真・ミツオ転生   作:鼻水卓

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遅そうなりました






八十稲葉市探索 2

タタっと軽いフットワークで助走をつけて飛び上がり、空中でクルリと一回転。そして靴底をこちらに向けた飛び蹴り。それはまさしくー---

 

「! ライダーk「ドラゴンキー---ック!!」あっぶねェェェ!!?」

 

すかさず竹で受け止める。蹴った張本人は竹で受け止めた時の反動エネルギーで後ろにジャンプして距離を取っている。地味に高度な事しやがる。

 

「とんぼがえり」をリアルで見る日が来るとは思わなかったな、10点。

 

うーむ、このころから綺麗な御足をされておられる、じゃなくてあれどう見てもライダーキックだろ、でもなくて!

 

「いっきなり初対面の人に向けて何しやがる!」

「へっ!?あ、その・・ご、ごめんなさい!人違いでした!」

「俺みたいな棒で特訓している奴がほかにいるのか!?」

 

それはそれで見てみたい。

 

「で、だ。 誰と俺を間違えたんだ?」

「最近見たカンフーの映画で、棒使って敵をバッタバッタ倒すシーンがあって!」

「それが俺を襲うことと何の関係があるんだ?」

「あたしの蹴り技が通じるかどうか確かめたかったんデス・・・」

「怖いなおい!」

 

なんだこの戦闘民族!?やめてくださいバーサーカー

 

「お願い!今湧き上がってくるこのインスピレーションを試したいの!あたしの特訓に付き合って!」

「うーん急展開。さすがに君を打つのも、君に蹴られるのも嫌なんだけど・・・」

「じゃあ肉おごるから!」

「乗った!ただし今回だけな。」

 

うーん自分ってこんなにチョロかったけ?だがやはり肉は欲しい

 

「そうなるとまずはルール設定からだ。俺は棒、そして君は足を使う。お互いの得物のリーチが違うから、」

「あたしが攻撃して、君が守る。」

「まあ、そうなるな。君が俺の懐にもぐりこんだ時点で君の勝ち。俺が一定時間防ぎ続けれたら俺の勝ち。これでどうだ?」

「オッケー。時間は10分でいい?」「ああ、時間は俺のケータイで計るぞ」

「・・・なんだかんだ言って君も特訓に乗り気じゃん」

「木相手に打ち込みは飽きたんでな、ああは言ってたけどいいところに来てくれた。」

「言うねー。あたしは里中千枝。ねぇ、君の名前は?」

「久保だ、久保美津雄。所属高校は八十神高校、1年だ。」

「えぇ!それだったら先輩じゃん!」

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぜぇー。はぁー。ぜぇー。はぁー。いやぁーきついっす。最後の言葉にびっくりして隙をさらしたとはいえ、あの連撃は光るものがあった。こっちは付け焼き刃とはいえかなりリーチの差があるのに、守るのに精一杯で全く攻撃に転じることができなかった。

かかと落としで横向きに防御していた竹が折れた時なんかつい「折れたぁ!?」と素でリアクションしてしまうぐらいには。

 

タイマー機能が10分を過ぎてから何回ジリリリリを聞いたころだろうか。双剣()となった竹を振り回し、何とか里中の攻撃を防御しきる。

そして、俺にやっと攻撃のチャンスがくる。正拳突きならぬ右の正脚突きを竹を十字に組んで受けきり、右に弾き飛ばす。体制が右に傾き、左側ががら空きになる。

その僅かにできた隙に左の竹を差し込む。ただし思いっきり顔に向かってしまう。女の顔に傷がつくことの意味を思い出すがもう遅い。勢いのついた攻撃はすぐには止まれない。だってマジで命の危機を感じてるんだもん今!

 

しかしさすがは肉食獣、間違えた里中、普通なら顔を狙われたら後ろに下がる所を、右に傾いている、つまり背中が見えている体制から咄嗟に後ろ回し蹴りを繰り出した。俺の右側頭部に脚がうなりをあげながら迫る。しかもその時の体制が突きから顔をそらすことに成功していた。上手い。そのまま蹴られる!と思った瞬間

 

「千枝!」

 

と、悲鳴のような甲高い声が響く。クロスカウンターみたいな体制のまま、思わず体が硬直する。脚がビッタァ!って効果音が付きそうな勢いで止まる。

目だけ動かし、声の主を見る。ただ、大体予想がつく。

そこにいたのはやはり天城y誰だお前!?!?

