ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました 作:挫梛道
前回から引き続き、王国貴族sideから
◆プルムラシューside◆
な…何故バハルスの皇帝が、此の場に居る?
もしや、私が此処に呼び出された理由とは?
まさか此奴、この私を
「プルムラシュー。貴様は以前からバハルス皇帝に、我が王国の情報を色々と、流してくれていたらしいな?
このジルクニフ殿が証人だ。
誤魔化しは利かないぞ。」
「そういう事だよ、プルムラシュー殿。」
「…くっ!」
…やはり!
えぇい、この若僧が!
恩を仇で返すとは、この事か!
今まで私が、どれ程 帝国に有益な情報をくれてやったと思っているのだ?!
「先にザナック王に誤解されない様に言っておくが、私は…我々帝国の方から、この者に情報を求めた事は、只の1度も無い。
この男が頼みもしないのに勝手に、色々と流してくれただけだ。」
な、何を今更…『悪くない情報だ』とか、言っていたでは無いか!?
「しかも その情報も、帝国から間者を忍ばせれば、結局は簡単に入手出来そうな物ばかりだったからな。
そういう意味ではザナック王よ、この者を責めるのは止めてやってくれないか。
何れにせよ、知り得た事だったのでな。」
「いや、普通に間者を…とか言うのは、出来れば止めて頂きたいのだが…」
何…だと? それじゃあ何か?
私が今まで、帝国にしてきた事は、全て無駄な事だったとでも、そう言いたいのか?!
「まあ、一応は謝礼の意味で、その間者を送り込むのに必要な経費の、半分位を渡してやっていたが。」
「ジル…それがダメダメだったのだと思うぞ?
一番最初の それで味を占め、次々と続いたのでは?」
皇帝の言葉に、アンデッド…魔導王?が溜め息口調で駄目出しをしてきた。
「…兎に角、そういう事だ、プルムラシュー。
非常に残念だ。まさか王族派の お前が、陰で帝国と繋がっていたとはな。」
「お待ち下さい、ザナック王!
私が その様な事をする筈が!?
こ、これは、帝国の策謀ですぞ!
この私を、陥れr
「見苦しいぞ! マネイカ・ネイゴン・プルムラシュー!!」
…????!
◆プルムラシューside・了◆
≫≫≫
◆ジルクニフside◆
…さて、この新しい国王の裁量、直と拝ませて貰うぞ。
戦勝国として、敗国である王国に、捕虜とした
・城塞都市エ・ランテル並び、トブの大森林周辺の王国領の割譲
・アインズ・ウール・ゴウン魔導国の認知
・上記割譲領土の魔導国への譲渡の承認
・ランポッサⅢ世の王位退役
・ランポッサの代わりに、ラナー王女を帝国に呈出
・その他
…その他については、貿易関係事が主だった内容だが、実は それとは別に、もう1つ。
新王ザナックに、
王としての器量と覚悟を示せ
…コレについては、良い意味で私の予想の斜め上な応えを、この新王は見せてくれた。
前座とでも言うか、まさか八本指と関係を持っていた貴族に対しても、
少しばかり評価を、上方に修正しなくては。
「先に処分した者達は、単に犯罪組織と結び付いていた…まだ単に犯罪者として処す事が出来た。
本来ならば、これ等も公に審議した上で、処分しなければならない処だが、それをやろうとすると、また有耶無耶にされたり、最悪 逃げ出される可能性も有ったからな。」
確かに。貴族を罪人として裁くならば、それなりの手順が在るのは当然。
しかし それは、逃げ道を作る時間を与えるのと同じ。
「…しかし、貴様は只の犯罪者で済ませる問題では無い。
何しろ我が国の情報を他国に、しかも抗戦中の国に漏らしていたのだからな。
立派な反逆行為だ。
「…っ!」
床に転がる無数の屍に目を向けながら、話を続けるザナック。
それに対してプルムラシューは もう誤魔化しが効かないと開き直ったか、己の主を敵の様に睨み付ける。
「貴様の処刑は当然として、御家の方も資産全て没収の上での爵位を剥奪させて貰うぞ。」
「そ、そんな…?!
じ、ジルクニフ様!」
「む?」
此処で最終宣告されたプルムラシューが、今度は私に声を掛けてきた。
「問いたい! この状況、如何に、自身でも掴めた情報だったとは云え、それを教えてきた私に対して、何か助け船を出される心算は無いのか?」
「…は?」
おっと、いかんいかん。
余りの質問に、間抜けな声を出してしまった。
と言うか、この男は、一体 何を言っているのだ?
「……………………。
何を言っているのか、よく解らんが。
情報の見返りなら その都度、金を送り渡していた筈だが?」
「し、しかし!」
「もしかして、アレを手土産に帝国に鞍替えしようとでも、そう思っていたのか?
冗談にしては面白くないぞ?
他国に自国の情報を売り渡す。
そんな人間を、私が…帝国が受け入れる筈も無いだろう?」
「な…!?」
帝国の情報を、今度はスレイン法国辺りに流されでもしたら、堪った物では無いからな。
≫≫≫
「んぐぁぐーっ!??」
…その後、あの裏切り貴族は、目隠し猿轡付きで拘束されて、兵士達に何処かに…恐らくは地下牢だろうが…連れて行かれた。
後日、断頭台…だ、そうだ。
「見事な裁量だった…と、言わせて貰うぞ、ザナック王。」
「ありがとう…と言うべきか?
