ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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説明、伏線回
 


Nokturnus

◆ジルクニフside◆

ノクタネス…

大昔、バハルス帝国とリ・エスティーゼ王国が まだ1つの国だった時代よりも更に昔。

アインズが元祖・魔導国…とでも言うべきか?…を統治していた時期に共に存在していた、破壊と殺戮を司る魔神。

全ての存在(敵対者を除く)との共存共栄を目指していたアインズとは対極の思考思想故に、争いが絶えなかったと云う。

そして その争いは、アインズの勝利で幕。

アインズ自身、その時代に完全に葬ったと思っていたが、実は力を喪いながらも生き永らえ、最近になって配下の悪魔(ヤルバダオト)を使い、アインズに ()()()()()を出せる程には復活したらしいとか。

 

「「「「「「「………。」」」」」」」

リ・エスティーゼ王国、竜王国、ローブル聖王国にエルフ国。

そして私としては初の顔合わせとなるが、ドワーフ、ダークエルフ、そしてグアゴアなる亜人。

この緊急事態に呼び出された、各国の代表達も皆、それを聞かされて険しい表情を浮かべている。

無理も無い。()()アインズと永きに渡り、争っていた相手が現れたというんだ。

 

「申し訳無いな。ヤツを完璧に滅していなかった。

これは ある意味、私の失態だ。」

「そ、そんな事は有りません、魔導王陛下!

悪いのはアイツ…ノクタネスであり、アイツが生きていた事に、陛下が責任を感じる必要は、何も在りません!」

「「ネイア?!」」

頭を下げるアインズに、聖王女(カルカ)の隣の神官長(ケラルト)聖騎士団長(レメディオス)…その更に隣に座っていた少女が、それをフォローする様な発言を。

それは宗教国家の人間が、アンデッドを擁護したからか?

それとも、一見 気弱そうな少女が一変、凛とした顔で自分の主張を見せたからか?

聖王女(おはなばたけ)神官長(ハラグロ)聖騎士団長(ゴリラ)が、驚いた様な顔を見せた。

 

「…………! …………ッ!!?」

そして これに対してレメディオスが顔を赤くして何やら怒鳴ろうとしているが、この女は事前に失言防止対策とやらで、魔法により声を封じられていたのだったな。

どうせ この脳筋(ゴリラ)の事だ、「貴様! アンデッドの肩を持つとは何事だ!?」とか言おうとしたのだろう。

…この場合、アインズがアンデッドとかは、関係無いと思うぞ?

その区別が出来ず…事の本質を見極めれず、常に何にしても『アンデッド悪し』の考え。

そして それ以上考える事無く、それで完結させる。

だから私は、宗教国家は嫌いなんだよ。

これは、この脳筋個人の考えか?

それとも国としての主張なのか?

どうなんだ? お花畑?

 

「そうだな。今 聞いた限りでは、そのノクタネスとやらはアインズ殿だけで無く、この世界全体の敵。

ソイツを斃せなかったとして、魔導王殿1人に全ての責任を押し付けるのは違うだろう。」

「…じゃな。寧ろ長きに渡り、貴奴を大人しくさせていた事を、アインズ殿には感謝すべき。

そうは思わぬのか? ん? 聖王国の?」

「「「……………………。」」」

そしてザナックも、ネイアなる少女に同調。

ドワーフ達も、同意するかの様に頷いている。

ドラウディロンも そちら側の発言、そしてカルカ達にも どう考えているのか尋ねていく。

これには聖王国の3人も下手に否定的な事は言えないのか、バツが悪そうな顔を…特に脳筋がしてしまう。

 

「…兎に角です、ノクタネスの生存を確認したからには、我々としても傍観している訳には参りません。

アレが完全に復活するのが何時になるのかは判りませんが、各国が各々警戒体制を敷き、互いに連絡・連携を取れる様にしないとなりません。

この場には居ない、評議国や都市国家連合とも…」

そうした中、魔導王宰相殿が、話を続けていく。

 

≫≫≫

「…その場が戦場となり、多大な被害が出てしまうのは申し訳無いが…」

その後も、アインズやアルベド殿、そしてヤルバダオト並びにノクタネスなる魔神を直に見たというモモンと まろん、そしてネイアという聖王国の少女の言葉を聞き、この世界を脅かす者としての共通の危機感を持ち、有事は互いに連携する方向で、話を纏めていった。

しかし本番の話し合いは、此れからだ。

ザナックやエルフにドワーフ達、そして聖王国の面々とは別れ、転移魔法にてアインズの本来の城の地下深くに場所を移る。

…元々、アインズが『遥か昔に この地を治めていた』というのは、ナザリックという勢力を自然に?表に出す為に私が提案した設定…云わば捏造(でっちあげ)

