ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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最初は前回から続き、ネイアちゃん視点で
 



Sacred Club②

◆ネイアside◆

「ふっ、堂々と聖王国の旗を掲げての御出座しか。」

魔導国に攻め入ろうとしている、聖王国の一団。

遠眼鏡で それを見たマカロン様は、何やら感心している様子。

 

「何処とは言わないが、他国なりすましで虐殺行為してる国が()()()()(過去形)(カッコカコケイ)

まあ、敵対するなら どちらにしても、殺すがな。」

「……………………。」

しかし、自国に危害を加えようとする者には、容赦は無いみたいです。

 

「それではモモン氏。手筈通り、先ずは私が。」

「うむ。任せたぞ。」

 

バサ…

 

先日の打ち合わせ(ミーティング)で決まった通り、先鋒役の悪魔(デミウルゴスさん)が翼を広げ、先陣を馬で疾走する一団の元に飛んで行きました。

…って、そのデミウルゴスさんに向けて、大量の矢が放たれた?…悉く弾かれてますけど。

…って、その矢を射った弓兵団が、青い爆炎に包まれた?

 

「うわぁ…これは、死んだ。」

冷静ですか、先輩!?

最初の予定では、あくまでも平和的に…

デミウルゴスさんがメッツァー伯爵に撤退勧告をして、それに応じてくれれば それで終わっていたのに!

勧告する前に これじゃ、もう戦闘待った無しじゃないですか!

 

「そりゃ、悪魔が飛んできたら、普通は攻撃するだろう?…ローブル聖王国だぞ?」

ですよねー!…って、レメディオス様?

そう思っていたなら、ミーティングの時に それ言って下さいよ!

ひょっとしなくても、あわよくば『それで殺られてしまえ!』とか、考えていましたよね?!

 

「…後輩ちゃん、もしかしてツッコミの才能が有ったりする?」

「流石は後輩。味が有る。」

いえ、別に嬉しくないですから!

と言うか! 他人(ひと)の心の声に、応えなくても良いですから!

 

「「やっぱり才能だ。」」

息ピッタリですね、この義兄妹!…もう、良いです。 

 

◆ネイアside・了◆

 

≫≫≫

 

◆デミウルゴスside◆

先ずは、予定通り計画通り…ですか。

彼方が先に、攻撃してくる事も含めて。

私の攻撃を合図に、パンドラズ・アクター…いえ、モモン達も突撃を開始してきました。

この程度の人間の集団、私1人 一撃で全滅させる事も可能でしたが、折角 聖王国から客人を招いているのです。

簡単に終わらせるのは、勿体無い。

とりあえず この先は、モモン達に任せましょう。

…が、くれぐれも、殺り過ぎないようにして下さいよ?

 

≫≫≫

「只今、戻りました。」

「お疲れさん。」

此方の本陣と言うべきでしょうか?

エ・ランテル城門前に帰還すると、まろん殿から労いの言葉を掛けて頂きました。

勿体無き事です。

 

「………………………………!!!」

此の場には今、まろん殿の他には聖騎士団長と、シズの後輩なる少女が。

まろん殿は今回、()()は この2人の護衛役となっているのですが…その、聖騎士団長の方が、私を何やら仇の様に睨み付けています。

如何に聖王国の人間としても…私が悪魔という事を差し引いても、この憎悪溢れる視線は尋常じゃありません。

私、貴女に何かしましたか?

 

≫≫≫

「始まったな…」

「…ですね。」

「な…何が どうなっているのだ?!」

遠眼鏡を覗く まろん殿の呟きに、相槌。

モモン、ナーベラル、シズ、ハムスケ。

そしてデス·ナイトとゴーレムの軍勢と聖王国の一団が衝突。

一方的な蹂躙劇が繰り広げられる中、敵方の大将と思われる人物が、モモンに対して一騎討ちを申し込んできた様です。

想定通り。

恐らく向こう側からすれば、その勝利を条件に撤退を認めさせる…と言った処でしょうか。

まさか、奇襲の心算が、まさか迎撃準備万端で待ち構えていたのが、予定の外斜め上でしょう。

勿論、此方は それすら、計算に入れていました。

向こうから攻めてきてきたのですから、本来ならば その様な要求、飲む必要も義理も無いのですが、そうなった場合、敢えて受ける様に、パンドラズ・アクターには指示を出しています。

 

「クソ…! 恥知らずが!」

まろん殿の《兎の耳(ラビッツ・イヤー)》で彼方側の やり取りを聞いての説明に、聖騎士団長が更に顔を歪めて吐き捨てます。

  

「メッツァーもガラハンドもバカなのか?

