ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました 作:挫梛道
天空城編、締めです。
◆モモンガside◆
天空城の宝物庫の様な部屋にて、突如 襲ってきたキラー・マシン系の様なモンスターの集団。
俺の知っている限り、ユグドラシルには あんなモンスターは存在していない。
つまりは、八欲王が創り出したオリジナル。
「この部屋の宝が欲しくば、そして この部屋から出たいならば、我々を倒していくのだな!!」
ズガァァンッ!!
「「「おわぁっ!?」」」
床を破壊せんとばかりに、両手に持った武器で叩き付けてくる宝物庫の守護者。
「チィッ…!」
ガィンッ…!
「硬イ…!」
これに対してコキュートスが、反撃のカウンターの突きを繰り出すが、有効なダメージは与えられなかった様だ。
アウラの索敵能力でも測りきれないHPに、見た目通りな攻撃力と防御力。
ついでにスピードにも特化している。
その戦闘力は守護者級…いや、完全にレイドボス。
ナザリックで云えば、第8階層の あれらに該当する存在と思って良いだろう。
…尤もウチの あれらは あんなメカメカで無くて、魔力生命体だけど。
「ちぃっ! 喰らえっ!!」
ダシュゥッ!
この敵の攻撃を躱しながら、谷屋さんが魔導銃から撃ち放ったのは、《
見るからに機械系だ、雷撃は有効な筈。
キィィィンッ!
「何…ぅわぁっ?!」
しかし、あの あれらには魔法反射が施されていたのか、その雷撃の龍は跳ね返り、逆に谷屋さんに襲い掛り、直撃した!
「た、谷屋様!」
それに透かさず、ヴァーリ・トゥードのNPC…見るからに信仰系な女が回復魔法を。
「この部屋の宝が欲しくば、そして この部屋から出たいならば、我々を倒していくのだな!!」
ドガァァアッ!!
「「「ひぃえぇっ!?」」」
そして、猛攻再び。
先程から同じ台詞しか喋らないのは、そういう設定なのだろう。
この部屋の守護者として、侵入者を排除するためだけに配置されたキャラ。
「ちょっと! これってアリなの?!」
「おい、クソ運営! 不正だ!チートだ!」
…この世界にクソ運営は居りません(多分)。
「1500人大進攻の時の連中も、こんな気持ちだったんだろうな!
ん~、あの時は、すまなかった!」
「言ってる場合じゃないから!」
「冷静か!?」
◆モモンガside・了◆
≫≫≫
◆まろんside◆
「仕方無い! マーレ!」
「は、はいっ!」
モモンガさんの短い台詞に、マーレが それだけで全てを理解したかの様に応え、
「ゃ、やぁっ!」
しゅぅ…
藍鱗鎧に白のベストとミニスカートという衣装から、蒼地に紅龍が描かれたチャイナドレスに換装。
傾城傾国。
あらゆる者を耐性無視で精神支配する、
「行っけぇ!」
カァッ…!
このチャイナに描かれた龍が具現化して、あれらの1体に飛び込む。
「この部屋の宝が欲しk…」
その龍は標的とした あれらの体内に潜るかの様に中に入ると、その あれらは動きを止めて、
ガシィッ!
直ぐ旁に居た、別の1体に攻撃を仕掛けた!
その儘、その2体は1vs1の形となり戦闘を開始した。
これで とりあえず、対処すべきは6体となる。
「体勢を整えるぞ!」
「「「応!」」」
「「「はいっ!」」」
あの敵…確かに1体1体は、俺達個々よりも強いかも知れない。
しかし、それでも此方には、それを補える"数"が有る。
とりあえずは戦況、戦力の整理だ。
先ずは、クレリィ、オリヤ、セージ。それとエントマ。
この4人は、レベル100(推定)の相手は とても務まらない。
クレリィとセージは後方から回復や
リグリットは勿論、絶死絶命も、アレの相手は少しキツいだろう。
この2人も後ろに。
マーレは傾城傾国で あれらの1体を支配、操っているので、やっぱり後ろ。
そして、谷屋。後、モモンガさん。
魔法が効かないとなると、この2人も殆んど戦力外だ。
いざとなれば、モモンガさんは《
「フゥンッ!」
ゴォォッ!
しかし此処で、コキュートスが凍てつく波動を放つ!
