魔法科高校の劣等生〜彼女はモブになりえるのか〜 作:アリス☆
九校戦編 第一話
あらまぁ........やってしまいましたなぁ....
学内ネットに掲載されている期末試験の順位を見て頭を抱えそうになるのを、自分が今いる場所を考えて平静さを取り繕う。
いや、うん....魔法に関しては手を抜くのは
端末から外していた視線を戻し、もう一度自分の順位を確かめる。
実技試験
1位司波深雪
2位
3位北山雫
記述試験
1位司波達也
2位
3位司波深雪
総合順位
1位司波深雪
2位
3位光井ほのか
....どうして……どうして……....こうなるのっ!!全部の順位が次席じゃないっ!!いやそこは問題じゃない。問題なのは実技は雫と入れ替わってるからまだ....まだっ!微々たる物だけと、記述の点数どうなってんのっ!!達也と10点ほどしか変わらないのはどうしてっ!?そんなに効果があるの?!達也との勉強会が!!あの後も何回か図書館で遭遇して流れるように個室に二人っきりで勉強会したけど!!記述の点数も相まって、総合順位もほのかと入れ替わる形で次席に収まっちゃったし....不味くない??ヤバくない??
うぅ....記述試験の順位なんて、司波兄妹の名前が揃うから絶対に見たかったのに....達也と名前が並んでいるのを見て喜ぶ深雪の顔を生で見たかったのに。絶対....絶対....可愛いのにぃいい!!
「も、森崎さんもそう思うだろっ!?」
急に話を振られた私は声をかけてきた人物の方へと端末から顔を上げて視線をそちらに向ける。
雫に詰め寄られている男子生徒二名がこちらに同意を求めるような眼差しで見てくる。
「何が?」
話は聞いてないけど、
「に、二科生が記述試験で首席だなんて可笑しいだろ」
「....なんで、そう思うの?」
「なんでって....実技の成績が悪いんだ。理論が分かるはずがない!」
「そう?私は図書館でその記述試験の首席様に何度か会ってるけど....そう言えば貴方達は見たことがないわね。試験前は何をしてたの?」
「それに魔法は感覚だけでは語れない要素は沢山あると思うのだけれど?」
「それこそ魔法工学が必履修科目だったり、選択科目にだって魔法言語や魔法幾何学も組み込まれているのだから理論も大事でしょうに」
言語もそうだけど、フリーハンドで魔法陣を描くとか、このデジタル化が進んでいるこの時代に(笑)今どき厨二病くらいしか描けないんじゃない?(笑)
その言葉に思うことがあったのか大なり小なり二科生の達也が首席なったことをよく思わない生徒達が居心地悪そうに視線を逸らす。
「社会に出れば、魔法実技よりも知識の多さや物事に対する効率や臨機応変に対応できる能力が重視されるのだけれど....そういった将来的なことは考えてるの?」
「それに今現在においての魔法師の社会進出は割とシビアだもの。知識や社会性があることに越したことはないわ」
だから学校側も、もう少し勉学と言うか社会性を身につける事を重視した方が....もしかして、知識のないプライドだけが高いバカの方が戦争になった時に甘い言葉で最前線に送りやすいとかそういうのがあるのかしら....闇が深〜い怖〜い。黒通り越して漆黒すぎて草だわぁ。魔法師の卵からしたら世知辛い世の中だねぇ。でも、専門職ってそんな物よね。
私の発言で教室内がシーンと静まり返ったので最初に話しかけてきた男子生徒の二人に声を掛ける。
「だから二科生の彼が首席になっていることに対しては努力の結果でもあるから何も問題は無い。が、私の考えなのだけれど....納得いったかしら?」
赤べこのように頷く二人を尻目に先程から瞳を輝かせてこちらを見つめてくる深雪の視線を無視して逃げるようにそそくさと教室を出る。
うぅ....そんなにキラキラした目で見つめないで。褒めてる訳じゃないし、認めてるわけでもないし、自分の考えをありのままに話しただけだから!
