ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました 作:挫梛道
番外編。
ユグドラシルドラシル時代の話です。
天下一"
▼▼▼
ざわざわざわざわざわざわ…
ヘルヘイム。ユグドラシル9葉の中で、最も最奥に位置している
あの悪名高きDQNギルド、
ざわざわざわざわざわざわ…
そして そのエリアの一角。荒んだ広地…普段は何も無い その場に特設された、巨大なドーム型の建造物。
其処に、人集りが出来ていた。
…と言っても、人間種は全くとは言わないが殆んど居らず、その大多数が異形種である。
ザッ…
「「「「……………ッ!!?」」」」
その人集りに、新たに2人が加わった。
この只ならぬ雰囲気を撒く2人に、周囲の視線が集中される。
「【(`▽´)】ぐはははは! 素晴らしい!素晴らしいぞ!
私は この様な催しを、待っていたのだ!」
「【(¬_¬)】…お前は少し、落ち着け。」
黒の全身鎧に黒のマントを羽織った巨漢が、兜の奥から眼を怪しく光らせ高らかに笑うのを、黄金の鎧を着込んだ黒髪紅眼の男が、呆れた様に嗜める。
「道を開けてくれないか?
俺達は、
▼▼▼
◆まろんside◆
天下一"
名の通り、アンデッド種だけが出場する、戦闘系イベントだ。
ユグドラシルにて、アンデッドを選択してプレイしている者は、決して少なくない。
只、総プレイヤーの数からすれば、かなりの少数派なのは否めないが。
それでも、トーナメント本戦8人枠を決めるにして、大規模な予選が必須な人数が この場に揃っているは変わらない。
因みにだが…昨日はアースガルドで天使系や精霊種だけの、明日はミッドガルだったかな?…で魔獣や獣人系限定と、種族別けした同系のイベントが最近は連日、『ファイナル・サバス』とか『獣王杯』とかな銘で行われたりする。
「【(^O^)】滾る! 滾るぞぉっ!」
「【(¬_¬)】だから、落ち着け。」
そのイベント参加者控え室。未だテンション冷め止らぬ、コイツはベルディア。
俺と同じく
前から そんな気はしていたが、今回 改めて確信した。
コイツは かなりの戦闘脳の様だ。
「……………………………。」
周りを見渡すと、それなりに名が知れているヤツも居るな。
『『『『……………………。』』』』
と言うか、皆が此方を注目している。
ベルディア、お前 騒ぎ過ぎなんだよ!
「…………………。」
「ん? どうかしたのか?」
「…いや。」
しかし、やっぱりというか、スルちゃんやモモンガさんみたいな
格闘色の強い このイベントで、後衛型…魔法職は不利だろうから、仕方無しだが。
…って、
大丈夫? 間合い詰められたら、それで終わりでしょ?
トントン…パタン…
『…失礼シマス。間モ無ク大会開始デスノデ、出場選手ノ皆サンハ、会場ニ移動ヲ、オ願イシマス。』
そんな風に考えていると、執事服を着た
運営が用意したNPCだ。
◆まろんside・了◆
≫≫≫
▼▼▼
『それでは、選手入場!』
武闘會場。武舞台中央に立った、黒基調な貴族衣装の吸血鬼型NPCが、高らかにマイクコール。
それに従い、南北2つの入場口から、無数の死者の行進。
アンデッドの出場選手達が、姿を見せた。
「始まりましたね。」
「そうだね~♪
えーと、まろんちゃんは…あ、居た居た。」
「「「「「「まろんさ~ん!」」
く~ん!」
~!」」」
観客席にて、黒のローブを纏った髑髏と金髪の少年、そして その連れ添い達が、選手入場の中の まろんに声援を送る。
「しかし、こうやって改めて見ると、本当に凄い光景だよねw」
「百鬼夜行ってヤツね。」
金の仮面のバードマンと、ピンクのスライム種がアンデッドの行進を見て呟く中、
『それでは改めてまして…』
出場選手が武舞台に集結。
司会進行役の
≫≫≫
◆???side◆
へ~? 成る程、ね。
とりあえずはトーナメント本戦出場の8人を決める為、今からバトルロワイヤルか。
ルールは予選本戦共に、一部のアイテム使用制限は有るけど、基本は何でもアリの、バーリ・トゥード。
回復や復活系のアイテムが使えないなら、ソッチ系の魔法やスキルを持つヒトが有利な訳ね。
まろんって、確か回復とか使えないんじゃなかったかな?
