ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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喜劇(ファルス)

「ようこそ侵入者諸君。

私は このナザリック地下大墳墓の主、アインズ・ウール・ゴウン。

アインズ…と、呼んでくれて結構。

キミ達を客人として、歓迎しよう。」

 

◆とあるモブ兵士side◆

で、で、で、出たぁーーーーーっ?!

件の遺跡…巨大な墓?に、俺達全員が その敷地に足を踏み入れた瞬間、出入口に雷撃魔法による柵?の様な物が張り巡らされ、脱出不能、閉じ込められる形となってしまった。

…同時に現れたのが、黒ローブの骸骨(スケルトン)

見るからに魔法詠唱者(マジック・キャスター)風だが、死者の大魔法使い(エルダー・リッチ)とは全く違う!

明らかに それよりも格上な、超絶にヤバいヤツだ!

 

「「「「「ヒッ!!?」」」」」

アレを見てビビってるのは、俺だけじゃない。

いや、アレを見てビビってないヤツなんて、此の場には誰1人として居ない!

 

「お、お前が、この墓の主…だと?」

そんな中、俺達の仕切り役の団長が、身体ブルブル膝ガクガクしながらも、剣を構えながら目の前のアンデッドに問い掛ける。

 

「如何にも。…と、言うか、その剣を降ろしたまえ。

キミ達は、私の敵なのか?

私は先程、キミ達を客人として歓迎すると言ったが、そうでは無く…

敵ならば敵として、相応の歓迎をする事になる。」

 

ス…

 

「「「「!!???」」」」

あのアインズ…だったか?…が、そう言いながら静かに右手を前に翳すと、次の瞬間、俺達の周りに大量のアンデッドが音も無く現れた!

武装した骸骨兵。

単なる骸骨(スケルトン)じゃない。

淡い光を放つ金色の武具は、魔法の装備。

そんなのを身に着けている、見るからに上級のモンスターだ。

そして その後方には やはり見た事も無い、漆黒の鎧に大剣、大盾を持った、巨大なアンデッドの騎士が数体。

只でさえ出口(にげみち)を塞がれている中で、絶対に勝てないと分かる化物集団に囲まれている。

あー、オワタ。\(^o^)/

 

 

◆とあるモブ兵士side・了◆

 

≫≫≫

 

◆モモンガside◆

「ま、待ってくr…さい!

我々は決して、貴方の敵では無い!」

 

カラン…

 

侵入者のリーダーらしき男が、手にした剣を捨て、両掌を此方に向けて、敵意が無いのをアピール。

 

「ほう?…それでは問おう。

キミ達は この、ナザリック地下大墳墓に、何用で訪れたのかな?」

「そ…それは…」

俺の質問に、必死に頭の中で言葉を選んでいるな。

尤も此方は、貴様の主たる貴族より、この墳墓に眠る財宝全てを持ち帰る様に言われているのは既に承知だけどな。

知っているのか? 墓泥棒の末路は その墓の主による呪いでの死が、定番なのだぞ?

 

「わ、我々は この地に、新たに発見された遺跡…あ、アインズ…殿、ナザリック地下大墳墓と申されたか?

この墳墓の調査に赴いたのd…す!」

「む…『新たに』…だと?」

良し! その言葉を待っていた!

コレでデミウルゴス企画(プロデュース)の、茶番劇が本格的に始まりだ。

主演は俺。

キミ達は観客であると同時に、道化の役だ。

 

「ほう?これは また、異な事を言うな。

このナザリックは遥か昔より、この魔導国の地に、存在していたのだが?」

「ま、魔導…国?」

「そう、アインズ・ウール・ゴウン魔導国。

そして私こそが この城…ナザリック地下大墳墓の主にして魔導国の王、アインズ・ウール・ゴウン、その人である!」

 

バサッ!

 

………………………………。

ローブの裾を翻し、両手を広げてのオーバーアクションな決めポーズ、恥ずかしー!

台本読んでた時は そこまで感じなかったけど、実際にやってみると、結構クるぞ!?

絶対にコレ、マサトさんと まろんサンは腹を抱えて『www~!』とばかりに悶絶してる!

ジルやドラウも、必死に笑いを堪えながら肩を揺らしているに違いない!

