ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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【前回のあらすじ】
 
?「作者は私に、何か怨みでも有るのかあ?!」
 
 
▼▼▼
今後の伏線回。
及び、前回迄の補足説明回です。
  


問題や課題、厄介事は、それが片付く前に次が やってくる

◆まろんside◆

この世界に転移した早々、悶着起こしたスレイン法国特殊部隊の隊長格と、前の依頼主を拉致ろうとした女とハゲ。

この3人の死体を不死属怪物(アンデッド モンスター)として再利用、俺達の冒険者としての名声を上げるマッチポンプ計画(笑)が、本格的に始動した。

…最初は、女を吸血鬼(ヴァンパイア)にするだけな予定だったが、智将デミウルゴスの まさかの想定外(うっかり)で、残りの2体も活用する運びに。

…結果、女吸血鬼(全裸マント)と2体の死者の大魔法使い(エルダーリッチ)(魔改造)の徒党は、王国全体で要注意モンスター認定された。

 

「…この度は私の認識不足で、アインズ様と まろん殿に、多大な御迷惑をお掛けしました。

そして それを踏まえての、この先の計画ですが…」

デミウルゴス案は、とりあえず 此処で、空白期間を設けるとの事。

冒険者や貴族・役人だけで無く、一般人にも その存在を晒した事で、あの3体は敢えて暫く直接の活動を控えさせるそうだ。

その代わり、死を撒く剣団のアジト跡他、王国領に点在する洞窟等に、多量の低~中級アンデッドを定期的に出現させる…そんな小細工をしていくらしい。

 

「…成る程、そういう事か。」

「おお、流石は まろん殿。

この私めの小賢しい策等、全て お見通しですか。」

「そりゃ…な、モモンガさん?」

「そ、そうだな!

しかし、デミウルゴスよ。

此の場の皆が全て、理解している訳では無さそうだ。」

「承知致しました。それでは皆さんにも、説明させて頂きましょう。」

「うむ! 優しく、丁寧に、解り易くな!」

モモンガさん、絶対に解ってないな。

 

 

◆まろんside・了◆

 

≫≫≫

 

◆モモンガside◆

デミウルゴスの計画は、聞いてみたら、至極単純な策だった。

嗤う金毛(スマイル・ゴールド)疵面(スカー・フェイス)頭骨(スカル・ヘッド)は一時的に姿を眩ませる。

その代わり、一定の間隔でエ・ランテル共同墓地、死を撒く剣団アジト跡、そしてトブの大森林や近辺洞窟等に()()()()のアンデッドを出没させ、冒険者や王国兵に、アンデッド討伐を目的とした特別チームの当番制(シフト)を編成させる。

上位アンデッドの吸血鬼(ヴァンパイア)である嗤う金毛(スマイル・ゴールド)が身を隠したと同時の、複数箇所でのアンデッド大量出現。

勘の良い者なら…いや、余程 鈍いヤツで無い限り、関連を疑うだろう。

 

「成る程! それで、雑魚アンデッドばかり倒していて、誰もが全裸マントの事を忘れかけた頃に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…なんですね!」

「す、少し間を空けるのは、いきなり遭遇するみたいな不自然さを出さない為なんですね!」

「ソシテ ソレヲ倒ス事デ…」

「アインズ様…いえ、冒険者チーム【ブラック&ゴールド】の名声を高める…で、ありんすね?」

はい、マッチポンプ、キマシター!

 

 

◆モモンガside・了◆

 

≫≫≫

 

◆まろんside◆

「「ぉおらぁっ!」」

 

キィンッ!

 

氷の刃と太刀が交差する。

今日のブレインの鍛練は、蜥蜴人(リザードマン)との、実戦さながらの模擬戦(タイマン)

場所も普段の鍛練場で無く、第6階層の闘技場(コロシアム)を借りてと本格的だ。

 

蜥蜴人(リザードマン)

トブの大森林の中の巨大湖周辺にて、集落を築いている種族。

時期的には俺達が冒険者として活動を始めたと同じ頃、モモンガさんは守護者の1人、コキュートスに彼等と友好関係を作り上げる様に指示を出していた。

 

但し、

 

 

力と恐怖による隷属強要など、誰にでも出来る。

しかし それは、無能の者の所業だ。

 

  

このモモンガさんの言葉に従い、コキュートスは本来なら専門外の対話交渉に挑んだが…

 

 

 

「ウゥ…アインズ様ニ、会ワセル顔ガ無イ…」

「いや、良くやったと思うぜ?