「
愚弟、仮に持っていたとしても、ソレはアンデッドには通じないわよ…
「【( ゚∀゚ )】…って! あ、あれは もしかして、里香ちゃん?!
まさかの
ありがとうございます!ありがとうございまs(バキィッ!)ゃべしぃっ?!」
…お前は少し黙れ。てか、喋るな。
「【( ̄▽ ̄)】茶釜ちゃ~ん、ちょっと殺り過ぎじゃな~い~?」
「【(・3・】】大丈夫大丈夫。愚弟には これ位が、丁度良い。
そうだよね、モモンガさん?」
「【(¬ω¬) 】まあ、ペロロンチーノさんですから?
とりあえず たっちさん、コイツです。」
「【( ̄△ ̄)ゝ】よし、逮捕だ。」
「【(〒Д〒)】何故に?!」
≫≫≫
愚弟を〆てから少し経った後、
ヴォ…
武舞台がドーム型の結界に覆われる。
更には その
コレは転移術式の応用ね。
端から見たら、参加者が小さく縮んだ感じ?
成る程成る程。
基本、
『それでは、予選バトル、スタート開始します!』
カァーン!
『『『『『うぉぉおおっ!!』』』』』
そうした中、アナウンスと共に鳴り響くゴングの音。
さあ、戦闘開始よ!
…って、いきなり まろんが5人に襲われてるわね。
アイツ、戦闘系イベントとか殆んど参加した事無いって言ってたから、この手の集団戦で、真っ先に排除される程に警戒されるレベルな有名人じゃない筈だけど?
まあ、あんな目立ちまくりな金ピカ鎧とか着込んでるなら、目を付けられても仕方無いか!☆
◆???改め ぶくぶく茶釜side・了◆
≫≫≫
◆まろんside◆
…ちょっと待て。
『『オラァアアッ!』』
『『『●ねや、金色!』』』
何故に、俺に集中攻撃を仕掛けてくる?
何処かのDQNギルドみたく、彼方此方にヘイトを稼いでる覚えは無いぞ?
俺が今迄に出てたイベントって、釣りとかビーチ・フラッグスとか
そんな仇みたく、怨まれる謂れは無い筈だ!
まあ、仕方無いか。
それでも殺ろうとしてるなら その前、先に殺るだけだ。
当然、ソッチの覚悟も持ってるだろうから、文句は無いよな?
良いよ、殺って殺るよ…!
…ME・RA・ZOH…MA!!
◆まろんside・了◆
≫≫≫
◆ペロロンチーノside◆
ボォゥヮッ!
おお! まろん君の右手が真っ赤に燃える!
いや、正確には五本の指先各々に、超巨大な火の玉が灯ってるんだよね。
その1つ1つが大きいから、右手全体が燃える様に見えてるだけ。
そして そこから繰り出すのは…
「《
ボッボボォッボボォオッ!!
鳳凰を象った、超巨大火焔弾の5発同時発射!
凄ぇーっ! カッケェーッ!
『『『『『ギャーッ?!』』』』』
「【(^▽^)】死体相手だから、良く燃えるわね~♪」
「【( ̄∀ ̄)】火葬だね~♡」
姉ちゃんもマサト君も、何言ってんの?
兎に角、まろん君を襲ってきた奴等は見事 返り討ちに。
その5人の内2人が、その場から姿を消した。
死亡扱いによる、強制ログアウトだね。
「ッラァッ!」
ずどんっ!
