ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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【前回のラスト】
 
おお、()()()()()()() ()()()()()()()()()()()()()じゃあないですか!
 


聖王国弓兵、堕ちる…

▼▼▼

 

「ふははははははははっ!!!!!」

   

ガンガンガンガンッ…

 

◆ネイアside◆

ゎあ…(©先輩)

()()は、何と表現すべきか…

 

聖騎士団長棍棒(セイクリッド・グラブ)?」

言い方ぁっ! た、確かに間違ってないかも知れないですけど!?

見た儘で言えば、デミウルゴスさんが魔法により超硬化されたレメディオス様を得物(ぶき)に、ヤルダバオトの部下の悪魔を撲殺しているのだ。

…もっそい()い笑顔で。

 

「そして後輩ちゃんはデミえもんに ぶん回されている のーきん団長を見て、日頃のパワハラの鬱憤も有ってか、『ざまぁw』と思いきし ほくそ笑んでいるのであった、まる」

い、いません! …す、少しだけしか

それに日頃って、聖騎士団から弓兵団に所属を変えてからは、レメディオス様とは殆んど顔を会わせていませんから!

 

『『『キャキャキャキャ!』』』

………!!?

そうした中、私達の方にも悪魔が数匹、空から襲ってきた。

烏の様な頭に2本角、蝙蝠みたいな羽を生やした悪魔だ。

上空からの急降下。

手にしている剣で、私達に攻撃を仕掛けるが、 

「サラマンダー・クローゥ!」

 

ボゥッ!

 

『『『ギャーッス?!』』』

それ等はマカロン様の燃える拳のカウンターで、瞬殺されてしまう。

 

「あ、ありがとうございます…」

「一応のーきん団長から、後輩ちゃんを頼むと言われたからな。」

私が お礼を言うと事務的な、素っ気無い返しのマカロン様。

 

「…ついでに言えば その前に、後輩ちゃんの事はシズからも頼まれていた。

可愛い可愛い義妹の お願いだ。無視は、出来ないだろ?」

…と思っていたら、直後に軽く、冗談染みた笑顔で付け足す。

コッチがマカロン様の、本質なのだろう。

 

「…来るぜ。」

そんな風に思っていると、新手として また悪魔が数対、空から向かってくる。

狙いは私達…で無く、町の中!

 

「させない!」

 

ぐぃ…シュッ!

 

『グェァッ!?』

勿論、それを黙って見ているなんて事は無く。

弓を射り、迎撃。

マカロン様は武闘家。対空等の所謂 ()()()()は持っていないでしょうから、此の場は私が頑張らないt

「ソニック・ブーム!」

 

ブゥン…!

 

『『『ギャワッス?!』』』

…………………………………。

撤回。この人、遠距離技も、持っていた!

両手に風属性…ですか?の魔力を付加させ、その拳を素早く交差させる様に腕を振り、それで発する真空刃で、空の敵を撃ち墜としました。

しかも、1度に3体。

 

「やるじゃん、後輩ちゃん。」

………………。

そして、この言葉。マカロン様的には純粋に誉めて下さっているのでしょうけど、何だか微妙に複雑。

 

「そ、それは此処で何もしてなかったら、後から先輩に、『不甲斐ない』とか言われますから!」

「…確かにな。」

 

 

◆ネイアside・了◆

 

≫≫≫

 

◆シズside◆

流石は後輩。

エ・ランテルに向かって行った悪魔を、まろん義兄()ぃにと共に迎え撃っている。

単なる お客さんで無く、自分が為すべきを理解している。やはり、味が有る。

 

「…だからっ!」

 

ドドドッ!

 

『ちぃぶゎあっ?!』

『ぐぇるっし!?』

私も先輩として、負けていられない。

魔導銃(モデル:イングラム)悪魔(カキン・モンスター)を射殺銃殺。

既に聖王国の騎士や兵士は、最初の戦闘での蹂躙に加えて、予想外の悪魔の出現…身内が憑かれていたというショックも有って、完全に戦意喪失しているっぽいから、そっちは もう無視。

尤も、逃げようとする者は…

 

バシュィッ!

