それを見ていた2人は、瞬時に、懐からラウズカードを取り出す。
先程の攻撃で完全に倒せたどうか分からない以上、油断できない為、確実に封印する為にラウズカードを投げる。
しかし、ラウズカードは当たらなかった。
「完全に消滅したか」
「あぁ、そうだと良いが」
「やはり、ジョーカー相手に、そのまま勝負するのは駄目か」
「っ!!」
聞こえた声に振り返る。
そこには、先程まで戦闘を行っていたはずの天願寺の姿だった。
「お前、なぜっ」
「それはあの方のおかげだからさ。
あの方は随分と怒りを買ったようだね。
特に、君と剣崎一真には」
そう言いながら、笑みを絶やさない天願寺に対して、すぐに戦闘態勢を取ろうとしたが、迫り来る足音を聞こえた始達は
「逃げるしか無いか」
「目的は達成させたからな」
その言葉と共に虎党はその身体をケンタウロスを思わせる姿に変え、始を背負い、すぐに駆け出す。
それに対して、追撃もせず、天願寺はただ笑みを浮かべながら、見つめる。
「この先に、カテゴリーキングが」
「あぁ、そのはずです」
そう言いながら、巧と橘は目的の存在であるカテゴリーキングの元に向かっていた。
「それにしても、未来の世界で、俺が人造アンデットを作るとはな」
「信じられないですか?」
「まぁな。
本当の事だとしても、それを未だに信じられない自分がいる」
「確かにそうかもしれません。
けど、実際に、俺にとっては橘さんは恩人ですから」
「俺が?」
そう疑問に思った橘は思わず巧に聞いてくる。
「俺は、あなたの言う所の未来において、SATの狙撃手として活動していました。
だけど、ある任務でミスをして敵に捕まったんです」
「ミス? 一体どんな失敗をすれば、お前ほどの男が捕まるんだ?」
「あの時は、俺自身もまだまだ未熟でした。
そんな時、俺を助けてくれたのが、あなただったんです」
ダークローチが大量に現れた時、当然巧もまたSATとして、その対応を行っていた。
だが、ダークローチに徐々に追い込まれていく中で、巧を助けたのが、橘だった。
生身でありながら、その手にはキングラウザーを手に持ちながら、襲い掛かるダークローチを倒しながら、巧を救った。
以降、巧にとっては、命の恩人でもあった橘を尊敬し、彼を助ける為にライダーシステムの適合者として活動を行っていた。
「だからこそ、俺はあなたに恩返しをしたい。
もしかしたら、この世界では本来の運命が変わり、あなたと出会わないかもしれない」
「そうか、なんというか、少し不思議な気分だ。
本来の道から外れていたはずの俺が、本来の道を辿っていた俺に助けられた、そんな気分だ」
「おしゃべりは、そこまでにしてくれないか」
同時に聞こえた男の声に、2人は構える。
アンデットサーチャーには確かに反応があり、目の前にいる男が、カテゴリーキングである事は間違いなかった。
「カテゴリーキング」
「お前を封印する」
「なぜだ?」
同時に出てきたのは、カテゴリーキングこと、金居からの疑問の声だった。
「なぜだと?」
「お前らも既に分かっているはずだ。
この状況、お前達にとっても不都合なはず。
戦力が欲しい状況で、俺を封印する事に何の意味がある」
「元々、お前を封印する事には変わりない。
何よりも、ギャレンのキングフォームにはお前が必要だからだ」
「キングフォーム、確かに強いだろう。
だが、それは俺をお前達の戦力として加えれば、解決する話だ」
同時に金居は笑みを浮かべながら、再度尋ねる。
「お前達があのアンデット擬きとそれを操る奴らと戦うのは知っている。
俺も正直に言って、邪魔な存在だからな。
手を組んでも良いと思っている。
そんな俺を、なぜ封印する」
「決まっている。
例え、お前が協力しても、おそらくは途中で裏切る」
「信頼しないんだな。