『 』
更には残る内の1人を背後から捕まえてからの、投げっぱなしジャーマンが炸裂!
はい、リタイアですね。
この間に残る2人は逃げましたが…どうせ後から、報復されるだろうね~?
…って?
「死ねやぁっ! まろん~!」
「……!?」
斬ッ!
おぉ! 全身黒鎧の大男が、まろん君に斬り掛かってきた!
しかし まろん君、それをきっちり避ける!
◆ペロロンチーノside・了◆
≫≫≫
◆まろんside◆
「ベルディア…てめぇ…ッ!」
「ぐはははははは!」
いきなりのベルディアの襲撃。
その一撃は間髪 躱せたが、
「てめぇ! 予選は互いに攻撃を仕掛けないって話じゃなかったのかよ!?」
「ふんっ! 確かにな!
しかし、あんな直ぐ近く…目の前で派手に動かれては、無視する訳には往かぬだろう!」
その後の俺のクレームには、この返し。
ちぃっ! 御尤もな話だ。
「そして何より! 約束とは破る為に有る!」
そっちが本音かい!
バツゥィッ!
そんなベルディアの大剣と、俺の上段蹴りが交差。
この衝突は相打ちだが、
「でぇぃやっ!」
ドゴッ!
「ぬぉっ?!」
更には俺が、追撃の…本命の
これがベルディアの脇腹を直撃。
大剣での攻撃は、確かに入ればダメージは大きい。
しかし、得物が大きい故に、その
その弱点を突いた攻撃だ。
「く…ならば!」
脇腹を押さえ、ベルディアが魔力を高める。
…どうする心算だ?
俺には…というか、この場に居るのは皆、
お前の切り札…俺のでも有るが…
『伊豆です』とかと併用しない限りは?
「喰らえぃ!《
ゴォオ…
…と、思っていたら、コイツが繰り出したのは《
何でも呑み込む、虚空の孔が空間に開く。
分類的には吸い込まれたら それで終わりな即死系だが、属性で言えば闇で無くて重力系。
即ち、
『『『のわ~?!』』』
『『『おぅおぉっ!?』』』
それが俺達の周辺で戦闘していた連中も、一緒に吸い寄せる。
強制ログアウトだ。
「ちぃっ!《
ズズンッ…!
「…!!」
俺も それに対して、自分の周囲に重力場を作り、必死に抵抗。
超重力の押し付け。俺にも少なくないダメージが入るが、リタイアよりマシだ。
ズズ…
「…っ!」
しかし、俺の
「来いよ! コッチ来いよぉ!!!」
あ゙~! その台詞、ムカつく!
◆まろんside・了◆
≫≫≫
◆モモンガside◆
「ゼィ…ハァ…」
結果を言えば、あの黒い騎士の《
魔法の発動→消失まで、辛うじて踏み留まる事が出来たのだ。
「ん~? どうした? 足ガクガクか? 腰バキバキか? orzか?」
「黙れ!」
しかし、その代償…自身に施した重力ダメージは大きく、それに対する黒騎士の煽りは止まらない。
『『『『死~ねやぁっ!!!』』』』
その黒騎士に、周りの者達が襲い掛かる。
「今の魔法を見て、アイツとは本戦1vs1で当たるより、この予選で潰しておいた方が得策とでも思ったのでしょう。」
「余程の戦闘脳でも無い限りな。」
「別に卑怯って訳じゃない。このルールなら、私でも似た様な行動に出るさ。」
成る程。解説ありがとうございます。
しかし、これでアイツも終わりかな?
全方位からの攻撃。その全てを対処するのは厳しいz
「…ふっ! 笑止!」
ぽーん…
「「「「え…?」」」」
斬々々々々々々々ッ!
『『『『『ぐわわわーっ!?』』』』』
対処したーーーーーーーーー?!
あの騎士、自分の首を上空に打ち上げ、上から見下ろす事で死角を消して、その全てを捌いた上で、各々にカウンターの斬撃!
