞬間。
そして、敵わないと分かっていたとしても、立ち向かう平井達の姿。
それらが剣崎の中の答えを出した。
「そこにいる人を守りたい。
そうだ、人を守りたいから、俺は戦っている」
「そうだ、それだよ、剣」
その言葉と共に、嶋は懐にある物を真っ直ぐと剣崎に向けて投げる。
「これは」
「それは烏丸所長から預かっていた物だ」
同時に見た瞬間、まるで身体が自然に動くように、2枚のカードを取り出す。
ラウズオブアブソーバーにクイーンのカードをセットする。
【アブゾーブクイーン】
同時にJカードをスキャンする。
【フュージョンジャック】
鳴り響く音声と共に、目の前に現れたのはイーグルアンデットの幻影だった。
『気づくのが、遅すぎますよ』
「高原」
『君がやられては、刀磨に申し訳ないからね。
何よりも、あいつにも負けたくないから、力を貸します』
「あぁ」
先程まで聞こえていた声。
それは幻聴ではなく、確かに高原の声だった。
同時にイーグルアンデットと一体化する事によって、その姿は大きく変化する。
黄金の6個の翼に加えて、本来のジャックフォームには存在しない武装まで合わさった。
ラウズアブソーバーが装着されていない方の腕には黄金に輝く鉤爪と一体化しているボウガンが装着されていた。
それこそ、新たな仮面ライダー剣 ジャックフォームの姿だった。
「っ」
姿の変化に驚きながらも、剣崎に向かって襲い掛かるエレファントアンデット。
その重い一撃を、剣崎は鉤爪で受け止めると共に、ブレイドラウザーで反撃する。
切り裂かれながら、後ろに後退するエレファントアンデットに追い打ちを行うように、鉤爪を前に出す事で、そこからは羽手裏剣がエレファントアンデットを襲い掛かる。
「その子の避難を」
「あぁ」
その圧倒的な力を目の前にしながら、アンデットハンター達は剣崎に戦闘を任せ、そのまま女の子を連れて、避難した。
同時に安心して、戦えるように、剣崎はラウズカードを複数取り出す。
『SLASH』『Thunder』『LIGHTNINGSLASH』
鳴り響く音声と共に剣崎は背中の翼を展開して、空中に飛び上がり、超スピードでエレファントアンデットに向かい滑空。
同時にその横にはイーグルアンデットの幻影が現れながら、剣崎の斬撃に合わせるように強力な斬撃をエレファントアンデットに与える。
「があぁぁぁ!!」
吹き飛ばされたエレファントアンデットは、その断末魔を上げながら、そのままバックルが開かれる。
それに合わせるように、剣崎はそのまま手に持ったラウズカードを使い、封印する。
「・・・」
同時に変身を解除する。
それと共に、一瞬だけだが、高原の幻影が見えた気がした。
「こういう気持ちかもしれないな、刀磨は」
アンデットと共に歩める可能性。
それを考えながら、頷く。
店長達と共に、戦いに向かった俺が見えたのは、以前に比べても確実に浸食が進んでいる世界だった。
その光景に驚きを隠せない中で、次々とメギドの手下であるシミーが大量に現れ、俺達に襲い掛かってくる。
「こうなったら、これを浸かってみるか」
そう言いながら、俺は先程ソフィアさんから貰った二冊のワンダーライドブックを取り出す。
「いや、いきなり2冊は無茶ですよ」
「えっ」
【怒りん坊なアヒル魔法使い。ドジな犬騎士】
倫太郎さんの言葉が届く前に俺はそのままキーブレードにかざしてしまう。
同時にキーブレードの先端が光輝いており、その光はよく見れば上に向けていた。
「上を開くのか?」
疑問に思いながら、俺は上にキーブレードを向けると共に、変身の時に行った動作とは逆に回す。
『2冊召喚解錠!怒りん坊なアヒル魔法使い!ドジな犬騎士!』
その音声と共に、上空の鍵はまるでドアのように開くと共に、二つの星が地上に向かって落ちると共に、目映い光を放つ。
「えっなに!?」
「分かりません。
これは一体」
疑問に思っている間にも現れたのは、そこには青い魔法使いを思わせる格好をしたアヒルと、背の高い盾を持った犬がいた。
「えっメギド、ですか?」
それを見て、倫太郎さんは疑問に思いながら構える。
「誰がメギドだ、失礼だなぁ!!」
すると、アヒルは大きな声で怒りながら、倫太郎に言う
「メギドじゃなかったら、君達は一体?」
そう言いながら、先生は犬に質問する。
「僕達はワンダーワールドの住人だよ。
僕達を呼ぶ声がしたから、来てみたけど」
「ワンダーワールドとの扉を繋げるって、もしかして」
それと共にキーブレードを見つめる。
ワンダーライドブックの力を引き出す事ができる。
「まさか、キーブレードは聖剣とは違い、ワンダーライドブックを通して、ワンダーワールドの住人を呼び出す事ができる」
「まさか、本当に物語の住人が出てくるなんて」
「とにかく、今はメギドをなんとかしないとな」
それと共に、俺達は一斉に構えた。