ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました 作:挫梛道
和訳は大体合っている筈。(多分)
「姉さん!」
「セリーシア!」
◆モモンガside◆
世の中とは、意外と狭い物だ。
何の話かと言うと、俺、まろんサン、ナーベラルは冒険者
仕事内容はトブの大森林の、アンデッド他、モンスターの調査、並びに駆逐…マッチポンプとも言ふが…その中継拠点としての訪問だ。
そして俺達とは別件で、カルネ村に仕事が有るとして同行していた冒険者チーム"漆黒の剣"。
そのメンバーの1人のニニャ。
この彼…で無くて この男装少女と、以前、セバスが保護した元娼婦の少女ツアレ二ーニャが、実は生き別れの姉妹だった…という事だ。
保護した…は良いが、只の人間のツアレ二ーニャをナザリック地下大墳墓に置く訳には往かず。
だから俺は、ツアレ二ーニャの背後のゴタゴタが片付いた後…少し前にカルネ村に
何故か
当然、訳有りなのも隠さず説明しているぞ?
そのツアレ二ーニャとニニャ…本名セシーリア。
当人同士からしても、予想外な偶然の再会。
そして互いに姉妹と気付くと、その場で泣きながら抱き締め合ったのだ。
しかしツアレ二ーニャからも貴族によって引き離された妹が居るのは聞かされていたが、それが まさか知っている人間だったとは。
本当に、世の中は狭い物だな。
「良かったですね、ニニャ。」
「ああ、良かった。」
「全くである。」
そして その様子に…事情を知っていた彼女の仲間達も、それを我が事の様に喜んでいる。…が、
「俺はチャラ男が、ツアレを見てナンパしなかったのに驚きなのだが。」
「ちょ…どーゆー意味ですか?!」
ん、それな!
「マカロンさんは俺の事、絶対に勘違いしてるって!」
「黙れサザムワーム。
ま…っカロンさんが言う事に、間違えが有る筈も無かろう。
ほら、あの娘にも声を掛けたらどうだ?
以前 私にそうしたように。
軽薄に。恥も外聞も無く。身の程も知らずに。」
「な…ナーベちゃん~?
いやいやいや!俺だって、流石に空気読めるからさ!」
≫≫≫
「すいません…何と言いますか…」
「悪ぃ…知ってた。」
「…である。」
「えぇえ゙ぇ~っ??!」
その流れで、ニニャが今まで自分が『女』というのを隠してきた事を仲間や俺達に謝罪するが、ペテル達は それを責める事は無く、既に知っていて、それを承知で同行していたのを逆に打ち明ける。
「いや、こっちはコッチで、何時
「…であった。」
「そうですね。」
「うう…ごめんなさい…」
特に咎める事も無いと笑って受け流し、互いに謝るペテル達。
改めて、良いチームだな。
「何だ、アレは男装の心算だったのですか?」
「え?」
「「な、ナ~ぁベぇ~~~〜〜~っ!?」」
しかし、そんな良い空気を破壊しようとする女が、約1名。
いや、悪気は無いんだよな?
ただ、空気を読めないだけだよな?
頼むから『そうです。』と言ってくれ!
「ま、まあ、女性からすりゃ、丸分かりだったんだろう?
ぶっちゃけ、俺も初見で見抜いていたし?
何か事情が有ると思い、触れなかったけどな。」
…え?まろんサンも知っていてのですか?
まさか、ニニャが女だったの、今 初めて知ったのって俺だけ?
≫≫≫
「オラッ!何チンタラやってんだ?!
さっさと行くぞ!」
「遅れてきた癖に、偉っそうに…」
「あ゙?!何か言ったか、テメー?!」
俺達がカルネ村に着いたのは昼飯時の少し前だったが、それから少し経ち、俺達と一緒に森の探索をする冒険者チームが2組、村にやってきた。
一応、今回の
「2人共、止めないか!」
「イグヴァルジ、落ち着けっての!」
「そっちの お姉さんも、その殺気、仕舞いましょう!」
「そうだぞナーベ、スティスティ。」
「最初から そんな雰囲気で、どうするんだよ?!」
メンバーが揃った処で、いざ出発!…な時に、いきなりイグヴァルジと まろんサン…マカロンが やってくれました。
やたらと仕切りたがるイグヴァルジに、ボソッと一言呟いただけなのに、無駄に耳が良いのか、その台詞を拾ってマカロンに突っ掛かってきたのだ。
俺を含めて他の面々(ナーベラル以外)が中に入り、その場を収めたけどな。
「スカラベが…殺す!」
いや…だからスティスティ。
≫≫≫
♪~♪♪♪~♪~♪♪~♪
森の中、竪琴の音が響く。
筋肉なモヒカンで強面の巨漢…見た目、どうみても
「シーゲル、そろそろ竪琴も良いだろう。」
「む?そうか?」
紫のダーバンを巻いた男…フォーライヴのリーダー、ヒトシ・コノミの言葉に、同じくフォーライヴのメンバーであるシーゲル・イヅミーヤは頷くと、その演奏を止めた。
「つまり この先は、モンスターが現れるで御座るか?
