ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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冒険者組合にて

◆とあるモブ兵士(元)side◆

知り合いの城勤めの兵士から聞いた話だが、バルブロ王子が行方不明になっているらしい。

ついでに俺の元・主様(笑)の 知恵無い子 チエネイコも、だそうだ。

何でも、例の遺跡から近い開拓村から、徴兵の追加をしようと大勢の兵士を率いて出た矢先…って話だ。

大勢って…無理矢理に連れ去る気満々だったろ。

…ってか、あ~ぁ…こりゃ、死んでるな。

あの骸骨様か、その部下さんに殺られちまってるな。

…でも、下手すりゃ俺も、その行方不明の仲間入りしてた可能性が大だった訳で。

俺達が あれだけ『あの遺跡ヤヴェエ』って言ったにも拘わらず、あのバカ主(元)、再度、その遺跡に今度は自分の親分貴族と一緒に攻め込むとか言いやがったからな。

あの金塊見て、それで満足せずに親分共々『もっと欲しい』『もっと寄越せ』になったんですね。解ります。

…で、俺や その他、あの遺跡の恐ろしさを知っている連中は その侵攻を辞退すると言ったら あのバカ、躊躇無く俺達を即クビにしやがった。

ま、結果的に正解だった訳だけどな。

屋敷の執事長さんは良識人で、あのバカには内緒で退職金を払ってくれたし。

そして今は次の働き口を探す繋ぎで、冒険者組合に通っているが、やっぱり戦士系職のソロじゃ、まともな仕事は紹介して貰えねぇ。

一応、あのバカに仕える前は銀級(シルバー)の階級を持ってたんだけどなぁ?

流石に掲示板のド真ん中にデカデカと貼ってある、()()を受ける気には ならないしな。

あ~ぁ、誰か俺とパーティーを組んでくれる、神官や野伏って居ませんか?

魔法詠唱者(マジック・キャスター)

そりゃ、出来たら その方が有り難いが、流石に高望みが過ぎるだろ?

何処かに仲間募集している魔法詠唱者(マジック・キャスター)って居ないかなぁ?

それが巨乳な美少女ちゃんなら尚良し!

 

 

ざわ…ざわざわざわざわざわ…

 

 

ん? 何だか周りが ざわつき始めた?

誰か有名人でも…って!

も、もしかして あれって噂のアダマンタイト、ブラック&ゴールドか?!

うっゎ…強者オーラ、マジ パねぇ!

ついでに あのポニテちゃん、少し性格キツそうだけど、マジ美人!

あの3人、依頼が貼ってある掲示板には目もくれず、2階に上がって行った。

…組合長に何か用事か?

 

 

◆とあるモブ兵士(元)side・了◆

 

▼▼▼

 

◆モモンガside◆

「組合長。申し訳無いが、私達は冒険者。

決して傭兵なんかじゃない。

敵国兵士やモンスターが街に攻めてきたとか言うなら兎も角、戦場に出向くのは遠慮願いたい。」

「そ、そうか。ん、知ってたよ。

モモン君なら、そう言うと思っていた。

…他の皆は、どうなんだ?」

アインザック組合長から呼び出しを受け、何事かと思えば、王国から冒険者にも次の帝国との戦争に参加させて欲しいと、王国各都市の冒険者組合に要請が有ったそうだ。

いよいよ、人材不足な様子だな。

先ず、俺達が それなりな理由を出して断ると、一緒に呼ばれていた他の冒険者チームも揃って首を横に振る。

どうやら報酬が、割りに合わないらしい。

…と言うか その戦争、俺は帝国(あっち)側で参加するんですけどね!

 

「そうか。いや、そうなるのは私も分かっていたさ。

諸君、態々呼び出して すまなかったね。

それでも一応、確認する必要が…皆から直接に応えを聞く必要が有ったのだよ。」

申し訳無さそうに頭を下げる組合長。

オシゴト、タイヘンダネー。

 

≫≫≫

「エ・ランテルからは、誰も出ないですか。」

「他の街の冒険者は どうなんだろうな?」

「"朱"とか"蒼"とか…ですか?」

組合長室を解散した後は下のフロアで、他の冒険者と その続きを話す。

 

「正直な話、金額が残念過ぎます。」

何処かの愚か者は、欲に走って命を落としたが、此方の冒険者は欲張った故に命を拾ったという感じだ。

この冒険者の戦争参加の件は、仕事依頼の掲示板にも募集の紙を貼ってあるが、誰も それを受ける様子は無く。

先程 組合長に呼ばれたのは、金級(ゴールド)以上のチームだったりした。

 

「正直な話、金額が残念過ぎます。」

…2回言わなくても良いぞ?

