「くあ~!今日も元気におはようございますっと!」
眠りから覚めてベットから降りる。そしていつものように洗面台に顔を洗おうと向かおうとするところで
「そういえば此処は俺の家じゃなかったな。」
あの後フランの教育係を受けた後どうやって教えていこうか一日中考えていて気づいたら眠っていて朝になったんだった。
「約束通り今日からフランの教育係をしましょうかね。」
一先ず顔を洗いに洗面台まで向かい身支度を整えてフランの所に向かう。
ちなみに現在は朝の8時。
吸血鬼なのに日中を過ごすってどうよ?と思ったが起きているものは起きているので深く考えないことにする。
「さ~てフランは起きているかね~」
部屋を出てから長い廊下をのんびりと歩いていると目的のフランの部屋が見つかった。
フランも地下室が壊された事が切っ掛けで外に出ることができたので、今は別の部屋に寝ている。
一応部屋をノックして
「お~い!フラン起きてるか~?」
少し待っても返事は無く俺は悪いとは思ったが起こすために部屋に入る。
「お邪魔します………」
無断で他人の部屋に入る時ってなぜか小声になるよね?
そんな、くだらない事を考えながら部屋の中に入る。
すると予想のごとくフランが部屋の奥にあるベットですやすやと気持ちよさそうに寝ていた。
俺はフランが寝ているベットの前まで行くと
「お~い!フラン!朝だぞ~!!起きろ起きろ~~い!!」
声を出して体を揺するも中々起きない。
しょうがないので今度はフランの頬っぺたを突付いてみる。
『ぷにぷに』
おお!非常にやわらかい頬っぺたをしているじゃありませんか!
子供の肌って柔らかくて気持ちいいんだよな~。
そう思って突付いていると
「う~ん」
フランの眉がゆがんで
「『がし!』はぐ!」
頬をつついている俺の指を掴むとそのまま口の中に含んでしまった。
「うお!これはいかんでしょう!何か他人が見たらえらくヤバイ気がする!!」
今の光景を誰かに見られたら俺は多分ロリコンの称号を与えられるだろう。
寝ている女の子に指を吸われているなんて犯罪以外の何物でもない気がする。
「フラン!急いで!急いで指を口から離して!そうしないと俺、捕まっちゃいそうだから!!」
「わふぁひのふぉふぉをひゅひゅいふぁびゃちゅびゃびょ!!(私の頬をつついた罰だよ!!)」
こいつ………起きてやがる!今までは狸寝入りでもしていたのか!?
それよりなんで口にいれるんだよ!?おかしくない!?
「フラン!この光景は非常にやばいんだ!何がやばいって俺の命が危ない気がしてならない!!」
何故かは分からないが、このままでいると危険なような気がしてフランの口から懸命に指を離そうとするが
「む~!」
負けじとさらに吸い付いてくる。
フランさん!そんなに指を咥えてどうしたいのさ!?
『がり!』
「痛え!フラン!指を噛むな!血が出る………血!?」
フランは俺の指を噛み切ってそこから出た血をおいしそうに飲んでいる。
「おいおい!血を飲まれたら俺も吸血鬼になるんじゃないか!?」
俺が叫ぶとフランは一旦指から口を離して
「大丈夫。こっちから血を送らない限り吸血鬼になる事はないよ。だからもっと頂戴」
そういって再び俺の指に吸い付き血を飲むフラン。
おお!よかった!吸血鬼にはならずにすんだ………いや!それも嬉しいけどいい加減指に吸い付くのはやめて欲しい!何だか直ぐそこまで死の危険が忍び寄っている気がする。
「はっ!!殺気!?」
「何なの?朝から騒々しいわね。あれ?確かここはフランの部屋だったはず………」
ドアの方を覗いてみるとそこには騒音の原因を探りに来たレミリアと目があった。
「まずい………これは非常にまずくないですか!?」
昨日、フランが謝った後に俺がフランの頭を撫でていると、俺にしか聞こえない声でぼそっと
「フランに手を出したら殺す」
って言ってた気がする。
俺はロリコンではないのでフランに手を出すことは無いのだが、この光景を見る限りではどう見てもいいようには捕らえられない感じがする!
