ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました 作:挫梛道
「まーろーんーサーンーっ!?」
どんっ!
「ぁ…どん…」
◆モモンガside◆
「アナタは一体、何をしているのですか?」
「いや、普通、目を覚ました時に いきなり目の前に美人さんが居たら、プロポーズするでしょ?…ってモモンガさん、近い、近いよ?」
…しませんよ! どんな普通ですか?!
プレアデスが まろんサンを玉座の間に連れてきた。…は、良いんだ。
しかし、彼方で何かが有ったのか、ユリの様子が かなり変。
どんな風に変だと言えば、
「ユリ姉~、今、どんな気持ちっスか?
初対面のイケメンに いきなりプロポーズされて、今どんな気持ちっスか~?w」
「は…ぅ…ゎ…」
顔を真っ赤にして頭から湯気を出しての、はわわ状態なのだ。
何が有ったのか聞いてみれば、ユリを弄っているルプスレギナの台詞そのまんまな展開が起きたらしい。
…そんな訳で現在、まろんサンを問い詰め中。
「ユリ姉様は綺麗ですから、初対面の殿方に いきなり求婚されても、別に可笑しな話ではないですわ。」
「お似合いです。」
「…よくある話。」
「美男美女カップルぅ~。」
いや、その考え方も可笑しいと思うぞ?
「…で、モモンガさん?
ユリさんとの挙式の話は後として、
…で、もうユリとの結婚は確定事項みたいな言い方で、この異常事態…ゲームが終わってなかったりログアウト出来なかったり運営に連絡繋がらなかったりNPCが勝手に動いてる事について、まろんサンが聞いてくる。
「それが、俺にも分からないんですよ。」
◆モモンガside・了◆
≫≫≫
◆アルベドside◆
まろん殿。
モモンガ様、並びに至高の御方々の
見た目は
恐らくはスキルかアイテムで、種族を認識させない様にしているのだろう。
そしてモモンガ様は あの方に、ユリの件で尋問?しているが、本当に怒っている気配は感じない。 壁ドンは羨ましい!
その会話は まるで、ペロロンチーノ様やヘロヘロ様達との やり取りを思い出させる。
そう、モモンガ様も楽しんでおられる…そんな感じだ。
聞けば、今回もモモンガ様が言われる
その途中で寝落ち…モモンガ様との会話の最中に眠りこけてしまうとは、何て無礼な輩だと思いましたが、『そんな事は言うな。多忙な中、それこそ寝る間も惜しんで、ナザリックに訪ねてきてくれたのだぞ。』の言葉に、考え方を改め。
言われてみれば、その通りです。
私達を…いや、モモンガ様を見捨て、ナザリックを去っていった
その後の私の謝罪に、モモンガ様は特に罰する事無く、許して下さりました。
私は死断を覚悟していたのに…嗚呼、何と慈悲深き御方!
「失礼します。…おや? そちらの方は?」
そんな中、玉座の間に入ってきたのは第7階層の守護者、デミウルゴス。
自身の管理する階層の異変調査を終え、報告に来たのね。
そう…もう そんな時間。
あれから、モモンガ様の言われた2時間が経とうとしているのね。
「失礼します、モモンガ様!…って?」
「し、知らないヒトが居ますぅ?」
「な、何者でありんすか?」
そしてデミウルゴスに続き、別の守護者達も次々と集まってきた。
「ああ、このヒトは まろんサンと言って、私の友人でな…」
「「そしてユリ姉の婚約者ッス。」
です。」
「おっおぉ~、何っ!でっ!すと!」
「ソレハ、目出度イ事ダ。」
「おめでとうございます。…わん。」
「ち、ちちち、違いますから!
大体、初対面の第一声が『結婚して下さい』って、有り得ないじゃないですか?
普通は、お友達とか恋人から…そういうのでスタートじゃ、ないですか?!」
モモンガ様、そしてルプスレギナ達による まろん殿の紹介で、また顔を真っ赤にするユリ。
…って、その否定の仕方、まろん殿自体を拒否してる訳では無い? 実は満更でもない? 脈アリ?
「…成る程。そういう事でしたか。」
そう、そういう事よ。
≫≫≫
「…その様な訳で、幸いにも…と、言うべきですか?
第7階層でも、異常らしき事態は確認出来ませんでした。」
各階層・領域守護者が再度集まり、モモンガ様の御命令…各自が管理しているエリアに、何らかの異変の有無の調査の報告が始まった。
結果からすれば、ナザリック地下大墳墓内部には、異変は確認出来なかった。
…しかし、
「既にモモンガ様には外に出た時、直ぐに《
ナザリックの外側の調査に出たセバスから、驚くべき言葉が。
曰く、ナザリックの周囲を囲んでいた毒沼は消え去り、数㌔に渡り草原が広がっているとの事。
「…その先に、人間達が築いた集落を確認しましたが、まだ接触は しておりません。」
「…成る程な。」
一通りの報告を聞き、何やら考え込むモモンガ様。
「まろんサンは、どう思います?」
そして、この報告の場に同席していた まろん殿にも、意見を聞いてきた。
「…そうだな。モモンガさんも既に薄々気付いてると思うが…
…失礼!」
ボォッ!