 

「雪子!?」

「何やってるの千枝!男の人と、しかも武器を持っている人と戦うなんて!!」

「で、でもあたしはこのインスピレーションを・・・」

「私は千枝のことを大切に思っているの!だから千枝に怪我してほしくない!!」

「雪子・・」「千枝っ」「雪子っ!」「千枝っっ!!」

 

あ、ありのまま 今起こった事を話すぜ!「俺たちがXのような体制を取っていたと思ったら、千枝X雪子にハッテンしていた」な…何を言っているのかわからねーと思うが、おれも 何が起こったのかわからなかった…頭が(尊みで)どうにかなりそうだった…レズとか百合とかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ もっと尊いものの片鱗を味わったぜ……

 

というか構図がヤバい。

 

これが → こうなって → こうなった

女 男   女 男 女   女×女 男

 

一瞬でも百合の間に挟まっていたんだ、色んな所から怒られそう(震え声)

だがその前に、

 

「それで、あなたは、私の、千枝に、何 を し て る ん で す か ? 」

「ヒェッ」

 

この人の怒りを鎮めないとな・・・

背中に般若を背負いながらこちらを見る目が爛爛と光る。心なしか()()()も逆立っているように見える。

 

この後滅茶苦茶説明した

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい!私の早とちりでした!」

「ああうんおk別にいいよ」

 

デジャヴを感じる構図だ・・・

 

「・・・随分あっさりと許すんですね。」

「だって許さないと『あなたも千枝を傷物にしようとしましたよね?』とか言ってきそうだし。」

「そんなこと・・・・・・・・しませんよ。」

「そしてこの間の長さである。」

 

図星だったかー。

 

「というわけで千枝に謝ってください。」

「や、というわけにはならないでしょ。もともとあたしが勝負ふっかk「里中さんマジすいませんでした」ちょっとぉ!?」

 

雪子さんまじ怖ぇっす。相性的な要因もあるかもしれないけど。(原作基準)

 

「はぁ、どっと疲れた・・・」

「なんか、ごめんね?色々と。」

「おぅ、色々と。とはいえなかなかいい経験ができた、ありがとう。」

「えへへ、こちらこそありがとう。」

「どういたしましてだ。あ、そうだ、そっちの君は何て名前なんだ?」

「え、どうして名前を教えないといけないの?」

「さすがに名の分からない人から敵意を向けられると気持ち悪いからねー。えっと、灰色さん?」

「その名前やめてくれません?」

「ちょ、ちょっと二人共、なんでギスギスしてるの!?」

「いやー初っ端から敵意を向けられて、それを許せるほど、俺も人間できてないんでね。」

「・・・分かりました。天城雪子と申します。次は灰色とは呼ばないで下さい。」

「了解っと」

「あなた、なかなか食えない人ですね」

「そいつはどうも。里中さん、自分はそろそろ帰るからお肉はまたの機会にな。」

「う、うん。じゃあね!」

 

 

チエ、ワタシッテソンナニジミカナ。アータシカニコノママダッタライロガウスイキガスル。エ…ソッカァ…。ワー‼ソンナニオチコマナイデ!ジャア、チエハドンナイロガアウトオモウ?エ!?、エット…アカ、ユキコニハアカガニアウトオモウ!

 

 

さて、と。そろそろ現実を確認しなければいけない。生前ペルソナをやりこんでいたからこそ分かった。天城雪子はペルソナ4(原作)では赤の申し子で大和撫子だったが、俺とさっきあったとき、髪をぱっつんにして、全く赤の部分がなかった。

 

そう、P3Pで追加された中学生の天城雪子だ。

 

 

 

そして、もう一つの証拠を見つけるために、俺は今、ジュネス建設予定地に来ている。原作にある、花村陽介が転校してきたタイミングとジュネスができたタイミングが同じと仮定すると、与えられた猶予は1年、そう思っていた。

 

 

 

そんなことを考えていると、いつの間にかジュネス建設予定地に到着していた。少し探すと何が建設されるか書かれた紙が目に留まる。建設予定日時は、2011年3月30日。

 

俺は転生後にまず、今が何年か確かめるべきだった。

 

ケータイに映し出される年月は、2009年4月30日。

 

「勘違いしていた…。俺に与えられた準備時間は、1年じゃない。2年だ」

 

まさかの先輩属性を得た。




「というか、何で天城さんはあのタイミングで俺らのとこにきたんだ?」
「だって千枝が心配だったし…」
「…もしかして、毎回か?」
「え、うん。前は近くにいて特訓を見てたんだけど、千枝が一人で特訓したいって言ったから、バレないように、気づかれないように遠くから眺めてるだけなんだけど。」
「…里中さんだって一人で特訓したいんだから、そっとしたげれば?」(これあれだろ、特訓しているところを守る人には見せたくないってやつ)
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