ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました 作:挫梛道
◆まろんside◆
「貴様…貴様貴様貴様貴様貴様ぁ~~~あっ!!」
ゆっさゆっさゆっさゆっさゆっさ
ガックンガックンガックンガックン…
今、何が起きているかを見た儘で話すと、のーきん団長がデミえもんの両肩を確り掴み、思いっきり揺さぶっているのだ。
凄い夜叉みたいな形相で。
普通でさえ性格キツそうな顔してるのに、キツさマシマシですよ?
男が逃げますよ? 喪女、更新しますよ?
まったく…デミウルゴスが一体、キミに何をしたかと言う話だよ。
「( ¬_¬)いえ…アレは普通、キレますよ…」
後輩ちゃん、その眼でジト目は迫力マシマシだから止めて。
「落ち着け、のーきん団長。」
「マカロン氏の言われる通りですよ、聖騎士団長殿。
戦闘の余韻が冷めず、感情が昂っているのは理解できますが…」
「誰の所為だと思っている?!
…ついでに、誰が、脳筋だ!?」
兎に角、俺とデミウルゴスが落ち着く様に窘めるが、何か言い方が間違っていたのか、のーきん団長は益々ヒートアップ。
「…ふむ。どうやら彼女は少しばかり、戦闘狂の気来が有る様ですね。」
「重度じゃないみたいだけどな。」
「うがーーーーーーーーーっ!!!!」
◆まろんside・了◆
≫≫≫
◆ネイアside◆
あれから…レメディオス様は一足先に怒り冷めやらぬ儘、聖王国へと帰っていった。
マカロン様の転移魔法で。
その際、最後に魔導王陛下に挨拶をすべきですと言ったら、「そんな必要が何処に有るか!」と怒鳴られた。
一応は外交として しかもレメディオス様は勝手にと言うか無理矢理と言うか、私のオマケで 来ていたのだから、それは必須だと思うのだけど、それを口にしようとしたら、今度は背後に回った先輩に口を塞がれた。
そして「話が拗れるだけだから、余計な事は言わない。後輩は もう少し、先の展開を読むチカラを持つべき。突っ込み力だけ研いてもダメ。」と、耳元で小さく注意された。
いえ、別に突っ込み力を研いている心算は無いのですけど?!
てゆーか! 何なのですか? 突っ込み力って!?
「「そゆ所。」」
うがーーーーーーーーーっ!!!!
◆ネイアside・了◆
▼▼▼
◆アルベドside◆
計画通り…ね。
ノクタネスを退場させた後、残っていたローブル聖王国の騎士や兵士は、今回の首魁の貴族1人を除いて皆殺しにした。
今回の聖王国の襲撃。
モモンガ様は1つの国で無く、その国内、一部の
勿論、それを拒むならば、魔導国は聖王国を戦敵と見なす…と前置きした上でね。
正直な話、これは不敬にも甘いのでは?…と思ったわ。
聖王国側が事態の確認後、直ぐに報告してきた事が、恩情の要因になっている…してもだ。
しかし見方を変えれば これは魔導国にとって、確かに有用な
聖王国に対して貸しを作る…いや、魔導国に対する
確かに単に国1つ滅ぼすのは容易いわ。
しかし魔導国は つい先日、
如何に此方に義が有ろうと、立て続けの国レベルの殲滅掃討は、同盟国からの印象も多少なり変わってくる。
スレイン法国と違い、ローブル聖王国はバハルス帝国や竜王国と悶着を起こした訳でも無いから、尚更ね。
モモンガ様は、其処まで考えておられた。
情けない話だけど、即時 殲滅掃討! キール ゼーム オールッ!!…な、脳筋思考しか出来なかった自分を恥ずべきね。
「よし、今度からアルベドの愛称は、のーきん宰相だ。」
…申し訳有りません。それだけは堪忍しろ下さい。
モモンガ様は私やデミウルゴス、そしてパンドラズ・アクターを御身以上の知恵者と称し讃えて下さる。
しかし、敢えて言わせて頂きますが…本来ならば、至高の御方に間違い等在り得ないのですが…それは間違い。
モモンガ様の先見性は、私達の それを遥かに上回っている!