仮に 其処で勝利した処で、本国に戻れば処罰止む無しだと理解出来ないのか?」

全くですね。

そして この乱戦の様子は、アインズ様も遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)で御覧なられている。

つまり、今から一騎討ちが行われるのも承知。

…だとすれば、今頃は既にパンドラズ・アクターに《伝言(メッセージ)》で()()を出しているでしょうね?

 

 

◆デミウルゴスside・了◆

 

≫≫≫

 

◆まろんside◆

さーて、PVPの始まりだ。

対峙するモモン(パンドラ)と敵さん隊長。

のーきん団長の情報通りに、アイスソードとでも言うべきか?

ザリュースが持っている氷の魔剣と同系統っぽい大剣で、ゴーレム相手に無双していたが、それは目立ち過ぎだ。

絶対にコレクターのモモンガさん、パンドラにPVPの戦利品要求する様に命令出してるぜ。

…っと、パンドラのグレート・ソードの間合いの外から、《絶対零度(アブソリュート・ゼロ)》みたいな魔法?攻撃みたいなのを放ってきた。

 

「や、ヤバイぞ!」

遠眼鏡(俺の予備)で彼方を覗いている のーきん団長が叫んでいるが、俺達は全く心配していない。

当然、パンドラはダメージを負った素振りは見せず。

 

「ば、バカな…?!」

それを見て、驚く のーきん団長。

のーきん団長曰く、あのガラハンドなる男は、自分より少しだけ弱い程度の強者だそうだが、それも所詮、聖王国基準だろうに。

 

「大丈夫だ。モモンは のーきん団長に圧勝した、ブレインよりも遥かに強い。

まあ、俺よりかは弱いけどな。」

「な…?!って、その呼び方は止せと言っているだろうがっ!」

「マカロン様…地味に負けず嫌いですね。」

 

 

◆まろんside・了◆

 

≫≫≫

 

◆パンドラside◆

「ば、バカな…?!

今の攻撃を受けて、全く平気だと…」

聖騎士団部隊長を名乗る男が、信じられない様な顔になっています。

Aber!これが現実ぅ!…なのです!

その程度の攻撃、この私には全く効っきまっせん!

 

「…ならば!」

そう言って、また精神を集中させている敵隊長。

はっきり言って、隙だらけです。

私、基本的に殺生は好みませんが、ナザリック…アインズ様に刃を向けるならば、話は別。

微塵の躊躇も有りませんよ?

しかし、このタイミングで攻撃を仕掛けると また まろん殿から『お前はプロレスを分かっていない』とか言われるのは必至。…『ぷろれす』って何なのですか?

 

「…行くぞ!」

そう思案している間に、次の攻撃に必要な()()は充ちた様ですね。

 

エターナル・フォース・ブリザード!!

 

ヴォォオォッ!

 

先程と同じく、刀身から氷属性魔法の様な攻撃。

成る程…これは中々の攻撃。

此方の世界のヒトからすれば、耐え得るのは極々限られた者に…大抵の相手は死ぬ!でしょう。

…私には、効きませんけどね!

 

「今のが吹き止まぬ暴威の吹雪(エターナル・フォース・ブリザード)とは、大袈裟な名前だな。

まるで、そよ風だ。」

「ば…馬鹿な!?」

信じられない様な顔、再び。

最高に狼狽える敵隊長ですが、これが現実です(2回目)。

もう、良いでしょう?

余りの舐めプは、負けフラグ…でしたな?まろん殿?

 

「…では、次は私の(ターン)だな。」

はい、せめてもの情けです。

サクッと殺して その氷の大剣、貰い受けるとしましょう。

ええ。彼が勝てば、その他の者の撤退を認める代わり、私が勝ったなら、その剣、頂くのは事前に約束しましたからね!

 

 

◆パンドラside・了◆

 

≫≫≫

 

◆まろんside◆

相手の大技(笑)を凌いだモモンの、グレート・ソード二刀流。

鋭い振りで、刀身を左右に交差させての斬撃。

ネーミングセンス残念MAXなモモンガさんの数少ない、()()判定な(ネーム)、『大鋏』だ。

これによって、ガラハンドだったか…は、上半身と下半身が完全分離。即死だ。

その結果に、残りの敵さんが逃げるかの様に四散するが、パンドラ達が それを認める筈も無い。

ナーベラル、シズ、ハムスケ。

そしてデス·ナイトとゴーレム軍団、更には この逃亡阻止の意味で伏せていた上位ゴーレム(ユグドラシルでは中位)、アマダンタンクの大群が姿を現し連中を囲み、その逃げ道を塞ぐ。

 

「…………………………。」

「何か?」

「な、何でも無いっ!」

のーきん団長が如何にも何か言いた気な、そんな顔をしていたので尋ねてみると、この返し。

パンドラが繰り出した惨殺に物申したいが、それも戦場の理として理解、そして無理矢理に納得しようとしているのだろう。

さて、これで一応は決着した様な物だが、のーきん団長と後輩ちゃんには伝えていない、これからの展開…

本番は寧ろ、これからなんだよなあ? 

