ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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真·聖王国編②〜先輩と後輩〜

◆ネイアside◆

じぇ…じゅぇんぷゎうぃ〜いっ!!

「おぅ、よしよし後輩。私の胸の中で泣け。」

あれから…マカロン様とシズ先輩の急遽参戦で、瞬く間に戦闘は終わった。

マカロン様もそうだが、先輩の操る魔獣型ゴーレムが思いっきり無双、その味方側から見ても理不尽と思える攻撃力の前に、残っていた亜人達は我先一目散とばかりに逃げ出したのだ。

尤も その大半も、マカロン様によって駆逐されたが。

そして私は、ゴーレムから降りてきたシズ先輩の胸元目掛けてダイビング。

今は大泣きしながら抱き着いている。

我ながら、無理は無いだろう。

もう、本当にダメだと思った時、最後に せめて もう一度だけでも会いたいと思っていた人が、助けに来てくれたのだ。

こんなにも…これ以上に嬉しい事が この世に有るか? 否、無い!

先輩も それを察してくれているのか、私を優しく抱き締め、頭を撫でてくれている。

 

「尊い。」

「尊い。」

「ん。尊い。」

「尊い。」

…って、何ですか? 周囲の生暖かくも微笑ましい視線は?

皆さん何か、勘違いしていませんか?

私と先輩は健全、いたってノーマルですよ?

決してカルカ様にレメディオス様、ケラルト様みたいな、百合百合ズブズブな関係者なんかj

 

 

「「「だから それは誤解だ!

           よ!

           です!私だってイケメン彼氏 欲しいわよ!

 

 

…ん? 幻聴?

 

「ひっぐ…うぐ…えぐえぐえぐ…」

「…とりあえず後輩。これで顔を拭く。」

大泣きで顔がグシャグシャになっているのを見かねたのか、シズ先輩がハンカチを差し出してくれた。

 

「あ、、ありがとうございます…」

そのハンカチ(迷彩柄)で顔を拭き拭き。

…しかし、

 

びろ〜〜ん…

 

「ぁ…………………………」

「……うわあ…」

ハンカチで拭ったのは、その…涙だけで、無く…

 

ご、ごめんなさぃいぃぃぃぃぃっ!!

「…お気に入りのハンカチだったのに。

ちょっと、ショック。」

「…洗って返します。」

「ん。」

 

≫≫≫

「マカロン殿、この度は本当に、感謝する。」

「構わないさ。聖王国には魔導王に ちょっと調べ事を頼まれて来ただけ。

それが済めば、悪いが さっさと帰る事になる。」

「それでも、だ。聖王国の兵で無く、1人の父親として言わせて欲しい…ありがとう。」

「そりゃ…どうも。」

兵砦に帰還すると、お父さんを筆頭に兵士の皆さんがマカロン様とシズ先輩の元に集まり、感謝の言葉を送っていた。

しかしマカロン様は、「別にアンタ達の為じゃない」とばかりな、素っ気無い対応。

 

「後輩。よく見ておく。アレが、ツンデレ。」

「は…はい!」

成る程…あれが、前に先輩が話していた…

 

「おい、聞こえてるからな!?」

この後、シズ先輩はマカロン様から ほっぺを左右に びろ〜んからの上下に むにむにされてました。

 

「…痛ひ。(#T_▼#)」

 

≫≫≫

「今回、アインズ様から承れた命は、亜人の内情調査。」

「…です か。」

「ん。その結果次第で、直ぐに帰るか その儘 亜人との戦闘に参加するかが決まる。」

「まさか、ノクタネス…ですか?」

「…そう思っていい。」

先輩とマカロン様の、今回の参戦。

実は私も、少し怪しいと思っていた、亜人達の急な結託。

魔動王陛下は それを、その背後に あの魔神ノクタネスが絡んでいると、推察されておられるそうだ。

 

「それと、もう1つ。…義兄()ぃに。」

「応。」

 

ガサゴソ…

 