其処にデミウルゴスの、この聖王国の愚行にヤルダバオト、そして その黒幕、ノクタネスという存在を新たに創り出して便乗・介入させるという提案。
今回の騒動、一応は聖王国から報告役、見届け人を1人、派遣させる事にしていた。
モモンガ様、まろん殿が指命した人間の他に何故か もう1人、勝手に着いてきたけど、それは大した問題じゃないわ。
この聖王国からの遣いに、ノクタネスの危険さをその身に理解させる意味でね。
魔導国を敵視するのは愚策。
同盟とは言わずも、それなりな連携を保つのが最適解だと自覚させる…
シズの お気に入りという小娘と のーきん団長とやらが、ノクタネスという、ヤルダバオトの背後に居た…という設定の…存在を知った。
それは聖王国女王にも伝わるでしょうから、それ等を踏まえて、また近々バハルス皇帝や竜女王達と一緒に説明…話し合いの場を設けなければね。
◆アルベドside・了◆
▼▼▼
◆ネイアside◆
「今日は ぱんけーきの お店を ハシゴ 視察する。 」
…………………………………………。
暴走した貴族の侵攻は片づいた…筈なのに、何故か私は、まだ魔導国に居る。
魔導王陛下が謂われるには、
『ヤルダバオトの背後に居る存在…それがハッキリしたのだから、早急に、各国のトップに報せ、話し合う必要が有る。
キミもヤツ…ノクタネスを知ったのだから、その話し合いには参加べきだ。
それならば、態々 聖王国に戻らずとも、その日まで魔導国に居た方が良いだろう。
…と言うか、カルカ殿には既に その旨を伝えている。
キミは まだ、聖王国弓兵としては見習いで、正式な任務に就いているのでは無いのだろう?
日々の日課…鍛練を休まずに こなせさえいれば、問題は無いと言っていたよ。』
…だ、そうです。 何だか魔導王陛下が、無理矢理にカルカ様に言わせた感が有りますが、スルーします。
そして今日は、午前中は その日課である特訓を終えて、お昼からはシズ先輩と魔導国の街を 食べ歩き 視察。
そして夜、寝る前に また少しだけ鍛練。
毎日が このパターン。
因みに昨日は くれーぷ、一昨日は先輩の上役である…レメディオス様の天敵の…デミウルゴス様も御一緒して どら焼きの お店。
更に その前日は、マカロン様夫妻と共に もんじゃ屋さんを巡っていました。
どの店も凄く美味しかったですけど、毎日こんなだと、お腹回りが怖いです。
てゆーか これって、視察じゃなくて…
「大丈夫。毎日の食べ歩きで お腹ぷよぷよにならない前提の特訓メニューを、
認めたぁ!? 先輩 今、食べ歩きって言ったぁっ?!
そして あの鬼畜特訓メニュー、マカロン様考案ですか?
確かに魔導国式の特訓、濃くてキツかったけど、充足感は有りました!…が、これって買い食いの後のダイエットの為のメニューだったのですか?
マカロン様、本当に真面目なのか巫山戯ているのか、分かりません。
いえ…真面目なんです。 真面目に巫山戯ているんですよね? それは、解ります。
ただ、その物事の考え方の方向性が、普通の人と少しだけ違うだけなんです。
そもそも、私が聖騎士団から弓兵団に移籍した きっかけも…以下回想。
≪≪≪
「聖騎士…ねぇ?
言ってはアレだが、後輩ちゃんは騎士には向いてないと思うんだよな。」
以前、聖王国に魔導王陛下が来訪した時の事。
南部貴族が差し向けた、天使を退けた少しだけ後の会話。
私には聖騎士の素質が無い様な事を言う、御無礼なマカロン様。
「ちょっと、失礼?」
撫で撫で揉み揉み…
「ひゃぇえぇっ??!」
「ん、やっぱりな。」
更には この人、いきなり私の肩やら腕やら腰やら脚やらを触ってきました!?
「うわぁ…セクハラ。
たっち・みー様、このヒトです。」
「それは違うぞ、シズ。
俺は今 純粋に、後輩ちゃんの筋肉の質を確認しただけだ。
別に胸とか尻やらを触った訳じゃないからセーフだぞ?
今の行為、ユリたん♡に誓って、下心は微塵の欠片も無い!」
別の意味で失礼ですね、この人!
若い女の子の体お触りしたんだから、そこは嘘でも義理でも良いから、「ありがとうございます!」位、言っても良いと思うんですけど?!
「いや、ごめん。それは ちょっと無理。
せめて、Fカップ位有ったら、そういう考えもナノ程度は起きたかも知れないが…」
うがーーーーーーーーーーーっ!!!!
「因みに、ネイアはBカッp
「うわわわわわわわーーーーーーーーーーーっ??!」
「モガモガ…」
わ、私はC!…です!
「兎に角、だ。後輩ちゃんの
弓兵団長の親父さんの特性を、見事に引き継いでいる。」
「つまり、後輩は弓兵団に移籍すべき…と。」
「そういう事だ。最終的には後輩ちゃん個人が決める事だから無理強いはしないが、相性を考えるなら…な?」
う…お父さんに似たのは、目付きだけじゃなかったみたい…
どうして? 顔の輪郭や鼻先口元は、お母さんそっくりなのに、肝心な部分がピンポイントで お父さんに似てる訳?
「…ついでに胸も、父親似?
後輩、どんまい。それでも需要が全く無い訳じゃない。」
放っておいて下さい! まだ成長期です!
