「落ちる~!落ちれば、落ちるとき、落ちるときこそ冷静になれないー!!」
ただいま俺は絶賛穴の中に落ちている。なぜ?と思う人もいるかもしれない。
大丈夫、安心してくれ!俺も意味が分からない。
始まりは………そうだな、いつもどおり学校から帰る途中で友達とだべりながら帰っていた。
そんで、それぞれ別の道だから分かれて帰っていると足元に急に穴が開いたのだ。
急に穴が開いたら落ちるしかないだろ?俺はなす術も無く落ちてしまったというわけだ。
というか誰に説明してんだろ俺?あれか?空間の中に目玉がいっぱい見えるから誰か見てんじゃないんだろうかという思いからか?
周りは皆目玉だらけ、俺は落ちている……………冗談にもほどがある。
そして目玉が多すぎて気持ち悪い。
何なの?この状況?
そうこう考えていると急に足下の空間が裂けだした。
「お!出口っぽい穴発見」
その裂けたところを見てみると空間とは別の光景が見れたので多分出口に違いないだろ。
このまま行くとそのまま外に出られるのかもしれないが俺はそこであることに気づく。
ただいま落下中→かれこれ5分は落ちている気がする→穴にそのまま入る→地面に勢いよく叩きつけられる=俺死亡
「やばい!やばいんじゃないの俺!?」
そうこのまま行けば高い所から落ちるということになり=飛び降りということになってしまう。
そんなことは御免こうむると考えるが、どうあがいても落下中なので穴から逃げる事はできない。
ただ落ちるだけ。
「おおおおおお!死ぬ前に一度だけでいいから綺麗な女とデートしたかったー!!」
そのまま穴の中に飛び込む(落下する)と、どういうわけか横から『すぽんっ』てな感じで出ることができそのまま地面に尻餅をついた。
「いてててて………なんとか死ぬことは回避できたけど、ここどこだよ?」
周りを見回すと穴から落ちた時とはまったく別の光景。
道路や標識、家やマンションなど都会なものは何も無く無機質な壁があるだけだった。ん?壁?
「何だここ?俺外にいたはずなのに何で部屋にいるんだ。しかし、何も無いところだな。」
灰色の壁に頑丈そうな鉄の扉。そしてその反対の壁に普通の木製のドアがある。
左右が非対称すぎて違和感を感じまくる。
試しに鉄製のドアを押したり引いたりしてみるが
「だめだ!まったく動かねえ!」
まったくびくともせずドアは開かない。
しかしドアはもう1つあるのでそちらの方に期待をかける。
「木製のドアだから開くんじゃね?最悪開かなくても壊せばいいし。」
非常事態だからしょうがない、ドア事態も後で謝って弁償すればいいだろう。
そう思い、意を決してドアを開けてみるとそのドアはすんなり開くことができた。
「何だか拍子抜けだな。さて、中に何があるかなっと」
ドアを開けて中を覗くとそこには様々な玩具や子供の絵本そして壁の方にベットがあった。
しかしその中で一際目を引いたのはその部屋の中央に色とりどりの宝石の羽を持った金髪の髪の女の子が中央に座っていたことだった。
「お兄ちゃん誰?私と遊んでくれるの?」
その女の子はこちらに気づくと無邪気そうな感じで声をかけてきた。
何でこんな寂しい部屋に女の子がいるんだ?そう考えるがその前にまずは自己紹介っと
「お兄ちゃんは日野恭一って言うんだ。お嬢ちゃんの名前は?」
「私の名前はフランドール=スカーレットっていうの。よろしくね!恭一!」
「ああ、よろしくフランドール。それで、君に聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「うん!なんでも言って!その代わり後で遊んで欲しいな!!」
子供と遊ぶぐらいだったら別にいいだろう。
俺自身一刻も早く家に帰りたいのだが子供と遊ぶくらいなら時間をとらないだろうと思い安易に返事をする。
