ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました 作:挫梛道
【前回の あらすじ】
モモンガさんはバハルス帝国の皇帝、ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクスに会いに行きました。
「手土産とか必要ですよね?」
「毛生え薬?それと胃薬。」
「Perücke!」
「…私は断じて、禿げていない!」
◆ジルクニフside◆
ぷれいやー。
それは世に於ける強者…英雄、逸脱者と呼ばれる者すら歯牙にも掛けぬ、更に超越した"神"と思しき存在。
過去の伝承に在る、六大神や八欲王が、其だと云われている。
突如、目の前に現れたアンデッドは、確かに その言葉を発した。
「アインズ・ウール・ゴウン…殿…と、言ったか?
貴殿は自分達が その、ぷれいやーだと言うのか?」
「噂に違わず聡いな。
如何にも。但し、此方の2人はプレイヤーで無く、私の友が創った存在だが。
それと、私の事は、アインズで構わない。」
「「……………………。」」
ぷれいやーと その従属神!
しかも、このアンデッドの言葉が
「何が目的で、私の前に姿を見せた?
私の
それならば、今も こうして言葉を交わしている筈も無い。
…バジウッド、下がれ。」
「陛下?」
「大丈夫だ。少なくとも、此方が明確に敵意を示さぬ限りは、私達は無事で済みそうだ。
そうなのだろう、アインズ殿?
話す事が有るならば、そちらのテーブルで話しましょう。
…何か、飲み物でも?」
侵入者に向けて剣を構える護衛の騎士を退かせ、対話を持ち掛ける。
実際に何が目的で、私の前に現れたのか、話してみないと分からない。
幸いにも?疎通は出来そうなので、それを確認…いや、知る為にも、執務室の一角の応接席に着く様に促してみる。
「ふっ…心遣い、感謝する。
しかし、飲食物は不要だよ。
見ての通り、私はアンデッドだからな。」
…この言葉の後、アインズ殿は
複数が座れる大きな造りだが、従属神の2人は、その後ろに立ち控える。
これは主と同じ位置に居るのを善しとせずな、彼等の
私も倣い、バジウッドとロウネを後ろに並ばせ、会談が始まった。
≫≫≫
「ん、んんんんっーーーーー!??」
「何と…その様な事が…??!」
ふっふっふっ…
ふっふふふふ…
あっーはっはっはっはっ!!
アインズ殿の話は、実に興味深い話だった。
先ずは、ぷれいやーの話。
彼等は、『彼等の世界』から同刻、此方の世界には時間差で流れて来ているらしい。
そして それは、この先にも起こると思われ、その原因は、彼等も解っていないとか。
…つまりは この先も、ぷれいやーは現れるというのか?
そしてアインズ殿は、自分達は"神"でも何でも無く…種族としては多種多様だが、それでも只人だと言い張る。
我々が ぷれいやーを"神"として見ているのは、単に能力差故に過ぎないらしい。
「んーっ!?んんっー?!」
…その『差』が、大問題なのだが。
そして私的に今回の最たる問題は、アインズ殿からすれば、正に未知だった この世界との最初の関わりだった。
偶々に目にした、とある村への襲撃。
スレイン法国の兵が我が帝国兵に扮し、リ・エスティーゼ王国の開拓村を襲撃、幾つもの村を滅ぼしていた…だと?
何故…と云えば、その過程で王都から王国最強、ガゼフ・ストロノーフを誘き出して殺害。
その終なる目的が、その後の戦にて、我々帝国に王国を支配させる事…だと?
ふっふっふっ…
ふっふふふふ…
あっーはっはっはっはっは!!
面白い! 実に、実に面白い話じゃないか!