同じカテゴリーキングであるはずのタランチュラは信じるのに」
「あぁ、僅かだが、俺は感じる。
お前からは伊坂と同じ気配がな」
「まったく、これだから、人間は」
そう言いながら、諦めたように金居はその姿をカテゴリーキング、ギラファアンデットへと変わる。
「ここで、始末する」
「いいや、俺達が」「封印する!!」
「「変身!!」」
【TURNUP】
同時に、鳴り響く音声と共に2人は仮面ライダーへと姿を変え、戦いが始まる。
今回は応募にあった短編の一つとして、仮面ライダーゼロワンを採用させて貰いました。
リクエストしてくれた烈 勇志さん、ありがとうございます。
また、少し応募内容とは異なるかもしれませんが、すいません。
「ブラック企業が」
そう言いながら、俺は現在働いているA.I.M.S.での状況を思い出しながら、思わずため息を吐いてしまう。
このA.I.M.S.というのは、ヒューマギアの人工知能特別法違反を取り締まる権限を持つ組織だ。
暴走したヒューマギアに対処するべく、武力も保持している。
だが、その労働環境は、はっきり言えば、ブラック企業も逃げ出す程のブラックぶりである。
人間を遙かに超える身体能力と知能を持つヒューマギアに対抗する為に、日々A.I.M.S.で行われる訓練ははっきり言えば、地獄と変わりない。
その上、隊長である不破さんはほとんど書類は手は取られないし、も1人の上司である刃さんは技術提供してくれるZAIAエンタープライズに行ったきりだ。
結果、書類関連の仕事は、ほとんど俺がやる事になっている。
「おい、仕事だ」
その言葉と共に隊長の不破さんが飛び込んできた。
「えっ」
そうしていると、俺の元に現場の仕事に向かう指示が来ていた。
「いや、俺、まだ前回の仕事の書類が」
「早く来い!!!」
「えっええぇ!!!」
そう俺の反論を聞く耳を持たず、不破隊長に連れられた。
そうして、向かった先には、既にヒューマーギア達が暴れており、それを見た不破隊長はいつものように怒り狂ったように、その手に持つプログライズキーを持つ。
「ヒューマギアは一匹残らず、叩き潰す!!変身!!!」
それと共にすぐに不破隊長は、仮面ライダーバルカンへと変身し、そのままマギアの集団へと突っ込んでいく。
「あぁ、もぅ、仕方ないな」
そう言いながら、俺もまた手にプログライズキーのスイッチを押す。
【AQUA】
鳴り響くプログライズキーと共に、俺は懐から取り出したアイテムに装填する。
それは、不破さんが持つショットライザーと同時期に開発されたアイテム、エイムズスラッシュライザーだ。
不破さんがショットライザーを持ち出した翌日に、刃さんが俺を不破さんのお目付役という事で渡されてしまった代物だ。
そのせいで、現場で他のメンバーよりも連携が取れるという事で、不破さんに連れて行かれる事が多くなった。
【カメンライダー!カメンライダー!】
スラッシュライザーから鳴り響く音声と共に、俺は襲い掛かる敵に対して、ゆっくりと構えながら、その攻撃を受け流しながら、ゆっくりとそのスイッチを押す。
「変身!」
【スラッシュライズ!ダイビンググランパス!】
音声が鳴り響くと同時にスラッシュライザーの刃先から、シャチ型のライダモデルが飛び出し、周りにいるマギアを切り裂きながら、俺は変身する。
不破さんが変身するバルカンというよりも、最近になって知り合った元お笑い芸人であり、現社長である秘電或人が変身するゼロワンに似ている容姿をした姿へと変わる。
「さて、行きますか」
同時に俺が構えると共に、走り出すのに合わせるように、周りを見つめる。
このダイビンググランパスは、空気中の水分を限定的だが操る事ができる。
それによって、足に纏う事によって、通常よりも早いスピードで動く事ができる。