此処からは その辺りも承知な…アインズをぷれいやーと知っている者達だけでの話し合い。

先程の会議から続いて出席は、まろんと私とドラウディロン。…と、その御付きの者達。

因にだがモモンは アインズをぷれいやーだと知っていないので、此方の会議は欠席だ。

 

「………………………………。」

それに追加で、ツアーと名乗る、白金の鎧の人物。

 

「♪♪♪」

「………………。」

更には金髪の少年と、金髪の幼女。

現在 竜王国に拠点を構える、アインズの友人の ぷれいやー2人だ。

 

「さ・て…」

それに加えて、先程のアルベド殿を含む、アインズの配下の異形が数名。

そうしたメンバーが揃った中で、アインズが口を開いた。

 

「何処から話せば良いのかな…

とりあえずは、此の場に集まって貰った皆は既に察しているだろうが、ノクタネスも私達と同じ、ユグドラシルのプレイヤーだ。」

そのノクタネスとやらが、昔からアインズと因縁が有るのなら、そういう事になる。

この先は、それを踏まえた話し合いだ。

 

 

◆ジルクニフside・了◆

 

≫≫≫

 

◆モモンガside◆

ノクタネス。

ぶっちゃければ、俺に敵対する存在として設定したヤルバダオト、その主として新たに創った存在だ。

しかしジル、ドラウ、ツアーには、それを言う訳には往かない。

ユグドラシル時代から度々衝突していたプレイヤーとして、話を進める事に。

真の…或いは裏の話し合いとしているが、はっきり言って茶番だ。

 

「マサトは、其奴を知っていたのか?」

「いや、俺達は知らないかな~?」

「ユグドラシルは この世界よりも遥かに広い。

実際、六大神や八欲王等とも、噂を聞く程度で直接の面識は無かったからな。

多少チカラを持っていたとしても、知らない者の方が多いのだよ。」

「同じく、だ。…てゆうかモモンガさん達は彼方此方に敵を作り過ぎていて、それを一々覚えられない。」

まろんサンは勿論だが、マサトさん谷屋さんにも、事前にノクタネスの設定を伝えた上で、知らない…初めて知った存在として、話を合わせて貰っている。

 

「…それでは皆様、本題に入らせて頂きます。

ノクタネスも そうとは限りませんが、奴の手下だったヤルバダオト。」

そして、進行役のデミウルゴスが話を進めていく。

 

「この世界に於いてヤルバダオトは、直接に個としてアインズ様に攻撃する事は有りませんでした。

アインズ様に敵対する者、或いは その可能性が出てくる者に着き、表から裏から仕掛けてきました。」

「つまりは、ノクタネスも それと同様な動きを見せるというのか?」

「…それは、断言出来ません。

先ずは この世界、スレイン法国の事は知れ渡っている筈。

それでも尚、魔導王様…アインズ様に刃を向ける者が出てくるとは、考えられません。

先の聖王国の一部の愚か者の様な者は、本当に想定外でした。」

「しかし、だ。…宜しいか?」

「…バハルス皇帝殿?」

此処でジルが挙手して、発言の許可を求めてきた。

 

「人間というのは、愚かだからな。

アインズが異形というだけで、好く思ってない者も、決して少なくは無い。

それこそ この前の聖王国の者が、良い例だろう。

可能性としては、今度は聖王国南部が本格的に動くやも知れぬな。

尤も その場合、カルカ達北部側と先に ぶつかる事になるが。

それと、王国。今はザナックが上手く纏めている様に見えるが、その裏では その政策に不満を持つ貴族も少なくは無い。」

「それって、今迄みたいに貴族として好き勝手出来ないからとか?

ん。分かるよ。王国って、まだ『貴族様EREEEE!』な、そういう考えなバカが沢山居るからな。

そういう奴等からすれば、確かに今のザナック王は瘤だろう。」

「その通りだよ、まろん。」

「しかし、今の王国貴族に、反乱等を出来る気概を持つ者が、居るとは思えぬがの?」

「その通りだ。それに其を可能とさせそうな兵力を持つ貴族は、ザナック寄りの者だけだからな。」

「ああ、あの子煩悩とかかw」

確かに反乱を起こしそうで、それを実行出来そうなチカラの有る貴族は、前の戦争で殆んど殺している筈だしな。

 

「どちらにしても王国は、精々が内乱止まりだろう。

仮に反主流側が勝ったとしても、それが その儘 魔導国に侵攻するとは考えにくいな。

やはり、注視すべきは聖王国の方か。」

「アッチはクーデターで北部を打倒した後、その勢いで魔導国にも攻め入りそうじゃの?」

「それにノクタネスが便乗、か。」

「…その場合、アインズ、キミは どう動くんだい?」

「…どう、とは?」

俺に質問してきたのはツアー。

 

「そのノクタネスの便乗を防止させるという意味で、北部と南部の争いに参戦したりとか?」

「それで、私が北部側として顔を出すと、それこそノクタネスが それに便乗して直ぐに介入してくるだろう?

