魔法科高校の劣等生〜彼女はモブになりえるのか〜 作:アリス☆
此処は原作の中でよく登場していた喫茶店【アイネブリーゼ】。
終わりの見えない押し問答の末、彼女達の
「だ〜か〜らっ!親しくしてあげるけど君を名前で呼ぶつもりは無いってば。もうそろそろ離してよ!!」
この回答を彼に投げかけるのも何回目かもう覚えてない。
拘束する手は彼に留まらず。場所を移してからは、店の奥の方の席に座らされ両側から兄妹が私を挟み、
そして逃げ道を塞ぐかのようにこの兄妹の友人達空いた席に座り、まるで四面楚歌。
「さっきから言ってるだろう。智駿が俺の名前を呼ぶまで離さない....と」
「智駿。そろそろ諦めて、お兄様の名前をお呼びになって」
「
何度目かの押し問答に野次を飛ばす
「そろそろ達也くんの名前呼んだら、
「なんだ森崎、嫌も嫌も好きのうちってか!」
「エリカちゃんっ!レオくんっ!」
そんな二人を止めようとする。
何がとは言明しないが身体の一部分が
「し、雫。ど、どうする??」
「ほのか、しっ!智駿が折れるまで待とう。もうそろそろだから」
「う、うん。そうだね、雫」
おい待て、そこの
「な、智駿。俺の名前呼べるな?」
「ね、智駿。お兄様のお名前言えるわね?」
グッと私との距離をさらに縮めてくる兄妹の顔に、私は視線を伏せて耐える。この兄妹....顔が本当に良いんだ....。とても辛い....。
「し....司波達也」
とうとう観念して、蚊の鳴くような声で彼の名前をフルネームで呼ぶ。
「もう一声」
「た....達也....」
腰への拘束を緩めた達也が優しげに囁く。
「俺が呼べたら、深雪の事も呼べるな?」
そう諭されて逆サイドに視線を向ける。わぁ....女神の微笑みだぁ....。
それはそれは美しい笑みを浮かべた彼女が期待を込めた声色で囁く。
「さぁ、智駿。いつでもどうぞ」
「....み、深雪....」
「はい、智駿」
もうやだぁ....この兄妹....。
「陥落したわね/陥落したな/陥落しましたね/陥落しちゃったね/陥落したね」
様子を伺っていた五人が一斉に同じ言葉を口にする。
「あなた達、うるさいわよ」
恨めしげに見上げながら睨みつけるも大したダメージは入ってない模様。
「さて、何か頼もうか。智駿は何が良い?」
達也がメニュー表を差し出し問い掛けてくる。
あの五人は各々で色々と品物を注文していたけど、私は達也と深雪に挟まれ押し問答を繰り返していたから何も注文していないのよね....喫茶店に来たのに何も頼まないのはよろしくないよね。
安宿先生にも言われたし、何か....せめて噛まずに食べれるもの....
「エスプレッソのホット....あと、プリン」
それを聞いた達也が慣れたように自分の分や深雪と私の分も含めてマスターへ注文している様を見ていると、如何に私が場違いなのに早くこの場から離れてしまいたいのに、さっきまでの拘束を緩めただけで達也と深雪が私を未だに離してくれない。
そうこうしていると、頼んだエスプレッソとプリンが私の前に運ばれてくる。
流石に食事の邪魔をする気はなかった深雪が腕を解放してくれたが、達也の手はそのまま腰に回されたまま。気にするのもなんだか癪なので達也の好きなようにしておく。決してこの状況が役得と感じた訳では無い!
エスプレッソは黒く揺らめく液体から白い湯気が立ちあがる。
対してプリンは喫茶店らしく固めな印象を受けるが滑らかな表面にカラメルが艷めく。
どちらも健常な人間が見れば食欲をそそるのであろうけど、私はそんな気すら起きない。
まあ頼んだ以上は食べないと....。プリンをスプーンで小さく掬い口へ運ぶ。それを何度か繰り返す、固めとはいえ所詮はプリン。噛まずともそのまま飲み込める喉越しをしている。
そのまま熱々のエスプレッソに躊躇いもなく口をつける。
特に熱いとは感じずそのまま半分程、飲み干す。
プリンを半分ほど食べ終えふと視線を感じ、手を止める。
器用に私の腰に回した手はそのままに空いた手でブラックコーヒーを嗜みつつ熱い眼差しを向ける達也に声をかける。
「何、人が食事してるのが珍しい?」
「いや、珍しいというより....智駿の食べる姿が可愛いなって」
....可愛い??食べてる姿が??可愛いって言った??