「よくやったぞ、コキュートス!」
これにより、あれらに施されていた魔法反射が消え(…た筈)、モモンガさんと谷屋も、普通に戦列加入。
「それじゃ行くよ、モモンガちゃん!」
「了解ですよ、マサトさん!」
そして、此方の組み合わせも決まる。
先ずはモモンガさんとマサトの、
「おチビ、足を引っ張るでないでありんすよ!」
「はぁ~? 誰に、言ってる訳ぇ?!」
続いて、大丈夫か?…の、シャルティアとアウラ。
「行くぞ、セバス!」
「承知致しました。」
更にはコキュートスとセバス。
「こんにちは♪」
「…そして、さようならだ!」
カスミと谷屋。
「シャババババ!」
「ふっ、八欲王の遺物…面白い!」
シャババさんとポチョムキン。
「「行くぜ!」」
そして最後に、俺とイスキオス。
この、1vs2の組み合わせが6つ。
「とりあえずは、各個撃破。」
「そして その都度 状況判断で、他のチームのフォローに回る!」
「「はい!」
でありんす!」
「ハッ!」
「「承知!」
しました。」
「「「「「了解!」」
した。」
だ!」」
…尚、ツアーは、後方待機組の護衛役だ。
◆まろんside・了◆
≫≫≫
◆ツアーside◆
どうやら あの あれら(仮名)は、特別な攻撃は持ち合わせていない様だ。
両手の武器と尻尾のボウガン。
これだけの、シンプルな攻撃。
ドゴァァンッ!!
「「ぬわぁーっ!?」」
しかし、それが厄介なんだけど。
アインズは ある程度のレベルの物理攻撃は無効らしいけど、アレは その、『ある程度』を超える威力の様だ。
「くっ! 出し惜しみは、無しでありんす!」
アインズのシモベの吸血鬼が、真紅の鎧を着込んだと思うと、真っ白な分身体を作り出す。
これでダークエルフの少女と合わせて、1vs3の形を作り出した。
「フンッ!」
「哈っ!」
蟲人と執事のコンビは片や正面から、片や それにより出来る死角からの攻撃を繰り返し、
「でぇい!」
「てやっ!」
黒髪と白金髪、紅眼と蒼眼、そして黄金に対して漆黒の鎧と、色合いこそ対極だが顔立ちや鎧の造形は ほぼ同一な、まろんと その そっくりさんも、近接で合わせ鏡の如くな連続攻撃を繰り出している。
「唸れ、轟雷!」
「《
金髪幼女と妖精属の少女が、強烈な雷撃を放ち、
「シャババババ! 私達も負けられぬぞ!」
「ふっ…これは後に、伝説として語られる戦いになるのかもな…」
モヒカン男が先程と同じ様に、特殊素材で編み上げた
爬虫類の様な凶悪な目は ぱっちりとした 真ん丸お目眼に、顎は大きく しゃくれ、鋭い牙は平らな歯並びに。
ゴツゴツとした岩の様な肌は つるつるすべすべな お肌となり、強靭な蹄の足は普通の裸足に。
…本当に大丈夫なのか?
◆ツアーside・了◆
≫≫≫
◆モモンガside◆
眼魔さんが、本気を出した。
以前、『あの形態は、間抜けっぽいから本当は好かぬのだがな…』と言っていたが、そんな拘りに構っている場合じゃないのは理解している様だ。
一見 脳筋一辺倒に見える眼魔さんだが、実は かなりの頭脳派だ。
そもそも、ユグドラシルではサイクロプスという種族が、単なるパワーだけの種族じゃない。
種族特性で近未来予知の能力と、ついでに鍛冶スキルも持っているのだ。
「奥義! エレクホルン・テンペストーッ!!」
ギョゥゥッ…ドガアッ!
その眼魔さんが、頭の独特な形状の2本角を高速回転させながらの体当たり。
衝突と斬撃の2つの属性が合わさった この攻撃は、天空城のあれら(仮名)を完全破壊した。
これで、先ずは1体。
「《
「…か~ら~の~!!」
ドゴォォオンッ…斬ッ!!
続いて、俺の超・雷撃からマサトさんの木刀(
2体目。
「ヤツの攻撃は、俺が受け止めてやる。
お前達は、ガンガンやれ!」
「は、はい!」
「感謝するでありんす!」
そして自分が請け負った相手を片付けたポチョムキン4世さんが、アウラとシャルティアの加勢に。
「シャババババ! 攻撃の手を緩めるな!」
「承知!」
「了解しました。」
眼魔さんは、コキュートスとセバスの助太刀に。
「喰らえっ!」
「ギガ・レイ!」
ドオォッ…!
