魔法科高校の劣等生〜彼女はモブになりえるのか〜   作:アリス☆

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本日二話目


入学編 第十四話*

 

七草先輩、渡辺先輩の二人が校舎に戻られて安堵のため息をつく……周囲の生徒もほっとしたように胸を撫で下ろしている

 

誰が何を言うでもなく各々が帰ろうとする生徒たちを尻目に彼女が近付いてきた。

 

「借りだなんて、思わないでくださいね」

 

そう勝ち気に言ってくる彼女が俺の手に視線を向け表情こそ変わらないが瞳に驚愕の色をつける……俺の手よりも正確には……今朝、彼女を助け損ねた時の傷を覆うように巻いている包帯を瞳に映している……

 

「思ってないから安心してくれ」

 

むしろ俺のほうが彼女に謝らなければいけない……いくら騒動を収めるためとはいえ、矢面に立たせてしまった彼女……しかも一人だけ明日の朝からの呼び出しがでている。

彼女に謝罪をしようと言葉を発する前に包帯から視線を背けた彼女から言葉を投げ掛けられる……一瞬だけ見えたその顔は泣きそうにも見える……

 

「……私は森崎智駿。貴方が先程見抜いたとおり森崎家に連なる者ですの」

 

「私は……貴方を認めませんわ!」

 

「貴方達のような頭も能力も足りてない二科生の中にいては司波さんがダメになってしまいます」

 

……随分と手厳しい事を言う……でも、それが何故か虚勢を張っているようにも見えるのは泣きそうな顔を見てしまったからだろう。

 

「司波さんは特に貴方の傍に居たいようですから、貴方の方から身の程を弁えてください……では、失礼します。」

 

言うだけ言って彼女……森崎智駿は去っていった……

 

彼女と入れ違うように深雪が庇っていた女子生徒二人がこちらにやってきた

 

「あ、あの……さっきは……その……」

 

お下げの女子生徒は警戒するエリカ達にうまく言葉が出ないのか、しどろもどろの答弁をする彼女を諭すように小柄な女子生徒が前に出て発言をする

 

「ほのかを庇ってくれてありがとうございます。大事に至らなかったのはお兄さんのおかげです」

 

この言葉を切っ掛けにようやくまともな言葉で謝罪を述べるお下げの女子生徒

 

「さっきはすみませんでした!!」

 

「……どういたしまして。でも同じ一年で深雪の友人なんだお兄さんは辞めてくれ、達也でいいから」

 

その言葉に深雪が申し訳なさそうに……

 

「お兄様、申し訳ございません……智駿がお兄様向かってあんな事を……」

 

と、俺に謝罪を述べるが、彼女の事も名前で呼ぶ当たりクラスでは親しい友人の一人になっていたんだろう

今回のことが蟠りにならないといいんだが。それに……

 

「いや、俺の方こそ彼女……森崎さんに謝らないといけない」

 

その機会がある可能性は限りなくゼロに近いが……

 

「あれだけの実力があるんだ、彼女からしたら学年首席の深雪が二科生と仲良くしているのはあまりよく思わないだろうな」

 

実戦経験に乏しい深雪には彼女と仲良くするのは良い刺激なると思う……しかし、なぜ昼休みのあの時は一緒にいなかったんだ?……聞いてみるか

 

「そういえば、食堂では深雪達は森崎さんと一緒じゃなかったのか?」

 

「はい、私達と智駿は食堂に向かう前に智駿の端末に電話がかかってきたみたいで……お昼休みは、別行動していたんです。」

 

「そういや、食堂から出た後に見かけたよな、さっきのアイツ」

 

思い出したかのように呟いたレオの発言に深雪達が反応し三人で顔を見合せて、雫が確認するように問いかけてくる。

 

「それ、本当?」

 

その言葉に今度は俺たちが顔を見合せて、エリカと美月が答える

 

「うん。確かにあたし達、昼に見たわよ。ほら、実技棟に行くのに一番近い道の桜並木のベンチの所に……ねぇ美月?」

 

「はい、ベンチに座って目を閉じられていたんです……少し、具合が悪そうに見えましたけど……」

 

その言葉に深雪が顔を青くして

 

「私が悪いんです。智駿が庇ってくれているのに甘えてしまって……」

 

言葉の意味を察するにあの厄介なクラスメイトから彼女に守ってもらっていたんだろうな

 

青白い顔のままの深雪を落ち着かせるように頭を撫でているとエリカがにやにやと面白いおもちゃを見つけたような顔をして言葉を発する

 

「なぁにぃ、達也くんさっきからあの子のことずっと気にしてるけど……もしかして、惚れちゃったとか〜」

 

……これが……そうなのか…………

 

彼女のことを考えると自然と顔が熱くなり頬が緩む……そんな俺を見た深雪が驚きに満ちた表情でこちらを見つめてくる……

 

「ああ、俺は……彼女に好意を抱いている……」

 

これが……異性に対する好意という感情なのか……

 

昨日今日で見た彼女の表情を思い出す、憂いを帯びた横顔、驚いた表情に微笑む顔、先程の勝ち気そうな顔も、泣きそうな顔も、どの表情も愛おしく感じられる。

 

深雪に向ける親愛とは違い、彼女を大事にしたい、守ってあげたいという思いもあるのに、彼女の全てが知りたい好奇心、彼女を独り占めしたい独占欲、彼女に触れたいという情欲……決して綺麗とは言い難いドロドロとした醜くも彼女を求めずには居られない狂おしいほどの感情の寄せ集め……

 

母の手術を受け、感情を無くし深雪以外を大切に思えない俺が……

深雪以上に大切に思える人が出来る事も……この感情……人を好きになる感情が芽生えるなんて思わなかった……

 

こんな感情……

 

「こんな感情……初めてだ……」

 

 

 





またまた、こんばんは
推しの内面を考えるのが楽しかった作者です!

そして、好感度が下がるどころかなんだか勘違いを生んでそうなオリ主ちゃん!

ガクッと下げるには少しパンチが足りなかったのかっ!!!

そして、なんだか尻切れトンボだった感が否めないこの話……やべぇな……やべぇよな?

さて、次のお話しからはまたオリ主視点に戻ります!
ついでに次回予告も!(内容は変わるかもしれません!)
なんだか、原作にない行動だと思いつつも描写されてないだけであったかもしれないと納得するオリ主ちゃん!朝早くから登校したオリ主ちゃんの運命は如何に?ここで、チート要素があるかも?のタグが生かせるのかは作者次第デース!

あ、特に何も考えずに押してください。そのうちの予定です。

  • 美男美女兄妹(達也深雪)
  • E組トリオ(エリカ美月レオ)
  • 幼馴染みコンビ(ほのかしずく)
  • 先輩グループ(花音啓服部中条沢木桐原)
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