「「「「!!?」」」」
そう言いながら、左手を天井に掲げると、その手から魔法か?…巨大な炎を出す まろん殿。
よく見れば、5本の指先から それぞれ、炎の球を出している。
黄金の鎧から見て戦士系
この突然な攻撃的行動に、この場の者の全てが まろん殿に対して戦闘の構えを取るが、
「大丈夫だ!」
「「「「「「…?!」」」」」」
それはモモンガ様の一喝で、鎮まってしまう。
「成る程…ね…」
シュゥ…
数秒間、左手に纏わる炎を確認、納得するかの様に見つめた後に それを消し、
「すまない。驚かせたな。
…モモンガさん、どうやら俺達はユグドラシルの
「やはり…そうなりますか…。
もしかして…とは思っていましたが、もう、本当に認めるしかないんですね。
ならば とりあえず、この地が如何なる地なのか、知る…調べる必要が有ります。」
「それだけじゃない。
「そうですね。それから…」
まろん殿が話す仮説に、モモンガ様も同じ事を考えていたのか、それに同調。
その後も一部、この2人にしか解らない単語を織り混ぜながら色々と話されていたが、私達が このナザリック地下大墳墓毎、別世界に転移した…それだけは、理解出来ました。
そして これから、我々が この地にて、どの様に動いていくかの話し合いが為された。
さしあたりナザリック地下大墳墓は、外壁を土と草でコーティング、上空はモモンガ様自らが幻術を施して丘を偽装。
更に違和感の無い様に、周囲にも同規模の丘を多数 作り、その姿を隠す事に。
「今の私達に最も必要なのは、この世界に関する、ありとあらゆる情報だ。」
そしてセバスが見付けた集落に、隠密活動に特化したシモベを送り込み、情報の収集。
これは主に、兵力・戦力を含む文化・生活の
≫≫≫
「いやいやいや、タダ飯食らいとかヒモとかは、嫌だから。
何でも用事、言ってくれよ。」
そして まろん殿。
御自身も所属ギルドのメンバーに向けて《
行く当ても無く…と言ってモモンガ様の御友人という事もあり、外に放る事が出来る訳も無く。
とりあえずは食客としてナザリックに腰を据えて貰う事に。
当人は何もしないのは申し訳無いと、雑用でも何でもこなすと…『俺、一応は家事スキル持ちだぜ』とか言っておられたが、モモンガ様の御友人に そんな雑用事を頼める筈も無い。
ただ、御方々に代わり、モモンガ様の傍に居て…御友人として普段の話し相手になって貰えたら、それで善いのです。
それは私達…今の私では、決して務まらない役目なのですから。
いえ…それも違う。
私達は どう足掻いても、御方の代わりには成り得ない。
ならば! 御方達とは別の方面、同志や友人とは違う立ち位置で、モモンガ様を支えれば善いのです!
そう!例えばモモンガ様の恋人とか愛人とか情婦とか妻とか嫁とか妻とか妃とか妻とか奥様とか妻とか!
ええ!元より
ぅふっふっふ! ど~うだシャルティア!…ついでにアウラ!
モモンガ様の正妻レース、少なく見積もっても私が10000歩は、リードしてるわよぉ?!
◆アルベドside・了◆
≫≫≫
◆モモンガside◆
カルネ村。
転移初日に、ナザリックの外に調査に出たセバスが、見つけた開拓村だ。
この世界を知る足掛かりとして、先ずはフウマやハンゾウ等の隠密・諜報活動に特化した、『ニンジャ』型のシモベ数体を村に潜らせ、様子を探らせていた。
「この村…と言いますか、このナザリック地下大墳墓周辺は、リ・エスティーゼ王国なる国の領地の様です。
そして この村の、生活水準ですが…」
それから数日。
今は そのシモベ達からの報告を、資料として纏めたデミウルゴスが読み上げているが、どうやら この世界の文化レベルは、所謂 王道な中世RPGの世界の其れらしい。
村は基本的には自給自足。
そして その獲れた作物と、村の近くの森林で取れる薬草…一応、高級品らしい…を特産品として、エ・ランテルという都市に卸し、その際に不足物資を仕入れる事で、生計を立てているらしい。
また、一番知りたかった情報…戦力的なレベルは、この村には『護り手』の様な存在が居ない為、まだ未知数…しかし、文化レベルからして、決して高くないと思われる…とか。
「ならば次は、そのエ・ランテルとやらにシモベを忍ばせ、情報を集めるか…って、えぇっ?!」
そう言いながら、遠視のアイテム、
平和な田舎の風景…に、突如、武装した集団が襲撃してきたのだ。
そして其れは山賊等の、野盗の類じゃない。
揃いの立派な装飾の鎧は、明らかに国か或いは其れなりの組織に属している。
「奪うで無く犯すでも無く…」
「只 殺すだけ、ですか…」
金品や食糧等の略奪が目的で無く、本当に単なる殺戮が繰り広げられる場面。
それは
この数日で分かった事だが、
だからこそ この悲惨な光景も、何も思わず感じず客観的に、観る事が出来ている。
「モモンガ様、如何いたしましょう?」
「…如何とは、どういう意味だ?」
…異形種であるが故か、人間種に対する情も失せているのも自覚していた。
「助ける義理も義務も無い。
滅ぶなら それが運命で、それが彼等の寿命なのだろう。」
それ故にセバスの言葉にも、『救う』という考え、発想には至る事も無く。
「いや、モモンガさん!それは不味いだろ!?」
しかし、此処で まろんサンが、それに物申してきた。
「分かるぜ?
それは俺も、同じだから分かるさ。
…でも、気付いてないのかよ?
それが、
………………っ!!?
「結果的に救えなかったら、それは それで仕方無いさ。
…でも、だからこそ、機械的、事務的でも…或いは自己満足でも何でも良い、今 動かなかったら…此処で彼等を見捨てたら、もう本当に戻れないぜ?
それでも良いのかよ?!」
………………………。
アルベド達NPCの前だからか、まろんサンが意図的に
そして人間種に対する情の喪失…
それが身体だけで無く、精神さえも
「俺は…」
参考迄にアルベドさん、モモンガさんに きっちり魔改造されております。(笑)