「えぇ、直前で倒したアンデットの能力を使って、逃走しました」
「なるほど、やはりアンデットの能力を熟知している向こうの方は強い訳か」
「基本性能はギグスの方が優れているとはいえ、刀がこのままラウズカードが集まれば、おそらくは」
「ふむ、ならば、彼らにも働いて貰おう」
「まさか」
「あぁ、彼は彼らの事を心底信じている。
だからこそ、彼らには全うして貰おう、餌として」
「それでは、本来の計画に支障が」
「ケルベロスが手に入れば、既に用済みだ。
まぁ、データは取り続けるように」
「あれは間違いなく巧さんだと思う。
それについては、どう思う」
そう言いながら、俺は部屋の真ん中で、3枚のラウズカードを並べながら、問いかける。
『間違いないだろう。
あの威力は、まだ融合係数が低いギャレンでは出す事が不可能なぐらいの威力だ』
ケルベロスの言葉に同意するように、他の皆は否定しなかった。
だとしても、どうして巧さんが、俺を襲ったのかが、分からない。
「あの時の実験で、一緒に巻き込まれたという可能性はあると思うけど、だとしてもなんで俺を襲うんだ?」
元の時代でも、俺達は仲間だった。
その事実があるからこそ、余計に今の状況は理解できない。
『気になる事が他にもあるわ。
ねぇ、ケルベロス、アバドン。
あの時、巧さんの持つラウズカードから声は聞こえた?』
『えっ、ラウズカードから?』
『そういえば、聞こえなかったような気がする』
「それは、一体」
ラウズカードに封印されているアンデット達には意識がある。
それはこの時代においても、スパイダーアンデットなどが良い例だ。
「それは一体、どういう事なんだ」
『それは、分からない。
けど、今、行うべきなのは』
「あぁ、アンデットを倒しに行こう」
その言葉と共に、皆の声に従うように、向かった。
その向かった先には、雪山だった。
周りは雪で覆うように白い世界が広がっている。
だが、そんな世界に似合わない存在がいた。
一体は、ヘラジカの祖を持つアンデット、ディアーアンデット。
そして、そんなディアーアンデットと戦っているのは、この時代の仮面ライダーの1人であるギャレンこと橘さんだった。
だが、その戦いは明らかに一方的戦闘だった。
ディアーアンデットが手に持った2本の七肢刀でギャレンが追い詰められていた。
「橘さん!!」
その声と共に、見つめた先には剣崎さんだった。
それに合わせるように、俺もまた構える。
「変身!」
俺も合わせるように、すぐに変身する。
そのまま腰に太刀を持ち、剣崎さんと合わせるように駆け出した。
「刀っ!」
「あぁ!!」
剣崎さんの言葉と共に、橘さんに襲い掛かろうとしていた2本の七肢刀を剣崎さんと合わせるように防ぐ。
しかし、その一撃は重く、吹き飛ばされてしまう。
「どけっ!!」
そんな俺達を橘さんは吹き飛ばし、そのままギャレンラウザーをディアーアンデットに向けるが、それを簡単に避けて見せた。
「今の橘さんじゃ」
今の橘さんの実力では、おそらくこの相手を倒す事は出来ないだろう。
それどころか、下手したら殺されるかもしれない。
例え、殺されないと分かっていても、ここで戦わないといけない。
「はああぁぁぁ!!」
そんな橘さんを援護するように、俺は剣を振るう。
その一撃は確かにディアーアンデットを捉えたが、それでもダメージはない。
だが、その攻撃で橘さんは距離を取る事が出来た。
そして、剣崎さんと合わせるように、俺達はディアーアンデットに向かう。
だが、その動きに対して、ディアーアンデットはその角から雷を飛ばす。
だが、俺達はその雷を避けると共に、同時にラウズカードをスキャンする。
【KICK】
俺と剣崎さんの武器から音声が鳴り響くと共に、その脚に力が溜まる。
そのまま俺達が跳び上がると同時に、ディアーアンデットに向けて、両足をぶつけるように振り下ろす。
それと同時に発生した衝撃波によって、ディアーアンデットは吹き飛ばされ、木へと激突した。
それを見ながら、ディアーアンデットに向けて、剣崎さんはそのままラウズカードを投げる。
投げられたカードは光となり、ディアーアンデットを包む。
「橘さんっ!」
