「………ふうん、中々美味しいじゃない。この味だったら合格点をあげてもいいわ。」
「あら、私は結構好みの味だけど……特にこの筍の煮物が美味しいわね」
「ウッサッサ!ウッサッサ!」
上から順に輝夜さん、八意さん、てゐの感想。
どうやら皆の口に合ったみたいだし、よかった、よかった。
そしててゐは笑ってばかりいないで何か言えよ。
………あ、喉に詰めやがった。
「ほら、お茶。」
お茶を手渡すとそのまま勢いよく飲んでいくてゐ。
「プア~!助かった!いや~ついつい美味しくていっぱい詰め込んじゃったよ!いい仕事してるじゃん恭一!」
「そいつはど~も。でもまあ、いっぱい食べてくれてなによりだよ。」
皆の反応を見るまで食べるのを止めていた俺は、皆の反応を見てほっと一安心して自分も食べだす。
「あ!そうそう。恭一、食事が終わった後、私の部屋に来なさい。今朝約束していた、いいものをあげるわ。」
「いいもの?何の話です?」
はて?そんな物を貰う約束なんかしていたか?
「ほら、今朝の将棋の勝負よ。私が負けたらいいものをあげるっていったでしょう?」
ああ!思い出した!確かそんな約束をしていたな。
「そういえばそんな事を言ってましたね。でも別にそこまで気にしないでいいですよ。俺なんか輝夜さんに言われるまですっかり忘れていましたし。」
「駄目よ!それじゃあ私のプライドが許さないわ!だから後で必ずいっらしゃい!!」
「……分かりました。じゃあ後で伺いますね、輝夜さん。」
「ん、よろしい。」
これ以上何を言っても聞きそうに無いので素直に頂く事にする。
輝夜さんには悪いとは思うけどやっぱりもらえる物は嬉しいしな。
丁度ご飯も食べ終え、一先ず俺は食器の後片付けをする。
料理を作るだけで後片付けをしないっていうのも悪いし。
「それじゃあ、食器類を片付けたら後で向かいますね?」
「別にそこまでしなくていいんじゃない?」
「最後まできちんとしないと落ち着きませんから。」
「ふうん、そうなの。」
輝夜さんはそういうと
「じゃあ、私は一足先に部屋で待ってるから後で来なさいよ。」
「はい、分かりました。」
輝夜さんはそういうと自室へと戻っていく。
そしてご飯を食べ終えたてゐと八意さんも
「ご馳走様。美味しかったウサ!恭一!」
「ご馳走様でした。夕飯も美味しかったし、明日も期待しているわよ恭一。」
「はいよ。そう言ってくれてありがとうてゐ。それに八意さんも明日も頑張って作るんで期待しててください。」
食後の挨拶を言ってそれぞれ思い思いの所へと消えていく。
「さて、後片付けをしようかね。」
まずテーブルを片付けようと重ねた皿を持っていこうとしたらすでにそこには重ねた皿は置かれていなかった。
「ほら、さっさと片付けるわよ。姫様がお部屋であなたの事を待っているんでしょう?」
どうやら鈴仙が食器を運んでくれたみたいだ。
「あれ?鈴仙は部屋に戻らなくていいのか?」
「私も後片付けを手伝ってやるって言ってるのよ。見れば分かるでしょう?」
「それは嬉しいけど………いいの?」
「別に……普段やってることだし、特に苦にもならないわ。」
口調自体は若干キツイもののどうやら後片付けを手伝ってくれるみたいだ。
ほんと優しい性格してるよな。
言ったら怒りそうだけど。
「それじゃあ、鈴仙も手伝ってくれるし、さっさと済ませようか!」
俺と鈴仙は仲良くとは言わないまでも、最初にあった時とは比べ物にならないぐらいの、微妙に和やかな雰囲気の中で後片付けをするのだった。
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「すいません。輝夜さん、来ましたよ。」
あの後、鈴仙と共に後片付けを終えた俺は鈴仙に手伝ってくれたくれたお礼を言って別れた。
