未だに謎の多いBOARDの壊滅に関して調べていた。
「それにしても、結局、あのライダーは一体何だったんだ」
その中で、剣崎が気になったのは、自身を助けた謎のライダーだった。
BOARDを壊滅させたと思われる2体のアンデットと戦っている時に助太刀するように現れた存在。
その正体について、剣崎は思っていた。
「正直に言って分からない事だらけよ。
あんなライダーシステム、見たことないわ。
何よりも、あのアンデットよ」
同時に剣崎と同じくBOARDに所属していた広瀬はその画面を見せた。
アンデットサーチャーだった。
僅かに残っていた機材から取り出すと共に表示されたのは、研究所で剣崎と戦った二体のアンデット。
そこに僅かに残っていた記録には
「2体のスペードのカテゴリー5」
「同じカテゴリーが同時に現れるまでは分かるけど、種類まで同じなんて、あり得ないわ。
あのライダーは、何か知っていると思うわ。
もしかしたら「そんな事を言うなよ」けど」
「もしも、BOARDを壊滅させる事が目的だったら、あの時、俺を見殺しにもできたはずだ。
なのに、あのライダーは一緒に戦ってくれって言ってくれたんだ」
「だから、信じたいと言いたいの」
「そうだよ。
俺は、どうしてもあいつが敵だとは思えないんだよ」
『いやぁ、本当にごめんね、迷惑をかけて』
「別に問題ないよ。
なんとか正気に戻って良かったよ」
そう言いながら、俺はゆっくりとビルの屋上で景色を見ながら、アバドン・アンデットと話をしていた。
明るい声が聞こえ、気分が少し落ち着きながら、それと共にゆっくりと息を吸う。
「それで、アバドン。
何か覚えていないか?
封印が解除された時の記憶は」
『それは、分からない。
最後の記憶もいきなりカードから飛び出した時しか覚えていなくて』
『おそらくは、実験の事故だと思う。
だが』
「あぁ」
アンデットの封印はかなり強力だ。
その封印を解く方法も、今の所は特定の方法しか解放できない。
しかも、他のアンデット達とは異なり、アバドン達は自身から封印されている。
だからこそ、自分の意志ではなく封印が解除されるのは、不可能に近い。
「あの実験で、そこまで。
いや、そもそも、本当にあの実験は事故だったのか?」
キングフォームになる為の実験。
それは最強の力を手にするのと同じ事だ。
それを阻止したい勢力はおそらく多く存在する。
「あぁ、もぅ疑心暗鬼は止めだ!
とにかく、今は他の皆を見つけて、元の時代に帰る。
その事だけを考えよう」
『・・・本当にそれで良いのか?
天王寺が裏で何かしているとはいえ、おそらくこれから起きるだろう悲劇を回避できる。
それには、賭けないの』
アバドンは、そう俺に心配そうに言う。
「・・・確かに俺達の行動で救える命があるかもしれない。
けど、その行動がもしかしたら別の悲劇を起こす可能性もある」
俺は、静かに呟くように言った。
この世界には、今だに来たばかりだ。
俺は、これから起こる出来事を断片的だが、確かに知っている。
そして、その中には俺達が関わらなくても解決できる事件もある。
『だからと言って、目の前の命を見捨てる理由にはならない』
ケルベロス・アンデットはそう、俺にゆっくりと語りかける。
『私達はこの時代では異物だ。
だけど、この時代の人達だって生きているんだ。
ならば、私達の出来る事をやるべきだ』
「そうだな」
俺は小さく笑いながら答える。
確かにケルベロスやアバドンの言葉正しい。
この世界に生きる者にとって、自分達以外の存在なんて関係ない。
それでも、俺は目の前にいる誰かを助けたいと思ったのだ。
それが例え、傲慢であっても、偽善でも構わない。
ただ、それだけなのだ。
『刀磨、アンデットの気配が。
これは天文台だよ』
「分かった」
俺はその言葉と共に俺は近くにあるバイクに乗り込み、そのまま目的地である天文台に向かって、走り出す。
天文台の近くに行くと、アンデットの気配が確かに感じた。
同時に俺はそのままバックルを腰に巻く。
「変身!」
【TURNUP!】
ベルトの音声と共に、俺は刀へと変身する。
それと同時に、アンデットのいる場所へ走る。
その場所に着くと同時に、そこにいたのはプラントアンデットが人々を襲おうとしていた。
俺はすぐにバイクを踏み台にして、そのまま人々を襲おうとしていたプラントアンデットに向かって、切り裂く。
