仮面ライダー刀   作:ボルメテウスさん

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「天音ちゃんがっ、分かったすぐに行く!」
睦月からの連絡を受けた始はすぐに天音の元へと向かう為に走りだそうとする。
「待て、お前が行って、どうするつもりだ」
そう、始を呼び止める橘。
そんな橘に対して、始は振り返ると共に
「例え、戦えなくても、俺はあの子を守る為に」
それと共に睨み付ける。
「ならば、これを持って行け」
始のその言葉を聞くと共に、橘はある物を投げ渡した。
「これは」
「戦うのだったら、それで戦えば少しはマシなはずだ」
「・・・感謝する」
その言葉と共に始もまた向かう。
「さて、こちらも動くとするか」
それと共に橘もまた、動き始める。


第46話

 中学生に進学した天音。

 

 彼女は自宅への帰り道に、その存在は襲われた。

 

「なんで、またあいつらがっ」

 

 そう言いながら、後ろから襲い掛かってくる存在は、かつて天音を襲ってきた数々のアンデットだった。

 

 アンデットの集団はそのまま天音を空から、地上から次々と現れ、襲い掛かる。

 

 やがて、天音の足下に小さな小石によって、こけてしまう。

 

「痛いっ」

 

 その瞬間を待っていたかのように、アンデット達は一斉に天音へと飛びかかる。

 

 だが、そこに現れた人影が、手にした剣を振るうと、アンデット達は全て切り裂かれる。

 

「えっ」

 

 その姿を見て、驚きを隠せなかった。

 

 その姿は天音にとっても馴染み深い人物であったから。

 

「剣崎さん?」

 

 目の前にいるのは、仮面ライダー剣の姿だったからだ。

 

 そう、天音は尋ねる。

 

「大丈夫だったか、天音ちゃん」

 

「その声は、もしかして始さん!?」

 

 だが、聞こえたのは、始であった事に、驚きを隠せなかった。

 

「どうして、それに?」

 

「……剣崎が置いていったのを使わせて貰っている」

 

 現状、始がカリスに変身すれば、ジョーカーの本能が活性化する可能性がある。

 

 そのリスクを少しでも減らす方法として、かつての戦いで置いていった剣崎の変身アイテムであるブレイドバックルを借りて、仮面ライダー剣として戦う事にした。

 

 決して暴走する可能性が無くなった訳ではないが、それでも十分に抑えて戦う事ができる。

 

 同時に始は手に持ったブレイドラウザーを逆手で構えながら、アンデットの前に立つ。

 

「この子に、手を出すな!」

 

 同時に襲い掛かるアンデットとの戦いが始まる。

 

 意図的に融合係数を低くしている為、かつての剣崎のような高い能力は発揮できていない。

 

 それでも、ジョーカーとしての戦闘経験が始を動かしたのか、目の前に襲い掛かるアンデットを斬り捨てる。

 

 だが、数が多すぎるため、全てを相手にする事ができない。

 

 そして、背後からもアンデットが迫ってくる。

 

 それを察知した始は、即座に振り向き、襲いかかるアンデットの攻撃を回避しながら、カウンターで蹴り飛ばす。

 

 そのまま、さらに迫りくるアンデットに対して、再び攻撃を加える。

 

 その一方で、背後からの攻撃を察知すると、すぐさま反転して、その勢いのままアンデットを切り裂く。

 

 戦い方そのものは以前ほどではないが、それでも十分に戦えるだけの力がある事は確かだ。

 

「このままじゃっ」

 

 そうした時だった。

 

 アンデットの集団の一部が吹き飛ばされた。

 

「お待たせしましたっ」

 

「ちっ」

 

 そこにいたのはグレイブに変身している純一と、ラルクに変身している三輪だった。

 

 どうやら二人とも、駆けつけてきたようだ。

 

 二人はそのままアンデットに向かって攻撃を仕掛けていく。

 

 一方、始は三人が来た事で、状況が一気に変わる。

 

 三対一という数的優位が生まれた事で、一気にアンデットの数を減らしていく。

 

 それと共に、アンデットも少しずつ封印していき、徐々に数を減らしていく。

 

 だが

 

「っ!」

 

 そんな始に襲い掛かったのは2体のアンデットだった。

 

 それは

 

「カテゴリーAっ」

 

「さらには、カテゴリーキング!」

 

 それはスパイダーアンデットとタランチュラアンデットの2体だった。

 

 その2体のアンデットは、その基礎能力は同じなのか、その手から蜘蛛の糸を出しながら、始達に仕掛ける。

 

 その糸を避けながらも、すぐに2体のアンデットに切りかかる。

 

 しかし、その動きに合わせて、別のアンデットが始に向けて突進を仕掛ける。

 

 だが、そこに割り込むように、ラルクが割り込み、タックルを喰らわせると同時にラルクはその手にあるラルクラウザーでの射撃を2体のアンデットに向かって放つ。

 

 しかし、上級アンデットの実力は確かであり、弾丸を避けるだけではなく、すぐに糸で3人を拘束する。

 

「ぐっ、このままじゃっ」

 

 糸によって、身動きが取れなくなった始は、どうにか脱出しようと試みるが、それを嘲笑うかのようにアンデット達はゆっくりと近付いていく。

 

 その時

 

【マイティ】

 

「おらぁ!!」

 

 そんなアンデットの一体であるスパイダーアンデットを不意打ちで禍木が一撃を放つ。

 