 

 

◆モモンガside・了◆

 

▼▼▼

 

◆まろんside◆

「デミウルゴス。」

「はい?」

「お前の血は、何色だ?」

「蒼色に御座います、まろん殿。」

「…デミウルゴス。」

「…はい?」

「(`∀´ )b ナイスだ!」

「恐縮に御座います、まろん殿。」

デミウルゴス、お前は俺を、嗤い死なす心算か?(誉めてる)

思いっきりポーズ決めてるモモンガさんを見て、腹筋が崩壊寸前だ。

 

「「…www!?」」

ドラちゃんとジルクニフ君も、大爆笑を必死に我慢している様子。

 

「あははははははは!!」

そんな中、容赦無く笑っているのが約1名。

現在、ナザリックのニンジャ系のシモベ数体にカメラを持たせ、モモンガさんと侵入者の やり取りを中継。

その茶番劇と言うか喜劇笑劇を、その為にナザリックに招待したマサトにドラちゃん、ジルクニフ君達…当然、VIPには御付きや護衛同行…と一緒にライヴで観ているのだが、デミウルゴス考案の演出が非道過ぎるw(誉めてる:2回目)

今頃モモンガさん、絶対に恥ずかしさで死にそうになってるだろうな~?

直ぐに精神安定するだろうけど。

 

「素敵…♡」

「…で、ありんす♡」

「格好良い~♪」

「そ、そうだね、お姉ちゃん。」

「素晴ラシイ。」

「Glänzend!」

そして守護者の皆さんは、平常だ。

 

『ま、魔導国だと? そんなのは、聞いた事も無い!

此処は、リ・エスティーゼ王国の領地なのだが?』

『む?リ・エスティーゼ王国…だと?

申し訳無いが、私も その様な国、聞いた事も無いが?』

『な…?』

侵入者に話すモモンガさん。

実際は その通りなのだが、ナザリックが いきなり この場に現れた様に言う侵入者に対して、このギルド拠点が如何にも昔から在ったかの様に語る。

その様は、無理矢理に"白を黒"と押し通すかなブラック上司。

(ぺーぺー)だったモモンガさん、大出世www

 

「これは…酷いな…w」

「あぁ、全くだw」

お前等、全然そう思ってないだろ?

笑いを堪えられない皇帝と竜女王に内心で突っ込み。

 

「…………………………………。」

そして此処には、来賓(ゲスト)が もう1人。

(ドラゴン)をイメージさせる装飾の、白い全身鎧(フルプレート)

やはりプレイヤーという存在を知る、ドラちゃんが連れてきた人物?だ。

 

「…………………。」

その人物が、無言で映像(スクリーン)を注視している。

俺やマサトに対してもだが、モモンガさんという人格(キャラ)を見極めるかの如く、だ。

 

『ふむ? 些か眠りが、永過ぎたか?』

一方、画面の向こう側では、何かに気付いた…そんな()()を見せるモモンガさん。

その自然体、練習の成果が出てるよ(笑)。

 

「…さて、今のアインズ様の御言葉で、1人でも察する事が出来るか…ですが…」

それを見て、デミウルゴスが眼鏡を光らせクイクイ…よく眼鏡キャラが悪い事を企んでいる時の仕種を見せる。

この『眼鏡キラーン!』は、キャラ製作時、ウルベルトが課金しての仕込み(エフェクト)だそうだ。

今回のデミウルゴスの脚本(シナリオ)

とりあえずプレイヤー云々は話さないとして、六大や八欲の時代より遥か昔から、ナザリック…延いては魔導国は存在していたと捏造(でっちあげ)

ついでにカッツェ平野に埋もれている遺跡も、自分達の時代の物と設定(おおうそ)

モモンガさん(アインズ・ウール・ゴウン)は不死者の王として、この地を治めていた。

そして より強大な力を得る為に、一時的な眠りに着いた。

その間に、後から人間が上書きするかの様に魔導国の地に王国を築き上げ…からの『おはようございます』が、今回の喜劇(ファルス)の大まかな粗筋だ。

 

≫≫≫

『…永きに渡り、放置していた私達にも、当然 落ち度は有る。

だから、魔導国だった領地全てを還せとは言わない。…が、このナザリック周辺の地は、私達の物だと認めて欲しい。

私達の望みは1つ、静かに時を過ごしたい…それだけなのだよ。』

モモンガさんと侵入者達は、嗤い顔の黒仮面を着したプレアデス()人が用意した即席の茶席で、話し合いが始まっている。

 

『あ…ィンズ殿、其方の言い分は理解した。

しかし、それは私達が直ぐに「はい、解りました」と言える問題で無いのも、解って欲しい。』

あの侵入者側の代表は、既にモモンガさんやアンデッド軍団のレベルは理解出来ているか、少なくとも戦闘は回避したいみたいだ。

 

『そうだろう。それは私も、理解しているさ。

それ故にキミ達は、無事に主の元に帰還して全てを報告。

それを介して、その後に居るであろう国王に判断を仰いで貰えたら、それで良いさ。』

『…そう言って貰えると、我々も助かる。』

プレアデスが注いだ紅茶を飲みながら、リーダーっぽい男が話す。

30人相手に給仕するプレアデス、お疲れだな。

 

