ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました 作:挫梛道
『『『『『『『『アインズ・ウール・ゴウンに栄光在れ ! ! 』』』』』』』』
◆モモンガside◆
………………………。
今、起きている事を簡潔に言ってみると、『ワケワカメ』。
だって、仕方無いじゃないか?
ゲーム内、視界の隅の日付と時計が、いよいよユグドラシル最後の刻を示した時、一瞬 目の前が
…って、先ず、ログアウトしてないのが可笑しいだろ?
ステータスウィンドゥとか開かないし?
何故かログアウト出来ないし?
不具合か何か?
クソ運営、最後の最期で、また やっちまったか?
そんな訳で、GMコールをしようとしても、繋がらない。…だと?
「モモンガ様、如何なされたのです?」
「モモンガ様、大丈夫ですか?」
「モモンガ様、何事か有ったでありんすか?」
「「「「「「モモンガ様?」」」」」」
「Vater?!」
そして極めつけはコレ!
玉座の間に集めたNPC達が、勝手に動き、喋りだした!
しかも その中の1人の言葉が、更なる精神的追い討ちを!
「モモンガ様?モモンガ様??」
そして その先頭に居た美女…アルベドが、恐らくは動揺丸分かりな俺を見て、心配そうな不安そうな泣きそうな顔で、俺に迫る…って、近い近い近い誓い!
美女の弩アップは、20後半のDT男には色々な意味でキツいから!
そう、NPC達が表情豊かに、しかも喋ると同時、口も それに合わせて自然に動くのだ!
ついでに体の動きに合わせて、たわわな お胸様(推定G)が ぷるるんと!
そう、まるで本当に、生きているかの様に。
美女の胸の弩アップは、20後半のDT男には、本当に色々な意味で危ないから!
更に、このアルベドの体から 仄かに感じさせる心地好い香り。
恐らくは香水だろうか、『匂い』を感じるのだ。
ユグドラシルの様な精神ダイブなバーチャル系ゲームは五感…特に味覚、そして嗅覚に対する法律的な規制が厳しい。
…にも拘わらず、匂いを感じるとは、只事じゃない。
まるでゲームの世界が、現実になったかの様な…ハハハ…まさかな。
ゲームの やり過ぎは自覚有るが…とは云え、そんな事が有る訳が無いじゃないか!
「落ち着け!」
「「「「「「!!?」」」」」」
そんな中、とりあえずは俺以上に狼狽えている感じな…原因はテンパっている俺だろうが…NPC達を静かにさせてみる。
…同時に俺自身にも、言い聞かせているのだが。
落ち着け。落ち着くんだ、俺。
早く この状況…現状を分析するんだ。
俺への対応からして、このNPC…彼・彼女達は製作設定に従い、俺達ギルメンに対する忠誠はカンストを越えて天元突破しているのだろう。
『落ち着け』…この一言で静まり、
「申し訳ありません、モモンガ様…」
皆が一斉に膝を着き、アルベドが代表するかの様に、俺に謝罪を。
「ふむ…」
よし、もう どうにでもなれだ!
魔王ロールが有効な様だから、この儘 非公式ラスボス大魔王or裏ボスのキャラで行ってやるよ!
何か不味い事が起きても、その時は その時だ!
「いや、私の方こそ、すまなかった。
お前達が取り乱すのも解る。
このナザリックを束ねる者として、相応しくない振舞いだったな。」
「そ、その様な事は…」
「いや、先ずは私の話を聞いてくれ。」
俺の謝罪をフォローしようとするアルベドの声を遮り、話を続ける。
「今、このナザリック地下大墳墓にて、
しかし、具体的に それが
…だが、『何かが異変が起きている』のだけは、紛れも無い事実だ。」
ざわ…ざわざわざわ…
「粛に!まだ、モモンガ様が話されている途中よ!」
「その通りだ。落ち着きたまえ。」
「「「「!!」」」」
俺の話に その場の者達が ざわめき、アルベド、そして赤橙のスーツの男…確か、デミウルゴスだったか?…が、それを鎮める。
凄い、凄く有能だよ、この女の人。
守護者統括の設定は伊達じゃないぞ?
