もう春なんですねぇ。
「お疲れ様です。たづなさん! 聞きましたよ盗撮犯の一件! 肝心なときにいなくてすみません!許してください!なんでもしますから!」
『いえ、田所どうかお気にせず!これは貴方方ではなく我々URA側の対応すべき事でしたので』
「いや気にしなくちゃならないっスよ!こういった時の対処の為にいつも俺達がいるわけですし!」
一誠がトレセン学園を騒がせた後のウマ娘世界のとある大陸、名をインム大陸の香斗県田所市のとある建物の事務室にて、野獣のような男がアイスティー片手にトレセン学園の理事長秘書駿川たづなと通話をしていた。
彼の名は『田所浩二』世界でも十本指に入る実力者であり、彼一人で国一つを数時間で制圧出来ると言われている。
さて、なぜこんな男がトレセン学園の関係者と連絡しているかと言えば彼は副業として『臨時トレセン調教官』として働いており担当を持たないウマ娘のみならずトレーナーへトレーニング指導を行っているのだ。
そんな彼はウマ娘やトレーナー達からは
【野獣先輩】
と呼ばれ慕われているのだ。
「せっかく肉おじゃ達をそっちに派遣したのにこんな結果になって、すみません申し訳ないでしか!あいつらにはこっちからキツく言っときますんで!(意味深)」
『そんなことはありませんよ。肉おじゃさんのネットサーフィンが無ければ気づくことすら出来ませんでしたし、それに……』
いつの間にか事務所のテレビからニュースが流れている。どうやら中央トレセンの盗撮犯についてである。トレセンのウマ娘の写真がインターネットオークションで高値で取引されていたことや犯人が最近世間を騒がせている異能者であることも報じられていた。
『相手は姿を消す異能者で、どうやら警備システムすら意味をなさない相手でした……』
その言葉に田所は驚く、以前田所がトレセン学園に教導するため入った際すぐさま警備の人間がすっ飛んできたのだ。聞けばサーモグラフィカメラで何処に誰がいるか人目でわかる上、トレセンに入る為に必ず通る入口の床は体重を感知し、トレセン関係者であるかデータ認証を行うようになっているのだ。もちろん塀にもこのシステムが導入されている。下手すれば国家レベルのセキュリティが敷かれているのだ。日本でも最も重要視されるスポーツ産業であるため当然といえば当然である。
「へ?良く捕まえられましたね。誰かが気づいたんでスか?」
『そ、それが……』
「?」
言い淀むたづなを田所は訝しむ。田所とたづなは彼女が現役だった頃からの知り合いである、このような反応を示すときはナニかがあったときだと田所は察した。
ニュースからはいつの間にかコメンテーターがこの事件と異能者の危険性について発言しているところだった。
「ナニかあったんスね?」
『はい……これは出来れば内密にしてほしいことなんですけど……』
「安心してください!秘密は守りますよ!俺口はギチギチに硬いですから(笑)」
下の口はゆるゆるですけどね(笑)、と言い田所はたづなを和ませた。
『犯人を見つけたのはこちらのトレーナーだったんですけど……状態があまりにも異常でして……』
「はあ、異常……とは?」
一瞬、田所の野獣ボディに奇妙な感覚が奔る。これは『異能者の盗撮犯が盗撮していたことよりも異常なことがトレセンで起きてしまった』ということを本能で分析した証拠である。
『なんというかその、犯人が何者かによって顔面にボコボコにパンチ食らった状態で首に自分が盗撮犯だと示すようなプラカードを吊り下げて三女神の像に磔にされていたんです……!』
「えっ?三女神の像に磔!?それは罰当たりですねぇ……。というか最新のセキュリティをすり抜ける盗撮犯をそんなにできるなんて……ナニモノなんですかね?」
この世界においてウマ娘の始祖たる三女神は非常に神聖視されており、三女神の像にイタズラなどご法度である。
これは余談だが、初めて田所がトレセンに来た際挨拶として三女神の像に睡眠薬入りアイスティーを供えた所その日の夜夢枕に三女神が現れて『しばくぞ野獣がよ』と言われ本能的にヤバいと本能で分析した田所は「ンアーッ!」といった程である。
『すぐ警察が来て調査したのですが、トレセン関係者以外の指紋などの証拠が検出されなかったそうです。それだけなら愉快犯の第三者ということで話は終わったのですが……』
「まだナニかあったんですね?」
