ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました 作:挫梛道
◆モモンガside◆
「すいません。余計な世話でしたね。」
「いや、とんでもない! 助かりましたよ。」
「ありがとうございます。」
「感謝するのである。」
エ・ランテルからカルネ村へ向かう、薬師の護衛の仕事の途中、その道沿いでモンスターと戦っている冒険者チームと遭遇した。
彼等からすれば、それが仕事なので勝手に手を出すのは不味いかも知れない。
…が、その場のモンスターを彼等に任せて、自分達は素通りするのは もっと違うと思い、まろんサン…マカロンと一緒に参戦。
そして戦闘は彼等自身、そんなに苦戦していた訳じゃないが、其処に俺達が加わった事で、あっさりと勝利する事が出来た。
その後、このチームに勝手に戦闘参加した事を詫びるが、彼等から逆に お礼の言葉を言われた。
………………………………………。
『ごめんね~♡ 余計な真似だったかな~?』
『いえ、そんな事 無いですよ!』
『純粋に感謝しますよ。ありがとうございます。』
……………………………………。
「今、懐かしいとか思ってるだろ?
因みに俺は、思っている。」
此処で まろんサンが悪戯っぽい笑みを浮かべて、話し掛けてきた。
確かに懐かしい。
俺と…俺達と まろんサンが所属していたギルド、【ヴァーリ・トゥード】との出逢いも、戦闘の助太刀だったからなあ。
あの日、俺達
その時 其処に乱入してきたのが まろんサン達ヴァーリ・トゥードだった。
見た目は まろんサンを含め、全員が
しかし彼等が攻撃を仕掛けたのは、俺達が相手にしていた連中。
ヴァーリ・トゥードは、その名の如く、本当に何でもアリなギルド。
メンバーも人間種から異形種まで、多種多様。
彼等は俺達を手助けをしてくれた訳では無く、最初から今回のプレイヤーを標的として探していたとか。
連中に狩られた、異形種ギルメンの敵討ちとして…ね。
これが縁で、ヴァーリ・トゥードの皆さんとは互いにフレンド登録したんだよな。閑話休題。
ザク…
倒したモンスターの耳をナイフで切り取ったりの作業をする、チーム『漆黒の剣』の面々。
これがモンスター討伐の証となり、その数により、組合から報酬を貰えるとか。
倒したモンスターの体内から、クリスタルが出たり、アイテムをドロップしたりは、しないんだな。
また この世界について少し、知る事が出来たよ。
「モモンさん達は、耳を取らないんですか?」
チーム最年少に見える少年が尋ねるが、
「いえ、我々が手を出さずとも、これ等のモンスターは、アナタ達に倒されていた。
何だか横取りみたいな感じがするので、今回は遠慮しておきますよ。」
「そ、そうですか?」
俺の返しに、少年は『其処まで考える必要は無いのに…』な顔をする。
「…………………。
マーレの逆パターンか…」
「え?」
「いや、何でもないよ。」
まろんサン…今、何か言った?
「モモンさーん、マカロンさーん!」
そうしている内に、後方からナーベラル、そして今回の俺達の依頼主であるンフィーレアが追い付いてきた。
「仲間の方ですか?」
「はい。私達の仲間と、今回の依頼主さんですよ。」
≫≫≫
「惚れましたぁ! 一目惚れです! お付き合いして下さい!」
「黙れゾウリムシ。初対面の異性に対する最初の一言に、その様な言葉を放つ無恥・非常識な下郎に、女が靡くとでも思っているのですk…ぁ…ち、違います、違うのです、マカロンさん!
けけけ、決して、そういう意味では…!」
「………………………orz」
その後、漆黒の剣のメンバーの1人、如何にも少し軽薄そうな…一言で言えばチャラ男っぽい青年が、ナーベを一目見ると開口一番、オーバーアクションで口説きに掛かるが、それに対するナーベラルの痛烈なカウンターが、彼だけで無く…彼以上に まろんサンに突き刺さった。
「だ、大丈夫です! マカロンさんの場合はユリ姉も一目惚れでしたから! アリです! 普通にセーフです!」
両膝両掌を地面に着け項垂れている まろんサンに対して、必死に取り繕うとするナーベラル。
「どうしてくれるのだ、この尺取り虫が!
貴様の所為で、マカロンさんがorzってしまわれたじゃないか!?」
「ちょ…それ、俺のせい?!」
ん。確かに直接 地雷を踏んだのはナーベラルだが、その地雷を仕組んだのは、彼…と言って良いかな?
≫≫≫
「ほ、報告は受けております!