聖王女には申し訳無いが、そうなった場合、その辺りは不干渉とさせて貰うさ。」

そうしないと あの聖騎士団長が また、場を拗らせそうだしな!

 

「それから…アインズ様への敵対行為に便乗して暗躍というのは、あくまでもヤルバダオトの話。

ノクタネスも同様な手段を取るとは、限りません。」

「直接の襲撃か。」

「その通り。しかも相手は破壊と殺戮の魔神。

その対象は、アインズ様だけとは…」

「「「……!!?」」」

アルベドとデミウルゴスの言葉に、ジルとドラウが顔を強張らせる。

多分ツアーも、評議国の本体は似た様な感じだろう。

 

「やはり、さっきの()の話し合いと同じか…」

「うむ。結局は何かが起きた場合、即座に報・連・相。

これに尽きるな。」

 

 

◆モモンガside・了◆

 

≫≫≫

 

◆まろんside◆

ジルクニフ君とドラちゃん、ツアーが帰った後。

 

「それで、モモンガちゃん? 実際に この先は、どーすんの?」

ユグドラシル関係者…ノクタネスの真実を知る者だけによる…『真の裏』とでも銘打つべきか?な、話し合いが始まった。

 

「結論から言いますが、基本的にノクタネスを表に立たせる事は、考えておりません。

バハルス皇帝や竜王女には、緊張感危機感を持って頂く迄です。」

マサトの問い掛けに、デミウルゴスが今後の予定を説明する。

 

「因みに『基本的に』というのは、本当に何事も起きなかった場合の事。

先程迄も少し話しましたが、また魔導国…アインズ様に仇為す輩が現れた時、それに便乗させて、一芝居打つ場合は有り得るかと。」

「そして その時は、改めてアインズ様の恐ろしさ素晴らしさを、人間に知らしめるのです。

そして、世界の敵を退けた事に、人間はアインズ様に畏敬・称賛するでしょう。」

…人、それをマッチポンプと云ふ。

結果、何処かの誰かがモモンガさんや魔導国に対してに何かヤっちまったりしない限りは、ノクタネスは永久封印の方向で、話は纏まった。

 

≫≫≫

翌日。エ・ランテル兵士駐屯所、屋外鍛練場。

 

「…………………。」

弓を構える後輩ちゃんに、人型サイズ、スピード特化したミスリル・ゴーレムが、槍を携えて迫る。

 

「…シッ!」

 

バスッ!x5…ドスン!

 

それに対して後輩ちゃんは臆する事無く、同時にに5本の矢を引き絞っての連射。

直線で無く、左右ザグザグな変則的な動きで距離を詰めるゴーレムに、その5本の矢は見事 突き刺さり、ゴーレムは突進を止めて、その場に倒れ込んだ。

 

「………………!」

しかし まだ後輩ちゃんは、その倒れたゴーレムに弓を構える。

 

「其処までだ。お見事、後輩ちゃん。」

「…額、心臓、鳩尾、そして左右の脇腹を正確に射抜いている。

流石は後輩。」

「…………!♡」

残心。敵を討ったと思っても油断せず、云うなれば死んだ振りの後の不意打ちを疑い、未だ戦意を維持する心得。

しかし それも俺とシズの言葉に緊張感を解し、満面の笑みで応える後輩ちゃん。

 

「よし、その5連射は、雷光流転穹と名付けよう。」

「………………………。」

「( ¬_▼)ぅゎぁ…

「え? 何? その微妙っぽい反応?!」

モモンガさんの残念ネーミングより、余っ程良くね?

 

「………………………。」

そして この後輩ちゃんの訓練風景を、無言で見学している女性が1人。

ケラルト・カストディオ。

ローブル聖王国の神官長で、実質的に聖王国No.2の地位の人物だ。

聖王女と のーきん団長は既に昨日、帰国しているのだが、彼女だけは、この会談に照準を合わせて有給休暇を取っていたとか。

有給休暇!

何とも素晴らしい響きだ!

ブラック企業の社畜からは幻の制度とされている、あ・の・有給休暇!

それを、国の上の立場に有る者ですら所得出来るとは!

聖王国は どうやら、ホワイト国家だった様だ。

モモンガさんも これを知ったら、絶対に血涙流すぜ。

 

「…で、神官長殿?

その有給休暇を取って迄、魔導国に残った理由は、何なのですか?」

「か、カルネ村へ、行きたいのですが…」

 




ノクタネス…モモンガさんの何時もの残念ネーミングじゃ、無いです。
ドラクエの とあるキャラの、海外版の名前です。
【Nokturnus】で画像検索!
 
次回『Syu Loverる(予定)』
乞う御期待!
予習の意味で、以前の聖王国来訪編、モモンガさんとカルカ女王の対話中に、天使が襲撃してきた辺りから読み直せ?
 
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