『はい……犯人が目覚めて直ぐに『土偶に殺される!』って錯乱し始めたんです……!』
「えっ……土偶……?」
『しかも……その前日の夜こちらのウマ娘が夜中に土偶のおばけが窓から覗いていたと話していて……口止めはしたのですが今トレセン内はそのことで話題になっていましてみんなてんやわんやなんです』
たづなの疲弊した声が電子機器のスピーカーをすり抜け、田所の脳裏に自分の先祖にまつわるある事柄を浮かび上がらせた。
「たづなさん……?土偶のおばけってどんなのですか?」
『は、はい犯人の証言によると土偶の仮面をつけた仁王金剛像のような肉体美をした男に殺されかけたと……』
(えっ……?土偶の仮面……?仁王金剛像のような肉体美だって?……もしかして)
田所の脳裏に浮かぶある事柄が一気に輪郭を持ち、たづなの次の言葉で田所は驚愕する。
『その……犯人は錯乱してたので信憑性が無いんですけど。その土偶仮面の男はウマ娘のような尻尾と耳を持っていたそうです……これってまるで……』
「ま、まさかソレって……?!」
現実と自身の知る重大な事実を符合させる田所をよそにたづなは笑いながらこう言った。
『都市伝説のウマ息子「ばんえい」みたいですよね!』
田所はたづなのその言葉を聞いた途端驚愕で思わず目がテンになってしまう。
「…たづなさん申し訳無いですが!急に仕事が入っちゃいました!」
『え?田所さん?何を言ってるんですか今電話してるから仕事が入るわけ……』
「すいません後で掛け直しますんで!」
『はぁ……そうですか、この話は田所さんがトレセンに戻ってきた時にお話しましょうね(ばんえいの話を出した途端様子がおかしいですね……なぜでしょうか?)』
「じゃ、また!お願いしまっす!」
田所は、たづなとの通話を着るといそいそとブリーフに隠し持っていた盗聴防止の通信端末を起動し、ある人物へと繋げる。
「あっ!もしもし小野田さん?すいませんイキナリ連絡して、こないだのトレセンの盗撮騒動について何ですけど……」
果たして、田所の知る重大な事実とは何なのか?都市伝説のウマ息子『ばんえい』の正体とは?そして土偶と仁王金剛像のような肉体美との関連性は何なのか?
それはまだ、誰にもわからない……。
「これも因縁ってやつですかねぇ……」
晴れた空、照りつける太陽、耳を打つさざ波の音。
「うひゃぁ、凄い景色!うみみゃあーっ!」
その景色の下、この物語の主人公兵藤一誠はその鍛え上げられたガタイを見せつけるかの様に上半身半裸で寛いでいた。
見渡せば見事なオーシャンビュー、とても春先とは似つかわしくないこの景色の中一誠はコーラを親の仇の如くがぶ飲みしていた。
そんな一誠に近づく影が一つ。
「一誠様、どうですこの景色は、まあ全部作り物ナンデスがね」
「あっ、八嚴さん!サイコーですよもう、この世に"義"はあったんですね!」
一誠の元に現れたのは明らかに異形の者では無かった。一言で言えば人型の甲殻類といった出で立ちであり積層された黒光りするガタイ装甲に腰からV字に伸びた細長い装甲から垂れ下がるような腕、そして顔に当たる部分には奇妙な仮面が取り付けられており、奇妙な模様を描く13本スリットからは丸い光芒が覗いていた。
なぜ一誠はこのような場所にいるのか?なぜこのような奇っ怪な異形と親しげにしているのか?それは前回のトレセン学園を盗撮していた糞ゴミゲロカス野郎を成敗し三女神像に磔にして現代アート作品に昇華させた後報酬のウマウマ変装セットで遊び散らかしそのまま帰ったところまでまで遡る。
そう、遡るのだ。
遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ遡れ!
「あ〜、やっと学校終わった!」
盗撮犯を現代アート作品に仕立て上げた後、俺はそのまま授業と部活を終えて帰宅しているところだ。
ウインドウを眺めていると新たな項目が増えていることに気づいた。
そういえばあのミッションの報酬としてマイワールド解放と書いてあったな。一体どういうことなのか?そう思いながら自宅にたどり着きそそくさと自室に入った。
「直訳して『私の世界』だけども……」
俺はそのままウインドウのマイワールドの項目を選択すると『入りますか? y/n』と表示されたのでとりあえずYESを押すとテレビのチャンネルが切り替わるが如く俺の部屋からいくつか建物の見てる舗装された道のど真ん中に立っていた。え、何だこれ?
