「幽々子さん朝から食いすぎじゃないですか?もうご飯を三杯もおかわりしてますよ」
毎日朝起きてから朝食を作っているのだが、朝からこんなに食えないだろうって言うぐらいの量を毎朝つくっているのだが幽々子さんが1人でその殆どを食べつくしてしまうのである。
しかもご飯を朝から多いいときには5~6杯ぐらいするので見ているこっちが胸焼けするぐらいだ。
「いいえ、今日は早起きをしたからお腹が空いてたまらないのよ。だからまだまだ食べるわよ。」
そんなに食ったら太りますよ………そう言いたいのだが、女性にとってその言葉は禁句なのでわざわざ地雷を踏みに行くような事はしない。
「それに恭一の作るご飯が美味しいのもあるのよ。妖夢のご飯はずっと食べてきたから恭一の作る料理が新鮮で、それがまたいいのよ。」
「恭一さんのご飯は本当に美味しいですからね、私もついつい箸が進んでしまいます。」
基本的に白玉楼では妖夢が作る和食が主なので、洋食や中華など食べたことの無いものを食べさせると二人共とても喜んで食べてくれる。
それが嬉しくついつい作りすぎてしまう時があるのだが、それでも幽々子さんは残さず食べる……というか御代わりまでしてしまうのだ。
俺が元の世界に戻った時に、妖夢はまた幽々子さんのご飯を1人で作らなければならなくなるため、大変だなっと思いながら自分のご飯をあらかた食べつくした幽々子さんの物欲しそうな視線に耐え切れず俺はそっと自分のおかずを幽々子さんに差し出すのだった。
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「今日は屋根の掃除かー。結構ホコリがたまってんなー」
俺は今日も今日とて昼過ぎに恒例の掃除を行なっていたのだが、今日は俺もいるということなので普段することのない屋根の掃除をやろうということで妖夢と共に屋根に上っているのである。
ちなみに屋根に上がった方法は妖夢に抱きかかえてもらってであり、年頃の俺としては恥ずかしいったらなかった。
でも抱きかかえられた時に妖夢からいい匂いがしたので役得役得と思う事にする。
「それにしても上からみると結構高いんだなーこの屋根。」
白玉楼自体の建物がかなり大きいので屋根に上ると結構な高さになってしまう。
「ここから落ちたら怪我ぐらいじゃすみそうにないかも……」
この冥界で怪我をしてしまうと現実の世界でも怪我をしてしまうのだ。
だから体が魂だけといって知らずに大怪我などをしてしまうと現実の世界の身体にも大怪我をしてしまいそのまま身体が耐え切れずに死んでしまうといった状況になってしまうので気をつけなければならない。
「あ、あんまり見てないで早く仕事をしよ………うおわ!」
下を見るのを止めてさっさと掃除を済ませようと振り向いた瞬間、足を滑らせて俺はそのまま空中に投げ出されてしまった。
「恭一さん!!」
慌てて妖夢が手を伸ばすが若干届かずに空振りしてしまう。
「まずい!!」
そのまま、地面に落ちてしまう!と思い衝撃に身を固めるのだが、いくら待っても衝撃が一向にこない。
「?」
俺は恐る恐る目を開けてみるとそこはさっきと変わらない屋根の上だった。
しかしながら変わっているものがあり、それは屋根の上を足で踏んでいるのではなく空中に浮いていることだった。
「俺、浮いてる!浮いてるぞ!!妖夢!!」
そうあれから練習したのだがまったく飛ぶことのできなかった俺が今空中に浮いているのだ!!
「やりましたね!恭一さん!ちゃんと空に浮いていますよ!!」
そのまま体を動かしてみると空中を自在に飛ぶことができるようになっている。感覚的には本当に妖夢がいったように足で地面を歩いているのと変わらない感覚だ。
今なら妖夢の言っていることが分かる気がする。
これは確かに飛んでみないとわからない感覚だ。
強いて言うなら考えるんじゃない!感じるんだ!と、いうやつだろうか?