「「「「「「「?????!」」」」」」」

マカロン様の行動に、周りが ざわめく。

それは当然だ。

マカロン様の前方に小さな黒い孔が開いたと思えば、その孔にマカロン様が自身の腕を突っ込む。

私は もう見慣れているので特に驚いたりはしないが、端から見れば、マカロン様の腕が消えた様に見えるので、気持ちは分かる。

収納(キャビネット)》と呼ばれる空間系魔法。

私も詳しくは解らないが、ほぼ無制限に様々なアイテムを異空間に保管·保存出来るらしい。

とりあえず私は そういう魔法なんだと、無理矢理に納得している。

 

ずず…

 

「「「「「「「「おおぉっ!!!!?」」」」」」」」

そして再び、マカロン様の腕が現れた時、その手には立派な…白を基調に金と銀の装飾が成された立派な大弓が握られていた。

 

「ぞ、それは…?」

「アルティメイト·シューティングスター·スーパー。

俺も詳しくは知らんが、魔導国がドワーフ国から招いた職人が作った、ルーン技術が込められた武器…だそうだ。

ネーミングについては…まぁ、流してやってくれ。」

「ま、まさか、それを、私に?!」

「ネイア、勘違いしない。

今回は あくまでも貸すだけ。

アインズ様は今回、亜人の件だけで無く、魔導国製ルーン武器の宣伝も兼ねて、私と義兄ぃにをこの地に遣わした。

ネイア。貴女の役目は、この武器で亜人相手に無双する事。

それで この国の者がルーン武器に興味を持ち、魔導国から購入する者が現れたら万々歳。

成果如何では その弓を、その儘 ネイアに授けても良いと、アインズ様は仰有られている。」

……………………………!!

そ、それって つまり、私が魔導国製の武器の広告塔になるって事?

え゙? もしかして私、責任重大?!

はゎ…はわわわわわ…!?

 

「おいおい、大丈夫か?

何だか後輩ちゃんの眼が、ぐるぐる回ってるぞ?」

 

≫≫≫

「はい後輩ちゃん。誕生日おめでとう。」

「♪はっぴばーすでーとぅーゆー♪」

そして今日は、実は私の誕生日だったりする!

先輩、前に話したのを覚えていてくれたのですね! 凄く嬉しいです!

マカロン様が弓に続けて《収納(キャビネット)》から取り出したのは、マカロン様の奥様…ユリさん特製のバースデーケーキ♡!

 

「後輩が1人寂しく ぼっちな誕生日を迎えたりしない為に、馳せ参じた。何て優しい先輩。」

…そういうのは、自分で言わない方が良いと思います。

いえ、確かに凄く嬉しいですけど…。

それよりも! ぼっちな誕生日って何ですか?!

 

「いや、後輩ちゃんは声からして、何となく ぼっちだから。」

いやいやいやいや! だから、ぼっちな声って何ですか!

一体どんな声ですか??!

 

「「そんな声。」」

うがーーーーーーーーーーーーーっ!!!!

 

「そして もう1つ、これもプレゼント。」

「わぁ…綺麗…♡」

更にシズ先輩がくれたのは、矢の形をした、白銀製のペンダントでした。

勿論、早速 身に着けましたよ♡

  

「どうですか?」

「ん。似合う似合う。」

そうですか。えへ…えへへへへへへ…♡

 

「尊い。」

「尊い。」

「ん、尊い。」

「尊ひ。」

…だから それ、止めてくれませんか!?

 

 

◆ネイアside·了◆

 

≫≫≫

 

◆シズside◆

…つんつん、つんつん。

深夜。寝ているネイアの頬をつんつん。

 

「ん…ん…はにゃ? すづせんぴょい?」

あ、起きた。でも、まだ少し寝惚けてる。

 

「直ぐに着替えて。義兄ぃにが外で待ってる。」

「にゃ…にゃぬごてでちか?」

「…早く起きて用意しないと、ネイアの脇の下と太腿内側と お尻の ほくろの数と位置を、具体的に曝s

うわあああああああああああああああっ?!