≫≫≫
…その後、悩みに悩み、聖騎士団を脱退して弓兵団に移籍したいと お父さんに話すと お父さん、「おぉ~、ネイアたん~!」…と、号泣して抱き付いてきました。
お母さんは それを見て、生暖かい苦笑。
…尚、その翌日にレメディオス様にも その考えを伝えると、「勝手にしろ」と興味無さ気。
その態度が、移籍の決心を強固にさせたのは、言う迄も無く。
≫≫≫
…刻は現在に戻り、そして夜。
マカロン様の御屋敷の一室。
私が今、寝泊まりさせて戴いている部屋。
既に夕食は終えており、今から寝る前の、1日最後の日課。
部屋の壁に置かれている、大きな黒い硝子板の様なマジック・アイテムが光り、それに逞しい体付きの、褐色肌のスキンヘッドの男の人が、そして その後ろには数人の女性の姿が映される。
『Let's 〇illy's Boot Camp!』
『『『『Yeah!』』』』
男の人の掛け声に女性達が応え、それから始まる柔軟体操。
≫≫≫
『Hey! More speedy! More swing to sharp!』
『『『『Yeah!』』』』
…この男の人が何を言っているかは解りませんが、マカロン様が言うには それは気にせず、兎に角この人達の動きを真似ろとの事。
言われた儘に、私も柔軟体操。
時折 拳打蹴斗の様な動きを取り入れた この体操、最初は就寝前の軽い運動、大した事が無いと思っていたけど、コレが大間違い!
休み無く続く動きに体力が奪われ、身体中汗だくに。
≫≫≫
『Take a deep breath!』
そして、それも終わり。
最後は左右の掌をゆっくり大きく円を書く様に回しながらの深呼吸で、この訓練…1日が終わるのでした。びくとりーっ!
「ぅ…汗びっしょり…」
着ていた訓練着(…と下着)は搾れる位に汗を含んでいます。
これ等をメイドさんに洗濯をお願いして、私は お風呂へ。
御屋敷の お風呂の お湯はオンセンというらしく、独特な匂いがしますが、確かに落ち着ける感じです。気持ち良いです。
十分に汗を流して、お休みなさいです。
最高に疲れています。
ベッドに入った瞬間 爆睡、秒で寝れまs…zzz…
≫≫≫
「……………………………………。」
翌朝。洗顔の為に鏡を見た時、それに映った
「目の下のクマが…消えてる…?」
鏡の中には所謂『可愛い』系で無くて、鋭い眼差しな『凛っ!』系の美少女が。
「ぅわあ…。後輩、自分で言わない。ちょっとだけ、引く。」
「うひゃぁあっ?!」
い、何時の間に?!
隣には、歯を磨いている先輩が。
◆ネイアside・了◆
≫≫≫
◆まろんside◆
「…成る程、成る程。」
「な、何か、分かったのですか?」
朝食時の顔合わせで、少しだけ驚いた。
後輩ちゃんが美少女になっていたのだ。
いや…
後輩ちゃん自体も、いきなりな変化の原因が分からずに困惑しているみたいだが…
「仮説…だがな。」
俺なりの分析を話してみる。
「毎日の適度な運動と美味い食事に温泉、そして規則正しい じっくりな睡眠。」
「…アレが適度、ですか?」
何やら突っ込みたい後輩ちゃん。でも無視。
「それに何より、パワハラ全開な のーきん団長の顔を見ないとなるとストレスも無くなり、隈も消えるさ。」
「はい?」
偶然だが、後輩ちゃんの魔導国残留は、隈が出来る要素を解消していた様だ。
特に のーきん団長の絡み。
この世界、目の下の隈が出来る原因とかも、医学的に解明されてないだろうから、分からなかったんだろうねぇ。
後輩ちゃんの魔導国居残りは、シズの
尚、訓練メニュー、寝る前にビ〇ーを組み入れたのは、毎日の買い食いの為の措置だ。
これは当然だろ?
「…つまり、聖王国に戻り、あの脳筋と顔を合わせれば、後輩の味の有る顔は復活すると。
良かった、安心。」
「…しないで下さい! 良くないです!」
シズ、それは流石に酷いと思うぞ?
魔改造ネイアちゃんのイメージは、某オバロ解説動画(ゆっ〇りのヤツ)に出てきたイラストで頼むだぜ。
大元のネタは知らないが、アレもso-binさん画?
観た事が有る人には説明不要ですが、本当に もう別人ですだぜ。
▼▼▼
【次回予告】
◆ドラウディロンside◆
アインズから『すまほ』で連絡が入った。
聞けば、あのヤルダバオトとかいう悪魔が、魔導国に攻めてきたそうだ。
尤も それは難無く退けたそうだが、その背後に居た黒幕の存在を確認しただと?
その件で、近い内に帝国皇帝達も呼んだ上で、詳しく話したい…か。
ふむ。そういう事ならば、仕方有るまい。
宰相よ。そんな訳で、この書類の山は、貴様に任せt
「確かに これは、仕方無いですね。
ならば とりあえず、魔導王殿の迎えが来られるまでは、徹夜ですか。
御心配無く。サボらない様に私が見張っていてあげますから、とっとと全て片付けてしまいましょう。
さあ、はりーはりー!」
鬼! 悪魔! 宰相!
次回『Nokturnus(予定)』
乞う御期待じゃ! 感想も宜しく頼む!