「ああ、それぐらいなら別にいいよ。それじゃあ質問するけどまずここは何処だい?」
「ここは紅魔館っていうの。それでここは私の部屋!」
紅魔館?聞いたことがない名前だな。
それにしてもずいぶん物寂しい部屋に住んでいるんだな。
それよりもまずは質問だ。
「じゃあ次は、ここは日本のどこなんだい?」
「日本?日本って何処?よくわかんない」
日本を知らないのか?だったらここは何処なんだろう?穴から落ちたので正確な地理がわからない。
髪が金髪だから外国のどこかなんだろうけど。
まいったな。
俺外国の金持って無いし。
外国だったら金がないから家に帰ることなんかできないぞ。
まあ、それよりも次の質問だ。
「それじゃあもう1つ聞くけどその背中についている羽は飾りか何かかな?」
「?この羽は飾りじゃないよ?私の羽だよ?」
おいおい冗談にもほどがある。
普通の人間には羽なんぞ生えてないものだがこの子は背中にある羽を本物という。
普段の俺なら冗談だろうっと一蹴するところなんだが、先程急にできた穴に落ちたため冗談とは言いづらいところがある。
「もういい?それじゃあ私と遊んでくれる?」
「あ、ああ。どんな遊びをしたいんだい?」
フランドールが遊んでといってくるので俺はどんな遊びがいいのかを聞く。
「それじゃあねぇ、人形遊びがしたいな。」
「ん?人形遊び?人形は何処にあるんだい?」
俺は部屋の周りを探すがそんなものは何処にもない。
そう思いフランドールに聞くのだが
「人形ならあるよ?目の前にね。」
フランドールの目の前には俺しかいない。それをフランドールが言うって事は
「そう。あなたが人形の代わり。今度は長く遊びたいから中々壊れないで欲しいな。」
そういうと女の雰囲気からがらりと変わる。それはとても禍々しく狂気に満ちあふれていた。
「それじゃあ………遊ぼ?お兄ちゃん。」
そう笑ったフランドールの笑顔は酷く禍々しかった。
「あはははは!お兄ちゃん何処に逃げるの?もっと遊ぼうよ!!」
「だあ~!何なんだよ本当に!なんであんな小さな女の子がこんな力を持っているんだ!」
フランドールから絶賛逃げている俺だがこれには理由がある。
それはフランドールが人形遊びと生じて俺を壊そうとするからだ。
最初にこちらに勢いよく向かってくる手を嫌な予感がしたので避けてみたら丁度拳が壁の部分に当たってしまった。
怪我をさせてしまったかと心配したがそれは杞憂におわった。
なぜならフランドールの手が壁に触れた瞬間その壁が壊れてしまったからだ。
恐怖を覚えてしまった俺はそのまま逃げてしまったがそんな俺は悪くないはず。
そしてそのまま鋼鉄の扉の前まで逃げたのだがそこから先は先程と同じでまったく開くことができずに、俺はその場に立ち尽くしてしまった。
「いかん!逃げ道が無くなってしまった。どうするよ?俺?」
後ろを振り向くとそこには羊の皮ならぬ女の子の皮を被った悪魔がいる。
普通の女の子はコンクリートっぽい壁をやすやすと砕くことはあるまい。
だからこその訳なんだが
「さ~お兄ちゃん逃げ道はもう無いわよ。おとなしく私の人形になってよね。」
「掴まって壊されるような人形にはなりたくねえよ!それよりなんでフランドールはそこまで力が強いんだ!?」
「何故って?それは私が吸血鬼だからだよ?お兄ちゃん」
「吸血鬼?それって御伽噺の話じゃなかったか?」
「実際にいるわよ?ほら?」
そういってフランドールが唇の上をひっぱると歯の八重歯辺りに一際おおきな牙が左右に2本あった。
「納得した?それじゃあ、おとなしく私の人形になってね。」
まずい逃げ道もないし八方塞がりの状況だ。
「今度は逃げられないようにしてあげる。禁忌『フォーオブアカインド』」
そういうとフランドールが急に4人に分身した………って!分身!?