い、いきなり何を言い出すんですかぁっ!!?」

良かった。完全に目が覚めたみたい。

それから夜も遅いのだから、余り大きな声を出さない。

 

「誰の所為だと思ってるんですか…」

  

≫≫≫

「寝ている処、すまなかったな。」

「ぃぇ…それよりも、こんな夜遅くに、どうしたんですか?」

砦舍の外で まろん義兄ぃにと合流。

因みに今の義兄ぃにの服装は、旅人の服DX。

勿論、其処等の鎧よりも、防御に優れている逸品だ。

 

「ああ、言ったろ? 今回、俺達が聖王国に来たのは、ノクタネスの存在の確認だと。」

本当はアインズ様や義兄ぃにと同等かも知れない存在…ユグドラシルのプレイヤーの確認。

でもネイア達には、その辺りを話すと ややこしくなるので、ノクタネスの調査という事にしている。

 

「そ、それで、今から何を?」

「決まってるだろ? 今から亜人が野営(キャンプ)張ってる所に凸して、奴等のボス格を拉致って、色々と吐かせるんだよ。」

え"…えぇもがもがモガモガモガ…?!

だから後輩。もう夜遅いんだから、余り大きな声、出さない。

 

≫≫≫

 

ぶろん…ぶろろん…

 

現在、義兄ぃにのクルマ(Type:ト⚫タ·ハ⚫エース)で、亜人のキャンプ目指して移動中。

私とネイアは、後部座席。

義兄ぃに曰く、『助手席? それはユリたん♡の専用席に決まってるだろ』らしい。

 

「はい、ネイア。ブラック味。」

「あ、ありがとうございます…チュゥ…!!?

お、美味しい?! 苦いけど…ぅぅん、苦いのが美味しい!」

ブラック味。それは義兄ぃにがユリ姉とのバカップル話を始めたの時の必需品。

 

≫≫≫

 

ギュルルルル…どんっ!!

  

「グギャーーッス?!」

義兄ぃにの運転で、クルマは平原を突き進む。

途中、進路上を彷徨いていた亜人を、轢き逃げアタックで蹴散らしながら、目的地へと向かうクルマ。

 

「だ、大丈夫なのですか、アレ?」

「ん? 何が、問題なんだ?」

どん引きネイアの問い掛けにも、全くの自然体で流す義兄ぃに。

確かに。義兄ぃにのクルマの装甲は、亜人と衝突した程度じゃ笑窪程のヘコミも出来ないから、何の心配も要らない。

 

「いや…そうじゃなくt…ぃぇ、もう良いです。」

 

 

◆シズside・了◆

 

≫≫≫

 

◆まろんside◆

「だからさ、もうダンディなオッサンから同年代イケメンに美少年ショタまで選り取り見取りな訳じゃん?」

「で、ですから あの人達は、そういうのじゃないですから!」

クルマを走らせながらの車内の会話。

テーマは後輩ちゃんの恋愛模様に。

聖騎士団から猟兵団に移籍した事で、のーきん団長と距離を置いた後輩ちゃん。

ストレスの源な のーきん団長が傍に居らず、心身健全な日々を送っている為、目の隈は取れ、殺人鬼の面影は既に無く。

その眼の鋭さは変わらずだが、そのイメージは凶眼から"凛!"系美少女として広く知れ渡り、今は聖王国内にて本人非公式だが軍属一般問わずで、総勢2万人を超える親衛隊(ファンクラブ)が出来上がっているのだ。

因みに その親衛隊長は、彼女の父親(パベル·バラハ)である。

そして今日、目出度く17歳となった後輩ちゃん。

未だ彼氏とか居ないと言うから、それならファンクラブの男に手を出せば良いじゃない…と言うと、彼等は そういう対象じゃないと、顔を赤くして否定。

まぁ、そういうのが出来たら、先ずは父親との修羅場が始まるんだろうけどな。

 

「そして、私も認めないとダメ。

大丈夫。私のハードルは、結構 低い。

アレみたいなチャラ男じゃないなら、大体OK。」

アレ…とは解説不要か? 勿論、ルクルットの事だ。

…と?