ビガアッ…!
そして俺とマサトさんが戦闘に加わる前、谷屋さんの魔導銃から撃たれた《
ど…どん…
更にはマーレが操っていた個体が、相手取っていた個体と引き分けて斃れる。
それと同じタイミングで、アウラとシャルティア、コキュートスとセバスもポチョムキンさん眼魔さんのアシストを得ての撃墜に成功。
これで、残りは1体。
「まろんサン、今 行きまs
「大丈夫だモモンガさん! コイツは俺達が殺る!」
…ですよねー。知っていました!
この状況で、まろんサンが手助けに応じる筈も無い。
まろんサンは、地味に?負けず嫌いだ。
「この部屋の宝が欲しくば、そして この部屋から出たいならば、我々を倒していくのだな!!」
そして、まろんサンが担当した相手は、所謂
他の個体と比べて、声の質が違うし、恐らくは
「まろんちゃ~ん、無理しなくても、良いんだよ~?」
「シャババババ! 意地を張る必要は無いぞ!」
「ほら、素直に助けを求めたらどうだ?
このスイカップ・スキー。」
「黙れ、大平原!」
「だ、誰が大平原だ!
少しは有るって言ってるでしょ!?」
「アン、落ち着いて?!」
マサトさん達が半分煽る様に協力を申し出るが、まろんサンは尚更に、これには応じない。
…と言うか、それを分かって言ってますよね?
「くそ、こうなったら…
《
迷宮結界を張る まろんサン。
成る程。まろんサンの結界内は、壁床天井が、完全破壊不可に強化される。
つまりは、其れ程の大技を繰り出す心算だ。
…って、え? まさか、アレを2人掛かりで?!
「捲き込まれるぞ! 此方も防御だ!」
ユグドラシル…ゲームじゃないから、攻撃効果範囲内に居たら、普通に
「任せろ!」
「は、はい!」
「「了解しました!」」
俺の台詞に、マーレ、ヴァーリ・トゥードのNPC、そしてポチョムキンさん…防御スキルを持つ者達が、
「《
「「《
「…特に名は、付けていない!」
各々そのスキルを発動、展開させる(ポチョムキンさんは超硬質の巨大防護幕衣を瞬時に編み上げた)。
「ふっ…」
それを確認して、まろんサン達が動き出す。
「
ヴン…
先ずはイスキオスが、己そっくりな分身体を作り、それと一緒に まろんサンの両隣に立ち、
「「「はぁあ…!」」」
そして、3人?揃って闘氣を高め(まろんサンは魔力も)、俺の《
…って、3人掛かりの大技ぁっ?!
「「「
弩ッ轟々々々々々々々々ッ!!!
うわぁ…
3人掛かりで放たれた それは、途轍も無く凄まじい大爆発。
「「「「「「「「「……………………。」」」」」」」」」
その直撃を受けた あれらは、欠片も残さずに消滅しており、これには俺だけで無く、他の皆さん…マサトさん谷屋さん眼魔さんですら、言葉を失っている。
「いや、自分で言うのもアレだが、パねぇなあ。」
そして その威力には まろんサンですら、驚いている様だ。
「見ろよ。あれだけの大爆発なのに、壁床天井、全くキズが付いてないぜ。
俺の《
「ああ、全くだ。」
違う! そっちじゃない!!
≫≫≫
…その後。
宝物庫の守護者と思しき あれら(仮名)を全て倒した後は、部屋から無事に出る事も出来た。
それから玉座の間までも、大した敵は出現せず。
普通のモンスター(鎧系)と、偶に遭遇しただけ。
但し、それからは宝をゲットする事も無く…
「だから200年前、ツアー達が漁り過ぎたんじゃないのか?」
「何? その言い掛かり?!」
「ハッ! 骨の大将は、完全に目的が違ってるな…」
「モモンガ君…
我々は、魔神化した八欲王のNPCの対処に来たのだぞ?」
…………………………………………。
天空城の あれら(仮)…キラーマジンガ様(ドラクエⅥ)
…のイメージで
マーレの普段着→傾城傾国の換装は、FF-X-2のドレスチェンジのイメージで。
つまり、肝心な部分は、見えそうで見えない!
≫≫
次回『竜王の苦悩(予定)』
乞う御期待! 感想よろしくです。