目の前に何故かブレザーを着たウサ耳の女の子がいる………。
輝夜さんの部屋から出て朝食を食べるためにご飯のある場所に向かったのだがてゐの案内のもと部屋を開けた先に居たのは何故か何処かの高校のブレザー服を着た銀髪の長い髪の頭にウサ耳がついている女の子だった。
「あなたは……お師匠様が連れてきた人間ね?一応自己紹介しておくと、私の名前は鈴仙 優曇華院 因幡よ。」
「は?うどん………何だって?」
なにやら奇怪な名前を聞いてしまったのでもう一度聞いてみる。
俺の耳がおかしくなったのだろうか?
「だから!鈴仙 優曇華院 因幡よ!!」
やはり聞き間違いじゃなかったようだ。
しかし名前に優曇華院ってどうよ?
「え~と、ごめん。鈴仙ね、よろしく。俺の名前は日野 恭一。ついこの間この幻想郷に来た普通の人間……だと思う。」
すでに二回も死に掛けていて冥界に行き、また舞い戻っているので自分自身本当に人間なのかと最近思うようになってきた。
「恭一!あなた、私をあのままほっぽいて何をのうのうと朝ごはんを食べようとしているのよ!!」
俺が鈴仙に自己紹介をしていると、急に後ろから輝夜さんの声が聞こえてきて、続いて猛スピードで輝夜さんがこちらに向かって走ってくる。
「恭一ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!」
「ちょ!!輝夜さん!そんな速度でこっちに向かって来たらぶつかりますって!!て、うお!!」
速度をまったく緩めることなく輝夜さんはこちらに向かって走ってきて、俺の目の前で地面を蹴るとそのまま俺に向かってフライングクロスチョップをかましてくる!
『ドゴン!!』
という音と共に、そのまま何もできずに輝夜さんのクロスチョップをくらって
「きゃあ!!」
鈴仙も共に巻き込んで畳の上に倒れこんでしまう。
「あいててて………たく、女の人がするような事じゃないだろう………あれ?」
倒れた畳の上から起き上がろうと手を畳に付いた時
『ムニュ!!』
という柔らかい感触がした。
「あれ?何だこれ?」
そのまま感触を確かめるため何度もそれを触ってみる。
『ムニュ、ムニョン』
「あ、ちょ、ちょっと!止めなさいってば!!」
俺と一緒に倒れていた鈴仙が急に顔を赤くして俺の顔面を拳で打ちぬいた!
「ぐほぉ!!」
そのままなす術もなく再び今度は鈴仙によって吹き飛ばされる俺。
「どこ触ってんのよ!この変態!!」
鈴仙は立ち上がると、そのまま自分の胸を腕で隠す。
あ、あの柔らかい感触はもしかして鈴仙の胸の感触だったのか!?
「ご、ごめん!!わざとじゃないんだ!!」
鈴仙に対して必死に謝る俺。
「あら、や~ね~。女性の胸を揉む何て………何て変態なのかしら。」
「ウッサッサッサッサ!!!変態だ!変態がいるウサ!!」
「やかましい!大体輝夜さんが俺をクロスチョップで弾き飛ばした事が元凶でしょうが!それと、てゐも面白がらない!!」
「あら?あなた達、何をやっているの?」
騒いでいる俺達の前に、最後に現れた八意さんは不思議そうに俺達を眺めるのだった。
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「はい!どうぞ!!」
目の前に『ドン!!』と茶碗が置かれる。
「あ、ありがとう………鈴仙。」
「ふん!!」
わざとではないのだが、鈴仙の胸を揉んでしまったため、鈴仙には嫌われてしまったようである。
鈴仙には、後でちゃんと謝らないと……そう思いながら俺は目の前の朝食を見る。
朝食はごく一般的なもので、ご飯に焼き魚、味噌汁に沢庵といったものである。
「ウサギがいっぱいいるからニンジンばっかりだと思っていたけど違うんだな。」
ニンジンばっかりの料理がでてくるのかと思っていたのだが極々、一般的な朝食が出てきたので何だか拍子抜けである。
ちなみに、朝食は皆で食べるらしく、輝夜さんや八意さん、鈴仙、てゐなどが同じテーブルに座って一緒になって食べる。
他にも一般的なウサギ……どうもこの永遠亭には鈴仙やてゐ以外はあまり人間の姿にとることのできるウサギは少ないらしく普段見慣れているウサギも多くおり、それらも混じって大勢で食べるのだ。
「人間に化ける事のできない子達はニンジンが主というか好きみたいだからニンジンばっかりだけど私達はちゃんと一般的な物を食べるわよ。」
勢いよくご飯をかき込みながら輝夜さんが教えてくれる。
しかしこの人のこんな姿を見ていると本当にあのかぐや姫なのか?と思ってしまう。
それ程、御伽噺のかぐや姫とこの輝夜さんはギャップが違うのだ。
「そうなんですか?まあ、別にニンジンも美味しいから別にいいんですけど、さすがにニンジンずくしはきついですからね。」
「そういえば、私が来たとき何か騒いでいたけど何かあったの?」
「あ!それはですね、お師匠様!!この男が………」
「だあ~!!俺が悪かったって!!本当に許してください!!この通り!!」
先ほど胸を揉んだことを八意さんに言われそうだったので俺は鈴仙に向かってテーブルに額がつくまで深く、深く頭を下げて謝罪をする。
「………はあ、しょうがないわね。でも次はないわよ!!!」
よかった。許してくれた。
「本当にごめん。許してくれてありがとう。」
本当に次はこんなことが無いように気をつけよう。
「?よく分からないけど何かはあったようね。まあ、その辺は後で鈴仙に聞こうかしら。」
「八意さんも勘弁してください。俺が恥ずかしい思いをするだけなので。」
「そう言われると余計に聞きたくなるのよね……」
それ以上は何も言わない八意さんだがこの人は後で絶対に鈴仙に聞くだろう。
だって顔が微妙に笑っているから。
「そういえば恭一は何かこの後することがあるウサ?」
「俺?特にする事はないけど……どうして?」
てゐにこの後の事を聞かれたのだが特にすることもないのでそう答える。
「それだったらご飯の後に一緒に筍を取って欲しいんだけど。今日の夕食を筍にするらしいからその材料集めに行こうと思って。人は1人でも多いい方がいいからさ」
「俺もこの後何をしようと思ってたところだし、全然構わないよ。」
「それはよかったウサ。じゃあ、この後一緒に筍をとるウサ。」
「わかった。よろしくてゐ。」
特にこの後することがなかったので、てゐの提案は逆にこっちにとっては大助かりである。
「私は朝早く起きて眠いし朝寝でもしようかしら……」
クア~と大口を開けて欠伸をする輝夜さん。
「わたしはやりかけの実験があるから、その続きね。」
「私も手伝います。お師匠様。」
どうやら鈴仙は八意さんの弟子らしくその手伝いをするみたいだ。
八意さんの事を師匠って言っているみたいだし。
さて、俺も予定が決まったことだし、さっさとご飯を食べるとするか。
今日の予定も決まったところで俺は朝食を食べるため箸を伸ばしたのだった。