 

「あれは…」

「亜人の、集団?」

前方に、武装した大勢の亜人が、待ち構えている。

暗い中、ライトを照らして、しかもエンジン音全開で、自分達の方に近付く…奴等からしたら正体不明な物体が かなりなスピードで迫ってきてるのだから、そりゃ気付きもするし警戒もするか。

因みに このクルマ、燃料は環境に優しい魔力エネルギー。

エンジン音も雰囲気演出だけの擬音(フェイク)だ。

 

「ど、どうするんですか? あんな大群?!」

慌てながら後輩ちゃんが言うが、そんなの決まってるだろ?

 

「必殺…轢き逃げアタック!」

 

ギュルルルル…どーんっ!

 

  

◆まろんside·了◆

 

≫≫≫ 

 

◆ネイアside◆

クルマで沢山の亜人を撥ね飛ばし、その儘 亜人達が屯している真ん中に突入したマカロン様。

 

「な…敵襲か?!」

「人間が…舐めやがって!」

その状況に寝ていたであろう亜人達が、ぞろぞろと出てきた。

 

「やぁ、良い夜だな。

此処のボスは誰だ? 何処だ?

素直にソイツを差し出せば、お前等は殺したりしないぜ?」

「「「「「「「「巫山戯るな!!」」」」」」」」

クルマから降りたマカロン様の台詞に、亜人達は怒り爆発。

 

ドドドド…ッ

 

集団で此方を襲ってきた。

 

「何で礼知らずな奴等。

せっかくの義兄ぃにの優しい言葉を無視するとは。万死。」

いえ、亜人的には普通の反応ですよ!

 

「…出よ、双児宮(ジェミニ)!」

 

カアッ…!

 

でも、これにマカロン様は冷静に対応。

自身の頭上に、まるで2人の人物が背中合せした様な形の、黄金に輝く置像(オブジェ)を喚び出した。

 

カシャァン!

 

そして それは複数の部位(パーツ)に分解され、マカロン様の身体に装着される。

マカロン様のトレードマークと言って良い、金色の鎧だ。

 

「さぁ、掛かって来い!」

既に戦る気…いや、殺る気満々なマカロン様。

両手が真っ赤に燃えている。

 

「げっ?! あの金色鎧は!?」

「も、もしかして?」

「いや、もしかしなくても!?」

「ひ、ヒェっ?!」

「昼のヤツかよぉおっ?!」

「ヒィィィイイイッ!!?」

それを見て、亜人の一部が逃げ始めた。

多分…いや、間違い無く、昼間の防壁前の戦闘時、あの人の惨殺劇を目の当たりにして逃げ出した奴等だろう。

 

「逃がすか! 赤竜波!」

 

豪っ!

 

「「「「「「うぎゃぁおわぁッ!」」」」」」

しかし、この人は そんな簡単に敵を逃がす程、優しくない。

振り抜かれた右拳から炎の竜が飛び出し、逃走集団に直撃。

この亜人達は このドラゴンに呑み喰われるかの様に、消し炭すら残さず、この場から消滅した。

 

「…同じく。逃さない。

吼えろ、イングラム。」

 

ダダダダダダダダ!

 

「「「「「「「ウギャーーッ!!」」」」」」」

そして、シズ先輩。

手にした武器から多量の魔力弾を撃ち出し、一度に多くの敵を斃していく。

 

「ネイアも続く。…早速、それを使う。」

「はい!」

先輩の言葉を受け、誕生プレゼントとして渡された、矢型のペンダントを握り、それに魔力を込める。

そう。これは単なる装飾品(アクセサリー)じゃない。

 

「来て、矢座(サジッタ)!」

 

ピカァッ! 

