「あぁ、私も少し見たが、あれはこれまで開発した事のないライダーシステムだ」
「それって、やっぱり謎が多いのよね。
ブレイドとギャレンがそれぞれ2人いるなんて」
「それって、カテゴリーA以外のカードで変身したという事?」
「それはあり得ない。
カテゴリーA以外でのライダーシステムを作るのは難しい」
「だったら、一体」
「少なくとも、ブレードは俺達の味方だ。
これまでだって、何度も助けてくれたし」
「あぁ、だとすればもう1人は一体何が目的なんだ」
工場。
そこに訪れた俺の前に現れた巧さんを見ながら、俺はバックルを腰に巻く。
この時期で起きる大きな出来事。
それは剣崎さんと始さんの2人が戦う。
本当ならば、橘さんの元へと向かうべきだろう。
だが、俺がここに訪れたのは一つの目的があってだ。
「やっぱり来たか」
これまでの戦いで分かった事。
それは、巧さんがどういう訳か、俺を狙う動きがある。
だからこそ、人を巻き込まない、ここで待っていた。
そして、その狙いが当たるように、ゆっくりとギグスへと変身した巧さんが姿を現した。
「あんたが、これ以上、剣崎さん達を傷つけるならば、俺は、本気であんたを止める!」
俺のその言葉に合わせるかのように巧さんはそのままゆっくりと俺の方に銃口を向ける。
無言で向けられたその銃口を見ながら、俺はそのまま走り出す。
「変身!!」
【TURNUP】
銃口から火花が散ると共に、俺に向けて襲い掛かってくる銃弾が飛んでくる。
しかし、バックルから出てきた壁によって、それは遮られ、同時に俺は壁を通り抜ける。
それによって、俺は仮面ライダーへと変身すると共に、その手に持ったブレードラウザーを手に巧さんに接近していく。
両手に持ったソードガンラウザーとガンナーラウザーの狙いは正確で、俺に向かって襲い掛かる銃弾。
それに対して、俺は最低限な動きで避け、避けきれない攻撃に関してはブレードラウザーで銃口を逸らし、接近する。
ブレードラウザーで斬れる範囲までに接近すると共に、俺は大きく跳躍して、空中で一回転した勢いを利用して、巧さんに対して切りかかる。
それを予測していたのか、巧さんも後ろに下がりながら、ソードガンラウザーとガンナーラウザーで反撃してくる。
それを避ける為に、俺は空中で身を翻すと同時に、壁に着地すると同時、再びジャンプをする。
そして、今度は壁を走り抜けて、一気に距離を詰めると、その一撃を振り下ろす。
しかし、それに反応するように、巧さんもまた、後方に下がって避ける。
だが、俺はそれで終わらず、振り下ろした刃をそのまま地面に突き刺すと、そのまま地面を踏み台にしてもう一度大きく飛び上がる。
そして、空中で体を捻り、横薙ぎの一閃を放つ。
その攻撃を察知していたのか、巧さんも同じように後方へ下がる事で回避しようとする。だが、俺の攻撃はそれで終わるはずもなく、俺は更に足に力を入れると、そのまま斜め上に斬り上げるように振るう。
縦ではなく、横に振った事によっえ、巧さんはその攻撃を避けられないと判断したのか、右手で握っていたソードガンラウザーを前に突き出す。
それによって、何とか防ぐ事に成功した巧さんだったが、その表情には驚きがあった。
おそらく、予想以上に威力が高く、想定外だったのだろう。
その隙を逃すつもりはない。俺はそう判断すると、左手に持っていたガンナーラウザーを手放しながら、空いた手でベルトのバックル部分にあるカードを一枚取り出し、そのまま引き抜く。
【KICK】
電子音声が響くと共に、俺はそのまま脚を巧さんに蹴りつける。
俺はそのまま蹴りつけたままの姿勢で、もう片方の左足でも追撃を行う。
二つの連続攻撃を受け、流石に危険だと思ったのか、巧さんは後ろに下がろうとする。
それと共に巧さんも同時にラウズカードをスキャンする。
【BARRETT】
音声が鳴り響くと同時に両手に持った銃から銃弾が発射される。
その威力は先程と比べものにならない程に高くなっており、まるで弾丸そのものが巨大化しているような感覚さえ覚えてしまう程のものだった。
その攻撃に一瞬怯みそうになるが、俺は意を決して前に出る。