「さぁ、モモンガ様。」
「…うむ。」
アルベドの有能さに、思わず呑まれそうなるのを堪え、話を続ける。
≫≫≫
「…その様な訳だ。
故に各階層、並びに領域守護者に命ず!
自身が管理するエリアにて、何か変わった事が無いか、僅かな違和でも良い…異変が無いか、シモベを動員して徹底的に調査せよ!
何も無ければ、それで良し。
そして2時間後、また この場に集合。
各々の結果を報告せよ!」
「「「「「「はっ!」」」」」」
有能か?
この場に集まった守護者達が、一通りの説明の後の俺の命令に従い、迅速に行動を開始する。
この部屋に残ったのはアルベド。
「「「「「「「…………。」」」」」」」
そして6人のメイドな美女美少女と、眼光鋭い老執事風な男が1人。
「…セバスよ。」
「はい、モモンガ様。」
この老執事…セバス・チャンに、俺は別の指示を。
「お前はナザリックの外を出て その周辺、何か変わった事が無いかを調べてくれ。
そして他の者と一緒に、報告を頼む。」
「畏まりました、モモンガ様。」
俺の言葉に頷き一礼して、この老執事も部屋を出ていく。
「それでは、私達は如何しましょうか?モモンガ様。」
これで、アルベド以外で この場に残ったのは、『戦えるメイドさん姉妹』の設定で創造された、戦闘メイド集団のプレアデス。
その長女のユリ・アルファが俺に尋ねてきた。
…そうだな。
「それではプレアデスには…あっ?!」
「「「「も、モモンガ様?!」」」」
≫≫≫
しまった…。
余りにも予想外な展開の連続で、まろんサンの事を、完全にド忘れしていた。
ユグドラシルにログイン中、
「…ふぅ。」
「大丈夫ですか?モモンガ様。」
「ああ。もう大丈夫だ。」
実際は、全然 大丈夫じゃないけど。
どっと疲れた様な溜め息を溢し、玉座に腰を落とす。
「一体…何が…起きているのだ…?」
「モモンガ様?」
頭を抱えて考え込む俺の この様を見て、アルベドが不安そうな顔を浮かべ近付く。
その彼女の体から薫る、心地好い香りが鼻を掠める。
いや、それだけじゃない。
玉座の座り心地。
石の床を踏み締める感覚。
玉座の間という広大且つ荘厳な空間に漂う、静寂の雰囲気。
ゲームでは感じる事の無かった その全てが、まさかの仮説が正解だと認識させる。
そう、此処はユグドラシルの…ゲームの外だと。
時が経つ程、普通なら絶対に有り得ない
「………………。」
そして俺自身にも、異変が現れているのを自覚。
これ程の異常な事態にも拘わらず、確かに一瞬はテンパったりするが、何故だか知らないが、直ぐに落ち着いてしまうのだ。
それは まるで、何かのチカラに無理矢理に、精神を安定させられる感覚だ。
尤も それでも また直ぐに慌てふためき、また直ぐに鎮静化するのだが、その繰り返し。
これは もしかして、今の俺が
「モモンガ様…」
そんな俺に、アルベドが また歩み寄る。
その表情は、慈母の微笑みという表情が相応し…
「…失礼します、モモンガ様!」
「ぅぷっ?!」
「モモンガ様…無知な私達には、モモンガ様の仰有られる異変というのが何なのか、理解に及びません。
…でも、だからと言って、1人で背負われないで下さい。
私達シモベが皆、モモンガ様の手足となり、支えますので…」
それは正しく、不安丸出し、泣きそうな子供を包み込む母親の如し…俺を正面から優しく抱擁してくれた…
うわ、凄い良い匂い!凄い柔らかい!兎に角、凄く気持ち良い!…じゃなくて、ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!