「あの、レミリアさん?これはですね………」
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すコロス………………」
「……………フラン?指を離してね………じゃないと巻き込まれるから。」
「うん」
こういう時だけは素直に離すフラン。
最初から素直に離してくれるとありがたかったんだが…………もう遅い。
「グッバイ!フラン!!」
俺はフランに人生で一番いい笑顔を向けると、受刑者のような気持ちでレミリアの方に向かったのだった。
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「ててててて!何とか生き残る事ができた。でも、もう少しで二度目の三途の河を見るところだった」
レミリアの前に辿り着く前に大きな光の弾の大群によって弾き飛ばされた俺は、そのまま地面に落ちて気をう失ったらしい。
そして俺の体に放たれたのは弾幕といって、弾幕ごっこの際に用いる攻撃手段なので死ぬことはないのだふが、中ると結構痛い。
それが大量となると気絶するのも当然だと思う。
「お姉さま、凄く怖そうな顔をしてたね。」
「あれは、鬼だよな。吸血鬼って西洋の鬼って言うぐらいだし言葉どおりかもしれないけど。」
咲夜さんが偶然通りがかって止めてくれなかったら俺はそのまま死んでいたかもしれない。
最後の方なんて直接俺の首を絞めていたもんな。
いやはや、マジで死ぬところだった。
しかし、気を失う前にレミリアを後ろから抱きとめる咲夜さんを見た時、鼻から鼻血を出して嬉しそうにしていたけど………まあ気のせいだな!あんな綺麗な人がおいそれと鼻血を出すわけないもんな!
ちなみに何で咲夜さんと呼んでいるかというと、昨日の夜、フランの教育係を受けた時に自分の事は咲夜でいいと言ってくれた。
どうも苗字で言われるのが慣れていないらしい。
別に断る理由もないので今は咲夜さんと呼ばせてもらっている。
「よし!痛みも大分おさまったし、今から図書館に向かうぞ!」
「お~!」
気絶した俺はそのまま部屋に放置されて、レミリア事が済んだらさっさと何処かに行き、咲夜さんはそれに付いて行った。
フランだけは俺が起きるまで居てくれて、起きた時に怪我も負っていたので痛みが引くまで待ち、痛みもおさまったので行動に移すことにする。
「今日は図書館で何をするの?」
俺と繋いだ手をゆらしながらフランが尋ねてくる。
最初は二人で並んで歩いていたんだがフランは急に俺の手をとるとそのまま繋いでゆらゆらと揺らしながら歩いていく。
顔を見ると楽しそうにしている。
やる事がとにかく子供っぽく、手を繋いだのも今まで薄暗い地下室にずっといたので人の温もりが恋しいのかも知れない………繋いだ手を見ながらそんなことを考える。
でも今は地下室から外に出ることができたんだし色々楽しいことも教えていきたいと思っている。
まあ、ちゃんと勉強とかも教えていかないといけないだろうけど。
そんな事を考えているとフランがこちらの顔をジッと見ている。ああ、質問に答えてなかったな、
「っと、悪い悪い。色々考え事をしてた。今日は図書館で読書だな。フランの部屋にいっぱい絵本があったから今日は図書館で絵本を見ながらすごそうか?」
「やった!!わたし絵本を見るの大好きだよ!」
嬉しいのか繋いだ手をぶんぶん振ってはしゃぐフラン。
そしてぶんぶん上下に振られる俺。
フランの力が強く俺は腕だけではなく体ごと上下にふられているのだ。
「フ、フラン!体が!体が上下にゆれてる!ちょと落ち着こう!そうしないと俺の腕がこのままではとれてしまう!!」
握られたての方が振られるたびにミチミチと嫌な音を立てておりこのままでは取れてしまいそうなほどの痛みを感じてくる。
俺はあわててフランを落ち着かせる。
「ごめんなさい。嬉しくてついハシャイジャッタ。ちょっとおとなしくするね。」
フラン的には腕を振っているつもりなのだろうが力があまりにも強すぎるため俺の体ごと振ってしまうことになるのだ。
恐るべきかな吸血鬼の力。
「嬉しい気持ちも分かるけど、少し落ち着かないとまた能力が暴走するかもしれないしな。」
フランは気持ちが高ぶってしまうと何かを壊してしまう気持ちが強くなるそうな。
だから心を落ち着かせる事も一緒に覚えさせていかないといけない。
「まあ、落ち着いた事だしなかに入るぞ。」
「うん」
扉を開けると、目に飛び込んできたのは見上げるぐらいの大きさの本棚とそれに収まっている本。
それらが無数に置かれてあり、大きな町の図書館でもこのような大きさは無いだろうと思えるほどの光景だった。