私の覚悟は、御眼鏡に適いましたかな?」
「ああ。実際に あの男の首を、跳ね落としたならば、その時はランポッサ殿を王国に帰す事を約束しよう。
…と、その前に、」
「ラナー…か。
アレとは決して良い仲だったとは言えぬが、嫌い合っていた訳でも無い。
母親が違うと云えど、妹なのは変わりない。
王では無く兄として言わせて貰うが、好くしてやって欲しい。」
話は今後の事に。
とりあえずは、公にはランポッサの代わりに人身御供となる、ラナー王女の件だが…
「ああ、それば私にでは無く、此方の魔導王殿に言ってくれるか?」
「な…?!」
「彼女の"才"を、アインズは高く評価していてな。」
「そういう事だ。
今後 彼女は、我が魔導国の政の一角を担って貰う事になる。
私がジルクニフ皇帝と共に、此の場に参じたのは、それを伝える為だ。」
「な…」
いきなりの行き先変更の報せに、しかも単なる
「ラナー王女が只単に、『御優しい お姫様』だけで無い事に気付いているのが、貴殿だけだと思っていたか?」
「何処から、どうやって其れを…
アレの
私は単純に、ラナーの輿入れとばかり思っていた…」
「はっはっはっ…っ!」
確かに そういう風に受け取るのが、大衆的に見ても、自然な話だが…
あの女を妻として迎える、だと…?
冗談では無いぞ!誰が、あんな女を?!
「あぁ、念の為に言っておくが、私も彼女を、そういう風には考えてないからな?
安心して良いぞ?」
知ってるよ。何しろ、新婚さんだからな~?w
◆ジルクニフside・了◆
▼▼▼
同じ頃…
「バハルスの皇帝と魔導王が今、この城に来られているそうです。」
「………!!」
リ・エスティーゼ城の一室にて、黄金の形容が相応しい髪の少女…リ・エスティーゼ第3王女ラナーが、従者の少年・クライムと話していた。
「私を、お父様の身代わりとして魔導国に招き入れる為、迎えに来たのでしょう。」
「…な?! あ、あの、アンデッドの王の元です…と??!
ラナー様は、バハルス帝国に行かれる筈では…?」
≫≫≫
◆ラナーside◆
ふふふ…クライム、驚いているわね。
それも仕方無き事。
表向きには、私は帝国に囚われの身となった国王の代わりに差し出される、悲劇の お姫様…という事になっているのだから。
それが まさか、実はアンデッド…魔導王陛下の下に就くなんて、誰にも想像出来ないでしょう。
しかし それも、全てが戦争が始まる前に決まっていた事。
そう…あの戦場で お父様が
それも全ては、クライムの為。
あの日の夜、デミウルゴス様が私を訪ねて来た時に、全ての筋書きが、決まったのですよ?
「クライム…私は魔導国に入ったら、もう2度と王国の地を踏む事は無いでしょう。」
「………………………………。」
「それは王国が魔導国、帝国に対する敵対行動を取らせない為の人質。
聞く処によれば、魔導王陛下は『王』を名乗られると同時、お妃様を娶られたばかりだとか。
そして魔導王陛下は、男女の間には ヘタレ 奥手 誠実な御方と聞いています。
無体な事は されないでしょうけど、それでも一生、お人形さんの様に飾られた儘な お客様で終わるやも知れません。」
「姫…様…」
嗚呼、クライム!
そんな泣きそうな顔をして!
私を可哀想だと思ってくれているのね!
可愛い!その顔、凄く可愛い!
「クライム、魔導国…魔導王陛下は、私の魔導国入りに際して、1人だけ、御付きを認めて下さっています。」
「…………………。」
「魔導国に入れば、王国王女の肩書きも、只の飾りに過ぎない…
ヴァイセルフでも何でも無い、只のラナーになるでしょう。
…それでも良いのなら、私に付いてきてくれませんか?」
「…………………………………。
私は…私が忠誠を誓ったのは、王国の王女様では御座いません。
私の忠誠は、
例え貴女様が王女で無くなったとしても、それは揺るぎ無き事。
…どうか、御命じ下さい。」
「…ありがとう、クライム。」
ええ、分かっていたとしても、こんなにも想定通りに話が進むなんて、また嬉しくて踊ってしまいそう♪
ああ、そうだわ。
パンドラズ・アクター様が仰有っていました。
この様な時は確か、黒表紙の記帳簿を持って、『Wie geplant!』…でしたわね。
◆ラナーside・了◆
▼▼▼
それから2週間後。
「父上…少し太りましたか?
帝国の食事は、余程 口に合った様で…」
「…お前は少し、痩せたみたいだな。」
バハルス帝国に囚われていたリ・エスティーゼ国王ランポッサⅢ世が王国に帰還。
王の座を改めて正式に、王国第2王子ザナックに継承させた。
【次回予告】
◆デミウルゴスside◆
アインズ様が魔導国…魔導王を名乗られた事による、周辺国家の反応は様々。
各国家が様々な思惑を浮かべ、表から裏から動き出したみたいです。
当然、我が魔導国としても、新興国家として、他国には挨拶に伺うべきでしょう。
まあ、本音は『貴方達が此方に挨拶に来なさい』ですがね。
しかしアインズ様は、その様な傲慢な振る舞いを好まれないので、私達シモベも それに従う迄です。
その様な訳で この先、帝国や竜王国、ついでに王国以外の国とも関わる事になるでしょうが…
友好を築こうとするならば、其れは善し。
従属を誓うなら、尚の事 善し。
無関係を貫こうならば、其れは其れで、まぁ良し。
しかし、敵対を示すならば、その時は…
次回『アインズ・ウール・ゴウン魔導国(予定)』
どうぞ、御期待下さい。感想も、よろしくお願いします。