モモンガさんも誉めてただろ?」

その結果に自身が納得往かず、ナザリック帰還直後は、それこそ この前のデミウルゴスみたいに、盛大に凹んでいたのだった。

事前に言霊邪魂(メッセンジャー)を使い、複数在るリザードマン各部族に来訪を伝えていたコキュートス。

これはリアルにて、外回り営業だったモモンガさんの、『アポ無し凸は厳禁』の教えに沿った物。

それで1つの集落に、各部族代表者が集まってのOHANASHI…もとい、話し合いが始まると思われたが…

尚、この辺りはコキュートスと同行していた戦闘メイド、エントマや配下に落ち着いたリザードマン達から聞いた話だ。

 

 

≪≪≪

「我等を従わせたいなら、それだけの力を示してみろ。」

いきなりの脳筋発言。

とりあえず彼等は、ナザリックが従属を求めてきたと勘違いしたらしい。

先に言っておくとモモンガさんは そんなは考えは持っておらず、あくまで彼等とは同じ異形種同士(正確には彼等は亜人に分類される)、対等な友好を…と、思っただけだ。

しかしリザードマン達はナザリック地下大墳墓を、『森林の近くに いきなり出現した怪しい遺跡』として既に知っていたらしく、其処からの来訪者に警戒心全開だった訳だ。

これがモモンガさんなら、ブラック企業の営業で培った話術で何とか やり込めただろうが、今回 現地派遣されたのはコキュートス。

そんな高尚な物なんて、備えている筈も無く。

そんな経緯で、本人からすれば仕方無く…本っ当に仕方無~く、リザードマンの中でも上位実力者とされる、氷の魔剣の使い手と模擬戦から一蹴。

…が、

「よし、次は俺だ。」

「いや、俺だ。」

「我。」

「んにゃ、儂。」

その強さに畏怖される処か興味…或いは尊敬の念を抱かれ、次々と挑戦者が名乗り出たのだ。

既に敵対心や猜疑心は持っておらず、純粋に強者との戦闘欲。

お前等 一体、何処のバトル野郎だ?

シャババさんやキャロット君とも仲良くなれそうだ。

 

≫≫≫

「それで、俺達を軽く〆たコキュートス様の上には、更にアインズ様って弩偉い御方が控えてるってなったらなぁ…ですよ。」

…これが、リザードマンの一族がナザリックの傘下入りした全て。

コキュートスは、結局は力がパワーみたいな方法で終わらせてしまい凹んでるが、モモンガさんは これを力による恐怖で無く、心酔による服従という事で、一応の合格点を出している。

結果、多少の怪我人は出したが、死人は出さずなのだから。

そして実は このリザードマンとの接触、モモンガさんは『NPC(シモベ)が如何に自分で考えて動くかの実験(テスト)』を兼ねていたらしい。

そりゃそうだ。

普通に外交を結びたいなら、アルベドやデミウルゴスみたいな知性派を送った方が、スムーズに事が運んだだろう。

…尤もアイツ等だと、その前にブチ切れの果てに瞬殺絶滅の可能性も有っただろうが。

いや、寧ろ高い。

これはコキュートスを選んだ、モモンガさんのグッジョブだ。

そして結果的に、モモンガさんは大満足していたのだった。

 

「まあ、それに、種族間でも悪い事じゃなかったですぜ。…例えば、」

俺の隣で模擬戦を観戦していた、リザードマンの中でも巨漢だが、右腕だけが更にマッソォーな男が、ブレインと戦っているリザードマンを指差す。

 

「俺達リザードマンは、今迄は他部族との絡みは殆んど無かったんですがね、今回の件で横の繋がりも結構 出来てきて、アイツは余所の部族から嫁さん貰ったんですよ。新婚ですよ。

本当、リア充爆死ね!…ってヤツですよ。」

…その言葉広めたの、絶対に過去のプレイヤーだろ?

 

「しかも、ですよ?

あの野郎、その初対面な雌に一目惚れして、最初の一声が『結婚してくれ』…だったそうで。

笑えますよね? 有り得ないっすよね?

そんなヤツ、居ないっすよね?www

いくら何でも、もう少し順序ってのg

スラム・ダンク!…Ver.赤城(ゴリ)!」

 

ごんっ!