「おお~!すげえ!これ全部本ってか?」
「凄いねー!本が一杯だよ!!」
二人で中に入り、その本の多さに圧倒される。
どこをみても本、本、本。見渡す限り本と本棚で一杯である。
「あら?あなた誰かしら?」
フランと二人で見回していたのだがそこに女の子の声が急に聞こえてきた。
その方向を向くと、そこにはネグリジェっぽいゆったりとした服をきた女の子と、そのすぐ後ろにメガネをかけた司書っぽい服装の女の人がいた。
特筆すべきは、その女の人の背中には黒っぽい翼がはえていた事だろう。
「ここは私の図書館よ?そんな所に許可も無しで入ってくるあなたは誰なのかしら?」
「ああ、これは悪かった。俺の名前は日野 恭一。よろしく。ええっと」
「パチュリー。パチュリー・ノーレッジよ。」
「私の名前は小悪魔といいます。」
ネグリジェを着た女の子がパチュリー、後ろの司書の格好をした人が小悪魔さんらしい。
「私の名前はフランドール!よろしくね!」
するとパチュリーが意外そうな顔で
「ああ、あなたがレミリアの妹のフランドールなの?地下にいるって聞いてたけど出てきたのね。」
「よろしくお願いします。妹様」
お互い挨拶をして
「それでここに来た理由だけどフランに本を見せようって事でレミリアに言ったら、この館には図書館があるからそこに行きなさいって言われたんだ。それで、ここに来たわけ。」
「そうだったの。レミリアが許可を出したのなら別にいいわ。その代わりあまりあれそれと本をとったら危ないわよ?」
「危ない?どうして?」
本が崩れるといった意味で危ないのだろうか?ここは本が一杯あるので本棚の高さも結構ある。
それが崩れたら確かに危険そうだけど
「ここには魔道書も置いてあるから、強力の物だとあなたの精神を破壊してしまう物や乗っ取ってしまう物など様々な物があるからあまり無闇に触らないことね。」
そいつは怖い事を聞いた。
俺は話を聞きながら何気なく取っていた本を怖くなってゆっくりと棚に戻した。
「奥の方に行かなければそこまで危険な物はないわ。だから、安心していいわよ。」
「そう言われて安心したよ。どの本が危険かまったく解らないから聞けてよかったよ。」
奥の方に行かなければ特に問題はないだろう。
「ちなみに私はレミリアの友人よ。それで此処に住まわせてもらってるの。」
「へえー。レミリアの友達か。それじゃあ」
「いえ、私は吸血鬼じゃないわ。そう言っても人間でもないけどね。俗にいう魔女ね。」
吸血鬼の次は魔女か。
「そして後ろにいるのは私の使い魔。背中に翼がはえているでしょ?」
確かに翼が生えている。会った時から非常に気になっていた。
「私は魔族です。といってもそこまで力は強くないんですけどね。これからよろしくお願いします。恭一さん」
おお!雰囲気がやわらかい感じの人で安心した。
「恭一!早く絵本を見ようよ!」
俺たちの会話に退屈したのか、フランが俺の袖を引っ張って急かしてくる。
「ああ、ごめん。待たせて悪かったな。それじゃあ、色々教えてくれてありがとう。パチュリー、小悪魔さん」
「別にいいわよ。それじゃあ、恭一」
「また、お会いしましょう恭一さん」
そういって二人は図書館の奥の方に向かっていった。
「さーて、待たせたなフラン!それじゃあ、絵本を探そうか?」
「うん!」
そして俺たちは絵本を探すため図書館の本棚に、改めて向かって行った。
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それぞれ本棚に向かってどの絵本がいいかを選ぶ。
俺は子供向けの本を探して色々な絵本をとってみる。
しかしながら本の題名を見てみると
『ヤンデレラ』
『切り裂きジャックと豆の木』
『人肉姫』
『赤スキン』
など、普通の絵本とは違った内容の本があった。
特に人肉姫などは名前自体が不気味でどうなっているのか良くわからない。
試しに一番最初にとったヤンデレラを見てみたのだが
「あかん。これは駄目かもしれん」
思わず関西弁になるほど子供には見せられない内容だった。
「途中まではシンデレラと似てたけど結婚してからのヤンデレラの怖さは恐れ入ったね。」
そう、普通のシンデレラなら王子と結婚してハッピーエンドで終わるのだが、ヤンデレラの方はまだ続きがあった。
結婚した後、最初は幸せに暮らすのだが元々平民のヤンデレラは王子にいつか捨てられるんじゃないかと思うようになり、ある日料理の中に眠り薬を混ぜて王子に食べさせる。