「「「「これで、もう逃げ切ることはできないわよ。お兄ちゃん」」」」
4人が同じ事を言ってくるが俺は気が気じゃない。
こんなのが4人もいたらどう見ても人生終了である。
俺はこのままこの子の玩具にされて死んでしまうのだろうか。
「「「「さあ、一緒に遊ぼう。」」」」
フランドール達がが一斉にこちらに向かってくるのを何とか逃げ切る………が、さすがに4人から逃げることなどできるわけも無く3人目の振り上げる拳に体があったってしまった。
「ああああああああ!!!!!!!」
そのまま俺は後ろの鋼鉄のドアに吹き飛ばされ背中を打ち付けられる。
「あああああ!!!痛い!痛い!!痛い!!!」
殴られたわき腹がありえないほど痛い!俺は生まれて始めて感じる激痛になす術も無くうずくまってしまう。
それに吹き飛ばされた際に頭を強く打ったのか垂れてきた血が目を濡らす。
「「「「お兄ちゃん。まだ壊れちゃ駄目だよ?もっと一緒に遊ぼう?」」」」
俺の痛がる姿が嬉しいのかフランドールが満面の笑みを浮かべながらこちらにゆっくりと向かってくる。
「やばい………目の前が…………暗くなってきた…………」
フランドールがこちらに手を伸ばすのを最後に俺の意識は闇に消えてしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あれ?俺なんでこんなところにいるんだ?」
あたりを見回すと目の前に大きな河があり、足元には無数の石がある。
どうやら俺は河岸にたっているみたいだ。
「何か凄い怖いことがあったような気がするんだけど……」
どうも意識が霞がかって思考が上手く働かない。
「しかし、綺麗な河だよな。」
目の前の河の水はとても清んでいて綺麗だった。
俺の家の周辺の河はゴミだらけでとてもじゃないが綺麗とは程遠いい河だったので、余計にこの河が綺麗に見えてくる。
その河を何をするわけでもなく『ぼ~』と眺めていると
「おや?こんな所に生きている人間が来るなんて珍しいね?あんた、ココで何をしているんだい?」
急に声をかけられて顔を向けてみると着物を着た髪をふたくくりにした着物姿の綺麗な女性がたっていた。
しかしながら一番の特徴はへんてこな鎌みたいな物とそのたわわに実った乳。
しょうがない………だって思春期ですもん。目を向けるなっと言う方が無理である。
巨乳………大好きです!!
しかしながらジッと見ているわけにもいかず
「あっと、綺麗な河なんでずっと眺めていました。それでちょっと尋ねたいんですけどここは何処なんです?どうも意識がはっきりしなくて、ここに来る前の事を思い出せないんですよ。」
「その前にまずは自己紹介といこうか。あたしの名前は小野塚小町。しがない案内人さ。」
「あ、すいません。俺の名前は日野恭一っていいます。よろしくお願いします。小野塚さん。」
相手が名乗ってくれたのでこちらも名乗り返す。
「それで、ここが何処かって事だけど、簡潔に言うとここは賽の河原だよ。俗に言うあの世とこの世の境目ってやつ。そんであたしは死んだ人をあの世に送り届ける水先案内人さ。」
ん?今何ていった?賽の河原って言わなかったか?って事は俺死んじまったの?
そこで、霞がかった意識が急にはっきりとしだす。
そうだ!俺はフランドールに殴られてそのまま意識を失ったんだった!
あの時やられた痛みが……と体を見回すが何も痛いところは無く、あんなに頭から血も出ていたのに今はまったく出ていない。
なら、ここに来たって事は俺やっぱり死んじまったのかな………。
「悲壮そうな顔をしているけど大丈夫だよ。あんたは死んでいない。お前さんの後ろに紐のような物がみえるだろ?」
慌てて後ろを見るとそこには確かに紐のような物が腰の後ろあたりから出ていた。
「はい。でていますけど、これ何ですか?」
「ああ、それは恭一の魂と肉体をつなぐ紐のようなものさ。それが切れてしまったら死ぬことと同じになるから気をつけたほうがいいよ。」
「じゃあ、俺ってまだ生きているんですか!?よかった!生きてて良かったよ!!でもなんで生きているのにこんなところにいるんです?」
生きているならこんな所に来ることはないだろう、と思い聞いてみたのだが
「たまに生きている人間がこちらの世界に迷い込んじまうことがあるのさ。大抵の原因は重大な怪我を負ったとか重病になっているとか………とにかく共通していることは死にかけているって事だね。」
やっぱり俺、死に掛けているんだ。
「ど、どうすればいいですかね!?俺まだ死にたくないんですけど!!」
「状況が良く分からないから何ともいえないけど、大体生きて帰ることのできる人間は何かに引っぱられるって言うけど恭一はどんな感じだい?」
「いや、まったくそんな感じがしないんですけど。それよりか逆にあの河が三途の河だってわかっててもそちらの方に向かいたいって気持ちの方が段々強くなって行くんですけど。」
すると小野塚さんは数回首を横に振ると
「そりゃあ、駄目な兆候だね。そのまま行きたいって気持ちが強くなっちまうと魂についている紐がちぎれて死んじまうよ。」
そりゃあ駄目ですがな!俺は生きて戻りたいんだけど、何か手段は無いのだろうか!?