 

 

◆まろんside・了◆

 

 

≫≫≫

 

▼▼▼

 

 

思った以上に、使えない者でしたね…

 

 

「「「「「!?????」」」」」

聖騎士ガラハンドの屍から、その声は発せられた。

その不気味な声に、聖王国からの一団は戸惑いを隠せず。

 

「何者だ! 隠れてないで姿を見せろ!」

それに対してネタバレしているモモン(パンドラズ・アクター)は威風堂々。

その姿を消してている()()()に向かって、声を轟かせた。

 

 

ふふふ…良いでしょう。

モモン…そしてマカロン。魔導王陛下が認めている、この国の最大戦力!

 

 

すると今度は、モモンとガラハンドの一騎討ちの前、ゴーレムに踏み潰された死体から声が。

  

「な…何が どうなっているんだよ?!」

自身の常識の外の展開に、聖王国の兵士達は慌てふためく。

 

 

この2人を纏めて屠る機会、度々と訪れる事も無し。

 

 

そして次は、その場に茫然と立っている、聖王国側の兵士の口から声が。

聖騎士で無く、極々一般の青銅・鉄製装備の兵士だ。

 

「…え? 俺…?!」

しかし その兵士も何故、己の口から その様な声が…

自身の意思で喋った訳でも無し そして自分の声でも無しな理解不能な状況に、その表情は戸惑い、動揺を隠せない。

   

 

ならば此の場にて、滅する事に致しましょう!!

  

 

「…………………?!っうっぁあああ!?」

謎の声が収まると同時、その兵士が、苦し気な呻き声を上げる。

 

「おい? どうした!? 大丈夫か?!」

その普通で無い苦しみ具合に、その隣に立っていた兵士が心配そうに声を掛けるが、

「ぐ…ぐわがああぁぁあーっ!!

 

バリッ…ブシャァアッ!!

 

人が出す声とは思えぬ雄叫びの後、この兵士の体が鮮血を散らしながら、縦真っ二つに裂けた。

 

「「「「「う…ぁわぁぁぁあっ!!?」」」」」

その周囲に居た兵士達が、夥しい血飛沫を全身に浴びると同時、その凄惨な光景に腰を抜かして倒れ込んでしまう。

 

「ふぅ…狭かったですね。」

「「「「「…???!」」」」」

そして その裂けた兵士の中から姿を見せたのは、赤橙の背広(スーツ)に銀の装甲が為された尻尾、そして嗤い顔を浮かべた造型の黒い仮面で顔を隠した…

 

「ああぁ…く…ぅっ?!」

…悪魔、だった。

 

「その仮面…! そうか、貴様が…」

「漆黒の英雄モモン…

貴方とは、初めまして…ですね。

そう! この私こそが!」

「ヤルダバオト…!!」

「…御名答。」

 

 

≫≫≫

 

◆デミウルゴスside◆

はい、種明かし・ネタばらしの時間です。

先ず、あのヤルダバオトは、ナザリックのガチャ・モンスターのドッペルゲンガーを私に化けさせた偽者(コピー)

それを、聖王国兵士…時期としては、彼等が聖王国を出て、リ・エスティーゼ王国領を進んでいた時に、雑兵の中からランダムに1人選び、憑依させていたのです。

折角 魔導国に攻め入ろうとする愚か者が居たのです、有効に活用せねば。

ああ、その者は、ヤルダバオト(偽)登場と同時、普通に死にましたよ。

体が縦に裂けたのです。それで生きているなら、それこそ化け物です。

 

「…何ぃっ?!」

そして、兵に憑いていたのは、ヤルダバオト(偽)だけに非ず。

指揮官格を除いたランダムですが、数にして約500。

一般兵にヤルダバオトの配下という設定の悪魔を憑依させておりました。

兵士達はヤルダバオトの演出同様、正体を見せると同時、死ぬ仕様です。

その演出は、様々。

ある者は、身体の皮が裏返り反転しての変化。

また ある者は、口の中から吐き出す様に姿を見せ。

ある者は腹を突き破っての出現。

そして また ある者は、突然 体を燃え上がらせ、その炎の中から その身を現し。

 

「あぁあ、悪魔ァッ!」

「…デミウルゴスです。」

 

グィッ…!