 

私の台詞に反応して、ペンダントが銀色の光を放つ。

そして、私の目の前に現れたのは、1本の矢を握り締める腕を象った、白銀の置像(オブジェ)

 

カシャァッ

 

それがマカロン様の鎧同様に分解され、各パーツが私の身体を包む。

マカロン様の鎧と同系のマジックアイテム。

シズ先輩が取り寄せた、オリハルコンやミスリル等の上級素材。

それをマカロン様の御友人が糸状に加工して、編み上げたそうだ。

その銘も…矢座(サジッタ)の白銀鬪衣

 

「…行きます!」

 

グィ…

 

そしてアルティメイト·シューティングスター·スーパーの弦を強く引き絞り、射ち放つは高速5連射!

 

「雷光流転穹!」

 

ズバァッ!

 

「ぐぇっ?!」

亜人と云え、余程 身体特徴的に人間離れしてない限り、生物としての、身体の急所の位置は変わらない。

的確に その急所を射抜き、

「コノ、チビニンゲンガァァァッ!!」

新手として襲ってきた大型亜人にも、

「霸ァァァッ!!」

 

ズバァッ!

 

「ガガガ…?」

同様に急所を射て仕留める。

それにしても、このアルティメイト·シューティングスター·スーパーは素晴らしい!

ルーンのチカラなのか、腕力や瞬発力は勿論、反応速度や集中力も格段に向上しているのが実感出来る。

そして、弓自体の強度も、普段使用している弓とは比べ物にならない位に強い。

…これなら、イケる!…かも?

聖擊。それは、己の剣に聖なる魔力を込め、敵を滅ぼす聖騎士の技。

しかし不思議な事に、その聖なるチカラは()()()()()()()()()()とされていた。

お父さんは弓矢に、火·風·雷の属性を込めて矢を放てる。

だから私も 同様に、聖騎士として鍛錬した時に得た、聖属性を矢に込めて射とうとした事が有ったが、結果から言えばダメだった。

弓矢が聖なるチカラには耐えられず、壊れてしまうのだ。

私は これは単純に、その武器の強度が弱いからだと思っている。

聖騎士が使う剣は、聖銀の様な特別な素材…それを高位の神官が祝福を与えた上で鍛え作った様な強力な武器。

そういう武器でないと、聖属性を注入(チャージ)する事が出来ないのだと思う。

しかし、シズ先輩を介し、魔導国陛下より お借りした この弓なら!

 

「クソニンゲンガァ!」

…よし、標的(ターゲット)はアイツにしよう。

大型亜人の中でも あの一際 巨体な個体…ウォートロール。

 

「…………。」

精神を落ち着かせ集中し、アルティメイト·シューティングスター·スーパーに聖なる魔力を送る。

…ん、壊れる様子は無い!

そして使用する矢も、普通の矢じゃない。

このルーンの弓とセットとして渡された、特別製の矢!(とりあえず今回は20本)

 

「ニンゲンノブンザイデ!」

そして あのトロールも私を獲物と定めたのか、巨体な戦混を振り回しながら、此方に向かってくる。

しかし、その武器が此方に届くより先、その攻撃が届く外から、聖擊…聖なる力を込めた矢を射ち放つ!

 

(セイント)(アロー)

 

 

◆ネイアside·了◆

 

≫≫≫

 

◆シズside◆

「良い気になるなよ、人間!」

義兄ぃにとネイアと共に、亜人の集団を斃していると、奥から如何にも…な雰囲気を持った亜人が現れた。

銀毛の山羊人(バフォルク)だ。

 

「あ、アイツはっ!?」

「「知っているの、ネイア?」

         か、後輩ちゃん?」

「はい!」

ネイアが言うにはアレはバザーという、聖王国では かなり有名な亜人らしい。

 

「一応 尋ねるが、お前が此処のボス格か?」

「…だとしたら、どうする?」

それを聞いた義兄ぃにが、興味深そうに前に踏み出す。

 

「それじゃ悪いが、色々と聞かせて欲しいから、ちょっと此方のアジトまで同行願うぜ。」

「巫山戯るな! 人間!!」

 

ぶんっ!

 

この亜人も、凄く無礼。

義兄ぃにの申し出を無視、腰の大剣を抜き、義兄ぃにに斬り掛かる。 

…が、義兄ぃには それを最小限の動きで躱すと直後、

「ユミエ⚫パンチ!」

 

バキィッ!