「グギィ!!」
俺の存在に気づいたプラントアンデットはすぐに俺の方へと視線を変える。
「逃げろ!!」
俺はすぐに後ろにいる人に向けて言うと共に、そのまま剣を振り下ろす。
その一撃を受けたプラントアンデットは俺に向けて右手から蔦を俺に向けて放つ。
だが、それを俺は左腕で防ぐ。
植物型のアンデット故か、植物の根のような触手を伸ばす事が出来るようだ。
だが、それも俺の腕を貫く事は出来ない。
腕の痛みに耐えながらも、プラントアンデットの攻撃を防ぐ。
そして、右腕の剣を振るう。
「グギャァアアア!!」
斬られたプラントアンデットは後ろへと下がる。
だが、同時に右手の蔦を硬質化させ、俺の武器を弾き飛ばす。
「っ!?」
俺は弾かれた衝撃で地面に倒れる。
それと共に、プラントアンデットが俺に攻撃を仕掛けようとした時だった。
「変身!」
だが、プラントアンデットが俺に攻撃を仕掛ける前に、その攻撃を誰かが防いだ。
驚きを隠せない中で、見つめた先には、剣崎さんがいた。
その光景は先日とは本当に真逆だった。
「一緒に戦ってくれるか」
そう、問いかけた言葉に対して、頷きながら、その手を握った。
同時にプラントアンデットがこちらに向かって襲い掛かる。
だが、剣崎さんはそれに臆する事なく立ち向かう。
振り下ろされた爪による攻撃を避け、剣で反撃を行う。
だが、それに対しても、蔦でガードを行う。
しかし、それは決定的な隙であり、俺はプラントアンデットの懐に入り込み、一閃を放つ。
それによって、プラントアンデットは怯む。
その間に、剣崎さんが俺の元へと近づき、共に戦う。
お互いがお互いに背中を任せるようにしながら、プラントアンデットに攻撃を続ける。
戦いは拮抗していた。
お互いの能力を把握している事もあって、互いの動きを理解していた。
だからこそ、互いにフォローし合いながら、確実にダメージを与えていく。
「決めるぞ!」
その言葉と共に、俺達はそのままラウズカードを構える。
【KICK】
鳴り響く音声と共に、俺達は飛び上がる。
空中で蹴りの体勢を取る。
それと共に、プラントアンデットは蔦で防御を行い、俺達の動きを止めようとする。
だが、互いのアンデットの力の共鳴なのか。
その威力は、今まで以上の力を発揮させる。
その勢いのまま、俺達はそのままプラントアンデットに向かって、キックを放った。
その攻撃を受けたプラントアンデットは断末魔を上げ、爆発した。
同時に地面に降り立つと共に、俺はそのままラウズカードを真っ直ぐとプラントアンデットに向けて投げる。
それによって、プラントアンデットは封印され、そのまま俺の元にラウズカードを手に取る。
「ありがとう、助けて貰って」
「良いんだ。
なぁ、良かったら、俺と一緒に戦ってくれないか。
あんたは、俺の味方なんだよな」
そう、剣崎さんは、そのまま尋ねる。
「ごめんなさい。
今は、一緒には戦えないんです」
今だに天王寺が表に出ていない限り、一緒に戦う事はできない。
それを行えば、きっと剣崎さんを傷つける事になる。
その言葉を最後に、俺はゆっくりと彼から離れる。
「そっか」
それと共に少し残念そうに呟く剣崎さん。
だからこそ
「ブレード」
「えっ?」
「仮面ライダーブレード。
それが俺の名です、仮面ライダーブレイド」
その言葉を最後に、俺はその場から離れていった。
2人の仮面ライダーの共闘。
それを見ていたのも、また2人のライダーだった。
「・・・何者だ、奴は。
まぁ良い」
その内の1人は、カリスと呼ばれるライダーだった。
彼はそのまま少女を抱えて、その場からゆっくりと離れていく。
そして、もう1人は天文台の上で見ていた。
その姿はケルベロスをモチーフにしていた刀とは違った。
身体の様々な箇所には蛇を思わせるパーツがあった。
その容姿は、この時代で活躍するライダーであるギャレンによく似ていた。
バックルからラウズカードを取り出し、変身を解除する。
「・・・報告、刀が剣と接触」
それと共に耳にあるイヤホンに話しかける。
しばらくノイズがかかると共に、やがて1人の老人の声が聞こえる。
『ケルベロスのデータが欲しい。
奴を倒し、ケルベロスを奪え』
「了解」
聞こえた声に従うように刀磨を見つめる男。
その手には無数の蛇の頭を持つ絵が描かれたラウズカードがあった。
そして、その真ん中にはAの文字が刻まれていた。