「ここは一体……?」
辺りを見回していると図書館のような建物やレストラン、電波塔が見えた。若干潮の香りがするのでここは港町か孤島の何処かだなとガタイで判断。
「お待ちしておりました。兵藤一誠様」
あっけに取られていると後ろから機械のような男の声で話たけられた。
振り返ると、一言で言えば人型の甲殻類といった出で立ちであり積層された黒光りするガタイ装甲に腰からV字に伸びた細長い装甲から垂れ下がるような腕、そして顔に当たる部分には奇妙な仮面が取り付けられており、奇妙な模様を描く13本スリットからは丸い光芒が覗いている異形がその場に立っていた。敵意は無さそうだ。
「どうも、お邪魔しております。えーっとここは一体?」
「はい、突然このような場所に来てしまい混乱しているのでしょうがご安心を、この世界のすべては貴方の為に存在しているのです」
甲殻類さん(仮)は俺に一礼し、続けた。
「ようこそ『マイワールド』へ、私はこの世界の案内役『八嚴』と申します。以後、お見知り置きを……」
「はあ……こちらこそよろしくお願い致します」
「早速ですがこの世界を案内させて頂きます。さ、どうぞこちらへ……」
八嚴さんと名乗った男(?)は俺に背を向けてそのままガシャガシャと音を立てながら歩き出す。とりあえず黙っていても仕方ないので色々と聞いて見るか。
「えーっと八嚴さん。俺の事を知っているようでしたけどももしかして何処かから見てたりしました?」
「ええ、申し訳ございませんが。一誠様がミッションに臨まれている時に見守っておりました。プライベートの監視などは致しておりませんのでご安心を」
「あ〜、じゃあ俺があの盗撮野郎を現代アート作品に仕立て上げたとこも見てたんですね?」
結構辱めてやったのでもしかしたら俺のやり方に文句を言われるかもしれないと思ったが八嚴さんの反応は違ったものであった。
「ええ、お見事でした。あのようなクズにはお似合いでしょう。あのようなクズといえど容赦なく痛めつけ『純粋な殺意』をぶつけられるものはなかなかおりません。流石はあの方が見込んだだけの事はありますね」
かなり好意的のようだなぁ。他人がみたら引くような光景だったろうに。
「いやーそれはどうも、……あの方ってもしかしてチュートリアルおじさんの事で?」
「はい、その通りです。我々はあの方に創り上げられ、一誠様のサポートを命ぜられております」
「ところでチュートリアルおじさんって何者なんですか?なんかやたらと親切というか?転生者に対して憎悪を抱いているというか?」
「……」
俺がチュートリアルおじさんについて聞くと八嚴さんは黙り込む。しばらく俺の足音と、ガシャガシャと装甲が擦れる音だけが響いた。
「……申し訳ございません一誠様。我々はその質問に答えられる様には創られていないのです……。さ、着きましたよ」
八嚴さんは甲殻類のような指でいつの間にか辿り着いていた建物を指した。
そこは厳かな鉄で出来た和風の建物であり、いかにもたたら場といったところであった。
「此処は……鍛冶場ですか?」
「ハイ、その通りです。中で鍛冶師の『五驒』が待っております。さ、こちらですよ……」
厳かな門が開かれ、熱気が俺の頬を撫でた。言われるがままに俺は八嚴さんの後に付いていった。
「クソッ!この『能力』でアバズレウマ娘共の写真をバラまくだけで一攫千金って言いやがったのにあの野郎欠陥品渡しやがって!何なんだ!あの土偶野郎は!?あれも異能者なのか?あんなのがいるなんて聞いてねーぞ!?」
またまた戻ってウマ娘世界のとある拘置所、盗撮犯であり異能者の鳥田透明が檻の中で喚き散らしていた。
彼は『「自分の姿・触れているもの・出した声」を「認識出来ないよう」に変える能力』を持っていたのだが哀れにも兵藤一誠に見つかり半殺しにされ警察送りとなった。
「ふっ、だがまあいい!俺のこの能力はあいつらにとっても貴重だ!きっと助けが来るはずだ!」
あいつらとは一体誰のことを指すのか?少なくともこのトレセン盗撮騒動はこの鳥田透明以外の何者かが関わっているのは事実である……すると檻の向こうから足音が響いた。
そして、檻の前に男が立つ。
「よう!来てやったぜ?」
「あ……あんたは……!郷田司!?どうやってここに?」
「おいおい気安く呼ぶなよ。他の奴らに聞かれたらどうする?助けてやらねーぞ?」
郷田司と呼ばれた男は身長がかなり高く偉丈夫だと言ったところだあっさりとこの拘置所に入り込んでいることから異能者であることは間違いない。