彼女自身は、純粋に俺を案じているだけだろう。
…が、美女(しかも巨乳)の
DT的にも!そしてゲーム的にも!
垢BANされちゃう垢BANされちゃう垢BANされちゃうぅ!?
………………………………。
…って、垢BANされない、だと?
やはり既に、此処はユグドラシルの外、クソ運営の管理下じゃないのか?
いや、まだだ!
こういうのは キチンと確認しておく必要が有る!
「あ、アルベド!」
「はい、モモンガ様?」
「む、むむむ、胸を触っても、良ろしゅいでしゃぅか?」
「は…はい?」
はい、ハラスメントは自覚してます!
しかし、これ位は しないと、確信出来ませんから!
そう、例え今後アルベドから、汚物みたいに見られようとも!
…とりあえずは後で、全力の土下座だ!
「は、はい!どうぞ、モモンガ様♡」
ス…
…え゙?
「くふぅ…っ、今日 私は此処で、モモンガ様に初めてを捧げ、結ばれるのですね♡!」
え…?! うわー、女の人の生おっぱい、初めて見たよ! でけー! いや、違うから!脱がなくて良いから!
あくまで確認の意味で服の上から少しだけ、少しだけ触るだけな心算だったから!
だから その、艶っぽい表情で迫ったりしないで!
◆モモンガside・了◆
≫≫≫
◆ユリside◆
「このヒト…っスか?」
「zzzz…」
モモンガ様に命じられ、円卓の間にて待機しているというお客様…至高の御方の御友人を迎えに行ってみると、其処にはモモンガ様の言われた通り、黄金の鎧を着た長い黒髪の男性が、静かに寝息を立てていた。
「でも、普っ通~に寝てるっスねぇ?」
モモンガ様が言うには、『もしかしたら まろんサン、器用に眼を見開いた状態で寝てるかも知れないが、そこは引いたりせず、スルーして欲しい』だったのだが、その眼は普通に閉じられている。
…に、しても、
「…………………………。」
「…ユリ姉様?」
「え…あ、ぃゃ…」
気付けば この お客様…まろん様の寝顔に何故だか引き寄せられていた?
「ん?んんん~?
ユリ姉、もしかして このイケメンに見とれていたっスか?
もしかして一目惚れっスか~?…(バシッ!)ふぎゃっ?!」
ち、違うわよ!
ほんの少し、ほんの少しだけ、かっこいいかも?…って思っただけで、べべべ別に、そういうのじゃないから!
このヒトを小馬鹿にした様な発言をする、
「でも確かに この方の顔立ちは凛々しいですから、」
「ユリ姉様が惹かれるのも、不思議じゃないですわ。」
違うの、だから違うの!
ナーベラルもソリュシャンも、何を言ってるの?!
この方はモモンガ様…至高の御方の御友人なのよ!
そんな感情を持つなんて、不敬でしょ!
と、兎に角、起こして玉座の間に お連れしないと!
「あ…あの…まろん…様?」
そういう訳で、寝ている まろん様に、静かに声を掛けてみる。
「ん…んうん~?」
その声に反応して目を覚まし、目を開ける まろん様。
…!
その瞳は、燃える様な…いや、鮮血の如しな紅!
「ふぁ…あ?あー、俺、寝落ちしてた?」
まだ完全に目を覚ましていないのか、寝ぼけ眼で…恐らくはモモンガ様を探しているのか、周囲を見渡し、
「………あ?」
「え?」
ボクと目が合い…漸くボク達に気付いた様だ。
「…まろん様ですね?
モモンガ様が お待ちしております。
玉座の間に案内しまs…」
ガシッ…
「え?」
「………………………。」
そして言い終わる前に まろん様はボクの右手を両手で握り締めると、ボクの顔をじっと見つめ、
「結婚して下さい。」
………………………………。
え?
えっえぇえ゙ーーーーーっ??!
2話連続で『えーっ?!』で終わり。
次話から、話が動きます?
感想、評価よろしくです。