そう剣崎さんが橘さんの元へと向かおうとした時だった。
「っ!」
同時に感じた殺気。
振り向くと、そこには1人の男がいた。
その手に持っているバックルと、そこに装填されたラウズカード。
描かれているのは、9つの首がある蛇だった。
「あれはっ」
「変身」
【TURNUP】
その言葉と共に、姿が変わる。
その姿はギャレンと連想させながら、身体の各パーツには蛇を思わせる鎧が纏っていた。
明らかに、その姿は巧さんが変身するギグスだった。
同時に、その両手に持つ銃を俺達に向けていた。
「っ!!」
手に持った太刀を構え、その銃弾を剣崎さんから守る。
「刀っ!」
その声を聞きながらも、目の前にいる巧さんに向かって走る。
「お前、一体何者なんだっ」
そう、剣崎さんはそのライダーに向けて叫ぶ。
だが、そんな剣崎さんの言葉を余所に巧さんは引き金を引く。
放たれた弾丸を太刀で弾き、そのまま斬りかかる。
しかし、その攻撃をあっさり避けられてしまう。
そして、そのまま蹴り飛ばされる。
その威力は高く、地面に叩きつけられてしまう。
だが、すぐに起き上がり、再び構える。
それに対して巧さんは、無言のままに銃口を向けてくる。
その行動に一瞬だけ、戸惑ってしまう。
「お前っ、一体、何が目的なんだ」
「貴様はターゲットじゃない」
その言葉と共に巧さんは剣崎さんを撃つ。
その銃撃を防ぐ為に、俺も剣崎さんの前に立ち、太刀を構える。
だが、そんな俺達の行動をあざ笑うかのように、そのまま撃ち続ける。
そして、その一発が俺の腹部に当たり、吹き飛ぶ。
そのまま木に衝突し、倒れる。
痛みはあるが、致命傷ではない。
それに剣崎さんは、なんとか回避できたのか、無事だった。
その事に安心しながらも、俺は立ち上がる。
このままではまずい。
あの人は、俺達を殺すつもりだ。
その事実が、今の状況が分かる程に伝わってきた。
(なら、どうすればいい)
今、この状況を打開できる手段を考える。
この場に、この人を止める事が出来る人物はいない。
「剣崎一真、邪魔だ」
同時に片方の銃から、ラウズカードをスキャンする。
【BARRETT】
その音声が鳴り響くと共に、両手の銃をこちらに向ける。
同時に、その銃口からは、大量の弾幕が発射される。
俺達は、そのままダメージを受けてしまう。
吹き飛びながらも、俺達は変身解除までには至らなかった。
ただ、ダメージが大きい。
変身しているとはいえ、それでもかなりのダメージを負ってしまった。
だが、ここで倒れる訳にはいかない。
今の巧さんは何かが可笑しい。
俺はなんとか、立ち上がろうとしたが
「っがぁ!!」
「んっ?」
そんな時、巧さんの様子が可笑しい。
『あれ、刀磨。
今、一瞬だけど、あの子から声が聞こえた』
「なに?」
それに俺は疑問に思う。
「がっぐぅ、了解。
帰還する」
その様子に疑問に思いながら、そのまま巧さんはその姿を消えた。
一体、何が起きたんだ。
キャラクターファイル
仮面ライダー刀
チェンジケルベロスを使用して、変身するライダー。
新世代のライダーの1人であり、剣・グレイブの2人のライダーのデータを元に開発されたライダー。
外観は侍を彷彿させるボディに、スペード(♠)とAのカードに封印されたケルベロスををモチーフとしたマスク、基本カラーは青いスーツと銀色のアーマーで複眼の色は赤。マスクの銀色パーツはクリアパーツで覆われている。
近接攻撃を得意とする為に、専用武器・醒刀ブレードラウザーを用いた剣戟を得意としている。
また、カードが仕舞われているのは、ブレードラウザーの鞘に納められている。
この鞘自体も高い防御力を備えており、武器や盾としても活用できる。
基本性能は開発された新世代ライダーの中でも一番低いが、刀は融合係数と封印された人造アンデットの性能を十全に使う事を前提にして作られている。
その為、融合係数が上がる程に、その性能は群を抜いて強くなる。
剣崎一真のキングフォームを再現する為に作られている事もあって、見た目は剣の要素が強く出ている。
現在、刀以外にもギグスを始めとしたライダー達のラウズカードも募集しております。
皆様の応募、お待ちしています。