も…モモン様と お呼びすれば良ろしいでしょうか?」
「ふっ…、私は『様』で呼ばれる程、偉くないが?」
その後 漆黒の剣の皆さんとは別れ、キャンプで一晩明かした翌日の昼前、俺達はカルネ村に到着。
少し前に訪れた時とは違い、村周囲全体に それなりに堅固な柵が張られていて、正面門には武装したゴブリンの集団が出迎えてきた。
「そ…それでは、モモン…~さんで?」
「ああ…それで構わない。」
これ等は以前 この村を救済した時、1人の村娘に渡したアイテムで召喚された物だな。
有効活用している様で何よりだ。
「モモンさ~ん、カルネ村に、ようこそっス~♪」
「ようこそカルネ村へ。
アナタが まろんサンの…」
そして、この村の警護の任を与えているルプスレギナと、この前の村娘Aも やってきた。
「ああ。まろんの兄の、マカロンだ。よろしく。」
ンフィーレアの依頼でカルネ村に向かうと聞き、俺達は事前に仮面の
ゴブリン達も俺がナザリックの支配者云々は知らず、村の恩人の友人として接している。
因みにゴブリン達は、自分達を召喚した村娘を主としており、元のアイテムの持ち主である俺との関係は、既に無い。
そして村に入った俺達は、空き家に荷物を降ろし、少し休憩した後、目的である村の側の森…トブの大森林に薬草採取に向かう事に。
◆モモンガside・了◆
≫≫≫
◆まろんside◆
このヘタレ!
仮の拠点となる空き家に荷物を降ろした後、食事等、少しの休憩。
ンフィーレアは村娘A…改めエンリ·エモットと2人で彼女の家に向かったので、俺とルプスレギナは どんな話をするのか興味が湧き(下衆顔)、ナーベラルに《
このヘタレっ!!(2回目)…だ。
とりあえず、このンフィーレアが凄い分かり易いw
しかし それ以上に、エンリが超級に鈍いwww
てゆーか これ当人以外、村人全員知ってるだろ。
ンフィーレア君や。折角2人っきりってのに、テンパって挙動ってじゃ、ダメダメじゃないの。
悪いが、エンリはマジ何も気付いてないぞ?
もっとグイグイと漢、見せてみろ。
『結婚しよう』位、スパッと言え。スパッと。
「自分を基準にしないでくださいね?」
「ん~、思春期っスね~♪
よーし、此処は お姉さんが一肌脱いで、くっつけちゃうっスか?」
「いや、余計な真似は するな。
アレは下手に手を出さず、遠くから成り行きを黙って温かく見守ってやるのが、一番美味しいパターンだ。」
「(≧∀≦)ゞ
…………………。
コイツに任せたら、散々と引っ掻き回して
≫≫≫
「森の賢王…ですか?」
休憩も終え、トブの大森林に。
ンフィーレア曰く、その森林のカルネ村側の
結果、その お陰で村がモンスターに襲われる事も無い…らしい。
「だから、仮に森の賢王と遭遇しても、追い払うだけで絶対に殺したりしないで下さい。」
「「努力しましょう。」
しよう。」
薬草採取の際、ンフィーレアから そう言われた。
普通なら、直ぐに逃げるのを推す程な強力なモンスターなのだが、俺達なら殺りかねないだとか。
ある意味、信用信頼だな。
漆黒の剣と別れた後、村に着く前に もう1回モンスターとの戦闘となり、その時の無双を見て、そう思ったらしい。
「ボソ…しかし、中級雑魚を沢山 殺するよりも、大物1匹倒した方が、冒険者として箔が付きますよね?」
モモンガさんがボソッと呟く。
それは否定しないが、その賢王とやらの縄張りも、かなり広い範囲だから そう都合良く、簡単に遭遇する訳…?!
「モモン! ンフィーレアさん!
何かデカいのが、此方に近付いてきている!」
まじ? 件の森の賢王とやらか どうかは分からないが、兎に角1体、デカブツが森の奥側から此方に凄いスピードで近付いてきているのを感じた。
自分の縄張りに入ってきた侵入者を、排除しに来たか?
「…ならば!」
ダッ…
「「「モモン!」
さん?!」
さぁ…ん?」
それを聞いて、モモンガさんが俺が指差した先、森の奥にダッシュ。
…殺しちゃダメだよ?
≫≫≫
「えーと…コイツの種族は、ジャンガリアンハムスター…で、良いのかな?」
「それは殿にも聞かれたで御座るよ~。」
暫くして、モモンガさんが1匹の大きな獣を連れて、戻ってきた。
蛇の様な鱗に被われた長い尻尾…そして特大な体のサイズを除けば、それは どう見てもハムスターだった。
デっ可愛いってヤツか?
モモンガさんは勿論だが、この魔獣も傷を負ってない処を見ると、精神系の魔法かスキルか…それか殺気全開か何かで野生の本能に働きかけ、戦意喪失させたか?
「す、凄い! 此れ程迄の魔獣を従わせるとは!!」
それを見て、ンフィーレアが驚いているが、其れ程迄なのか?
