ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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マサト、特攻(ぶっこむ)

 

ドッドッドッドッドッドッドッ…

 

◆まろんside◆

マサトの"本気出す宣言"。

その言葉通り、あの巨大な全身鎧の魔神を都市の中央広場とでも言うべきか?…な開けた場所に誘い出すと、アイテム・ボックスから取り出したのは、真紅のボディの自動二輪(オートバイ)

俺のバイク、悪魔の鉄槌(ルシファーズ・ハンマー)は純粋な移動用…ヒキニゲ・アタック位しか出来ない…だが、このマサトの愛車、ブラスト・ボーイは完全な戦闘仕様だ。

 

鉄馬騎士(ライダー)】。

それが、マサトが所得しているメインの(クラス)

バイク系のアイテムを駆り、それで戦闘する(クラス)だ。

 

ガパッ…

 

そのバイクの両脇の装甲(カバー)が開き、中から多数の武器が顔を出す。

 

「…ん、やっぱりコレだよね。」

木刀、鉄パイプ、釘バット…様々な形状の武器の中からマサトが得物として選んだのは、ツルハシ。

勿論、只のツルハシじゃない。

ユグドラシルの世界にて、鉱山に埋まるレア素材を掘り出す為の物。…それを武器として使うのは、コイツ位だ。

 

ガガガガ…

 

 

そのアポイタカラ製の切り先で地面を削り、一本線(ライン)を描きながら、ブラスト・ボーイを疾走させるマサト。

 

『……………………。』

自分に猛スピードで近付くマサトに、巨大な全身鎧も当面の敵と認識したか、手にしていた巨大な六角棍を両手持ち、叩き潰さんとばかりに大きく振りかぶる。

 

ドンッ!

 

そして、真っ直ぐ振り下ろされる棍棒。

叩き付けられた地面に巨大なクレーターが出来上がるが、

「…甘ぇーよ。」

マサト…ブラスト・ボーイのスピードにより、それを回避。

 

ドドドドドド…ッ!!

 

そして そのバイクから、機関弾やら魔力弾やらミサイルが一斉に撃ち放たれる。

 

「見た目はバイクですが、武装的には完全にパワード・スーツですよね、アレ。」

モモンガさん、正解。

その弾丸は巨大全身鎧の頭部に集中砲火され、巨人の胸元から上が濃い爆煙に包まれた。

 

「そ~ぉれっ!」

 

ぶんっ!

 

そしてマサトが、煙に被われた頭を狙い、持っていたツルハシをぶん投げた!

 

ヒュンヒュン…ベギィッ!

 

回転しながら飛んだ それは、煙が目眩ましの役割をしていた事も有り、見事、全身鎧の頭に命中した様だ。

 

どすんっ…!

 

真っ二つに割れて、落ちてきた(フルフェイス)

そして煙が消えて、露となった その素顔は

「「「「氷…?」」」」

この巨大全身鎧の正体(なかみ)は、超巨大サイズの霜の巨人(フロスト・ジャイアント)だった。

 

『……………ッ!』

 

ドンッ!

 

その巨人がマサトを狙い、またも棍棒の叩き付け。

しかしマサトは それを躱すと、その棍棒を坂路に見立て、ブラスト・ボーイで登って行き、

「行っくよ~!♪」

バイクに内蔵された武器の中から、今度は木刀を取り出す。 

勿論これも、観光地の土産物屋に置いてある様な、単なる木刀じゃない。

ユグドラシルの9葉世界の1つ、アースガルズに生えている神の樹…世界樹(ユグドラシル)の幹から造られた、神具級(ゴッズ)アイテムだ。

 

ドドドドドド…ブォゥォッ!

 

棍棒から腕に路を変え、肩まで登ると其処からジャンプ、巨人の頭の位置まで到達した処で

 

ブロロッ…ベキィッ!