 

 

◆モモンガside・了◆

 

▼▼▼

 

◆まろんside◆ 

バハルス帝国の帝都アーウィンタール。

現在、その皇城にて、会議(ミーティング)が行われている。

主な出席者は帝都からはジルクニフ君と その護衛の四騎士に妖怪爺(フールーダ)

それから軍部の責任者や貴族の皆さん。

魔導国…モモンガさんは正式にナザリックをアインズ・ウール・ゴウン魔導国と名乗る事にしたらしい…からはモモンガさんとアルベドが。

モモンガさんは既に、この場の者には異形(プレイヤー)だと知らされているが、それでも精神衛生上の配慮か、ローブの胸元を締めて腕にはガントレット、そして嫉妬マスクを着けている。

因みにアルベドは、角も翼も隠していない。

これは骨と美女の差か?

俺は竜王国からの…今回の戦争、帝国側の立ち合い役として招かれた形だ。

竜王国も人材不足なのは分かるが、何で俺なんだ?

ドラちゃん…正気か?

大体、立ち合いって何?

モモンガさん(プレイヤー)が介入しているから、その辺の関係か?

…だとしても、それなら当日現場に顔を出せば、それで済む気がするが。

この会議に参加しなければならない、その意味が解らない。

 

≫≫≫

「…そんな訳だから、初手は魔導王殿に…

かなり派手で それなりの破壊力殺傷力が有り、且つ此方側の兵が どん引かない様な魔法をお願いしたいのだが?」

「フッ…随分と我儘な注文だな、ジルクニフ皇帝?」

「ん?無いのか?有るのだろう?」

「はっはっはっ! そんな風に言われたら、やらぬ訳には往かないじゃないか!」

そして話し合いの中、初めの一撃はモモンガさんの大技に決まったり。

ジルクニフ君の冗談めいた煽りに、モモンガさんもノリノリ。

開幕オーバーキル確定。

これは王国の奴等に同情するぜ。

 

「………………………。」

そしてアルベド、落ち着け。

気持ちは分からんでもないが、お前も察してるだろう?

モモンガさんが今、この やり取りを純粋に楽しんでいるのは。

 

≫≫≫

「♪♪♪~♡」

アルベド上機嫌。

理由は会議も終わり、その場は お開きになった時に此方に話し掛けてきた、1人の貴族の一言だ。

参加していた帝国の偉い人達も、緊張を解いた表情で軽く雑談をしていたり。

そんな中、魔導王(モモンガさん)にも「お疲れ様でしたな」と声を掛けてきた この男。

気安く(フレンドリーに)話してきた男と、それに気軽に応えるモモンガさん。

会議中も そうだったが、アルベドは最初は「ムシケラ如きがアインズ様に気安く…!」な感じで殺気全開となるが、

「…処で、此方の お美しいレディは、魔導王殿の妃様ですかな?」

「そうです。」

「ま゙…ろんざんん?!!」

そのタイミングでの この一言。

即座に俺が、モモンガさんが何か言う前に肯定するとアルベドさん、

「【妃(きさき)】…王の妻の事。

それ即ち、魔導王アインズ様の妻…

そう!『正妻』と書いて、つ・ま!!

くっふーーーーっ♡

…な、具合だ。

さっきまでのイライラ全吹っ飛び、腰くねくねの翼パタパタ。

ついでに髪の触角?でハートの形、作ってる。

見知らぬモブ貴族さん、ナイス!

 

≫≫≫

「ま、ままま、まろんサン!

アナタは何を、言っちゃってくれやがってるんですか!??」

「あー、もう壁ドンは良いから?