そして、その足でそのまま夕食の時に約束していた通りに輝夜さんに部屋に向かった。
「ああ、恭一。入っていいわよ」
輝夜さんに許可をもらったのでそのまま襖を開けて、中に入る。
「………微妙に汚くなってますね?朝方掃除をしたばっかりなのに」
「こ、これは後で片付けようと思ったのよ。それよりそこに座りなさい、恭一。」
今朝方片付けたばかりだというのに、すでに微妙に汚くなっている。
しかも輝夜さんのいいわけが子供並みの言い訳の仕方だったので片付ける気はゼロだろう。
その光景にため息をつきながらも俺は言われた通りに中に入り、畳の上に座る。
「さて、渡すのが遅くなったけれど、あなたにあげるものはこれよ。」
輝夜さんは後ろから何やら包み紙みたいなものを出すとそれを俺の目の前に置いた。
「これは何ですか?」
俺は目の前に置かれた物を取って、しげしげと眺めてみる。
どうやら中に粉みたいな物が入っているみたいだけど………。
「これは蓬莱の薬という物よ。飲めば体は丈夫になるしちょっとやそっとの傷じゃあ直ぐに治るようになるわ。あなたがここに来た原因は死に掛かっていたことが理由なんでしょ?だから、この薬を飲むとそんな心配はしなくてすむようになるわ。」
「へえー……って!それはすごいですね!だったら俺も直ぐにしにかける心配はしなくてすむっていう事ですか?」
「まあ………そうなるわね。」
おお!!それは凄い!!輝夜さんの言うまでの微妙な間は気になるが、これなら紅魔館に戻ってフランと遊ぶ時に、もう死にかける心配はないぞ!!
「本当にいいんですか?こんな貴重な物を?」
そんなものをただ将棋に勝っただけの俺が貰っていいのだろうか?
「私にはもう必要の無いものだし別にいいわよ。特にこの先使う事もないから。だから遠慮なく貰って頂戴。」
「それなら有難く使わせてもらいます。ありがとうございます、輝夜さん。」
「さて、それじゃあやる物もやったし、今朝のリベンジと行きましょうか!今度はこれで勝負をするわよ!」
次に出された物は囲碁だった。
「今度は囲碁ですか……よし!どうせこの後もする事がないですし付き合いますよ!」
こうして俺は夜遅くまで輝夜さんに付き合って囲碁を打ち続けたのだった。
ちなみに勝率は10勝1敗0分
最初は1回のみの勝負だったのだが大差で俺が勝ってしまい、再びムキになった輝夜さんがもう1戦、もう1戦という風に結局11回戦まですることになった。
俺は将棋だけではなく囲碁のほうもじいちゃんに教わっていた。
というよりも一通りの遊戯を教わっているので幅広く行なうことができるのである。
まあ、そんなことはどうでもいいのだが、あまりにも最初、勝ち続けていたので途中でワザと負けたのだが、輝夜さんに直ぐにばれてしまい、余計ムキになった輝夜さんに勝負を挑まれ続け気づいた時には12回戦という戦いを行なってしまいあたりも大分暗くなってしまっていた。
「それじゃあ、輝夜さん暗くなってきた事ですし夜も遅くなりましたから俺はもう寝ますね。」
輝夜さんに声をかけるが輝夜さんはウンともスンとも言わない。
どうやらさすがに10敗……正確には11敗したのがショックだったらしく、今朝の将棋で負けた時と同じ様に囲碁の前で白くなり固まっていた。
「ああ、こりゃあ駄目だ。朝の時と同じ感じになってるし………朝のときと同じ様にそっとしておいたほうがいいか。」
俺は白くなっている輝夜さんをそのままにして、部屋から出る。
「明日に輝夜さんに会うのが怖いが、時間がたてば元に戻るとてゐも言っていた事だしそのままにしておいたほうがいいよな。」
そのような言い訳じみた言葉を呟きながら俺は眠るために自室へと引き返していくのだった。