よーし、ゲレゲレ殿、気を引き締めていくで御座るよ!」
「がぅ!」
そう、この先は、モンスターが現れる。
特に…俺達、というか、デミウルゴスが放った…
パーティーの先頭を進んでいたハムスケの台詞に、その隣を歩いていた、
ザザザッ…
「「「「「!!!!?」」」」」
そして その後、そう歩きもしない内、モンスターが現れた。
…と言っても、アンデッドじゃない。
『『『『ぐるるる…』』』』
魔力が通う鎖を纏った狼、バーゲストだ。
それが、4体の群で現れた。
「マジか? バーゲストが群れるなんて…?!」
「もしかして これも、アンデッドの大量発生と関係有るのですか?」
クラルグラやフォーライヴの連中が驚いているが、確かに。
バーゲストは基本、単独で活動するモンスターだ。
フォーライヴの神官…ヨースィー・イノーエ…だったかな?の言う通り、デミウルゴスが森に放ったアンデッドの影響と思われる。
アレ等は森から出る事は無いが、逆に言えば森の中なら人間だろうが現地の野生の動物やモンスター、無差別に襲う様に設定したらしいからな。
防衛本能みたいな物が働き、自然に群を為す様になったのだろう。
…これって或る意味、生態破壊?
「落ち着け!高がバーゲストだ!
チーム毎に前・後衛の陣形を組んで、各個撃破だ!」
此処で、一応はリーダーのイグヴァルジが指示を飛ばす。
「くっ…何故、虫けらの命令に…」
良いから! 間違った指示じゃないから!
「先手必勝!行くで御座るよ、ゲレゲレ殿!」
「がうっ!」
そして最初に飛び出したのは、ハムスケとキラーパンサーのゲレゲレ。
初手で既に、チーム毎 関係無い。
ズガァッ!
『ギャヮゥッ!?』
鋭く長い爪と牙の
初対面な筈だが其処はケモノ同士、互いに何か通ずる物が有ったのか?
「ふんっ!」
「てゃっ!」
斬!ガンッ!
『キュヮォンッ!』
そして俺とマカロンも、1体を仕留める。
「お見事です!」
後衛のナーベの出番は無かった。
「♪そう今こそ我等 狂気に至る時♪
♪踊れ舞え♪踊り狂え♪狂い舞え♪
♪Is it Illusion? or Hell?♪
♪それが嘆きの中でも突き進め!♪」
「「「おおぉおっ!!」」」
そしてフォーライヴ。
吟遊詩人の詩…その外見からは想像出来ない綺麗な歌で、攻撃力アップ…バフ効果の掛かった他の3人が、また別の1体に集中攻撃を仕掛ける。
歌詞的にだけど、多分
「オッラァッ!」
斬!
止めは戦士職、タクロゥ・ジョースダーの一撃が決まる。
更にはクラルグラの連中も、担当した個体を倒し、この戦闘は終了した。
「くぅ…」「痛ゥ…」
「皆さん、大丈夫ですか?」
但し、無傷という訳じゃない。
俺達とハムスケ達以外は、それなりなダメージも受けていて、ヨースィー・イノーエが回復魔法で皆を癒す。
「ふん。アレ如きに手傷を負うとは。
大したリーダー様だな。」
「んだと、テメェ!」
そして この時、またもや要らぬ一言を飛ばす人物が約1名。
「止めろ、リーダー(笑)。
ナーベ、お前もだ。世の中には頭で思っても口に出してはダメな事が、沢山 有るんだぞ?」
「申し訳有りません、マカロンさん。」
「ああ゙?!つまりテメーも、そう思っているって事か、固羅ァッ!?」
撤回。2名。
但しリーダー(爆)、お前も煽り耐性が低過ぎるぞ。
尤も、『俺達だから』という部分も有るだろうがな。
このイグヴァルジ、ポッと出で いきなりミスリルに昇格した俺達の事を気に入らないと言うか、かーなーり好く思っていないらしい。
狭量過ぎないか?