その料理を食べた王子は当然寝てしまい、王子が起きるとそこはヤンデレラの部屋。
不思議に思いながらも体を起こそうとするが起き上がることがまったくできない。
よく体を見てみると両手足ともベットに縄で括り付けられている状態だった。
声をあげて助けを求めるとそこにヤンデレラが現れた。
王子はヤンデレラに助けを求めるもヤンデレラは俯いて何も言葉を発しない。
不振に思った王子だがそれでも目の前にはヤンデレラしかいないので続けて懸命にヤンデレラに声をかけるとやっと顔を上げるヤンデレラ。
顔を上げたヤンデレラの顔はいつも見る美しい顔ではなく、虚ろな目をして、口は半開き、開いた口からは涎が垂れてブツブツと何かを呟くばかり、正に狂人の顔であった。
さすがに王子も異変に気づき別の者に助けを求め声を出すが一向に現れる気配はない。
そしてヤンデレラの呟きが急に止まると、にたぁっと顔を笑みの形に持っていく。
そして右手に何かを持って引きずるような足取りでこちらに向かってくる。
王子はその右手をよく見てみるとその物は鈍い光を放っており、どうやらナイフの類のようだった。
それに気づいた王子はますます声をあげてヤンデレラを止めようと叫ぶがヤンデレラの歩みは止まることはない。
そのまま歩み続け、王子の枕元にヤンデレラが立つと口を開けて狂ったように笑い出し、頭を掻き毟る。
頭から血が出ても掻くのをやめないヤンデレラは終に顔中血だらけになってしまう。
そしておもむろにナイフを持った手を振り上げて王子の顔に叩きつけようとするヤンデレラ。
王子が最後に見た光景は迫ってくるナイフと顔中血だらけのヤンデレラと、さらに血よりも紅い血走ったヤンデレラの目だった……………。
『パタン』
俺は静かに本を閉じるとそのまま本棚に直そうとするが本が震えて上手く直すことができない。
実際に震えているのは本じゃなくて俺の腕なんだが、というよりも全身が震えているような気がする。
「ヤンデレ怖いよヤンデレ!もうトラウマに発展しそうだよこの絵本!」
子供には絶対に見せらんないでしょ!これ書いた奴、頭がおかしいんじゃないの!?
他にも開けて見たのだが全部が全部似たような内容だった。
『切り裂きジャックと豆の木』は豆の木の物珍しさに来た人をジャックが切り裂いていく話で、
人肉姫は人間になった人魚姫が最後に王子と分かれる際に贈りもとの言って自分の肉を食べさせる話。
赤スキンは殺人鬼の赤頭巾の女が人を殺す際に浴びる血で肌が真っ赤になる話しだった。
どれもこれもが救いようのない話がする。
他にも多くあったがどれもこれもが似たような内容だった。
「どうするか?さすがにフランにこんな絵本は見せたくないし。」
どうするか?っと考えていると
「恭一ー!これ読んで!」
フランが一冊の本を持ってやってきた。
それがまともな本であって欲しいと願いつつ俺はその本をフランから受け取り、表紙を見てみる。
『ドラキュラ』
………よりにもよってこれか。
ご丁寧なことに表紙に写っているドラキュラが子供向けのように可愛らしくアレンジされていた。
「あれか?フランやレミリアが吸血鬼だからこんな本があるってか?」
考えても始まらないので、この本がまともであって欲しいと願いつつフランと一緒に本を読むために机のある椅子に座る。
フランは隣の椅子に座ると思いきや俺の膝の上に座った。
「えへへへ」
上からフランの顔を覗いてみると、地面についていない足をブラブラさせて楽しそうに笑っていた。
まあ、相手は子供だし、そこまで考えることも無いか………。
フランも嬉しそうにしているのでそのまま俺は本をとって中身をあけて読んでいく。
結局、ドラキュラの話は思ったよりも、まともな内容だった。
吸血鬼のお姫様が悪い人間にさらわれてしまい、別の国の吸血鬼の王子がそのお姫様を助けるといった内容で、最後はその人間を倒して二人は結ばれるといった話でハッピーエンドで終わるのだった。
読み終えた後はフランの目はキラキラとしておりとても満足そうな顔をしていたのでよかったと思う。
俺はというと
「やばい。凄くまともな本だった。さっき見た本が異常すぎて人間が悪役の所なんてどうでもいいと思えるほどいい本だった。」
きっと先ほどの本が異常すぎたのだろう。
そう思いながら、読んだ本を直して新たに読む本を探すため椅子から立ち上がった俺とフランだった。
………ちなみにあの後、吸血戦隊ドラレンジャーやキュラエモン(そこドラでよくない!?)などがあり、特にドラレンジャーは5城合体キングドラキュライザーと言った巨大メカが出てきており今度個人的に読んで見ようと思った。