フランと一緒に絵本を読んでいると急に
『ドガシャーン!!』
という音と共に部屋の窓ガラスが割れて箒に乗った金髪のいかにも魔女です!といった感じの服装の女の子が入ってきた。
「おーっす!!本を昨日の約束どおり本を借りに来たぜー!!」
地面に降り立つとその女の子は大きな声で叫んだ。
て、言うか窓ガラス割って入るなよ。
「あれ?お前だれだ?」
その子はこちらに気づくと箒を片手に持って歩いてきた。
「そっちの子は確かフランドールとかいう名前だったはず。そっちのお前は始めて会うぜ!」
フランの方は知っているみたいらしいが………
「フラン、この人はいったい誰なんだ?」
「昨日やって来てお姉さまと私を倒した人。私の時は二人がかりだったけど、もう1人の巫女の方はいないね。」
ああ!この女の子がこの前俺をフランから助けてくれた女の子の一人か。
格好からして白黒の方で間違いないだろうな。
そうだ!助けてくれたお礼は言わないとな、
「この前はフランから助けてくれてありがとう。お蔭で何とか生き延びることができたよ。」
そういうとその白黒の女の子はこちらの顔をジーーと見て
「ああ!お前はあの時、そこのフランと一緒にいた男か!ちゃんと動けるようになったんだな!」
「まあね、っと自己紹介が遅れたな。俺の名前は日野 恭一。今はここでフランの教育係をやってるよ。」
「あたしの名前は霧雨 魔理沙!いわゆる普通の魔法使いだぜ!」
「じゃあ、よろしく魔理沙。」
「よろしくだぜ!恭一!」
よろしくっと言ってお互いに自己紹介をする。
しかし、普通の魔法使いって何だ?他にも凄い魔法使いとか弱い魔法使いとかいるのだろうか?
そんな事よりも
「今日は何の用事で来たんだ?もうフランはおとなしいぞ。」
「うん。もう落ち着いたから何も壊さないよ。」
「いや、今日は別の用事でやってきたんだぜ。本を借りると昨日約束したからな」
本?何の本だろう?まさかドラレンジャーとかだろうか?
「図書館の窓を割って入らないでちょうだい。ホコリが喉に入ってしまうわ。」
そんなくだらない事を考えていると奥から小悪魔さんを連れたパチュリーがやってきた。
「こほ!こほ!………それで、何の用事で来たの?」
「今日は本を借りに来たんだぜ!昨日約束しただろ?」
「ああ、こんなに早く来るとは思わなかったわ。約束だし好きな本を持っていっていいわよ。ただし、一冊だけよ。」
「わかってるぜ!じゃあ私は本を探すからな」
そういうと本を探しに奥の方に向かった。
「パチュリー、奥の方にいって大丈夫なのか?確かあそこは色々と危ない本があるんじゃなかったか?」
「大丈夫よ。魔理沙は魔法使いだし、そうやすやすと危険な目にはあわないでしょう……こほ!」
「パチュリー様、大丈夫ですか?」
「どうかしたのか?パチュリー?」
「大丈夫?」
あまりにもパチュリーが咳き込むので俺とフランはパチュリーの心配をする。
「ええ……こほ!私は喘息持ちなの、こほ!こほ!!だから、あまりホコリのあるところには行きたくない………こほ!」
「それなら早くここから離れた方がいいぞ」
「そうさせてもらうわ、魔理沙の事はよろしく頼むわね」
「ああ、まかせとけ」
「うん!大丈夫だよ!!」
「ありがとう。それじゃあ、もう行くわね。」
そういってパチュリーは小悪魔さんに支えられながら図書館から出て行った。
しかし、魔女なんかも喘息になるんだな。
薬か何かで直せそうな気がするんだが無理なんだろうか?
「ふい~大量!大量!やっぱりここには色々と面白そうな本が山ほどあるぜ!」
山ほど本を抱えた魔理沙がこちらに向かってやってくる。
そしてテーブルの上に風呂敷を広げるとその中に本を置いて落とさないように風呂敷をしっかりと結んでいく。
あれ?本って1つだけじゃなかったか?