結果、ストロノーフ殺害は未遂に終わり、その帝国兵(偽)の大半は、王国が引き連れたと言っているが、その様な報告は、私の耳に届いていない。
「……………。」
「……………………………。」
「んん!んんんっん?!!」
無論、彼の話を全て信じる心算は無い。
…が、逆に これが真実だとして、しかし その全てを語らず、一部を伏せて話している可能性の方が高い…と、私は見ている。
当然これは、調査する必要が有る。
王国側にも、そして法国側にもな。
特に法国。我が帝国に『虐殺者』の汚名を被せ、更には『駒』扱いしてくれるとは、随分と良い度胸をしているじゃあないか。
場合によれば、先に攻め入るのは法国になるぞ?
「んん!んんん!んんんん!ん!」
「…それでアインズ殿?
私を訪ねてきた、本命の目的は一体、何なのかな?」
そうだ。ぷれいやーが何故、私の前に姿を見せたのか、今までの話には、必要性も必然性も まるで無い。
「ああ…その前に…」
私が今回の核心を尋ねると…髑髏な面でも解る。
アインズ殿は今、物凄く突っ込みたい表情をしているのが、凄く解る。
しかし…!
「大丈夫だ。気にしないでくれ…頼む!」
「あ…は、はい…」
「んーーーっ?!んんーーーーん!!」
そう…この場に簀巻き&猿轡で床に転がっている妖怪爺なんて、居ない。
もしも そんな気がしても、それは気のせい。
そんなのが見えていたとしても、それは目の錯覚なんだ!
≫≫≫
「成る程。」
アインズ…殿の目的は、あくまでも自分達の存在を認める事。
其処に征服等の野心は無いと、そう言っている。
聞けば、あの若作りババアの国にも、彼の友人が その拠点毎に流れ着き、ビーストマン問題の解決を対価に、それを認められたとか。
…然気に竜王国が ぷれいやーを擁したという爆弾を落とされた気もするが、それは後で考えよう。
彼が王国領に居を構える事になりながら、我々帝国に安寧を訴えるのも納得だ。
彼等…少なくともアインズ殿は本当に極力、平和的に事を収めたいのだろう。
ランポッサで無く私に会う様に助言したのも、あの若作りババアだろう。
そうで無いなら、疾うに王国は滅んでいる。
「…協力してくれると、解釈して良いのだな?」
「ああ、勿論だ。ジルクニフ皇帝。」
「…ジル、だ。」
◆ジルクニフside・了◆
≫≫≫
◆モモンガside◆
ジルクニフ皇帝…ジルとは、互いに愛称、呼び捨てで呼び合う間となった。
「「…………!!」」
同行しているアルベドとデミウルゴスが、凄く不快全開で殺気立っているが、まぁ大丈夫だろう。
「それでは…今回、我等ナザリックの存在、自治を帝国公認とさせて戴くに辺り、私達が提案する
パサ…
「こ、これ…は…紙なのか?」
さて、ナザリックが この世界で平和に生き抜く計画。
デミウルゴスが企画書を渡すと、ジルは先ず その内容で無く、その紙その物に驚く。
羊皮紙で無く、
「これは…?」
「喜劇なのは、充分に自覚しています。
しかし皇帝陛下には それを承知で、便乗して頂きたく存じます。」
そして企画書の内容を見て、ジルは再度、驚いた顔を見せる。
「ふっふふ…成る程…そう来るか…!」
そして満足気に笑みを溢し、頷いた。
◆モモンガside・了◆
▼▼▼
◆バジウッドside◆
「えぇいジい~ルぅ~!お主は儂に、何か怨みでも有るのか??!」
「黙れ。貴様の所業で、国が1つ滅びたやも知れなかったのだぞ?!」
何が有ったかと言えば、あの ぷれいやー…アインズ・ウール・ゴウン殿が去った後、床に転がっている宮廷魔術師殿の拘束を解くと、この魔術師…フールーダ・パラダイン殿は、号泣&怒り顔で、陛下に詰め寄ってきたのだ。
…いや、ありゃ当然だろ。
ぷれいやーの魔力でも感じたのか、この爺さんは いきなり執務室に飛び込んできたと思ったら、
「おおっ!貴方様こそ、正しく至高の存在!
この私を弟子にして下され!
