魔法科高校の劣等生〜彼女はモブになりえるのか〜 作:アリス☆
まる1ヶ月ぶりの投稿です!
予告してた通り、司波達也視点からの話です!
「司波さん、クラスメイトと親交を深めるためにも、お時間頂いてもよろしくて?」
俺達二科生を小馬鹿にするような嘲笑う笑みから一転、深雪にはにっこりと可愛らしい笑顔でそう問いかける彼女……声色も先程の怒気を含ませた声とは違い優しい声色……だが、作り物めいた表情をしている彼女も精巧な人形のようで愛らしく可愛らしい……
きっと彼女本人は笑っているつもりなんだろう……でも、瞳が一切笑っていない。
そんな異質な雰囲気の彼女に深雪やエリカ達、深雪に言い寄りたいA組の生徒も、皆一様に呑まれてしまい、動けずにいた。
微笑ましげに見つめる俺の視線や何も答えない深雪に対して痺れを切らしたのか今度は深雪に向かって、厳しい言葉を投げかけた……しかも、深雪の気に触るワードを的確に使って……
「あぁ、それとも……答辞で仰ってた言葉の本当の意味は、そこに居る劣等生の兄に向けた言葉でしたの?……兄妹だからと言って忖度するのは良くないですわよ」
まずい……深雪のサイオンが活性化し始めた。
深雪の周囲が僅かだが温度が下がり始めている。
「先程から聞いていれば……私の友人に対する侮辱……そして、何よりも敬愛してるお兄様に向かって……」
「深雪、よせっ「もっもう、やめてくださいっ!!」
不穏な空気を察して、この状況をどうにかしようとしているのかお下げのA組の女子生徒が魔法を展開する。
「ほのかっ!」
その隣のお下げの生徒より小柄な女子生徒が慌てたように止めに入ろうとする、しかし後方から飛んできたサイオンの弾丸により魔法式が破壊された。
弾丸の飛んできた方向に視線を向けると、生徒会長の七草真由美と風紀委員長で七草真由美と同じく三年生の渡辺摩利が厳しい顔付きで立っていた。
「そこの一年、何をしている!!」
「自衛目的以外の魔法による対人攻撃は、校則違反である以前に、犯罪行為ですよ!」
思わぬ人達の登場に、騒動にいた全員が一様に顔を青くし硬直している……特に最後に魔法を行使しようとしたお下げの女子生徒はよろめいて小柄の女子生徒に背中を抱き留られている。
ただ一人、こんな状況下であってもにこやかに微笑んでいる彼女は周囲の目にはとても異様に見えた……
特に驚いた様子も見られない、彼女にとっては二人に邪魔されることも想定内なのかもしれない
「風紀委員の渡辺摩利だ。君たち1-Aと1-Eの生徒だな。」
「事情を聞きます。ついて来なさい。」
この状況を打破するため、一歩前に出て、礼儀を損なわない程度に軽く一礼をする……
さすがに入学して間もないのに呼び出されるのは困るからな……
「すみません、悪ふざけが過ぎました」
「悪ふざけ?」
俺の唐突な発言に渡辺先輩の眉が顰められる
「彼女の……森崎家のクイックドロウを見学していただけです。」
彼女を矢面に出すのは心苦しいが、正直……あの一科生の中で、本当に実力がある生徒は彼女だけだろう。
上級生の御二方もそう感じているから、彼女に厳しい目線を送る……
俺に矢面に立たされても驚くこと無く、二人の厳しい目線を向けられても平然と微笑んでいられる彼女も凄いが……
「それは本当にそうなのか、森崎。」
「……はい、軽い悪ふざけのつもりが……つい、力が入ってしまって。お忙しい先輩方におかれましては、お手数とご迷惑をお掛けしてしまい、誠に申し訳ございません。」
渡辺先輩の問い掛けに、頭を下げ最上級の謝罪の言葉を述べる彼女。
声色も表情も反省の色が見られる……と思わせるような完璧に取り繕った彼女。
ただ、瞳だけはガラスのように澄んでいて何も写してはいない。
目の前の先輩方もさっきまで小競り合いをしていたエリカ達も、深雪や他のA組の生徒も彼女の瞳に誰一人として……彼女の視線の中にはいない。
俺のことも彼女の中ではどうでもいいんだろう……
