幻想郷の日々   作:ぐるぐるりんぱ

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第8話

「道も暗くなったな。街灯とかの明かりがないから本当に暗いな。」

 

霊夢と別れてから紅魔館に帰る途中の山道を歩いて帰っているのだが辺りも大分暗くなり夕方に帰るつもりが夜になってしまった。

 

「こんな暗くなるんだったらおとなしく霊夢の所にでも泊まっておけばよかった。」

 

そう考えるのもあとの祭りであり、俺は肩を落としながら暗い山道をゆっくりと帰っていく。

あまり急いで帰ると足元が暗く見えないため木の根などに躓いてしまうのだ。

 

「あれ?あそこだけ以上に暗いぞ?」

 

黙々と歩いて帰っていると前方の一部分だけ周囲と比べて異様に暗くなっている場所があった。

それはもう暗いというよりかはその部分だけ闇に包まれているような感じだった。

 

「なんだこれ?何でここだけこんなに暗いんだ?」

 

不思議に思って近づいていくとその暗闇から女の子の声が聞こえてきた。

 

「おいしそーな人間の匂いがするのかー」

 

この暗闇喋んの?どういう原理で喋ってるんだろ?

そんな事を考えていると不意にその暗闇が薄れてきて中から金髪でショートカットの女の子が現れた。

 

「おいしそーな人間がいる。あなたは食べてもいい人間?」

 

暗闇が薄れて現れた女の子にはビックリしたがそれよりも女の子が言った言葉がすごい気になる。

この子俺の事をおいしそうだとか言わなかったか?

 

「もう我慢ができない。いただきまーす」

 

俺が何かを言う前に我慢ができなくなったのかそういって大きな口をあけて俺の腕に噛み付こうとする女の子。

俺は慌ててそれを避けてから

 

「ちょ、ちょっと待った!いきなり俺を食べようとしないでくれ。俺は食べ物じゃないぞ!!」

 

「お兄さんは人間じゃないの?」

 

「え?そりゃあ、人間か妖怪かと言われたら迷うことなく人間と答えるけど。」

 

「だったら大丈夫。わたしの好物は人間だから問題ないよ。」

 

いやいや、俺的にそれは大問題だよ。

だってこのままだったら俺目の前の女の子に食われるんだぞ。

俺を食べるといったんだから十中八九この子は妖怪なんだろう。

 

「ちょっと待って!俺を食べるんじゃなくて別の物があるからそれにしないか?」

 

「別の食べ物か?何かあるの?」

 

目の前の妖怪の女の子………ルーミアに言われて俺は慌てて懐からおにぎりを取り出す。

 

「俺を食べないでいてくれたらこのおにぎりと漬物をあげよう。それで勘弁してくれないか?」

 

霊夢のご飯を作ったとき俺も後で食べようとしておにぎりにして作ったのだ。

漬物は帰りに霊夢がご飯のお礼にと、くれた物で帰りに歩きながら食べようと思っていたのだ。

 

「んー?わかった!今日はそれでいいよ!」

 

良かった!これで駄目なら逃げる事しかできなかったし。

俺はルーミアが承諾してくれてほっとため息をついてから言った通りルーミアにおにぎりと漬物を渡す。

 

「ありがとうなのかー。それじゃあ、いただきまーす!」

 

言うや否や凄い勢いでおにぎりを食べていく。

おにぎりは大き目の物が3個ぐらいあったのだがあっというまに全てルーミアのお腹の中に収まってしまった。

 

「おいしかったー。どうもありがとう。」

 

一先ず助かったのでよしとする。

 

「そういえばお前の名前は何ていうの?わたしの名前は教えたからお前の名前も教えて?」

 

「ああ、俺の名前は日野 恭一っていう。この前此処に来たばかりの人間だ。」

 

「分かった。恭一ね。私の名前はさっき教えたからいいでしょ?」

 

「ルーミアだろ?それはもうわかっているけど何で俺を食べようとしたんだ?」

 

「それはお腹が空いたから。それにここ最近人間を食べてなかったから久しぶりに食べたくて。」

 

そんなことを聞くとこの子が妖怪なんだなということが分かる。

特に何の抵抗も無く人間を食べると言うなんて普通の人じゃあ言わないだろう。

 

「別に人間じゃなくてもいいんだろ?おにぎりとかも食べたんだし、できたら人間以外のものを食べてくれないか?」

 

「んー?そう言われてもやっぱり一番食べ物の中で美味しかったのは人間だし、そればっかりは駄目だと思う。でも恭一はご飯をくれたからしばらくの間は食べないでいてあげる。」

 

「それは嬉しいけど、俺としてはできるだけ他の人も襲って欲しくは無いんだけど………」

 

同じ人間なんだし他の人も襲わないでいて欲しいと思うのだがこれ以上言うとまた襲われそうなので黙っておく。

誰だって自分の命が惜しいのだ。

 

「じゃあ、お腹いっぱいになった事だし私はもう行くね!また会おうね恭一!」

 

「できればあまり会いたくないんだけど………まあ、またなルーミア。」

 

お互いに別れの挨拶をしてルーミアは空に浮いてそのまま飛んでいく。

 

「今回は食べ物を持っていてよかった。次にルーミアに会うときは俺が食べられないように食べられる物を持ってた方がいいな。」

 

しかしあんな可愛い外見をして「食べてもいい?」なんていわれるとさすがに怖いもんがあるよな。

 

「怖い思いもしたことだし、もうそんな思いをしないためにも早く紅魔館に帰ろう」

 

俺は先ほどよりも早く歩きながら紅魔館に帰るのだった。

 

 

 

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