見返りに、儂の持ち得る全てを捧げますぞ!
深淵を…魔力の深淵を、この儂にぃいーっ!」
「えーっ?!」
…と、多分、困惑しているアインズ殿に迫り寄った。
その後は眼鏡の悪魔が「落ち着きたまえ!」と、恐らくだが操作系のスキルで黙らせ、「死なす!」と息巻く巨乳美女な悪魔をアインズ殿が「スティ!スティ!」と抑えている隙に、俺が この魔法狂いを縛り付けたんだがな。
「あの御方は我が師と成り得る、偉大なる御方だったのじゃz
「バジウッド!コイツをもう1回、縛り上げろ!」
≫≫≫
「…で、陛下?
どうする心算なんですかい?」
改めてフールーダ殿を落ち着かせた後、この先の あのアンデッド…いや、ぷれいやーとの関係を尋ねてみると、
「ふっ…快諾だろうが苦渋だろうが、結局の処、選択肢は1つしか無いのは理解出来るだろう?」
…ですよねー?
「それに彼は ぷれいやー。
単なるアンデッド…モンスターとは違う。
どちらかと言えば、人間に近い。
恐らくだが、アインズは ぷれいやーの中では変わり者な類いなのだろう。
あれ程な力を持ちながら、我々の様な矮小な人間如きと、対等な関係を築こうとしているのだから。
それは幸いな話だろ?
ならば彼とは互いに承知の上で、利用しあい協力しあう…そんな関係がベストなのさ。」
「んーっ!んんー!!ふがふがふが…」
◆バジウッドside・了◆
▼▼▼
◆アルベドside◆
アインズ様が何故、帝国に対して従属隷属等では無く敢えて横、対等な繋がりを結んだのかは、私…私達には理解しかねる。
「リザードマンや西の魔蛇の時も、そうだっただろ?
力と恐怖による支配なら、どんな無能でも出来る。
モモンガさんは屍と瓦礫の山の頂に玉座を敷く様な、そんな趣味は持ってないだけさ。」
偶々? ナザリックのBARに居た まろん殿なら何かを知っていると思い、その旨を尋ねてみたが、このヒトも それに理解納得を示しているだけで、具体的には何も話して下さらない。
「俺は外様だからな、余計な事は言えないさ。
モモンガさんが何を考え、何を望んでいるかはアルベド、キミ達ナザリックのシモベだけで、その正解を導き出すべきだ。
ナザリックと帝国の関係。
俺が此処で必要以上に口を出すのは、モモンガさんだけで無く、キミ達に対しても失礼な話だ。」
カラン…
そしてグラスを鳴らしながらの、この正論。
「まあ、1つだけ言うなら…」
しかし その後、まろん殿は思い付いた様に言葉を続けた。
「アルベド達は『何故、モモンガさんは人間如きと?』…とか思ってるかも知れないが、それは俺も そうだが、モモンガさんは"アンデッド"だからだよ。
それでは、"アンデッド"とは何か?
…ユリたん♡やシャルティア、それに他のシモベや迷宮エリアのPOP湧きのモンスターみたいに その様に創られたで無く、そもそものアンデッドとは何か?
それを考える処から、始めるべきだな。」
「……………………。」
助言、有り難く存じます。
後でデミウルゴス、そしてパンドラズ・アクターと その辺り、考察する事にしましょう。
「…じゃ、そろそろ戻ろうか、ユリたん♡」
「はい♡まろん様♡♡」
「マスター、御馳走さん。また来るよ。」
「はい、またの御越しを。」
そして まろん殿は、ユリと一緒に店を出ていく。
「「♡♡♡♡♡♡♡♡」」
…手を繋いで。
「アルベド様? 今、『爆〇ね!』…とか思ってらっしゃいますね?
因みに私は、思っています。
えぇ!心の底から、そう思っていますとも!」
ええぃ!〇ァッキンペンギン、しゃぁらっぷ!!
次回『リ·エスティーゼ王国(仮)』
乞う御期待!