睦月さんの手には、既に封印されていた嶋さんのカードがあり、それを握っていた。
「間に合わなかった」
その事と共に、剣崎さんはそのまま膝から崩れ墜ちた。
だが、それとは裏腹に睦月が腕にある物に嶋さんのカードを挿入した。
【SPEAK キング】
「いいや、これで良かったんだ」
「えっ嶋さん!?」
それはこの場にいないはずの嶋の声だった。
驚きを隠せない剣崎は周りを見る。
だが、どこにも嶋の姿は見えなかった。
「もしかして、それって」
「俺特性のラウズアブソーバーだ」
「錬司」
それと共に聞こえた声に、剣崎さんと共に振り返る。
「カテゴリーAの支配する力に対抗するには、僕自身も彼と同化する必要があった。
だがらこそ、事前に錬司に頼んで、作らせたんだ」
「まぁ、昨日はあくまでも同化だけだから、キングフォームにもジャックフォームにもなれないけどな」
「剣崎さん。
俺、本当にまだまだ未熟です。
今も、こうして嶋さんが一緒じゃないと、簡単にあいつに意識が乗っ取られそうになっていますから」
そう言いながら、見つめた先には、レンゲルバックルが確かにあった。
「それでも、俺、仮面ライダーになりたい。
あの時の気持ちに嘘をつきたくないから」
それと共に、睦月が思い出したのは、特訓の最中で戦ったとある出来事だった。
モールアンデットとの戦いで暗闇による恐怖。
だが、人々の笑顔を見て、その恐怖を打ち破った時の出来事が睦月の中に強く刻み込まれていた。
「・・・嶋さん、睦月を頼みます」
「あぁ」
封印を防ぐ事ができなかった。
それでも、睦月さんが少しでも進もうとしているならば、見守る事が大切だ。
睦月さんの中にあるカテゴリーAとの戦いは未だに始まったばかりだから。
嶋さんが封印された一件は、未だに解決していない。
これから、レンゲルとして本当の意味で覚醒するのを待つ為にも、今は戦い続ける。
港へと辿り着くと共に、剣崎さん達が戦う最中で、俺は襲い掛かってきたアンデットを見つめる。
金色の装甲に金色のトゲに覆われた竜人のような姿をしているそいつは間違いなく、ファンロン・アンデットであり、未だに揃っていない残り少ないアンデットの一体だった。
「ここで逃す訳にはいかない。
変身!」
俺はその言葉と共に変身すると共に、その手に持ったブレードラウザーを構えながら、走る。
ファンロン・アンデットはその身体に巻き付いている鎖を俺に向けて放っていく。
鎖はまるで意志を持つように、自在に動きながら、襲う。
それに対して、俺は手に持ったブレードラウザーで斬りながら、その攻撃を避けていく。
ファンロン・アンデットの放つ鎖はとても硬く、ブレードラウザーで斬っても、火花を散らす程度であり、斬れる様子は見られない。
しかし、僅かでも攻撃の手を緩めてしまえば、確実に捕らえられ、負けてしまう。
だから俺は必死に動き回って、回避し続けるが、それは体力の限界と共に終わっている事を意味している。
「くっ!?」
遂に避けきれず、鎖に捕らわれてしまう。
身体は鎖によって、締め付けられていき、俺は苦痛の声を上げる中、ファンロン・アンデットは俺を見つめていた。
「グルルッ」
ゆっくりと、ファンロン・アンデットは俺の身体へと近付いてくる。
このままだと、負けてしまう。
そう感じた俺は、僅かに自由に動かせる手で、ラウズアブソーバーにアブソーブクイーンを入れる。
【アブソーブクイーン】【フュージョンジャック】
鳴り響く音声と共に、俺の身体は玄武の鎧を身に纏う。
先程以上に攻撃力と防御力が増した事によって、身体に巻き付いていた鎖を断ち切る事に成功する。
そして、同時にブレードラウザーを振り上げる。
『ハァアアッ!』
「グゥウウッ!?」
俺は声を上げながら、そのままブレードラウザーを振り下ろすと同時に、玄武の形をしたエネルギー波を放ち、ファンロン・アンデットを吹き飛ばす。