「魔理沙、本は1つだけじゃなかったのか?」
「しょうがないんだぜ、色々と私の興味をそそる魔術書がいっぱいあったからな。1つに選びきれなかったんだよ。」
しかしパチュリーに後を任せると言われた手前、そうそう持っていかせる分けにはいかない。
「また今度に持っていけばいいだろ?今日は一冊だけにしとけって」
「そういうわけにもいかないんだぜ。私は今日持って帰りたいんだ。だから持って帰るんだぜ!」
何なんだろう?このジャイ○ン理論。
「それじゃあ、またな恭一!フラン!」
そんなことを思っていると魔理沙はとっとと風呂敷を箒に結ぶと、箒の柄にまたがって凄い速度で飛んでいった。
「いっちゃったね。恭一」
「ああ、行ったなフラン………後でパチュリーに謝ろうな。」
止めるまもなく魔理沙はそのまま高速度で、来る時に破った窓から外に出て行った。
俺は止められなかった事を後でパチュリーに謝ろうと思ったがその前に魔理沙に対して
「借りるというか強盗に近くね?窓とか破るし」
と思ったのだった。
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あの後きちんとパチュリーに謝罪した。
頼まれたのに何もできなかったのはさすがに悪いと思ったのできちんと謝ることにした。
その時パチュリーは
「しょうがないわ。あの子ならそんなことを平気でしそうだしね。今度返してもらえばいいからそこまで気にしないでいいわ」
といって許してくれたが俺には魔理沙が本をずっと返さないような気がしてたまらない。
まあ、気がするだけなんで次来た時はちゃんと返すだろうと思いパチュリーと分かれて自分の部屋に向かう。
ちなみにフランは本を読みすぎて疲れたのか今では俺の背中に乗って
「すう……すう」
といって寝息をたてている。まあ、外に出て色々と気分が高まっていたんだろう。
「起こすのもかわいそうだしこのまま部屋まで運ぶか。」
フランを部屋で寝かせてあげようと思いそのまま背負って廊下を歩いているとばったりとレミリアに会った。隣には咲夜さんもいる。
「あれ?レミリア?こんな所であうなんて奇遇だな?」
「そうね。あなたこそ何処に行こうとしているの?」
俺は背負っているフランを見せると
「フランが疲れて寝ているから部屋まで運んでベットで寝させてあげようと思って。そっちはどこかにいく途中か何かか?」
「そうよ。それで………フランのことなんだけど私が背負ってあげてもいいわよ?」
その言葉に俺はレミリアをジッと見る。
その視線にレミリアは
「な、なんなのよ?じっと見て。私のカリスマ溢れる姿がそんなに美しいのかしら?」
「いや、レミリアがフランの事が本当に大好きなんだなって思ってな。」
「な!何をいっているのよ!別にそんなんじゃないわ!私はただお前にフランの部屋に入れさせるわけにも行かないと思って言ったのよ!寝ているフランに何をするかわからないから仕方なくよ!仕方なく!」
「はいはい。分かった、分かった!それじゃあフランを渡すから少し待っててくれ。後、咲夜さん。少し手伝ってください。」
「はい。畏まりました。」
咲夜さんに手伝ってもらいフランを一旦俺の背中から下ろすと慎重にフランを抱えてレミリアの背中に乗せる。
「ほら、レミリア。ちゃんと背負えよ?」
レミリアに言うがレミリアはまったく答えない。不振に思って顔を見てみると
「ああ!初めてフランを背負うことができるわ!これも姉冥利に尽きるという奴ね。でも、何てフランは軽いのかしら。ちゃんとご飯を食べているのかしら?もし食べ………………」
ずっとフランのことに関して喋っており、すでに心は此処にあらずといった感じだった。
「おいおい、シスコンすぎるだろ。」
どんだけフランの事を溺愛してるんだ?この子は?フランがレミリアに対してどこかよそよそしい態度を取っていたからだろうか、フランの前では少し冷たい印象を受けていたんだが、こう見ると全然態度が違うなっと思う。
「フラン。これを気に少しはレミリアに甘えてみたらどうだ?」
小声でフランに耳打ちをする。
実はフランは俺が下ろす際に目を覚ましていたが、レミリアのフランに対する本心が分かるということでそのまま寝た振りをさせていたのだ。
フランが少しだけ首を縦に振ったので、俺は少し笑うとそのままレミリアから離れて咲夜さんの隣に付いた。
「それじゃあ、フランの事をお願いします。俺は腹が空いたんで適当にご飯でも作って食べます。あ、食材使わせてもらってもいいですか?」
「よろしいのですか?言われれば私がお作りしますが?」
「いえ、咲夜さんはレミリアに付いていてください。あの状態じゃあ部屋にたどり着かないかもしれないですから」
レミリアの方を見てみると未だにフランを背負ってその場に立っている。