【漆黒の剣】の皆さんは「凄いですね!」「あの強さなら、当然なのである。」「流石です。」「ナーベちゃん♡」と、
ナーベラルの蔑視は
「テメェッ!ケンカ売ってんのか?!」
「「イグヴァルジ!」」
「止めろって!」
イグヴァルジが まろんサンにキレて掛かるが、大元は お前が俺達に敵意剥き出しな睨みを向けてきたのが原因だぞ?
ヤツの仲間が慌てて間に入り、この場を何とか収めたか、英断だ。
まろんサンは こういう場合、自分から手を出したりはしないが(口は出す)、身に掛かる火の粉は…
振り払った程度じゃ、また舞い戻る可能性が大でしょ?
だからこそ、また戻ってくる事の無い様に遥か彼方まで吹き飛ばすか、2度と舞わない様に その場で
…こういうタイプだからなあ。
「…ふっ!」
シュシュシュシュ…
…だからアンタも、ヒットマン・スタイルで煽るのは止めなさいって。
『ゴァァアッ!!』
「「「「「!!!!!?」」」」」
そんな険悪な雰囲気の中、新手が現れた。
「トロール!」
「…の、ゾンビだとぉ?!」
通常より、2回り程度デカいトロール。
しかし、眼からは光が消え、血の気の失せた身体の一部から骨や臓物が剥き出しており、死臭を撒き散らした それは、ゾンビ化しているに他ならない。
「チィッ! テメー、話は後だ!
囲め、散開だ! 全方位から集中攻撃だ!」
一応は、ミスリル級冒険者のイグヴァルジ。
不測の事態に於いての感情の on/offの切り替えは、出来る様だ。
そして やはり一応、リーダーを自ら名乗り出るだけの判断力指示力も、それなりに持っている。
単なる仕切りたがりな無能じゃない訳だ。
「「「「「応!!」」」」」
その指示には、まろんサンも素直に従って動く。
緊急時に和を乱す事は、流石にしないよな!
だからナーベラル、お前も顔芸レベルなキレ顔してないで、きちんと動け!
≫≫≫
「ふぅ…」
「危なかったぁ…」
「御座るぅ~…」
少し前まで、トブの大森林にて、東の巨人と呼ばれていたトロールを
デミウルゴスの強さのバランス調整は素晴らしいな。
俺達も、
…が、本番は これからだ。
今回の
そして今回、それに俺達の出番が回ってきた事で、前々から予定されていたデミウルゴス考案の脚本が始動する。
そう、俺達ブラック&ゴールドの名を高める為、王国でも有名になったアンデッド、
クラルグラとフォーライヴは、その立会い、証人みたいな物だ。
そしてデミウルゴスからは、
「つまり、そろそろって訳だ。」
コクン…
まろんサンの呟きに、俺とナーベラルが小さく頷く。
≫≫≫
「で、出たァッ?!」
「マジに全裸マントかよ?」
「しかも本当に金毛!」
あれから野良のモンスターとの戦闘を2回こなした後、遂に今回のボスキャラと言うか、本命と
マントの下は全裸の女
ボゥッ!
「「「「「!!!?」」」」」
しかし、その出現に此方の反応は遅れてしまう。
全裸マント。
「何だ、アレは男装の心算だったのですか?」
因みに作者、小説は未読。
アニメの初見で、ニニャは普通に女の子だと…ルクルットの『男女パーティーは面倒』の発言まで、アレが男装だったとは思っていませんでした。
【今回登場のフォーライヴ】
ヒトシ・コノミ…ドラクエⅤ主人公
シーゲル・イヅミーヤ…ハッサン(DQⅥ)
ヨースィー・イノーエ…クリフト(DQⅣ)
タクロゥ・ジョースダー…種泥棒(DQⅦ)
…のイメージで。
★次回予告★
◆まろんside◆
遂に始まったボス戦!
魔弾が飛び交う中、
「いえ、しませんからね!
いくらアンデッドでも、全裸女性に その技はアウトですよ!?
てゆーか、普通に出来ませんからね、そんな大技!」
次回、『
乞う御期待!