 

「「「ぎゃあっ!?」」」

「逃げられると思っていたのか? この、セグロイナゴ共が。」

…アッチに任せよう。

 

 

◆シズside・了◆

 

≫≫≫

 

◆ネイアside◆

「やれやれ…ヤルダバオトの主は、本当に私を嫌っている様だな。」

「ひっ?!」

えっ? えぇ~っ?!

とりあえずは此方に向かってきた悪魔を片付けたと思っていたら、いきなり魔導王が転移で現れた?

 

「そう驚く事は有るまい。

ヤツの目的は、私。…ならば、その私が此の場に居れば、街の中に攻め入ろうとは、しないだろう?」

…確かに、そうかも知れない。

 

「貴方は…自身を餌に…ぃぇ、囮とするのですか?」

「私は()だ。それで街を…いや、私の民を守れるならば、餌でも歯車でも、何にでも なってやるさ。」

「…………………………………。」

「そんな事より、」

 

ス…

 

魔導王が前方を指差すと、

『『『ギャッファーイッ!』』』

その()(失言!)に食い付き、悪魔が また集団で此方に向かってきた?!

 

「確かに間違っていないかも知れないが!」

「フッ、ネイア嬢と一緒に、私も護ってくれよ?」

そう言って、マカロン様の後ろに移動する魔導王。

 

「後輩ちゃんは お客さんの立ち場でも、(てつだ)ってくれているのだがな?」

マカロン様が凄く面倒臭そうな顔をして、戦闘姿勢を取り、

「火拳!」

 

ボワッ!

 

『ぬわーーーーーーーっ!!!!』

繰り出したのは、またも飛び道具!

振り抜いた拳から撃ち放たれた炎が巨大な拳を象り、悪魔を焼き尽くす!

 

ぐぃ…シュッシュシュ!

 

『ぐぇっ?!』 

私も、必殺の3連弾!

同時に放たれた3本の矢が、悪魔の体を射抜く!

悪魔と云えど、体の形はヒト型。

ならば その躰の急所も、人間とは殆んど変わらぬ筈!

…急所と言っても、男の人の お、おぉ、おちんち()()の事じゃ、ないですからね!

 

 

◆ネイアside・了◆

 

≫≫≫

 

◆パンドラside◆

アインズ様も、この場に姿を見せられた。

つまり それは此度の計画、次の段階に移行する合図(サイン)

 

「ヤルダバオト! 覚悟!」

幾度かの剣と爪の打ち合いから、互いに一度 距離を空けた悪魔猿、正体を露にした…という設定の…ヤルダバオト(偽)に、突進。

さあ、決着を着けましょう。台本通りに!

アインズ様から『パンドラはアドリブ禁止! 絶対! 特にモモンの時に、ドイツ語は止めろよな!?』…と言われていますから、余計なアレンジは入れずに、

 

斬ッ!

 

先ずは、左の横凪ぎ。

しかしヤルダバオトは、それを空中回避から、更に上空高く飛び立ち、

 

ボォッ!

 

其処から激しい炎の吐息(ブレス)を。

 

「チッ!」

それをマントで防御するかの構えを見せ…実際は、普通に殆んどダメージ無しですが、

 

ドスッ!

 

2振り大剣の内の1本、その刀身を約1/3程度迄、地面に深々と刺し、

「ハッ!」

 

ダッ!

 

それを踏み台にして、大きく飛翔。

残る もう1本を両手持ちで構えて、ヤルダバオトに突撃する。 

 

『ナ…に?』

このヤルダバオト(偽)の元の種族は、私と同じく二重の影(ドッペルゲンガー)

ナザリックのシモベで無く、謂わば消耗品のカキン・モンスターと云えど多少なり、思う部分も有りますが…

これはデミウルゴス殿…延いては全て、アインズ様の計画の為!

其処に私個人の感情(あまさ)を組み入れる事は有りません!

 

 

斬ッ!