 

先ずはバイク前輪での体当たりからの、木刀の一撃。

 

『……………っ?!』

アレだけの攻撃を受けて、苦痛に顔は歪めているが何の痛みの声も発しないとは、今更だがアレは、喋らないタイプの様だ。

…と言うか、さっきの喋る2人は きっと、魔神化してなかったのだろう。

自我を失ってる様には見えなかったしな。

昔々、十三英雄が此処からアイテムを拝借したのは やはり、主の子孫と その仲間という事での許容の範囲。

やっぱり さっきのアレは盗り過ぎだったんだよ、モモンガさん!

 

 

◆まろんside・了◆

 

≫≫≫

 

◆モモンガside◆

 

ブォオオォォオッ!…ブロロッ!

 

霜の巨人(特大)が、吹雪の吐息(ブレス)を吐くが、マサトさんはバイクを操り、余裕の笑みを浮かべて躱す。

 

「おぉ~♪ 速い速い。」

……………………………………。

 

バガアッ!…ドゴォッ!

 

ならばと巨人は、またも棍棒の振り落とし…を避けられると、次は巨大な足での踏みつけ。

一撃一撃が其処にクレーターを作る程の破壊力だが、マサトさんは それも尽く躱していく。

 

「図体がデカイ、イコール振りも大きい、それ即ち、」

「攻撃の軌道も まる分かり、という事ね。」

「只でさえ、ブラスト・ボーイに乗ったマサトに攻撃を当てるのは、容易では無い。」

「それに対して、あれだけの巨体。

此方の攻撃は、当て放題という訳か。」

「フッ、最初から勝負は着いていた…というヤツか。」

……………………………………。

その様子を、ヴァーリ・トゥードの皆さんが、やはり余裕の表情で眺めているが…いや、それは どうでも良いんだ。

 

「皆さんは何を…されているんですか?」

「ん?」

「何をって…」

「「「観戦?」」」

いやいやいやいや! だから、それは良いんですよ!

俺が聞いているのは、何 レジャーシート敷いて、お弁当食べながら観ているのか…ですよ!

 

「シャバババ! まろんの嫁が、作ってくれたそうだ。」

いや!聞いてないから!

そして弁当用意してたのは、まろんサンかい!?

 

「おかか、美味しいですぅ。」

しかもエントマも、ちゃっかり まろんサンの膝の上に ちょこんと座って、おにぎり食べてるし!

…って まろんサン、何も言わないの?

 

「良いんだよ、義妹の特権だ。」

…………………………………………。 

 

「ん、美味いのう。」

「く…、あの おっぱい眼鏡…これ程の腕前だとは…?!」

「どうだ、ギリギリB(ほとんどA)

ユリたん♡は、料理も完璧なんだよ。」

「だ、黙れ! あ、あんなの、只の脂肪の塊だ!

それにツアツアは毎晩、『綺麗だよ♡』『可愛いよ♡』って言ってくれてるんだぞ!」

「『小っちゃい(かわいい)』?」

「うがーっ!?」

更にはリグリットと絶死絶命も、普通に その和に馴染んでいるし!

…って、まろんサン…(汗)

 

「大丈夫だよ、モモンガ君。

()()に乗った時の、マサトは無敵だ。

あの巨人。しぶとさは体の大きさに比例するだろうから、それなりに手間は掛かりそうだが、苦戦する事は無いさ。

だから ほら? キミ達も此方に来て、一緒に食べないか?」

「「「「「…………………。」」」」」

そう言って、谷屋さんが既に和んでいるエントマを除く、ナザリック勢も誘う。

 

「「「…………………。」」」

「ああ、お前達も行って良いぞ。」

「「「はい!」」

    でありんす!」

数名、あの中に加わりたそうな顔をしている者が居たので俺が許可を出すと、シャルティア、アウラ、マーレが、嬉々として あの輪の中に加わっていった。

 

「…お前達も、良いのだぞ?」

「イエ、我々ハ…」

「ツアー氏と共に、場の警戒を。」

「…私は この(からだ)では、食事なんて出来ないからな。」

コキュートス、セバス、そしてツアーは、周囲の警戒を続けると言う。

此の場に新手が現れないなんて、保証は無いからな。

 

斬ッ!