 それに驚きを隠せない様子でスパイダーアンデットはそのまま吹き飛ばされる。

 

 同時に禍木はその手にラウズカードを投げ、封印する。

 

「よしっ、一気に決めるぜ、先輩!!」

 

 それと共に、禍木が投げた先には、レンゲルバックルを手に持ち、その中にラウズカードをセットする。

 

「変身!」

 

【OPENUP】

 

 鳴り響く音声と共に睦月もまた仮面ライダーレンゲルへと変身する。

 

「それじゃ、一気に決めるぞ」

 

「あぁ!!」

 

 その言葉と共に、禍木と睦月は同時に武器を構える。

 

 ランスは元々、レンゲルの発展型として開発されていた。

 

 だからこそ

 

「はぁ!!」

 

 そう、互いの動きは予測できる。

 

「ふっ」

 

 その手にしたランスラウザーを振り回す。

 

 それに対して、タランチュラアンデットはその攻撃に対して、回避し、その腕を掴む。

 

「甘いな」

 

 その瞬間、レンゲルは背後からタランチュラアンデットにレンゲルラウザーで突く。

 

 その攻撃を受けて、一瞬怯んでいる間に、ランスは瞬時にランスラウザーで薙ぎ払う。

 

 ランスとレンゲルの2人の連携によって、タランチュラアンデットは吹き飛ばされ、地面に倒れる。

 

「……嶋さん」

 

 そう、一瞬、悲しそうに睦月は呟きながら、その手に持ったラウズカードをタランチュラアンデットに向けて、投げる。

 

 投げられたラウズカードはそのままタランチュラアンデットを封印する。

 

「見たかよ、この連携を」

 

 そう、禍木はそのまま睦月の肩を叩く。

 

「禍木、あんた何時の間にそんなにレンゲルと仲良くなったんだ?」

 

「いやぁ、就職で少しな」

 

 そう三輪は禍木を呆れた様子で見つめる。

 

「とりあえず、これで残るキングは一体!! 

 

 楽勝だぜっ」

 

「だと、良いけどな」

 

 そう、純一は心配そうに呟く。




今回の小説では短編募集にありました、戦国凌馬と高虎の2人の部下ポジションの話です。
凌馬が貴虎を裏切ったのは、自分の理想の人物ではなかった為。
ならば、もしも理想の人物のままだった場合は、どのような道に行くのかという感じで、書かせて貰いました。

運命は、小さなきっかけで大きく変えていく。
「でも、量産ベルトよりも、もしかしたら強いベルトが必要かもしれませんよ」
病室で休んでいた貴虎に対して、その男は言う。
「強いベルトだと?
それは、どういう事なんだ?」
貴虎はその部下の事をよく知っている。
だからこそ、その発言に疑問に思い、聞く。
「インベスという脅威がある以上、例え量産型ベルトが増えても、インベスに食い殺される可能性があります。
でしたら、反対にインベスというよりも、せめてクラックやあの植物を操れるベルトがあれば、量産型ベルトの開発にかかる時間を増やせると思いまして」
「・・・確かに、そうかもしれない。
だが、今の現状で果たして可能なのか」
そうしながら、貴虎は部下の言葉と共に思い悩む。
そんな時、部屋に入ってきたのは、凌馬だった。
「何やら面白い話をしているけど、何の話かね?」
そう、凌馬は資料を持ちながら入ってきた。
「凌馬か、いやなに。
このままベルトの開発は進めても良いが、どの方向性で行くべきかと思ってな」
「方向性だって?
君は仕事熱心なのは良いけど、今は身体を休みたまえ」
「あぁ、けど、この課題はかなり大きいからな」
「それはどういう感じでだい?」
「単純な戦闘能力ならば、凌馬は問題なく行えるだろう。
だけど、俺としては、ヘルヘイムの森のクラックまたは植物を操れる方法はないかと相談されてね」
「なるほどなるほど。
その考えは正しいかもね」
「量産型を作るにしても、人々からの脅威を守る存在が絶対じゃないといけない。
だとしても」
「まったく、本当だったら君が退院してから見せるつもりだったけど、これも必要そうだな」
そう言い、凌馬が渡したのは一枚の資料だった。
「これは」
「ヘルヘイムの森に生息するインベスとはまた違う生命体だ。
この生命体、どうやらヘルヘイムの森のクラックも植物も操れるらしい」
「本当なのかっ!」
「まだ、核心じゃないけどね。
だが、彼らと接触できれば」
「あぁ、人類を救う事も可能かもしれない」
そう写された写真を見ながら言う。
「だが、それが可能という事は、それだけ強力な存在。
つまりは、インベスよりも遙かに強いのは確実だ」
「勿論だ、だからこそ、今、君はその体の治療に専念してくれ。
なぁに、ベルトの実験台には、彼が丁度良いじゃないか」
「また、俺ですか」
そう言いながら青年は少し呆れた様子で付き合う事になった。

青年
貴虎と凌馬の部下にして、現場の指揮も行う中間管理職。
いじめやパワハラなど、社会の『理不尽』が大嫌いで、直面すると皮肉と毒気たっぷりに抵抗する。
だが、凌馬には人体実験といわんばかりの実験に付き合わされる事は多々あり、そのおかげでベルト開発が順調に進むという皮肉な結果になる。
ブラック企業の上司のような化身である凌馬と、ホワイト企業の上司のような存在の高虎に挟まれながら、仕事を行っていく。
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