「まろん様は紅茶の お代わりは、大丈夫ですか?」

「ああ、ユリたん♡ よろしく頼むよ♡」

「はい♡」

「え~と、ユリ? 済まないが私には、ブラックコーヒーお願い出来るかな?」

「私も それ、お願いね。」

「以下同文でありんす。」

「…てゆうか、まろん以外の全員分じゃな。」

「畏まりました。」

 

≫≫≫

『それでは、良い返事を期待している。

…帰り道、我が配下を護衛に着けなくて、大丈夫かな?』

『い、いや、それには及ばない。』

その後の話し合いも、ナザリック側の『自分達は静かに平和に過ごしたい』のスタンス推しで進められ、お開きに。

 

『それでは、キミ達の主殿にも、手土産を用意しないとな。…セバス。』

『は…アインズ様。』

モモンガさんの呼び出しで、セバス登場。

その両手には、大きな鞄を持っており、

 

カパ…

 

『『『はぁあっ??!』』』

それを開けて出てきた中身に、驚愕する侵入者の皆さん。

鞄の中にはオリハルコンにミスリル、アダマンタイトの鋳塊(インゴット)が、隙間無く詰められていたのだ。

 

『友好関係を望む、私なりの誠意だが…まだ量が不足だろうか?』

『い、いやいやいや! コレ程の物を…!

アインズ殿。この品、確かに我が主に、そして国王に届けると約束させて貰う!

そして後日、次は我々で無く城就きの者となるであろうが、互いに善いであろう返事をする為に再び この地に訪れる事を、誓おう!』

大興奮(ハイテンション)なリーダーが、モモンガさんに力強く応える。

 

≫≫≫

「はぁ~…疲れましたよ。」

「モモンガさん、乙♡」

「乙www」

「お疲れ様です、アインズ様。」

「まろんサン マサトさん、笑うの我慢していませんか?」

「「していない。」」

「いや、支配者然な、見事な立ち振舞いだったぞ?」

「うむ。その辺りは、流石は ぷれいやーじゃな?」

そして彼等を見送って少しした後、モモンガさんも此方の上映会場だった客室に顔を見せ、 おちょくり 労いの言葉を掛けたり。

 

「あれ? あの鎧のヒト…は…?」

「ぅむ…ヤツなら先に、帰ったわ…」

そして客の1人であるドラゴン鎧の不在に気付き、それを尋ねると、ドラちゃんが少しバツが悪そうに受け答え。

 

「「「「「(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)…!」」」」」

因みに守護者の皆さんは、モモンガさんに挨拶の1つもせずに帰った事で、凄く(おこ)

それを察したモモンガさんが、柔んわりとフォローしたり。

   

「とりあえずは、直ぐに世界を滅ぼそうとする輩とは、認識しなかった様だぞ?」

「…だと、良いですがね。

この先、予測される展開も伝えたんですよね?」

「うむ。()()については管轄の外らしいから、敢えて口を出さぬと言っていたわ。」

自称『世界の守護者』様からは、今回は その様に見られたらしい。

 

「全く…何様なのでしょうか?

あの者、此方が用意した御茶や茶請けにも一切、口にせず…!」

「それ以前、我々に素顔を見せないなんて、礼に欠けりにも程が有り過ぎるでありんす!」

「え?」

「お前達、気付いてなかったのか?」

「「「え?」」」

「「「はい?」」」

 

≫≫≫

「さてと、第2幕は、どうなりますか…」

「展開次第ではジルクニフ皇帝。協力をお願いますよ?」

「ああ。それは元より、互いに頼り、利用し合う事になっていた筈。

違いますかな?デミウルゴス殿。」

「「あ、あの…?」」

その後も色々と話していると、今回、ジルクニフ君の護衛役の騎士2人が、申し訳無さそうに俺達に声を掛けてきた。

イケメンな若い兄ちゃんと、片目を髪で隠した美人さんだ。

何を言いたいかは、大体 分かるけど。

 

「ん~!んんん~っ?!!」

しかし妖怪爺(それ)の拘束を解くのは、帝国に戻ってからにして下さい。

 

「ジル。悪いがフールーダ殿は、今後ナザリック出禁な。」

「いや、マジに爺が申し訳無い。」

「ん!?んっんんん~〜ん~~~っ??!」

 

 




【補足】
①ドラウやジルクニフは、冒険者モモンやマカロンの正体も、既に承知。
 
「まさか、少し前に闘技場を賑わせた男が、ぷれいやーだったとはな…」
「他言は無用な。」
それを踏まえての、上映会でした。
 
②ドラウの御付きには、宰相さんが居ましたが、今回はドラちゃんが我儘言わなかったので出番(セリフ)が有りませんでした。
 
次回『フラグ(仮)』
乞う御期待! 感想ヨロシクです。
   
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