確かに、野良のオーガなんかよりかは かなり強そうだが…
「ナーベ…お前は あの魔獣、どう思う?」
「力は判りませんが、あの瞳には力強い意思を感じますね。」
あ、はい…そ、そうですか…
「某、殿に忠義を誓ったで御座るよ。
故に殿に、着いていくで御座る!」
「え? それじゃあ、村は…」
巨大ハムスターがモモンガさんを主として、着いていく発言に、ンフィーレアが村の心配をするが、其処はモモンガさんが心配無用と説明。
前回のスレイン法国の襲撃で、脅威はモンスターだけでは無いと自覚した村人達は、エンリが召喚したゴブリン指導の下に、自衛の訓練をしている。
今は まだ実戦足るレベルでは無いが、森の賢王というモンスター任せで無く、自身の手で村を守ろうとする気構えが芽生えたのは大きいと。
そして何よりカルネ村には今、
確かに少し?………少し、ポンコツ気味な部分も有るが、モモンガさんから与えられた任務は、着実に遂行するだろう。…多分。
≫≫≫
この後、森の賢王の目利き鼻利きで、高品質な薬草を大量に入手する事が出来、カルネ村に戻ったのだが…
「な、何という立派な魔獣だ!」
「強靭な四肢に鋭い眼光!」
「これが噂に聞く、森の賢王!」
「凄ーい! 凄い凄い凄ぉーおい!!」
巨大ハムスターを見た、村人の反応が凄い。
「ふふん!♪」
その反応に、どや顔なハムスター。
「この世界の、『強そう』の感覚が解らない…」
俺も同意だよ。
サイズ以外は『強い系』じゃなくて、どちらかと言えば『癒し系』なんだけどな?
≫≫≫
「それじゃあンフィーレア、また来てよね。」
「ぅぅうぅん、また絶対にく、来りゅから!」
「モモンさんマカロンさんナーベさん、ンフィーレアを宜しくお願いします。」
「任せて下さい。」
やるべき事も終え、エ・ランテルに戻る際、ンフィーレアがエンリに別れの挨拶を。
顔を赤くしてガッチガチ、噛み噛みな少年に、少女は微笑みかける。
wwwwwwwwwwww。
それを、彼女の妹を筆頭に、村人達は暖かい笑みを浮かべて…ん。完全に当人以外はバレテーラw
そんな緩んだ空気を背に、俺達はカルネ村を後にした。
「さあ殿!殿は某の背に乗るで御座るよ!」
「…………………………。え?」
≫≫≫
「凄い魔獣だ…」
「並みの冒険者なら、一溜まりも無いぞ?」
「あの冒険者…何者だ?
そしてエ・ランテルに到着。
森の賢王に乗ったモモンガさんを見て、街の住民は、驚きと尊敬の眼差しを送っている。
特に俺達は先日 冒険者デビューして、初仕事を終えたばかりな無名だから…しかもモモンの黒鎧が派手過ぎて、尚更 注目を浴びていた。
「モモン、気にするな。
この世界の人間と俺達とは感覚が違うんだ。
この魔獣は、強く勇ましい風貌だ。
ドラゴンかグリフォンを駆っているかの様に、堂々としてろ。」
「はい。凄く凛々しいです、モモンさん。」
「いや、無理!」
…だろうなーw
ナーベラルも真剣に尊敬な目で見てるが、申し訳無いが どう見てもメリーゴーランドに乗ってるオッサンにしか見えない。
きっとモモンガさんも、同じ思いだろうww
絶対に『どんな罰ゲーム、羞恥プレイですか?!』…とか思ってるに違いない。
「すまないモモン…
俺は こういう時、どういう顔で どういう風に声を掛けたら良いか、思い浮かばなんd…ぅぷぷぷw」
「笑えば良いんですよ!
寧ろ いっその事、笑ってくれ!…というか もう、普通に笑っているじゃないですか!?」
そんな会話をしながら、俺とナーベラルはンフィーレアの自宅に、モモンガさんは冒険者組合に。
この森の賢王を、使役魔獣として登録する為だ。
そうなると、名前を付けないといけなくなるが…
よし、ハムスケと名付けるに、ビール10本!
≫≫≫
「ただいま~。
あれ?お婆ちゃん、出掛けてるのかな?」
ンフィーレア自宅に到着。
1階は薬品店舗になっていて、荷馬車に沢山積んだ薬草等を創庫に降ろせば、依頼は完了。
報酬を貰えるのだが…
「マカロンさん!」
「ああ、分かっている。
ナーベ、お前はンフィーレアさんを守れ。」
「はい。」
「え?」
店内に漂う異様な…隠す素振りも感じさせない、馬鹿正直な殺気。
素人なンフィーレアは、何が起きてるか分からないだろうが、俺達は誤魔化せない。
まさか この世界も、実はクソ運営が関与してるとかじゃないだろうな?
「…居るんだろ? 隠れてないで出てこい。」
「あら~?バレちゃってた~?♪
お兄さん、なかなかヤるじゃなぁい~?♪」
ス…
俺も負けずと殺気解放、目を向けた薬品棚の陰から出てきたのは、不気味な笑みを浮かべる、金髪の女だった。
①"漆黒の剣"の皆さん、死亡回避
②事前に
次回
『(゚Д゚ ≡ ゚Д゚)ク〇〇〇〇〇〇ヌの ぽろりの会場は、此処で良かったですか?(予定)』
乞う御期待! 感想、評価ヨロシクです。