「....食べるのに可愛いも何もないと思うのだけれど」
「そうか?少なくとも俺は智駿の食べる姿が可愛いと思っているが」
「
「....また
少し拗ねたような達也が私の手からスプーンを奪い取り、プリンを掬い私の口元へと運ぶ。
「ほら、智駿。あーん」
な、なんでうっかり君と呼んだだけでアーンされないといけないの!!
見なさいよ周りのにやにやとした揶揄うような
「じ、自分で食べるから....返して!」
「智駿は追い詰められないと俺の名前を呼ぼうとしないからな....ほら食べて」
「ちなみに、
その後三回ほど達也を二人称呼びし、
「酷い目にあったわ....」
あの後、何故が彼等を全員名前呼びすることを強要され、連絡先を交換し、その場は解散と相成った。
私は駅で彼等と別れ一人帰路に着き、自宅へ帰ると即シャワーを浴び髪の手入れやスキンケアをしてから自室のベッドに横になり、ぬいぐるみを抱きしめる。
どうしてこんな流れになるんだか....ねぇ深雪ぃ、私貴女の
頭を悩ませていると端末から着信音がなる。
表示されている名前は....深雪からだ。
思わずぬいぐるみを置いて、ベッドの上に正座になり、息を整えてから電話に出る。
「....はい、森崎です」
「智駿、ごめんなさい。もうお休みになっていましたか?」
「いいえ、まだ休むつもりはなかったから大丈夫」
声、震えてないようね??なんで深雪の事考えてたら連絡が来るのよ心臓に悪い。
「智駿に伝えておきたいことがあるの、良いかしら?」
なになになに????なに言われるの私!!
「伝えたい事?良いわよ、どうぞ」
「そう....では」
「まず最初に、私は智駿がお兄様に
はい、それはそうですよね。むしろ何も無かったことにされる方が一番怖いまであるから。
「ですが、会長と渡辺先輩のお兄様を貶めるような発言に
....そういや眠くて頭回ってなかったけど、あの
ほとんど薄らとした記憶しかないけどなかなかに酷い言葉を言った気がしなくもない。
「ですけど智駿の謙虚すぎる姿勢は割と好きじゃないです」
謙虚というか普通に戦闘したら私は
「それでも智駿の....智駿自身の思いで言葉で発せられる躊躇い無い言葉の数々....出会った初日にあの様にかけてくださった言葉は本心だったと私は思ってます」
........ごめん。あの時の言葉は
「だから少し、あんな事を言った智駿と仲良くするのに迷いもあったけど、それでも私は智駿と友人でいたいと思っているわ」
「だから....その....お兄様のこと、少しだけでも良いから
最後の方の声が震えていた深雪の言葉に....
「分かった。認める努力はするわ」
酷く曖昧ながらもこう言った言葉しか出なかった。
その後は以前に深雪がうっかりと達也の
....別に認めるとか認めない以前の問題なんだよね........。
ずっと好きだった。前世から恋焦がれるくらいには。
それでも私は
いずれは貴方たちの前から姿を消すから....程々に仲良くしましょうね?
前回に引き続き少し甘い雰囲気の話かもしれないですね??
4月になりましたね
明日はグッズの発売日です。
イースターバニー深雪をゲットしたい今日この頃。
そして、今月はお兄様のお誕生日ですね。コウシキサマナニカアリマスカ?
あ、アンケート投票していただきありがとうございます。
こちらは次話投稿まで設置予定でございます。
次回も近いうちにあげられると思います。
いよいよ入学編も終盤です!
また次回に!!
あ、特に何も考えずに押してください。そのうちの予定です。
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美男美女兄妹(達也深雪)
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E組トリオ(エリカ美月レオ)
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幼馴染みコンビ(ほのかしずく)
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先輩グループ(花音啓服部中条沢木桐原)