そう思っていると急に体が引っ張られる感じがした。
「お?おおおおおお!!?これか!?この感じか!?何かに体が引っ張られる感じがする!」
「おお!良かったじゃないか。そのまま体に身を任せておけば無事に肉体に戻ることができるよ。」
「すいません!何から何までありがとうございます!!今度死ぬことになったら何かお礼をしますから!」
「あっはははは!死ぬことになったらって!面白いことをいうね!じゃあ、その時を楽しみに待っているよ。」
そのまま体を引っ張る力が強くなり俺はその場所から飛ぶように後ろに引きづられていく。
最後にみた光景は小野塚さんとその後ろにいつのまにか現れた小さな女の子だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「は!」
目が覚めると慌てて体を起こす!
が急に体に痛みが走り、体を起こし続けることができず、すぐに横になってしまう。
「いでででで!!わき腹と頭が痛い!!」
よく体を見ると脇のほうには白い包帯がしてあり、頭の方も触ってみると包帯を巻いているのがわかった。
「ふう~。何とか無事に生き返ることができたけど、俺はフランドールに殺されかけていたはず………」
普通なら夢物語になるのだろうが、ここまで立て続けに色々なことが起こってしまったらもう信じるしかあるまい。
それに、臨死体験という貴重な体験をしたんだしな、死に掛けるっていのはあれだけど小野塚さんも綺麗な人だったし結果的にはいい経験をしたのかもしれない。
っとそんな事を考えている場合じゃない。
俺はベットに横になっており周りを見渡すとそこは俺が先ほどフランドールと一緒にいた部屋ではなく、ある程度の家具がそろった、何処かの客室のような部屋だった。
そのまま、辺りを見回しているとドアが少し開いており、そこから金色の髪が見えた。
「フランドール?」
俺の声にその金色の頭が『ビクッ』となるとそーとドアからフランドールの顔が見えてきた。
それに続いてフランドールと同じぐらいの背の見たことのない女の子の顔が見えた。
その子の顔はフランドールと、顔立ちがどことなく似通っているが背中に生えている翼がフランドールのものと違い蝙蝠の翼のような形をしていた。
「ど、どうしたんだ、いったい」
知らない女の子よりもフランドールに殺されかけたので、フランドールの顔を見ると身構えてしまう。
怪我でベットの上から動けないのだが………
「あなたがフランドールの所にいた人間ね。その前にまずは自己紹介ね。私の名前はレミリア・スカーレット。ここにいるフランの姉よ。」
「あ、よろしく。俺の名前は……」
「フランから聞いているわ。確か……京太郎だったかしら?」
「いや、恭一なんだけど………」
そこで流れる風が一陣。少しの間待っていると
「それで恭一、あなたの事なんだけど………」
あ、この子、無かったことにする気だ!
そう思ったのだが子供相手に指摘するのも可愛そうなので、そのまま流す。
俺は大人なのでその辺の配慮は持ち合わせているのだ。
「端的にいってあなたはフランドールに殺されかけたわ。」
その言葉に後ろのフランドールが『ビクッ』っとなる
「それで、あと少しで死ぬって時にあの巫女と魔法使いがフランドールからあなたを助けたの。怪我とかの治療をしてあなたは今ここで寝ているの。」
その巫女と魔法使いに感謝である。もう、魔法使いって所にツッコミを入れたいのだが感謝の気持ちで一杯だからそんなことはどうでもいいのである。
「その巫女と魔法使いに、妹がかけた迷惑を謝罪して怪我が治るまであなたの面倒を見なさいって言われて
ここまで運んできたわ。」
もうその二人に感謝感激雨アラレ!である。
「それでまずは謝罪なんだけど、フラン。」
そうレミリアがいうと、今までずっとレミリアの後ろに隠れていたフランドールが恐る恐る顔をだす。
恐ろしいのは俺の方だっっつーんだけど、声には出さずにそのまま待つ。
「あの、その、壊しかけたりしてごめんなさい!久しぶりに見た人間だったからつい興奮しちゃって歯止めが利かなくなっちゃたの!もう二度としないから!!怪我とかさせてしまって本当にごめんなさい!!」
そういって泣き出すフランドール。
泣きたいのは怪我をして死に掛けた俺の方なんだがどうなんだろう?