「「「…強い!」」」
それを見て、たっちさん達が唸る。
…って、アイツも
「ぐははははは! どうした? もう終わりか?」
『『『『……………!』』』』
そして上空に浮遊した儘の首が、また周りを煽る。
しかし、迂闊に攻められないと判断したか、周りの者達は様子を窺うだけ。
「いや…それもダメでしょ?」
「そうだよね~♪ この数減らしが目的の予選、ガンガン行かないと。」
確かに。
体がダメなら、頭に魔法とかで攻撃するとか、方法は有るでしょうに。
俺だったら迷わず、《
しかしイベント的に、参加者の殆んどが近接攻撃専門の前衛職。
遠距離攻撃を持つ者が、余り居ないのだろう。
強いて言うなら、まろんサン。
「…上等だよ!」
その まろんサンが、黒騎士に突撃。
「ふははははは! 掛かって来い!」
それに対して黒騎士も大剣を構え、迎撃の姿勢だ。
ボゥ…
魔力を拳に纏わせた まろんサンが、相手の大剣の届く間合いに入る…
ひょーん…
「「「な…?」」」
「…んだ…と?!」
…前に、大きくジャンプ。
「逝けや、ベルディア!」
「…ぃゃ、おま…ちょっ…待…」
ですよねー。狙うなら、
「ジャンピング・頭スパイク!…他人の頭ぶっ叩きver!」
バシィッ!
「ぎゃん?!」
バレーボールのスパイクの如くな、思いっきりの叩き付け。
黒騎士の頭は、地面に激突だ。
「ぐぅう…おのれ まろん! 無防備な頭部に攻撃を仕掛けるとは、何て卑怯なヤt…?」
ザザッ…
『『『『……………。』』』』
「………………………………。」
そして その頭を、集団が取り囲む。
「ゃ、やあ諸君、コンニチハ…
「おーい、皆~、サッカーやろうぜ~♪」
『『『『おぉお~~ッ!www』』』』
≫≫≫
ぽーん…
「ヘーイ! パスパスパスパス!」
「いや、コッチだ、コッチ!」
「ぎゃぁ~?! 止めて止めて止めてぇ~!」
そして始まったサッカー?大会。
黒騎士の頭が、宙を舞う。
「【(^▽^)】きゃははははははは!」
「【(〒∀〒)】ギャハハハハハハハ!」
「【(≧∀≦)】どわーっはっはっは!」
その光景に、俺達だけで無く、他の観客もバカウケ。
「「「「オラオラオラオラ!」」」」
バキッ!ドガッ!ゴンッ!
その間、当然ながら?…体の方も、集団でフクロにされており、頭の救助に行く事も出来ない。
完全分断状態。
ついでに言えば、頭の方が身体の状況を確認出来ていないので、無抵抗状態だ。
ぽーん…ぽんっぽんぽん…ころころ…
「……。」
「…や、やあ、まろん君……。」
そして頭の方は、まろんサンの足下に転がっていった。
「【(・ω・)】ねえ、まろんの足…」
「【(☆∀☆)】あれ、雷撃系だね~♪」
そう。まろんサンは右足に、雷撃系魔法を帯びさせていた。
…と、なると、其処から繰り出されるのは勿論…
「ライトニング・タイガー・ショット!!…他人の頭、蹴っ飛ばしver!」
はい。そんな訳で、番外編を書いてみました。
もう少し、まろんに戦闘させたい…とか、モモンガさんとAOGギルメンの話とか書いてみたかったので…
≫≫≫
ベルディア…ベルディア(このすば!)のイメージで
次回より武闘會、トーナメント本戦スタート!
次回『地獄の騎士(予定)』
乞う御期待!
※本編完結に当たり、改めて自身も読み返して、矛盾点修正や、ストーリーには影響が出ないレベルで各話 文章追記(台詞の追加や、補則説明等)をしています。
宜しければ、読み直してみて下さい。