彼女の視線にたじろぐ渡辺先輩は、話題を変えるように彼女によって飛ばされたエリカの警棒に視線を向ける
「で、あそこに転がっている警棒は誰のだ?」
遠くに転がっている警棒を指さし問い掛ける渡辺先輩にエリカが……
「それは……あたしの警棒、です」
少々ぎこちない敬語でそう答える。
続け様に彼女が至って真摯な態度で渡辺先輩に向かって発言をする
「私があまりにも真剣に魔法を展開したので、本当に撃たれると思った彼女が止めに入ろうとしたんです……私も本気になってしまっていたので……つい、彼女の警棒をはじき返してしまったんです。」
「そうか……では、最後に魔法を発動させようとした女子生徒……どう説明するつもりだ?」
彼女の言い分に多少の疑念を抱きつつ納得したのか目線を最後に魔法を発動したお下げの女子生徒に移し尋問を繰り返す。
いっそ可哀想に思えるくらい肩を震わせて顔を青くさせる件の女子生徒とそれを支えつつも同じく顔を青くさせた小柄な女子生徒……
「待ってください、先輩方」
顔を青くさせた二人の女子生徒を庇うように進み出た深雪が真っ直ぐな眼差しで先輩方に発言する
「ほのかは、みんなを止めてくれようとしていたんです。」
名前で呼ぶに当たり、深雪の親しくなった友人なんだろうと思いつつ、この騒動を早く終わらせたい俺はそれに付随するように発言を重ねる
「あれはただの閃光魔法でした。攻撃の意思はなかったと思います」
俺の言葉に眉を顰めた渡辺先輩が、こちらを睨みつけるような眼差しを向ける
「ほう?君は起動式を読み取れるとでも?」
「分析は得意ですので」
「誤魔化すのも得意なようだな」
真面目な顔した俺と値踏みするような、睨みつけるような、眼差しの渡辺先輩の間に七草先輩が割って入る
「摩利、もういいじゃない。達也くん、本当にただの見学だったのよね?」
……どうして、七草先輩が俺の事を名前で呼ぶのかは横に置いておこう。
真面目な顔で頷くと七草先輩は得意げに見えて【貸し一つ】とでも言いたげな微笑みを浮かべた。
そして、俺達全員に向けて真面目な顔に戻った七草先輩が訓示を述べる
「生徒同士が教え合うことが禁止されている訳ではありませんが、魔法の行使には、起動するだけでも細やかな制限があります。」
「このことは一学期の内に授業で教わる内容になっています、魔法の発動を伴う自習活動は、それまで控えた方がいいでしょうね。」
この言葉の後を受けてやや納得のいってない表情をした渡辺先輩が形式を意識した言葉で審判を下す
「……会長がこう仰られていることでもあるし、今回は不問にします。以後このようなことがないように」
姿勢を正して一斉に頭を下げる一同に見向きもせず渡辺先輩は彼女に言葉を投げかける
「森崎智駿、明日の朝7時までに登校し風紀委員会本部に来るように……今一度、君の委員会入りを先生方を交え、協議する。」
「承知致しました。」
この騒動の中、ただ一人呼び出しを受けた彼女は、最後までにこやかに微笑んでいた……
その態度が気に入らなかったのか厳しい眼差しで彼女を見つめ踵を返し1歩踏み出したところで首だけをこちらに向けて問いかけを発した
「君、名前は?」
その瞳の端には俺の姿が映っている
「一年E組、司波達也です」
「覚えておこう」
反射的に結構ですと答えそうになるのをグッとこらえて二人が校舎内に入っていくのを見届けた。
こんはんは、読者の皆様
感想と誤字報告毎度ありがとうございます!
評価のバー?が赤色になっているのを見てこんな拙い作品に高評価がとガクブルしておる作者でございます!
いや〜、長いねぇ〜
これでも、二分割にしたんですよぉ〜
そして、アンケも取らずに二分割にして申し訳ございませんでした
もう一話は1時間後に予約投稿してます!
お楽しみに!!
あ、特に何も考えずに押してください。そのうちの予定です。
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