....達也には悪いけど。記述試験、手を抜けばよかったなぁ。達也と名前が並んで喜ぶ深雪をこの目で見たかった....それだけが心残りなんですけど。
....意図せずに好成績を残してしまったけれど、これって九校戦に選ばれたりしないよね??女子は割と九校戦で活躍するネームドばかりだから、流石に私が選ばれると原作知識では対応出来ない事象に陥るのだから困るのよね。
男子に、
ぐるぐると頭を悩ませながら足を進めていると、ここ一週間くらい通いつめていた図書館のエントランスで立ち止まる。
そのまま閲覧室に足を向けようとして我に返る。
....別に試験期間は終わったし、
久しぶりに地下資料庫に向けて歩き出す。
ただでさえ人気のない図書館の、さらに人が立ち入らない
適当な紙の資料を手に取り、適当な端末の前に座り、特に興味もない資料の文字に視線を落とす。
人の気配がまったくない静かな場所。
ページをめくる音だけが木霊する。
....いつもだったら....達也が隣に....。
ふと頭をよぎった考えにページをめくる手が止まり、呼吸が浅くなり血の気が引いてく感覚と心臓が鈍い音を立てていく。
....何を考えているの。
深雪のモノ、私のモノにはならない。
............なってはいけない。
あの優しい声に期待してはいけない。
あの熱い眼差しに希望を持ってはいけない。
あの不可解な行動に己の感情と同じ
それなのに....
慣れ親しんだ気配と音の鳴らさない足音。
やだな。今、顔見られたくないんだけど....。
地下資料庫の扉に背を向ける形で座っているが、きっと彼は私の近くまで来るでしょうから扉が開く前に乱暴に袖口で目元を拭い呼吸を整える。
落ち着いて....平静を取り繕って。
手元の資料を読んでいるふりをして。
彼に話しかけられたらいつも通りの態度をとっていればいいの。
音もなく部屋の扉が開かれた。
彼の気配が棚に向かうことなく、真っ直ぐこちらにやってくる。
そのまま何も言わず私の隣に座って....座って....?
....私の肩に頭を預けてくる。....なんで?どうして?何故なにも言わないの??わ、私から声を掛けるべき....なの??
「た、達也?」
「何も....聞かないでくれ」
達也の蚊の鳴くような声に何も言えなくなり、そのまま彼の気が済むまで肩を貸してあげる事にした。
だって....あの
しかし達也がへこむような出来事ってあるの?こんな時期に??二年生時の色々な事に忙殺される九校戦でも無いのに??
まだ今年の九校戦への参加の話は出てないはずだし....なんで?
そもそも君は期末試験の結果で指導室に呼ばれてるはずなのになんで此処に?
高鳴る胸を押さえつける様に余計なアレコレを考えながら達也に肩を貸していると達也が小さく私に話しかけてきた。
「俺は....転校した方がいいと思うか?」
これは驚いた。指導室で教員に言われた言葉を達也が気にするだなんて....これも原作が変わってしまっている影響?
「....劣等生の君が転校するなんて....第二高校?それとも、第三高校?」
「....第四高校への転校を勧められた」
「あらやだ。二科生制度のない高校を勧めた教員は頭が足りてないのね。....何よ、本当に転校するの?」
「いや、断って来たが....」
「あらそう....別に私は貴方が何処の学校に行こうと構わないけど」
全然構わなくなんかないけど、転校なんか絶対にして欲しくないし、深雪が第一高校にいるのなら達也はこの学校にいるべきだから....それに
「君は....
「....そうか、ありがとう」
達也の声色がようやくいつもの落ち着いた声に戻って一安心したけど....お願いその声で耳元で喋らないで、心臓が持たない。
「....気が済んだのなら離れて欲しいのだけれど」
この心臓の高鳴りがバレたくないからそう言っているのに達也は私の腰を抱いて耳元で囁いてくる。
「今のを合わせて八回だな」
「な、何が....」
「名前。何度言っても二人称で呼ぶのは変わらないな」
「この調子だと直ぐにでも智駿にお願いを聞いて貰えそうだな」
あ、あの時に言ってた事……本気だったの!?
「な、何で、私が、あ....達也のお願いを聞いてあげないといけないのよ」
動揺してるから声が上擦ったし危うく達也をまた
「....ダメか?」
耳元で囁く声色を艶っぽくしないでっ!心臓に悪いからっ!!
「だ、ダメに決まってるでしょ!!」
....でも、今日みたいに沈んでいたら、私はきっと
こ、これ以上
年内最後の滑り込み更新っ!!v(。・ω・。)ィェィ♪
劇場版魔法科の公開日も決まりましてウッキウキの作者です。
グッズの為に金を貯めねばならぬそんな時期です。
でも、魔法科のカードが2月に発売されるのでそのお金も用意しなければならない。オシカツタノシタノシオニイサマノカードゲットシタイネ。
今年もこの物語を見て下さりありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
あ、特に何も考えずに押してください。そのうちの予定です。
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