とにかく楽しすぎて俺はついついはしゃいでしまう。
「やばい!楽しい!」
そのままずっと飛んでいた俺だったのだがいつまでたっても掃除をしないため妖夢に
「恭一さん!飛べるようになって嬉しい気持ちはわかりますけど、そろそろ掃除の方もやっていきましょう!そうしないと終わるのが遅くなってしまいますよ!」
「ごめん妖夢!楽しくてついついずっと飛んでしまってた!今から掃除をするから許して!」
妖夢に謝って再び掃除を再開する俺だった………。
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掃除も終わり、居間で妖夢、幽々子さんと共に3時のおやつを食べている時に空を飛べるようになったという事を妖夢から聞いた幽々子さんが
「さて、恭一も飛べるようになったことだしもう私が教えるようなことは何もないわね。」
「本当に色々教えてくれてありがとうございました。幽々子さん。感謝しても仕切れないぐらいですよ。
妖夢も霊力の使い方の練習に付き合ってくれてありがとう。」
「別にいいわよ。私も恭一にご飯を作ってもらったり掃除をしてもらったりしているんだから。妖夢の負担も大分減ってるみたいだし、私の方こそ感謝しているわ」
「そんな、私も初心にかえれて楽しかったですし、そこまで気にしないでください。」
「そういっていただけると俺も嬉しいです。妖夢も本当にありがとう。そう言ってくれると俺も嬉しいよ。それじゃあ、俺はそろそろ夕飯の準備をしてきますね。」
幽々子さんに一言入れて俺は台所に向かう。
「あ、恭一さん!私も一緒に作りますよ!」
「いや、今日は俺1人で作るからいいよ。妖夢は幽々子さんと一緒にそこでゆっくりと寛いでればいいよ」
「いいえ、恭一さんと一緒にご飯を作るのは楽しいですし、それに色々料理の勉強にもなります。だから一緒に作らせてください。それに何もしないというのも手持ち無沙汰なので何かしたいっていうのもあるんですよ。」
「そこまで言うなら一緒に作ろうか。それじゃ、幽々子さんご飯ができるまで待っていてくださいね」
「わかったわ~」
「それじゃあ行こうか妖夢。」
「はい、台所に行きましょう。」
俺たち二人は立ち上がるとそのまま台所に向かった。
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この日は自分の空を飛べるようになった祝いと幽々子さんや妖夢に手伝ってもらった御礼も兼ねて俺の知る限りの豪華な料理をこれでもかと作った。
普段は手間がかかって作らない料理を作り時間はたつが最高の料理を出そうと思い、幽々子さんにはいったん居間に戻り饅頭などを渡し、それを足止めにして料理を作った。
そして食卓では
「美味しい!美味しいわ~!いつもこんなに豪勢だったらいいのに~。本当に美味しくて箸がますます止まらなくなりそうだわ~!」
「美味しいです!恭一さん!もし良かったらこの料理の作り方を後で教えてください!」
大変好評だったので良かったとする。
これで幽々子さんや妖夢に少しでも恩を返せたのかな?と思いながら俺もご飯を食べるために箸を伸ばすのだった………が、おかずに箸が付く寸前に別の箸が俺の箸を掴むのだった。
「………幽々子さん。行儀が悪いですよ。人の箸を自分の箸で掴まないで下さい。」
「恭一、そのおかずは私が全部食べようと思っていたのだから別のものを食べなさい。」
「嫌です!この肉団子の餡かけは俺が丹精込めて作った一品ですよ。俺が作ったんだから一口ぐらいでも食べさせて下さいよ。」
「悲しいけど、これも戦争なの。だから食べたかったら私の屍を越えて行きなさい!」
ギリギリと箸が俺と幽々子さんの力で軋む中、お互いにガンを飛ばしながら目の前の肉団子を幽々子さんは譲ろうとしない。
「ならば力ずくで奪うま………ああ!」
俺が幽々子さんの箸を弾こうとしたその一瞬、幽々子さんの箸が電光石火のごとく翻り俺の箸を弾き飛ばした。
そしてそのまま悠々としたり顔で肉団子に箸を伸ばして肉団子を食べ尽くす幽々子さん。
ちなみにその間妖夢はそ知らぬ顔で自分の好物を黙々と食べている。
「幽々子さん!少しぐらいは残してくれてもいいいじゃないですか!俺も食べたかったんですよ!自分で作ってなんですけど、あれは俺の好物なんです!!」
「だから言ったじゃないこれも戦争なんだって、悔しかったらもっと力を磨いてきなさい」
「よし!やったろうじゃありませんか!後で泣き言を言っても知りませんからね!」
「私の箸の動きについてこれるかしら!?」
こうして〈第一次ご飯争奪戦 白玉楼の戦い〉が勃発したのだった。
結果は…………もちろん俺の惨敗だった。