「そういえば恭一は今日にでも紅魔館に帰るのよね?」
鮭を突きながら輝夜さんが言ってきた。
「はい、確かそうなってるはずなんですけど、どうなんですか?八意さん?」
今日にでも紅魔館の誰かが迎えに来てくれるものだと八意さんに聞いた気がするんだが
「ええそうよ。今日のお昼過ぎぐらいに紅魔館の人が恭一の事を迎えに来るらしいわ。」
八意さんが俺の質問に答えてくれる。
「ん~、恭一が居なくなったら微妙に寂しくなるけどしょうがないか~。元々此処の住人じゃないしね~。」
てゐがそのように言ってくれて嬉しいのだが
「てゐの場合は悪戯する奴が減るからだろう?」
「ありゃ?分かった?」
「おおかた、そんなところだろうと思ったよ。」
てゐとは会って間もないが大体考える事は分かったので素直に嬉しくはなれない。
「でも、私は恭一が居なくなってしまうと暇を潰す相手がいなくなるからできれば残って欲しいわね。まだきちんと勝負に勝ってないし。」
「紅魔館に戻っても暇があれば遊びに来ますからそれで許してください。それに輝夜さんともまた、将棋を打ちたいですし。」
毎日暇つぶしの相手をさせられるのはキツイが時々遊びに来るぐらいだったら大丈夫だろう。
もっとも紅魔館の主であるレミリアが遊びに行くのを許してくれたらの話だが。
「私は……強いていうなら色々調べさせてもらえて満足だったって所かしら?」
俺が寝ている間に何をしたんだこの人?
「私は、家事の負担がまたいつもの状態に戻ったって所かしら?一緒に料理をして楽しかったのは事実だけど。」
鈴仙……俺がいなくなったらまら1人で家事を頑張る苦労の日々に戻るのか………強く生きてくれよ!
「鈴仙も家事頑張ってくれ。時には手伝いに来るから。」
「あまり期待しないで待ってるわ。」
まあ、まだ帰る時間では無いのだが、先にきちんと挨拶をいったほうがいいか、と思い、今は食事の時間なのだが皆が揃っているので今話をしているのだ。
ちょうど、鈴仙と話したところで全員ご飯を全て食べ終えたところなのでその後片付けに入った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お久しぶり、恭一。無事に治ったみたいね。」
あの後、片づけを終えて昼までノンビリと過ごした後、紅魔館の人が来たと、回りのウサギに伝えられて行ったところ、迎えに来てくれたのは咲夜さんだった。
「お久しぶりです、咲夜さん。何とか無事に還ることができました。」
「それはよかったわ。妹様が随分と心配していたわよ。「恭一、ちゃんと治るかな!?」って」
「大丈夫です。この通りピンピンしてますよ。」
「そう、それはよかった。それじゃあ、早速で悪いけど早く紅魔館に戻るわよ。妹様があなたの帰りを心待ちにして、落ち着かずに辺りの物を壊し始めているから。」
「それじゃあ早く帰らないと。っと、その前に帰る前に永遠亭の人たちに挨拶していきますね。」
「ええ、なるべく早く済ませてね。」
「分かりました。」
咲夜さんに少しだけ時間を貰い、永遠亭の人たちに別れの挨拶をするため悪いとは思ったが、直ぐ近くにいたウサギに皆を呼んできてもらう。
少し待ったところで皆が集まってくれ、そこで俺は
「紅魔館の人が迎えに来てくれたので帰る事になりました。皆さん、短い時間でしたけど大変お世話になりました!」
「私からも御礼を申し上げます。本来ならきちんとした御礼を申し上げたいところなのですが、諸事情により早く帰らなければならないため、後日改めて御礼を申し上げる所存です。」
「確か、咲夜とか言ったわね?御礼とかは気にしなくていいわよ。恭一相手にいい暇つぶしができたからね。それと恭一、今度来たときは絶対に負けないからね。」
「私は色々研究や実験ができたから逆に感謝したいぐらいだわ。」
「色々と楽しかったウサ!」
「まあ、また会いましょう恭一。今度また、一緒に料理を作りながらね。」
それぞれが俺に言葉をかけてくれる。
「皆………本当にありがとうございました!また必ず会いに来るので、その時はよろしくお願いします!!」
「それでは、失礼致します。」
こうして俺は短い時間だが住んでいた永遠亭から離れて、本来いる紅魔館へと戻っていった。
紅魔館へ戻る途中
「そういえば咲夜さん、俺飛ぶことができるようになったんですよ。」
そういえば言うのを忘れていた。
俺自身、飛ぶのより歩くほうが長いため、どうしても忘れてしまうんだよな。
「それは本当なの?あなた確か、弾幕を撃つ事もできなかったはずだけど。」
「いえ、それがあの時死に掛けて、冥界の白玉楼って所に行って、お世話になっていたんですけど、そこの住人の人に霊力の使い方を教わったんですよ。だから今は飛ぶこともできるんで、歩いて返らなくても大丈夫ですよ。ほら、」
そういって、実際に浮いてみて本当である事を咲夜さんにアピールする。
「確かに浮いているわね………それじゃあ、帰る時間も短縮できることだし飛んで帰りましょうか。」
「はい。」
こうして、俺たちは時間短縮のため空を飛んで紅魔館へと急いで帰っていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「やっと帰ってこれた。色々あったけど無事に帰ってこれてよかった」
目の前の赤い館をみてやっと帰ってきたんだなっと実感する。
「お帰りなさい、恭一さん。無事に治ったみたいでよかったです。」
「お久しぶりです、美鈴さん。お蔭様で無事に戻ってくることができました。美鈴さんこそ元気でしたか?」
「ええ、私の方はあいかわらず元気ですけど、恭一さんこそ体の方は大丈夫なんですか?」
「はい、健康体になって還ってくることができました。」
「それはよかったです。さ、早く中に入ってください。フラン様も恭一さんが帰ってくるのを心待ちにしていますよ。」
「あ!そうだった!それじゃあ、また後で美鈴さん。」
「はい。あと咲夜さんもお帰りなさい。」
「忘れられていると思ったけど気づいてもらってよかったわ。それじゃあ、私も中に入るわね美鈴。」
「あはははは!私が咲夜さんの事を忘れるわけないじゃないですか!どうぞ、中に入ってください。」
美鈴さんと別れて紅魔館の中に入る。
すると入って直ぐにこちらに向かってくる人影が1つ
「恭一~~~~!!!会いたかったよ~~~~!!!!」
「フラン!!心配かけたな~~~!!!」
そのまま走ってきて、こちらに抱きつこうと地面を蹴って飛び上がるフラン。
そしてそれを抱きとめようとする俺。
「はて?何か忘れているような気がするけど………。」
フランを抱きとめようとするところで、何か重大な事を忘れていうような気がする。
はて?何だっけ?
「きょういちぃぃぃぃぃぃ!!!!」
あ!思い出した!確か、俺が冥界に行った理由ってこのフランのタックルに耐え切れずに死に掛けたことが原因だったんじゃん。
って事は、今の状況はこの前の状況とまったく同じ状況じゃないかい?
「ちょ!フラン!ストップ!!ストォォォォプ!!!!!」
その事に気づき止めようとするが
「きょういちぃぃぃぃぃぃ!!!」
フランは静止しようとする俺の声が届いておらず、そのまま突き進んでくる。
そして程なくしてくる衝撃。
「あ……やっぱり同じ衝撃だ………」
薄れゆく意識の中、見えたのはあきれたように額に手をやってため息をついている咲夜さんの姿だった。