「は~食べた食べた~恭一の料理も美味しかったし満足だわ~」
あのあと作った料理の殆どを幽々子さんが食べて挙句の果てにデザートまで要求してきやがった。
「そんな体が細いのに何処にあれだけの量が入るんだろうね?」
「それは私も疑問に思っていたのですが今ではあれが普通になってしまったので特に何も感じないようになってしまいました。逆に幽々子様が殆ど食べない時などは何かあるのかと思うぐらいです。」
俺と妖夢が満足そうにしている幽々子さんの顔を見て話をする。
あ、おもむろに幽々子さんが横になりだした。
「幽々子さん食べて直ぐに寝たら牛になりますよ」
「いいのよ、私亡霊だから太ったりしないの」
そういって横になると物の数秒で寝息を立てだす幽々子さん。
「ねえ妖夢、亡霊ってどういう事?」
「幽々子様は肉体が無く魂だけの存在なのです。ですが普通の人と同じように食事もなさいますし睡眠をとったりします。ですから特に普通の人と変わりはありません。」
へえ~そうなんだ。亡霊とか言うと体に触れなかったり何も取らなくてもいいような存在だと思っていたのだけどそんなことはないんだ。
「と言っても幽々子様が特殊なだけなんですけど……普通の幽霊などは食事を取る必要もありませんし睡眠をとる必要もありません」
「あ、やっぱりそうなんだ。」
やっぱり幽々子さんが特殊なだけなんだ。
「さて、幽々子様もお休みになられた事ですし私は食事の片づけをいたします。恭一さんもゆくっりなさっていてください。」
「いや、俺も手伝うよ。妖夢だけにさせるのも何だか悪いし最後まで手伝うよ。」
「いいんですか?」
「うん。それにゆっくりするっていってもボーっと景色を見るぐらいしかないし……なにかしてたほうがいい暇潰しになるよ」
「でしたらお願いしますね。それじゃあ持って行きましょうか」
「了解」
俺と妖夢は食べた食器を片付けるために一緒に台所にへと引き返す。
その間も幽々子さんは畳の上に横になって寝息を立てているだけだった。
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あれから一週間ぐらいたち俺は大分白玉楼の生活にも慣れてきた。
大体朝起きて食事を妖夢と一緒に作り、昼までの間ノンビリと過ごした後、妖夢と一緒に昼食を作る。
そして昼から夕方にかけて白玉楼の掃除をして、これまた妖夢と一緒に晩御飯をつくる。
大体そこら辺の主婦の人と代わりのない生活を送っているのだが、一食に作るご飯の量が半端なくその大半が主に幽々子さん1人で消費されていく。
挙句の果てに幽々子さんが食べ足りない時は俺のおかずまで取られてしまうのでご飯を食べる際などは細心の注意をしながら食べなければならないといった状態になっている。
そして、幽々子さんの生活だが、日々食っちゃ寝、食っちゃ寝、の生活を繰り返して駄目ニートのような生活を送っていた。
今日もまた朝、昼ご飯を妖夢と一緒に作っていつものごとく白玉楼の掃除をしようと思っていたのだが、この日はいつもと違い珍しく起きていた幽々子さんに呼び止められたのだった。
「ねえ恭一ちょっといいかしら?」
「あれ?幽々子さん今日は起きているんですね。何か用ですか?」
「そんないつも寝ているばかりじゃないわよ。私も忙しい生活を送っているの。」
おかしい、俺が見たのは毎日毎日食っちゃ寝、食っちゃ寝をしている幽々子さんの姿しかないんだが。
「まあ、その辺は置いといて、あなた高い所を掃除するときに椅子とかを使って掃除しているみたいだけど何で空を飛ばないのかしら?」
「空を?俺が飛べるわけないじゃないですか。大体俺は人間ですよ?別に特殊な力なんて持ってないですし」
「あら?そうなの?でもあなたの体から微妙に霊力みたいなものが出ているからてっきり空も飛べるものだと思っていたのだけど。」
霊力?何かの間違いじゃないのだろうか。もともと俺の体は今は肉体から離れて魂だけの生霊状態だからそう思えたんじゃないのだろうか?」
「現に今も霊力をあなたから感じとれるのだけど、もし扱い方が分からなかったら私が教えてあげましょうか?今は特に何もすることないし。」
「いつもする事が無いの間違いじゃないですか?」
「そんなことないわよ~。それで、私の教えを受ける気はあるの?」
「ええ、俺に霊力なんてものがあるのならぜひ教えてください。色々役に立ちそうですし。自分の体を守ることもできそうですしね。」
霊力といったらあれだろ?陰陽師とか霊能力者とかが持っているやつだろ?漫画とかでみるとその霊力を使ってドンパチしていたから多分、自衛手段にも使えるはず。