その前に子供の泣き顔はえらく俺の心にグサグサと罪悪感と言う名の刃物が突き刺さってくる感じがする。
そして、目の前のもうひとりの子供、謝って泣いてんだから許してやれよっていう顔をするんじゃない。
そんなんでほいほい許すことができたら世の中殺人犯だらけになってしまうわ。
そうこう考えていると、フランドールの泣き声がよいよい大きくなってきた。
その顔は涙と鼻水でグシャグシャになっており腕でぬぐってもぬぐっても涙が止まらないようだ。
「フランドール。こっちにおいで」
そう俺がフランドールを呼ぶとフランドールは泣きながらだが素直に近づいてくる。
こんなに泣いている子を怒るわけにもいかないよな………そう思い俺は右腕をあげる
「っ!」
フランドールは叩かれるっと思ったのかギュッと目を瞑り体を強張らせる。
俺はその上げた手をフランドールの頭に優しく置くと
「もういいよ。フランドール。一杯泣いて反省しているみたいだし、許してあげるよ。その代わり今度からは絶対にあんなことをしないでくれよ」
そう言ってフランドールの頭を優しく撫でる。
フランドールは最初顔をキョトンとさせていたが俺の笑っている顔と頭を撫でている感触が分かったのか泣いている顔を満面の笑みに浮かべると
「うん!わかった!次からは手加減をしてやるね!!」
と大きな声でいった。
そうじゃない………そうじゃないんだフランドール!俺はああいうことはやめて欲しいといったんだけど、その満面の笑みを見てしまったら何も言えなくなるじゃないか。
結局俺は何も言えずに、ただフランドールの頭を撫で続けたのだった。
「えへへへへ」
それとそこのお姉さん、俺がフランドールの頭を撫でているのをみて歯軋りしないで。
そんな、フランドールの満面の笑顔を見てこちらに歯をむき出しにして殺気を浴びせないで。
そんなぼそっと
「フランドールに手を出したら殺す」
て言わないで下さい。ただ頭を撫でているだけじゃないですか。
フランドールのことが可愛いのは分かるからちょっと落ち着いてくださいな………あ、いま床が少し陥没した。
そんなかんじで俺とフランドールの謝罪は終わったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
謝罪のあとフランドールとその姉レミリアとはいったん別れて俺は怪我のためそのままベットに横になり安静にすることにした。
しかし、ベットの上でジッとしているのも退屈なもので俺は直ぐに飽きてしまった。
ああ、暇だなっと思っていると。
「失礼します」
といって銀髪の髪の女の人が入ってきた。
顔自体は恐ろしく綺麗な顔立ちをしているのだが一際存在感を佇ませているものがある。
それは女の人が着ている服であった。
それは、なんとメイド服である!生まれて生きていた中で始めてメイド服を着ている人を見てしまった!
漫画やゲームなどには度々出てくるのだが実際に着ている人は初めてなのである。
それに、実際の人間がメイド服などを着ていると違和感を感じるものだが、目の前の人はそのような感じはまったくせずメイド服がよく似合っていた。
「お食事をお持ちいたしました。」
「あ、すいません。ありがとうございます。」
そういって料理の乗ったカートのような物を押して部屋に入ってくる。
そのまま俺のベットの前までくると、病院なのでよく見かけるベットの上におくテーブルのような物を俺の目の前に置いてその上に食事を並べていく。
内容は肉料理やスープ、サラダなどの洋食が中心のメニューだった。
その料理を全て並べ終えると
「それでは準備が済みましたので失礼します。食事が終わったらテーブルを脇の方に寄せていてください。後で下げに来ますので。」
「あ、すいません。何から何までありがとうございます。」
そういって頭を下げる。
「いえ、お気になさらないでください。では、失礼します。」
そういって銀色の髪のメイドさんは何も乗っていないカートを押して部屋から出て行った。
「しまった。名前を聞いておけばよかった。」
そう思ったが、ここにいる以上また会うこともあるだろうと思い、一先ずは目の前のご飯に取り掛かるほうが先決だ。今の今で何も食べていなかったので俺の腹は目の前の料理を見て盛大に鳴っていた。
「いただきまーす!」
まずは肉からっと思い一口食べてみると
「旨い!旨すぎる!!」
それはとても美味しく俺は一心不乱に目の前の料理を片付けるのだった。
そしてその後、全てのご飯を平らげた俺は満腹のため眠くなってしまい行儀が悪いと思いつつも食器もそのままにベットに横になる。目を瞑ると直ぐに睡魔が襲ってきて俺はそのまま眠るのだった。