 

そう話してる中、マサトさんは地上に。

武器を木刀から斧に持ち換える。

アルベドの3Fと同じ、バルディッシュと呼ばれるタイプの斧だ。

その鋭い刃が、巨人の右足首を斬り付ける!

 

『~~~~~??!』

激痛に顔を歪ませ、声無き悲鳴を上げる巨人。

あの鎧も、魔法により強化されていると思うが、マサトさんの斧による一撃は、その装甲を砕き、足の健を斬り裂いたのだ。

激痛からか、巨人は片膝を着き、その斬られた部分を押さえている。

 

「成る程。痛覚は、失ってるって訳じゃ無しか。…モグモグ

アキレスを斬られたんだ。あのデカブツ、もう動けないだろう。…ムシャムシャ

唐揚げと伊達巻きを食べながら、まろんサンが分析。

 

「よ~し。それじゃ そろそろ、決めるよ~!♪」

 

ブルォォオッ…!

 

此処でマサトさんが勝利宣言。

バイクに仕込まれている《飛行(フライ)》を発動させると再び、跪いている巨人の頭の高さに。

 

ガパッ…バババ…ッ!

 

バイクの武器庫(カバー)が開かれ、その中の武器…木刀、鉄パイプ、ツルハシ、釘バット、バール、そして紅く光る大剣が飛び出した。

 

『…………?』

それ等の武器は、六方等間隔で、巨人を取り囲む。

 

「行っくよっ! 六芒爆音撃(ヘキサグラム・ブラスター)!!

 

ブォオオォォオッ…バキィッ!

 

マサトさんが巨人に向かって突進。

手にしていた斧で側頭部に一撃を加えると、その儘 通り過ぎ、宙に浮く木刀の処まで走ると それと持ち換えると反転、再び突進しての一撃。

その勢いの儘、今度はツルハシに向かって宙を翔る

 

バキッ!ドガッ!ゴボッ!

 

その後も続く、空中に赤い六芒星の軌跡を描きながら、武器を持ち換えての攻撃。

 

ガシッ…!

 

そして最後に握ったのは、紅の大剣…からの特攻!

 

「うぉるらぁぁあっ!!」

 

斬ッ!!

 

その両手持ち、一刀両断の斬撃と同時、赤の六芒星が完成し、

 

ドゴォオオオォオオオォォッ!!

 

その中心で、魔力と闘氣が暴走した大爆発が起き、巨人の頭部は完全に消滅した。

 

ずしん…っ

 

そして、頭を喪った巨人は その場で崩れ落ちる様に倒れ、その後は動く事は無かった。

マサトさんの、完勝だ!

 

 

◆モモンガside◆

 

≫≫≫

 

◆アウラside◆

「…来た、みたいだね。」

「丁度良いタイミングでありんす?」

マサトさんが あの巨人をやっつけたと同時、私達も お弁当を殆んど食べ終えていた(やっぱりユリの料理は美味しい!)。

そして それと同時、遠くの方から、また全身鎧の集団が私達に向かって近付いてきた。

もう、巨人型は居なく、鎧の中身…種族は分からないけど、標準的な人間サイズ。

 

「ぁゎわ…一杯 来てますぅ?!」

数にして、20と少々。

この浮遊都市の魔神は全部で30らしいから、今まで倒したヤツ等と合わせて、残り全部が やって来た感じかな?

 

「シャバババ! 面白い! 食後の運動だ!」

眼魔さん(まろんサンはシャババさんと呼んでいる)が、嬉しそうに闘いの構えを取り、

「御待ち下さい、眼魔様。」

「む…?」

その前、それを制する様にセバスが立った。

 

「眼魔様達は先程、既に一度 戦闘をこなして御座います。

ならば次は私達、魔導国…ナザリックの者達の番で御座いましょう?」

そうそう♪

此処で何もしないとなると、私達 本当に何しに来たの?…ってなるよ?