「わかりました。それでは、食材はキッチンの方にありますのでご自由にお使いください。それでは失礼します。」
「はい、こちらもありがとうございます。ありがたく使わせてもらいます。」
お礼をいって咲夜さんもレミリアに向かって歩いていく。俺はご飯を作るためその方向とは逆方向に向かって行った。
「家族水入らずの場面を邪魔するわけにもいかないしな。」
そのまま俺はキッチンへと脚を向けるのだった。
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「上手にできました~~~~~!!」
キッチンに行くと色々な食材があったのでそのまま夕食を作ることにする。
案の上、トマトがいっぱいあったのでトマト料理と後は何品かを作る事にする。
メニューはトマトスープと肉があったのでハンバーグのトマトソースがけ。
あとは、トマトのサラダに焼きトマト。
全部トマトを使った料理だがまあいいだろう………そんな事を思いながら手早く料理を作っていく。
実は俺は料理ができるのだ。
家の親が料理ができず必然的に俺が料理を覚えなければいけないような状況になったため必死に練習してできるようになったのだ。
ちなみに母は料理自体は好きなのだが何故か味は信じられないほど不味いといった、はた迷惑な事をしてくれる。
どうせ、性格もかなり大雑把だから調味料なんかも適当に入れているからだと思う。
何回注意しても聞く耳を持たないのだ。
まあ、それはさておき自分の夕食は作ったのでそのままテーブルに並べて食べようとすると、
「あら、中々上出来な料理ができているじゃない。男だから大雑把な物かと思ってたけど中々いいんじゃないかしら?」
食堂に入ってきたレミリアが俺の料理を見るなり、そういってくる。
「何だ?レミリアも食べたいのか?それなら作ってあげてもいいけど」
「別に食べる必要はないわ。ただ男が料理を作るのが面白いから見てただけ」
そうは言うがお前の目線はハンバーグからまったく外れていないんだが。
普通に食べたいって言えば作るのに。
「私は食べて見たいと思います。他の人が作る料理も気になりますし。作っていただけないでしょうか?」
「わかりました。なら座って待っててください。直ぐに作りますから。」
レミリアに続いて入ってきた咲夜さんがそういうので俺は再び作ることにする。
「私のはかまわないわよ。」
あいかわらずハンバーグから目を離さないレミリアだが、そんなじっと見ていると説得力がまったくないぞ、と思う。
「丁度、料理の種が後二人分あるから食べてくれないか?あまらせるのももったいないからできれば食べてほしいんだけど。」
「そ、それならしょうがないわね!食べてあげるから早く作りなさい。恭一。」
「はいはい。仰せのままに」
俺は再び料理を作るべく厨房に戻っていった。
「そう言えばフランは部屋で寝ているのか?」
二人分の料理を作り一緒に食べた後フランの事について聞く。
ここにいないから多分本当に寝たんだと思うけど。
………ちなみに、料理の評判は結構よかった。機会があればまた作りたいと思う。
「フランなら部屋で寝ているわ。ベットに入れると直ぐに寝息をたてていたわ。」
レミリアが食後のワインを飲みながら言う。
子供がワインなんて……と思ったがレミリアもかなりの歳をとっているはずなので別にいいのか?と思う。
そして俺もありがたく頂いている。
年齢自体は未成年だが酒は隠れて度々飲んでおり大好きなのだ。
「今日は結構はしゃいでいたからな。眠たいのも当然だろう」
「その通りね。図書館に行ったのも始めてだろうし、興奮するのも無理ないかもしれないわね。ただパチュリーが喘息を出して寝込んでいるのは考えなかったけど。」
あれは魔理沙のせいだろう。
フランと俺は図書館にいっただけだし、でもパチュリーも早く良くなって欲しいと思う。
「さて、そろそろ俺も眠たくなってきたし寝ることにするよ」
ちなみに咲夜さんは食べ終えた食器類を洗うため席を離れている。
俺は断ったのだが、気づくと食器と咲夜さんは消えていた。
多分時を止める能力を使ったのだろう。
「なら眠るといいわ。私はもう少しワインを飲んでからにするから遠慮せずに部屋に戻っていいわよ」
「そうさせてもらうよ。じゃあ、おやすみレミリア。咲夜さんにもおやすみと伝えておいて」
「ええ、おやすみなさい…………それと恭一、今日はありがとう。あなたのお蔭でフランとの距離が大分、縮まった気がするわ。」
「別に俺は何もしていないんだが………フランと仲良くできたならよかったんじゃないか?」
「ええ………そうね。ほんと今日はいい一日だったわ。」
姉妹は仲良くが一番。
そう思いながらレミリアと別れて自分の部屋に戻り、今日一日が終わるのだった。