 

『ぐぇっ!?』

先ずは、右肩への袈裟斬り。

其処から腹部まで、大きく斜めに斬り裂く。

 

グィ…斬ッ!!

 

『ギャァァア?!』

更に剣を抜く事無く、腹の所で抉る様に刃の向きを変え、其処から今度は左肩向けて、斬り上げる!

これぞ、まろん様が考案・命名の…

 

「飛翔・之字斬り!!」

 

ドシャァッ!

 

この大技が決まり、身体を2つの部位に裂かれたヤルダバオトが地に落ち、私自身も着地。

 

『ぐォお…おのレ…』

両肩から腹部まで、字に斬られたヤルダバオトが、這い這いで私を睨み付ける。

 

『し、しかし、コレでオワタと思うなヨ…!

クタ……様、お赦しを…

…………………………グフォアッ!!』

そして一言二言の後に、眼から光が消え、盛大な吐血の末にピクリとも動かなくなりました。

死亡確認です。

『実は生きていて、後から仲間になる』等な展開は、有りませんよ?

 

パチ、パチ、パチ…

 

「お見事です…と、言っておきますよ、モモン。」

其処に、完全防御魔法で超硬化された聖騎士団長殿を担いだデミウルゴス殿が、拍手しながら私の前に。

 

「………………ッ!!!!!!?」

眉1つ動かせない聖騎士団長殿が、何かを訴えるかの様な雰囲気(オーラ)を発している気がしますが、それは気のせいでしょう。

 

「…私に構う余裕が有るのか?」

「ええ、大丈夫ですよ、ほら。」

台本通りな言葉の やり取りですが、デミウルゴス殿が指差す先には、ヤルダバオトが斃され、それにより逃げ出す悪魔を、ナーベラル殿とシズ殿が魔法と魔導銃で一掃する光景が。

 

「逃がさぬで御座るよ!」

 

バシュッ!

 

そしてハムスケも蛇尾を伸ばして、悪魔の首を跳ね落とします。

 

「「「「あ、あぁぁ…」」」」

そして聖王国の者達は、恐怖で動けないか、完全に その場で立ち尽くし…或いは 経垂れ込み、項垂れていますね。

もう、逃げ出す気力も有りませんか。

 

≫≫≫

 

ブシュォッ!

 

そして、場の全ての悪魔の排除完了…と同時、その悪魔の屍…ヤルダバオトを含む全ての悪魔の屍から魔力光が放たれ、更には体内に残っていた血が噴き出した!

さあ、此の度の喜劇(ファルス)も、最終局面(ラスト・ステージ)に突入ですぞ!

 

 

◆パンドラside・了◆

 

≫≫≫

 

◆ネイアside◆

「な…何なの…?」

モモン様達が、全ての悪魔を倒したかと思えば、その悪魔の死体から、多量の血が噴き出し、それらは霧の様に宙を漂う。

それは私達の元にも届き、周囲は赤黒い霧に覆われ、完全に視界を閉ざされた。

 

「…後輩ちゃん、油断するなよ?」

「も、勿論です!」

マカロン様の言葉に、緊張しながらも応える。

 

 

ククク…やはり、ヤルダバオト程度ではアインズよ、貴様の相手は無理だったか…

 

 

……………………!!?

そんな時、突然 この場に不気味な低い声が、響き渡った。

マカロン様と魔導王だけで無く、この戦いの中心となった離れた場所に居るモモン様や先輩達も、臨戦体勢を整える。

 

スゥ…

 

そして霧の一部が流れる様に移動、

「いよいよ黒幕の登場…いや、あれは単なる魔法映像か…」

マカロン様の呟き通りなのか、それはヒト型を象どり始めた。

 

「…ヤルダバオトの後ろに居たのは、貴様だったのか。

私に敵意を持つ者等、心当たりが有り過ぎて、誰だか分からなかったぞ。」

続いての魔導王の言葉。

2本角が特徴的な兜を被った黒肌の魔神?…そんな風貌な頭と胸部だけの霧の幻影。

その姿を見て、

「久しいな。まさか貴様、生きていたとはな…()()()()()!!