 

「な…何い?!」

その刀身の腹に神速の拳を当てて、武器破壊。

 

「え゙? 何が、何が起きたのですか?」

ネイアには義兄ぃにのパンチが見えなかったみたい。

無理も無い。

あれだけの速度。私で無ければ見逃す。

そして、義兄ぃにのターンは まだ終わらない。

 

ボォッ…

 

「な…何なの、あれ?

マカロン様の背後に…?」

ネイアが驚いている義兄ぃにの背中。

其処に浮かび現れるのは、数え切れぬ程な無数の腕を持つ金色の闘神の姿。

義兄ぃに曰く、あれは…実は私も よく解らないが…カキン·エフェクトという物…だ、そうだ。

そして其処から繰り出されるのは、その闘神の無数の拳から撃ち放たれるが如くな拳打のラッシュ。

 

千手観音 ! !

 

打々々々々々々々々々々々々々々々々々々々!!

 

「が…ぺぺぺぺ…」

 

≫≫≫

結果は言う迄も無く、義兄ぃにの完勝。

この山羊人(バフォルク)は、義兄ぃにのフルボッコ攻撃で気絶。

ワイヤーで簀巻きな感じで縛られ、クルマの後ろ側に放り込まれた。

車内は空間魔法を施しているらしく、あの巨体も余裕の楽々。

…にしても、義兄ぃにの縛り方が極々普通。

てっきり、普段からユリ姉にしている(されてる?)亀甲縛r

した事も された事も無ぇーよ ! !

てゆうか そんな知識、何処から、誰から仕入れたんだ? ペロロンチーノか?!」

…痛ひ。(#T_▼#)

 

 

◆シズside·了◆

 

≫≫≫

 

◆まろんside◆

「それじゃあな。」

「「「「「「「「「………………………………………………。」」」」」」」」」

自分達の頭、バザーが倒された事で、俺達の責め攻めから逃れた亜人達は、既に抵抗する気は失せた様だ。

バザーを砦舎に連れ帰ると言っても、誰も文句は言わない。

何か言いたそうな顔をしてるのは…まぁ今日の処は、特別サービスで赦してやろう。

 

「よし、それじゃ撤収だ。」

「おー。」「はい!」

 

≫≫≫

「そ·れ·で? そのゴタンダってのは、一体 何者なんだ?」

「ヒィィィッ?!

すいません、本当に何も知らないんです!」

防壁の兵舎に戻り、バザーを尋問。

帰還した際の、見張り役だった兵士君やパベル·バラハの何やらツッコミたい様な空気はスルーさせて貰った。

そして尋問結果。

やはり、俺やデミウルゴス達の読み通り、亜人達の種族連合の裏は、強力な存在が現れ、それがチカラで全種族を纏めたというのが正解だった。

そのゴタンダという亜人?

バザーが言うには、全く知らない、初めて見た種族だそうだ。

他の亜人も、それは同じだと言う。

その姿、頭には巨大な2本角。突槍と盾を携え、全身筋肉という表現が相応しい身体。

その下半身は強固なケモノの四肢。

そして、その頭上には…

 

「………………………。」

容姿を聞かされてもピンと来なかったが、最後の特徴を聞いて確信した。

このゴタンダという者、間違い無くユグドラシルのプレイヤーだ。

 

「《伝言(メッセージ)》。モモンガさん、聞こえるかい?」

 

 




①ネイアちゃんの年齢は、今作オリジナル設定で17歳としました。
②ネイアちゃんの鎧は、矢座(サジッタ)白銀聖衣(シルバークロス)のイメージで。
③今作の現在のネイアちゃん容姿は、のーきん団長のストレスから解放された結果、考察動画等のイラストで よく出る、美少女ver.です。
④念の為…作者、某ゲームの影響、受けまくりですw
 
 
 
次回『亜人?ゴタンダ(予定)』
乞う御期待! 感想よろしくです。
 
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