 

その光景を遠眼鏡で見ていた聖騎士団長が、いきなり私の胸元を掴み上げてきました。

人間如きが この様な行為…本来なら即 殺す処ですが、今回は何を考えているかは察しているので、一応 話を聞いてみましょう。

 

「な、何なのだ、あの悪魔は?!

貴様と全く同じ姿ではないか!?」

「先日の裁判の後、アインズ様達が説明していたでは有りませんか。

アレこそがアインズ様に敵対する悪魔、ヤルダバオト。

私としても誠に不快ですが、私と同郷同族な存在なのですよ。」

「クソッ…!」 

 

ダダダッ!

 

「…何処へ?」

「決まっているだろう! あの悪魔を、討つ!」

私から手を離し、魔導国、聖王国、そしてヤルダバオト率いる軍勢が入り乱れる戦場に走ろうとする、聖騎士団長。

 

「待ちなさい。此度の戦闘、貴女達は単なる見届け役の筈。

手出しは無用の約束でs

「言ってる場合か! 既に無関係な悪魔の横槍が、入っているのだぞ?!」

成る程、そう来ましたか。それならば、御尤も。

 

「あの悪魔はアインズ様に仇為す存在。

私としても、放置は出来ませんね。

聖騎士団長殿、御一緒致しましょう。」

「ふん、共闘は せんぞ! 生憎 私は悪魔に預ける背中等、持ち合わせてないのでな!…マカロン!」

「何だ? のーきん団長?」

「ネイアを…頼む。」

「…了解。頼まれた。」

シズの後輩の少女…ネイア嬢は この戦闘は荷が重いとしたか、まろん殿に その儘 護衛を頼み、まろん殿も それを承諾。

 

≫≫≫

「ヤルダ…バオトぉおっ!!」

雑魚の悪魔を蹴散らしながら、モモンと戦っているヤルダバオトの元に馳せ参じた聖騎士団長と私。

そして聖騎士団長が、ヤルダバオトの名を絶叫。

 

「答えろ! 貴様…貴様が、我が国の民を陰で惑わし、この騒ぎを起こしたのだな?」

成る程。聖騎士団長殿は、ヤルダバオトが今回の騒ぎの黒幕と判断しましたか。

…いえ、正確には そうで有って欲しいという、願望でしょう。

 

「それは誤解ですよ、聖王国の騎士殿。

私は只、貴女の国の民が起こした進攻に、便乗させて貰っただけです。

しかし まさか、街の外で魔導国の皆様が既に待ち受けていたとは…」

「何だと?」

しかし残念ながら、聖王女…そして魔導王(アインズ様)憎しとして事を起こしたのは、本当に聖王国の所謂 過激派と呼ばれる民なのですよね。

私は、それを利用させて貰っただけです。

 

「全く使えない! 何が聖王国聖騎士団ですか!?

私としては、この者達が魔導国首都に侵入、ある程度の破壊殺戮の末に正体を明かし、魔導王様の城を襲撃する予定だったのですが…

まさか街の外で足止めを喰らい迎撃され、その後は情けなく逃げ出そうとするとは…」

「何だと!…貴様ァッ!?」

「下がっていて…落ち着いて下さい、聖騎士団長殿。

相手は悪魔。冷静さを失えば、それこそ相手の思う壺ですよ?」

「…っ!…チィッ!

…女性の舌打ちは、はしたないですよ?

身内を蔑まれ、頭に血が上っている聖騎士団長を後ろに退げます。

 

「ヤルダバオト! 貴様、何を考えている? 何が、目的だ?!」

その代わりに、前に出るのはモモン。

 

「目的? 何を今更? 私の存在意義は、魔導王陛下…アインズ様に仇為す事…私は その様に創られたと云うのは、既に承知でしょう!

まあ…今日の事を具体的に言うならば…

私は この魔導国を楽園に変える為に、やって参りました!

「楽園…だと?」

「その通り。

絶叫が! 呪詛が! 慟哭が!

それ等が永遠に木霊し響き渡る様な、そんな楽しい国に、私は したいのです。」

「「巫山戯るな!!」」

 

ダダッ!