「そ……そうか!あ、あんたの『「ペンで書いた長方形」を「ドア」に変える能力』か!?」
「ああその通り、この能力がありゃ警備なんて合ってないようなもんだぜところでお前は『「自分の姿・触れているもの・出した声」を「認識出来ないよう」に変える能力』が合ったはずなのに何で捕まってるんだ?アレは最新レベルの警備システムすらすり抜けるのによ」
「あ、ああそれなんだ!全く!テメーのリーダーに言っとけよ!」
鳥田透明が郷田に向かって吠える。しかし、郷田司は飄々とした立ち振舞だ。
「何をだい?言っとくがボスは約束どおり写真を足がつかないようにするルートを確保してくれてたぜ?まあ、どっかのアホがダークウェブで転売してたみてーだがな」
「そ、そうじゃねぇ!あの俺を襲った土偶の仮面を被ったウマ耳つけたコスプレ男の事だ!?」
「ん〜?そりゃまた何のことだ?」
「しらばっくれるんじゃねぇ!アレはどう見ても異能者だろうが!?異能者はテメーのリーダーしか創れないハズだ!」
「へぇ?そいつがオメーを叩きのめしたのか?異能を使っていたのにか?」
「そうだ!あの野郎はどう考えてもウマ娘以上の身体能力を持ってやがった!テメーらの仲間に「『身体能力』を『100倍』に変える能力」の異能者がいたはずだ!そいつじゃねぇのか!?」
「あん?……あー力石のヤローの事か?残念だがそいつはテメーが盗撮してる時には任務でアメリカにいたからテメーを襲いたくても出来ねーよ」
「な……なんだと?クソっじゃあアイツは何者だ!?訳が分からねーよ!?いきなり現れて異能で見えないはずの俺のことをまるで見えてるかのように追いかけて来やがった!?」
「マジかよ?そりゃ災難だったな?そいつ、他に何かしてたか?」
「え?……他に何かってそうだ!アイツは日本刀をどこからともなく出してきやがった!そして俺が警察から盗んだ拳銃を斬りやがったんだ!」
「へぇ……」
郷田司は暫く考え込むような振りをする。その様子の郷田に鳥田は早く檻から出すように催促した。
「な、なぁ話は後でゆっくりしねぇか?話すことは離したけどよ」
「……そう見てぇだなじゃあ出してやるよ」
「へ、ヘヘっ助かるぜ……」
「この世からな」
ザクッ……!
「はぇ?」
鳥田は状況が理解できなかった。郷田が「この世からな」といった途端、胸に激痛が走る。見れば郷田は右腕を突き出し、その手の先にある爪はまるで刀のように変化していた。
「あ、あ、アギャァァァァァァァッ!?」
「これがあのクズから奪った『「爪」を「刃」に変える能力』か……以外と使えそうだな。あ、叫んでも無駄だぜ?この拘置所の奴らは予め皆殺しにしておいたからな」
ボドボドと拘置所の床に鳥田の鮮血が飛び散る。持って後数秒の命であることは明確であった。鳥田は最後の力を振りぼり郷田に問う。
「な……なんでお前……『能力』を2つもってやがる!?『能力』は一人が一つまでのハズだ!?……がギャァァァッ!?」
バヅンッッッッ!
ごとり。
今度は伸ばされた鳥田の腕が落ちる。郷田の左腕は巨大なハサミと化していた。
「『左腕』を『巨大ハサミ』に変える能力……これも使えそうだなぁ?お前もそう思うだろう鳥田?」
「がァァァッ!な、なん……で……!?3つも……!?」
「あーすまんな?ボスから俺の『異能』は吹聴するなってクギさされてるんだが……もう死ぬから教えといてやるよ……俺の異能は……」
「『殺した異能者の能力』を『自分のモノに』変える能力だ」
瞬間、鳥田の眼前にハサミが迫る。そして……
『緊急ニュースです!本日未明、中央トレセン学園の盗撮犯が収容されたマルバツ拘置所が襲撃され拘置所内にいた人物全てがありとあらゆる方法で殺害されておりました!警察は記者会見を開き一連の事態は異能者テロ組織による証拠隠滅を目的とした襲撃として捜査を進めています……』
この小説のキーワード
『純粋な殺意』
これからの物語ではこのコトバが重要となり一誠はこのコトバの『写身』となる様に気をつけながら執筆していきます。
今回からあとがきで軽いキャラクター紹介しますね。
兵藤一誠
我らが主人公、高校生にして自分だけのバカンスを手にする。ミッション完了後直ぐに帰らず鳥田透明の前でウマウマ変身セットを使用した為変な勘違いを受ける。
田所浩二
ウマ娘やトレーナーから野獣先輩と呼ばれ慕われている。一人でウマ娘の機動隊を制圧できるほどの実力者、迫真空手を扱う
2024/11/05
内容を大幅に修正致しました。