それに幽々子さんの話しを聞く限り空を飛べるような事もいっているからもしかしたら飛べるようになるかもしれない。
そういった事を思いつつ幽々子さんの教えを受けることにする。
「そう。なら色々教えてあげるわね~。まずは………」
幽々子さんの話を要約すると人間の魂はもともと力を持っておりそれを霊力というらしい。
そしてその霊力を自分の意思で自由に操る事ができればそれは体の外の世界……つまりは現実において何かしろの形となって力になるらしい。
例えば体にまとえば身体能力の向上。
外に放出すれば漫画であるような現象となって手から光の弾を出して敵に攻撃することができるようになったりと、その用途は多種多様にわかれるらしい。
いまいち俺の頭はそれほどできのいい物では無いので幽々子さんのいう説明に理解が追いつかないのだが兎に角その霊力を操ることができれば俺もめでたく空を飛ぶこともできるらしい。
空を飛ぶことにはあこがれもあったし、その話を聞いて俄然やる気が出てきた。
「幽々子さんこれからお願いしますね!」
「ええ、まかせなさい~」
こうして俺の白玉楼での生活で家事手伝いの他に霊力の修行も加わるのだった。
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「こんなもんでいいのかな?」
「はい、良くできていますよ。そのまま意識を集中させてその形を保ってください。」
今、俺と妖夢は白玉楼の庭先で霊力の修行を行なっている。
あれから幽々子さんに教わる以外でも暇があれば妖夢にも見てもらい、今ではやっとこさ手の掌に霊力の弾を出すことができるぐらいまで成長することができた。
これを木にぶつけると木が少し削れるぐらいまでの威力が出るのだから大分進歩したといっても言いぐらいだ。
最初のうちなどは出すこともできなかったし。
出すことができるようになっても直ぐに霧散したりと中々上手くできなかった。
しかしながら辛抱強く頑張ってここまでできるようになったのだ。
「大分、恭一さんも上手く集中できるようになりましたね。ではそろそろ空を飛ぶ練習を始めましょうか。
」
「え?マジで!?ようやくそこまで進んだんだ!」
「あなた自身が頑張ったからよ~。それにあなた自身にも少し才能があったのかもしれないわね」
幽々子さんがいつの間にか現れてそう言ってくれる。
「ありがとうございます。そういわれると頑張ったかいがありました。それで、話を戻しますけど、空を飛ぶってどうやって飛ぶんですか?」
「それはですね………」
「それはね……………」
「それは?」
「よく分かりません」
「よくわからないわ~」
「そうですか。よくわから………よくわからない?」
二人とも微妙に目線を俺から離しながらそれそれ喋りだす。
「それが、私は生まれた頃から飛べるようになっていたのよ~。だからどうやって飛べるの?って聞かれてもよく分からないのよ。強いていうなら歩くような感じでっていう事ぐらいかしら?」
「わたしも幽々子様と同じでいつのまにか飛ぶことができるようになりましたから具体的に教えることができません。本当にすみません恭一さん。こればっかりは教えようがないんですよ。」
「そう………なんだ。でもどうすればいいんだろう?具体的な案もないんだし無理なのかな?」
「いいえ、そこまで悲観的にはならないで大丈夫だと思います。私も含めてですけど大体の人がある日突然飛ぶ感覚が掴めて飛ぶことができるようになりますから、その内恭一さんも飛ぶ事ができるようになりますよ。」
「ごめんなさいね~。こればっかりは私も教えようが無いの。最初に教えることができるっていったんだけどよく考えたら直感的なものだから霊力の使用法を覚えていければ自ずと飛ぶようになれるのかと思ったんだけど考えが甘かったみたい。」
「いえ、そこまで気にしないで下さい。霊力の扱い方を教えてもらっただけでも満足ですし………それにその内飛ぶことができるようになるんでしょう?」
「ええ、たぶん大丈夫だと思うわ。根拠はないけどあなたならその内飛べるようになるはずよ。」
「頑張ってください恭一さん!」
「幽々子さんありがとうございます。妖夢もありがとう。」
しかし飛ぶ………空を飛ぶかー。歩くやりかたと同じような感覚といっていたけど空を飛んだことなんて一度もないからなー、どうすればいいんだろ?
「さて、それじゃあそろそろ夕飯の時間だから妖夢と恭一もご飯の準備をお願いするわね。」
「はいはい。今から作りますよ。」
「はい。少しの間お待ちくださいね、幽々子様。」
もう夕飯時なんだな………幽々子さんを待たせると俺のおかずまで取られてしまうから早く作らないと。
俺と夕食を作るために慌てて台所に向かうのだった。