 

そのモモンの問い質しに対するヤルダバオトの応えに、モモン、そして聖騎士団長が怒声と共に突撃。

しかし、ヤルダバオトの今の台詞。

台本には無かったのですが、流石は私の複製(コピー)

見事なアドリブのスキルです。

 

「おっと? 危ない危ない?」

「くっ…!」

そしてモモン達の攻撃は、簡単に躱します。

 

「ヤルダバオト、率直に申し上げます。

貴方がアインズ様に刃向かう行為は無論の事、私と丸被りな その姿 そして その声、非常に不愉快です。

…故に、死んで戴きます。」

そして、私の出番。

これは同じ場所に何時までも、同じ姿格好の者が居るのは何かと ややこしく紛らわしい事を考慮しての()()

 

「いきなり、失礼な物言いですね。

しかし、確かに丸被りな容姿は紛らわしいのも また事実。

良いでしょう。私の真の姿…見せて差し上げましょう!」

その振りに乗る、ヤルダバオト。

 

ずずず…

 

ヤルダバオトの姿が、人型の悪魔から獣の様な異形に変化していく。

 

「貴様…その、姿?」

「ゲゲゲ…どうよ?」

以前の原型を留めぬ姿に、聖騎士団長も驚愕。

その姿は深紫の体毛、背に蝙蝠の様な翼を生やした大猿の様な異形。

更には口調、人格(キャラクター)も変わっています。

 

「ふん…私には、弱体化した様に見えるがな。」

そう言って、モモンが前に出る。

最初の予定では、此処で私とモモンが、この変身ヤルダバオトと ある程度の戦闘をこなし、次の段階(ステージ)に話を進める事になっていましたが、此の場に聖騎士団長も居るのは予定外。

はっきり言って邪魔、足手まといです。

私は勿論の事、仮にモモンが「危険だから下がれ」と言った処で、素直に聞き入れる人物では無いですよね。

…かと言って、一緒に戦う中で死なせてしまえば…一応 彼女は今、魔導国(こちら)側の、しかも客人としての位置に居るのですから…それはアインズ様の名に傷を付けるも同意。

しかし、彼女を気遣い、互いに(ヤルダバオト共々)威力を抑えた遠慮した戦闘をする訳にも往かず。

それこそ本当に、茶番劇です。

 

「…………………?!」

それはヤルダバオトも理解している様で、『デミウルゴス様、一体どうすりゃ良いんですかい?!』…と、目で訴え掛けています。

 

「仕方、有りませんね。

…《超硬化完全防御(アストロン)》。」

「な…キサm」

ならば、この聖騎士団長は安全的に強制退場して貰いましょう。

これなら、物理に魔法…如何なる攻撃も(ついでに回復や支援(バフ)も)無効化されますからね。解呪(ディスペル)系以外。

そしてヤルダバオトには、ソチラ系のスキルは持たせておりませんので、御安心を。

 

ぶぉおわぁっ!

 

ヤルダバオトも それを見て安心したか、迷い無く闇炎吐息(ダーク・ブレス)を吐いてきました。

この世界基準で言えば、"英雄級"と呼ばれる者ですら、瞬殺出来る威力です。

 

「………!?………………!!!!」

何やら また、聖騎士団長が騒いでる気がしますが、今の貴女は《超硬化完全防御(アストロン)》状態ですから、全くの無問題ですよ。

そして これは、私とモモン(パンドラズ・アクター)にも、大したダメージは受けません(多少は受けます)。

 

「でぇぃやっ!」

 

斬ッ!

 

「ぐおっ?!」

これに対して お返しとばかり、モモンがグレート・ソードの一閃。

 

「喰らいなさい!」

 

ボォゥワッ!

     

更には私が、《冥獄蒼炎(ブルー・フレイム)》で追い打ち。

 

「………!!!!!!!!!」

聖騎士団長が また何が 言っている気がしますが、気のせいでしょう。

 

「ちぃっ、おのれ…!」

そしてヤルダバオトは配下の悪魔…特に防御に優れた者達を、己の盾とするべく呼び寄せましたか。

メタル・イビル…攻撃は大した事は無いですが、最上位の無属性以外の全ての魔法系スキルを無効化、物理防御にも優れ、生半可な攻撃は通用しません。

そしてHPも それなり…

誰ですか? こんな面倒臭いモンスターを今回の計画に組み入れたのは?!←私でしたね。

さて、どうした物だか…ん? ん?

おお、()()()()()()() ()()()()()()()()()()()()()じゃあないですか!

…悪魔の諸相:豪魔の巨腕!

    




ガラハンド…ガラハド(ロマンシング・サガ/PS2版)
変身ヤルダバオト…バズズ(ドラクエ2)
…のイメージで
憤怒の魔将(イビルロード・ラース)じゃないです。
 
≫≫≫
今回はサブタイトルで、オチを察してしまったかな~?(笑)
 
次回『白銀の矢!(予定)』
 
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