 

「ぁ痛゙ぇぁあ??!」

…悪かったな。

 

  

◆まろんside・了◆

 

≫≫≫

 

◆モモンガside◆

「《雷撃(ライトニング)》!」

 

バシュッ!

 

ナーベラル…ナーベの手から迸る雷撃が、動屍犬(ゾンビドッグ)を貫いた。

 

「一段落、着いたか?」

今はトブの大森林で、アンデッド狩りをしていた処だ。

 

「…みたいだな。皆さん、今日は そろそろ引き上げますか?」

「「「「は…はい…」」」」

周辺のアンデッドは一掃。

日も落ちてきたので、今回 俺達と行動を共にしている白金(プラチナ)級冒険者のチームに撤収を呼び掛けると、彼等は何だか萎縮した感じで応える。

 

「2刀流グレートソードぶん回して無双してたら、それゃあ誰だって引くさ。」

ぶん殴った動屍(ゾンビ)骸骨(スケルトン)を大炎上させてた、アナタが言いますか?

 

≫≫≫

「また、世話になりますよ。」

「いえ、ゆっくりしていって下さい!」

今夜は またカルネ村に、空き家を借りる事に。

 

カチャ…

 

「失礼します、モモンさん。」

其処にやってきたのは、カルネ村の警護を命じているルプスレギナだ。

 

 

「…以上が、最近の主だった報告になります。」

カルネ村や その周辺の出来事を話すルプスレギナ。

村の中は、特に変わった事は起きてないが、すぐ側の大森林…さっきまで俺達が"狩り"をしていた場所で、少し動きが有ったらしい。

森林南部。

森の賢王…ハムスケが縄張りとしていた地域(エリア)だが、そのハムスケが俺、即ち冒険者モモンの騎獣となり森を離れた事で主が不在。

それに乗じて、森林の東西其々を縄張りにしているモンスターが、侵攻を始めたらしい。

 

「村人は『三竦み』と言っていました。」

「そうなので御座るか?知らなかったで御座る~。」

「…自覚、無かったのか。」

しかし、俺達の名声を上げる目的で放った、ナザリック産アンデッドが足止めをしている形で 、今は膠着状態だとか。

因みに このアンデッドは、それこそハムスケの縄張りだったエリアを徘徊する様に設定していたが、それが間接的というか結果的に、カルネ村を守る事に繋がった様だ。

 

「東の巨人に、西の魔蛇か…」

そして、大森林の東と西を支配しているモンスター。

此奴等はリザードマンとは違い、かなり交戦的…そして支配欲に駆られた者らしい。

しかも、ハムスケと三竦みとして並べられるのなら、知能も高くなさそうだ。

更にはコイツ等はハムスケの様な一匹倉鼠で無く、それなりな数の手下を従えてるとか。

放置しておけば今のアンデッド騒ぎが落ち着いた後に、村を襲う可能性も充分に有る。

よし。事前策として、次はアウラとマーレ、そしてシャルティアに、交渉に出向いて貰うか。

アウラのコミュ力と話術は、かなり高い。

マーレも おどおど口調だが、そういう設定(by茶釜さん)なだけで決してコミュ症な訳じゃなく、普通に会話は出来る。

故に この2人は、大した心配はしていない。

しかし、シャルティアの方は…

相手の出方次第では即ブチギレで皆殺し、良くて半殺し(半分は生き残る)な光景しか浮かばないなあ…

 

≫≫≫

翌朝。

カルネ村を発ち、1日のキャンプを挟んで、エ・ランテルに到着。

冒険者組合で一連の報告と、今後の討伐日程の確認をした後に…

来週は この前の…漆黒の剣の面々とコンビか…ってナーベ、そんな あからさまに嫌そうな顔をしない。

で、次が…ゲッ?! ()()()()()と一緒かよ?

 

「モモン君。そんな見るからに凄く嫌っそ~な顔をしないでくれないか?」

…討伐日程の確認をした後に、ナザリックに帰還。

すると…

 

シュタッ!…くるん…

 

「アインズ様、誠に申し訳御座いません~~っ!!」

 

えっえぇぇえ~~~~~~~っ?!!

 

その早々、セバスが華麗な月面宙返(ムーンサルト)り土下座をしてきたんですけどっ!?

 




 
次回『東の巨人と西の魔蛇』(予定)
感想よろしくです。
 
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