そーゆーのはアルベドに やってやりなって。

また体くねらせれて悦ぶぜ?」

「しゃあらっぷ!」

そしてナザリックに戻った後、その事でモモンガさんに言い詰められているが、大体"王"を名乗るなら、傍に控える妃は必須だろう?

それなら今のナザリックの面々じゃ、"正室"ならばアルベド一択でしょうが。

シャルティアには悪いけど?

いい機会じゃないか。

彼女の設定、『モモンガと相思相愛』と書き換えた責任、取っちゃいなさいよ?

 

「う…そ、それは…」

「彼女の生乳(おっぱい)、吸った揉んだしたんでしょ?」

吸っては いません!

触っただけです!

それに、転移した時の1回だけですよ!?

それだって、ペロロンチーノさんみたいな変な考えは持ってなくて、本当にゲームか現実(リアル)かを確認…(以下略)」

必死に弁明するが、それは それで酷いと言うか、アルベドが可哀想だぞ。

ヘタレか? ンフィーレアか?

 

「"人化"系のアイテムなら、いっぱい持ってるでしょうが。

さっさと決めちゃいなさいよ、このDT。

大丈夫。アルベドなら土下座なんてしなくても、迎えてくれますよ。

何なら俺が彼女、焚き付けましょうか?」

「絶対に止めろ下さいよね!」

 

 

◆まろんside・了◆

 

▼▼▼

 

◆モモンガside◆

翌日。

冒険者組合の方に、ブラック&ゴールド宛てに手紙が届いたそうだ。

手紙は2通。

1通は、まろんサン…マカロン個人宛て。

 

「またかよ…

あのオッサンも いい加減、諦めが悪い。」

差出人は、バハルス帝国の興行主。

以前、帝国の闘技場でのマカロンの闘いを見て、それから幾度となく、出場の呼び掛けをしているのだ。

しかし まろんサンは、

(マカロン)は闘士じゃないからな。」

という、『冒険者は傭兵じゃないから戦争には出ない』と同じ様な理由で、ずっと断り続けていた。

1回位、出てやったら どうですか?

そして、もう1通。

この差出人が、結構な大物だった。

王都を拠点に活動している、アダマンタイト級冒険者チーム【蒼の薔薇】からだったのだ。

…その内容は、『近日中に会って話をしたい』との事。

しかも その手紙の締めは

 

 

この手紙が届く頃には、私達は仕事でエ・ランテルを訪れていると思います。

宜しければ、その時にでも…

 

 

…と綴られていた。

 

「最初から、その心算な様ですね。

チィッ…私達を呼び寄せるで無く、蛞蝓が自ら此方に来る気構えだけは、評価してやらなくもないですが…」

ナーベラルが毒づいているが、一体 俺達に何の話だ?

単に同じアダマンタイト級という事で、冒険者として少し話したい…とは違う気がするが。

 

カラン…

 

「お~ぅ、邪魔するぜぇ?」

 

ざわ…ざわざわざわざわ…!

 

扉の開く音と野太い声。

同時に場に、普段から俺達が組合に顔を出した時に起こる様な ざわめきが。

見れば、5人?…5人の女性?…女性だな、が。

格好からして冒険者なのは分かるが、エ・ランテルの者じゃないな。

 

「……………。」

キョロキョロと周りを見渡し、俺達の方向で その視線を止めると、揃って此方の方に向かってきた。

ん。コレは、アレだ。

噂をすれば…ってヤツだ。

 

「…失礼? アダマンタイト級冒険者チーム…ブラック&ゴールドの方々ですね?」

そして その先頭、リーダーっぽい女が、話し掛けてきた。

 

「…その通りだが。

一応、尋ねさせて貰おう。貴女方は?」

「…手紙は読んでもらえたみたいですね。

初めまして。私達は冒険者チーム蒼の薔薇。

そして私はリーダーのラキュース・アルベイン・デイル・アインドラです。」

 




【次回予告】
 
◆ナーベラルside◆
アインズ様と まろん義兄様を訪ねてきた、冒険者チーム【蒼の薔薇】。
ふん…確かに其処等のミジンコとは違う感じだが…
一体、何の用事なのだ?
 
次回『虻と藪蚊と蝿x2と甲虫(♀)』
期待しなさぃ…って、えぇい!? 何なのだ お前は? あ、足に しがみつくな!
 
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