魔導王が驚きと怒りを混ぜ合わせたかの声で叫ぶ。

  

 

『ククク…()()程度で、私が本当に滅びたとでも思っていたか?

貴様と同じく、少しばかり眠りに着いていただけよ。

そして その眠りから目覚めてみれば、魔導王よ!

貴様は相も変わらず、全ての存在との共存という、甘い考えを持っている様だな。

敵対者に対する慈悲は無し…としてもだ。』

 

  

「私は無闇矢鱈に争いを…衝突を好まぬだけだ。」

魔導王の その声に、『ノクタネス』と呼ばれた魔神の幻影は私達の方向を…いや魔導王に顔を向けて言葉を続けた。

   

『愚か! 静寂・平穏を望むなら、全てを破壊し殺し尽くせば良いだけの話だろう!

貴様は それを可能とするチカラを持ってながら、何故それを行使しない?』 

「私は別に、何も無い虚無虚空の世界を望んでいる訳では無いのだよ。…貴様と違ってな。」

ノクタネスの問い掛けに、呆れた様に答える魔導王。

 

「フッ…そして貴様、先程 目が覚めたと言っていたが、それは半分は嘘だな?」

『……………………。』

そして魔導王の言葉に、黙り込むノクタネス。

 

「貴様が本当に完全復活を遂げているならば、ヤルダバオトの様な使い魔を使わずとも、貴様自らが私の前に現れ、直接に攻撃を仕掛けている筈だ。

今の様に幻影を使う事も無く、な。

…その為の魔力も、そろそろ無くなってきてるのだろう?」

魔導王の言う通り。

ノクタネスの幻影、そして周りの霧も、徐々に薄くなり、視界が晴れてきている。

 

『ふん! 流石と言っておくぞ、魔導王…アインズ・ウール・ゴウンよ!』

…………………!!!?

霧が全て、ノクタネスの周囲に集まっていく。

それにより薄れてきていた幻影が、先程より濃くなっていく。

元々、私も聖騎士団に在籍していたからこそ分かる。

あの霧は…あの魔神の幻影も そうだけど、魔力その物!

 

『とりあえず今日の処は、さらばと言っておこう!』

 

ドォオッ!!

 

その魔力が、強大な破壊の波動となり、私達…いや、魔導王に向けて撃ち放たれた!

その軌道に在った悪魔の亡骸、そして その軌道に居た聖王国の騎士や兵士は魔力に呑まれ、消滅していく。

…って、この儘じゃ、私達も、き、消えちゃう??!

 

「ひっ!?」

思わず しゃがみ込み、頭を抱えて眼を閉じる。 

 

ス… 

 

そんな私の前に、誰かが立った気配がするけど…マカロン様?

 

≫≫≫ 

「…大丈夫だったか?」

「…………………………………。」

しかし、その魔力は私には届かなかった。

先程、私の前に出たのは魔導王だった様だ。

魔導王が私とマカロン様の前に立ち出て、あの破壊の魔力を全て、受け止めたのだ。

沢山の蛇から成る造型の、黄金の杖を前に出した構えからして、恐らくは その杖に籠められたチカラで、魔法防御壁を張ったのだろうけど、それでもノクタネスの攻撃は凄まじかったらしく、漆黒のローブはボロボロに…特に大きな宝珠が施された肩当ては粉々に砕かれ、原型を留めていなかった。

私を…守る、為…?

 

「あ、ぁあぅあ…」

「ふむ。急な事態に、少し混乱している様だが…それでも無事で何よりだ。」

…………………………………………。

まだ、精神的に落ち着けない私に、優しく声を掛けて下さる魔導王。

周りを見渡せば、先程の攻撃に魔力を全て使ったのか、霧は完全に消えていた。

 

「あ…あの…」

「ん? 何かな、バラハ嬢?」

「あ、ありがとうございます! 魔導王陛下!」

 




次回『劇的! びふぉーあふたー!(予定)』
乞う御期待!
評価、ありがとうございました。
 
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