ファンロン・アンデットは叫び声を上げた後、体勢を整えて立ち上がる。俺はそんな奴に向かって構える。
相手も既に満身創痍だ。これ以上の攻撃を食らわせれば、倒せる筈だ。
俺はブレードラウザーを向けながら走り出し、ファンロンアンデットへと迫る。
それを見た奴は再び、無数の鎖を放つが、それよりも早く、俺は3枚のラウズカードをスキャンする。
【BLOW】【WATER】【VOICE】【WATERIMPACT】
その音声と共に、俺の拳は巨大な水に覆われる。
同時に迫り来る鎖とファンロン・アンデットに向けて、拳を振り上げる。
衝撃波と共に巨大な水の拳がファンロン・アンデットに向かって、襲い掛かる。
しかし、ファンロンアンデットは腕から生えた鎖を振るうが、その攻撃は防ぐ事ができず、吹き飛ばされる。
それが決定的な一撃となり、そのままファンロン・アンデットのバックルは開く。
同時に俺はラウズカードを投げ、そのまま封印する。
「これで、まだ封印されていないのは、カテゴリー10と、そしてカテゴリーK」
最後に立ち向かう為のアンデット。
「フェンリルアンデット」
メギドとの戦いは未だに激闘が続いた。
そんな中で、メギド達に味方をしている謎の仮面ライダーカリバーは、俺が1人の時を狙うように、その姿を現した。
警戒をしながら、そのまま手に持つキーブレードを構える。
「待て、俺は貴様に話があって来た」
「話だと?」
そう言いながら、警戒を行いながら、ゆっくりと構える。
「カリバー、お前の目的はなんだ」
「私の目的は真理を知る事。
その為に、私はメギド達と協力している。
本来ならば、真理の扉を開く為には儀式が必要だ。
だが」
その言葉と共に、目を向けたのは、キーブレードだった。
「ワンダーワールドとも繋げる事ができるそのキーブレードを使えば、真理の扉を開く事も容易だ。
だからこそ、貴様の力を私に貸せ」
「断る。
人々を犠牲にするようなお前に協力する理由はない」
「何かを犠牲にしなければ手に入らないものがある。
貴様も、知りたい事があるはずだ」
それと共に、カリバーはゆっくりと俺に尋ねてくる。
「確かにな。
このキーブレードをくれた人が、言った事は知りたい。
それでも、俺は店長と約束したんだ。
知りたい事は、仲間と協力して、探し出す」
「人や約束など信じるに値しない、信じられるのは絶対的なもののみ」
「あぁ、そうだな。
だからこそ、俺はその絶対的な事を信じている」
同時に俺は手を握り締める。
「なに?」
「俺が信じているのは、人や約束じゃない。
心だ」
「心だと?」
「あぁ、俺の心はみんなと繋がっている。
この戦いを通して、ソードオブロゴスの皆、助けた人々。
色んな人達が、俺の事を知ってくれている。
そんな、繋がる心が俺の力で、絶対的な物だ!」
「青二才が、良いだろ。
そのキーブレードを使う為にも、少し痛い目に合って貰う」
そう言いながら、カリバーはこちらに構える。
「悪いけど、こっちは負けるつもりはない」
その言葉と共に、俺は2冊のワンダーライドブックを取り出す。
【ジャアクドラゴン】【キングオブアーサー】
「それは、俺から奪ったジャアクドラゴン。
だが、それを使った所で」
「なんとかするんだよ!」
その言葉と共にキーブレードに2冊をスキャンし、そのまま横に回す。
【2冊解錠!めぐりあう鍵が心なき身体に魂を宿す!】
その音声が鳴り響くと共に、俺の身体は新たな姿へと変わる。
これまでの鎧を思わせる装甲から一変、まるで黒いコートを思わせる姿へと変わる。
同時に手に持っていたキーブレードは二つに分かれ、その姿を変える。
剣脊は「闇」という文字をモチーフにしているキーブレードと剣脊は「光」という文字をモチーフにしているキーブレード。
二つのキーブレードを手にしながら、そのままカリバーに構える。
「光と闇のキーブレードだと」
「さぁ、行くぜ、カリバー!」