弾丸は確かに強力な攻撃ではあるが、所詮はただの銃弾に過ぎない。
ならば、この程度ならまだ対応出来る範囲内だ。
俺はそれと共に、手に持ったブレードラウザーで弾き飛ばすと、そのまま一気に駆け出す。
向かってくる俺に対して、巧さんは2枚のラウズカードをスキャンする。
それは俺も同じく、合わせて2枚のカードをブレードラウザーにスキャンする。
【WATER】【KICK】【WATERSTRIKE】
【BOMB】【RUSH】【BOMBERRUSH】
その音声が鳴り響くと共に、俺の脚には水が集まる。
それに合わせるように水を纏いながら回転して飛び上がり、上空から巧さんに跳び蹴りを叩き込む。
対して、巧さんはその脚を爆発させ、加速すると共に残像が残る程の蹴りで対抗してくる。
拮抗するかと思われた戦いだが、やはりというべきか、単純な身体能力では向こうの方が上らしい。
俺は吹き飛ばされるが、同時に俺も体勢を整えて着地する。
「はぁはぁ」
疲労と共に、俺はゆっくりと倒れそうになる。
しかし、未だに目の前にいる巧さんは倒れる様子はない。
そして
「ガアアアァァ」
「っ」
聞こえた咆哮、振り返れば、そこには蛇を思わせる見た目のアンデットであるシーサーペント・アンデットが襲い掛かろうとした。
このタイミングでと思った。
だが
「っ」
【BOMB】【BARRETT】【BOMBERBARRETT】
再び聞こえた音声。
同時に巧さんは両手に持っていた銃を一体化にさせ、こちらに向けていた。
「かがめ!!」
「っ」
聞こえた声、同時に俺はそのままかがむ。
それに合わせるように、巧さんの引き金が引かれる。
それによって、放たれた一撃は、まるでレーザーのように真っ直ぐとシーザーペント・アンデットを貫く。
「がぁぁ!!」
吹き飛ばされたシーサーペント・アンデット。
その威力は凄まじく、一撃でダウンする程だった。
「封印しろ、刀磨」
「はい!」
俺はすぐに巧さんに合わせるように、ラウズカードを取り出し、シーサーペント・アンデットを封印する、
封印に成功すると共に、俺はそのまま巧さんの元へと駆け寄る。
「やっと元に戻りましたか」
「あぁ、悪かった。
どうも、寝ぼけた感じが抜けなくてな」
そう言いながら、フランクに話しかける様子から、間違いなく元の巧さんに戻っている事がよく分かる。
「それで、これは一体どういう状況なんだ?」
「あぁ、実はですね」
それと共に、俺はこれまでの経緯の事についてをゆっくりと話し始める。
「信じられないな、ここが過去の世界だなんて。
それにしても、なんで俺の洗脳を解く事ができたんだ?」
「どんな方法で洗脳されたのか、分からなかったんですけど、戦闘した時に、ラウズカードを使用した時に少し解けかかったのが見えた」
「ラウズカードを?
なんで、それが鍵に?」
「洗脳というのは、どうやって行っているのか分かりませんが、融合係数を上げれば、それだけアンデットと一体化する事ができる。
この時代でも、睦月さんがカテゴリーAに、剣崎さんがカテゴリーKに洗脳された例があったので」
「つまり、それを逆に利用した訳か」
「えぇ」
融合係数が上がれば、そのアンデットの意志に支配される。
ならば、その融合係数を上げれば、巧さんと一緒に戦うアンデット達がその洗脳を解いてくれる。
俺はある意味、それに賭けるように戦った。
「それにしても、巧さん。
一体どんな洗脳をされたんですか?」
未だにそれが一番の疑問だ。
「それが、分からないだ」
「分からない?」
「あぁ、そういう風に細工されたのか、分からないが、とにかく。
だが、僅かだが見えたのもあった」
「それは」
「黒い何かだ」
「ギグスは、破れてしまったか」
「えぇ、これで、こちらの戦力は大きく減りました。
どうしますか?」
「仕方ない。
このまま計画を進める。
ケルベロスが手に入れば、大きく前進できたが、手に入らない物は仕方ない」
「えぇ、だけど、ギグスから僅かに採れたデータだけでも十分に進められます」
「あぁ、トライアルも大きく進歩できた」
「という事は」
「邪魔者というべき、ブレード、ギグスには実験に付き合って貰おう」