だ~か~ら、ほら、マーレも!

何時迄もオドオドしてないで、さっさと準備しなさい!

 

「ぇ…え〜?」

…じゃない!

 

◆アウラside・了◆

 

≫≫≫

 

◆まろんside◆

「殺っちゃえ~!」

 

ぶぅぅん…

 

エントマが召喚・使役する殺人蜜蜂(キラー・ハニー)の集団が、全身鎧の1体を獲り囲む。

この殺人蜜蜂(キラー・ハニー)というモンスターは、1匹1匹だとハッキリ言って雑魚雑魚だが、それが集団となると、危険度は一気に増す。

 

ボゥヮッ!

 

『……??!』

炎殺蜂球(バーニング・スフィア)

これが、殺人蜜蜂(キラー・ハニー)の集団連携スキル。

集団で敵に球を型どる様に纏わり憑き、超高温の体温を浴びせ、それにより発火する炎で焼き尽くす技だ。

上位の魔法に匹敵する その火力で、この魔神は消し炭となった。

そして…

 

「クソ! どうやら大当たり、みたいだな!」

シャルティア、アウラにマーレ、コキュートス、セバスも各個撃破していく中、俺が担当した敵は、推定レベル100…カンストだった。

 

「シャバババ! 大丈夫か、まろ~ん?www」

他の魔神が推定レベル50前後、マサトが相手したデカブツが推定70位の中、俺の相手が100だと?

巫山戯んな!

 

「ほら、手助けが必要なら、『お願いします、助けて下さい、麗しきカスミ様』と言ってみなさい?…ほれほれw」

「しゃあらっぷ!!」

誰が助けを求めるか!?

絶対に俺1人で、ぶっ斃す!

 

「そんな訳で、喰らえ!

ダイビング・頭スパイク!!」

 

 

◆まろんside・了◆

 

≫≫≫

 

◆モモンガside◆

「ゼィ…ゼィ…」

「だ、大丈夫ですか…?」

「だ、大丈夫に見えるなら…眼科に行くのを勧めるぜ?」

…あの後、まろんサンは結局、単身で恐らくは浮遊都市最強の魔神を屠った。

しかし、カンスト同士の激突、決して まろんサンも無事では済まず。

 

「無理するから~♪www」

「シャババババババ!」

「テメー等、後で…〆る!」

ヴァーリ・トゥードの皆さんが、笑いながら まろんサンを弄り倒す。

その やり取りは、嘗てのギルドでの会話を思い出させるなぁ。

 

「さて、まろんちゃんは放っておいて、いよいよ本命の場所に向かうか。」

「酷くない?!」

そう言うのはマサトさん。

本命の場所…そう、俺達の今回の最大の目的は、この浮遊都市エリュエンテゥに居るとされていた魔神の排除では無い。

…ついでに、八欲王のアイテムの物色でも、断じて違う!…本当だぞ?

そもそも このエリュエンテゥは、ユグドラシルの街では無い。

八欲王が この世界で、恐らく…間違い無くだが、"新地創造(マイン●ラフト)"系のアイテムを使って創った都市。

八欲王のユグドラシル時代の拠点等では無いのだ。

それならば、八欲王の拠点は?

答えは この浮遊都市の、更に上空。

 

「おお~?!」

()()を初めて見た絶死絶命が、感嘆の声を上げる。

それは俺達AOG(アインズ・ウール・ゴウン)のナザリック地下大墳墓と対極と謂われた、拠点型攻略ダンジョン…天空城!!

 




ブラスト・ボーイ…FFⅦACのクラウドのバイクを赤くしたイメージで。
本当はCB400SF(フォア)にしたかったけど、武器内蔵設定に無理が有りすぎたから…(笑)
他にも没案で、金田(AKIRA)のバイクとか考えていた。
 
≫≫≫
【次回予告】
『天空城の秘密!(予定)』
乞う御期待! 感想よろしくです。
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