ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました 作:挫梛道
魔導国外交篇(仮)の前に、【閑話】を。
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ユグドラシル。
凄まじい程の自由過ぎる設定で爆発的な人気を博したVRMMO・RPG。
サービス開始から それなりに時が流れ、カンスト・プレイヤー、所謂"ガチ勢" "廃人"等と呼ばれるプレイヤーも珍しくなくなってきた頃。
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バンッ! バンバンバンッ!!
「報復だーっ! 絶対に報復以外、有り得ーん!!」
「シャババさん、落ち着け!」
ユグドラシル9葉の1つ、ミズガルズの砂漠エリアに聳える、巨大な白い立方体の建造物。
ギルド"ヴァーリ・トゥード"の拠点である。
その内部、会議室の様な部屋で、
「まろんちゃんの言う通りだよ、眼魔ちゃん。
誰も何もしないなんて、言ってないじゃん?」
その台詞に続けるのは、小柄・童顔な金髪の少年。
この少年の名は
ヴァーリ・トゥードのギルドマスターである。
ヴァーリ・トゥードは その"
彼等がゲーム内に於いて参加するイベントも、戦闘から探索にスポーツ他、殺伐系から まったり系まで多岐に及んでいた。
そんな彼等が今、話している議題は『異形種狩り』。
その儘の意味で、人間型プレイヤーが異形種プレイヤーを狩る、
イベントに於ける、必然的戦闘でも無ければ、そのプレイヤーが所持しているアイテム狙いでも無く。
勿論、純粋に同意での手合わせな、
単純に人間種、特に純・人間型プレイヤーが異形種プレイヤーをモンスターに見立て、多くの場合は、単独、或いは少数の者を多勢で狩りに出るPKである。
…その異形種狩りに、ヴァーリ・トゥードのメンバーの1人が遭った件について、話し合っていたのだ。
「ふっ、結局は殺るんだろ?
まあ、当然な話だがな。」
「教えてやろうよ。『狩って良いのは、狩られる覚悟が有るヤツだけ』ってのをね。」
強面なモヒカン男が、済まし口調で話し、
「何処の何奴かは、既に知れているんです。」
「そういう事ね。
ついでに言えば、奴等、次は何時 何処で行動するかも、凡その調べは付いてるわ。」
続く面々も、消極的意見は出さず、報復の方向で話は進んでいく。
「ね? 眼魔ちゃん。心配しなくても、皆、殺る気なんだからさ♡」
「ふ…ん!」
マサトの悪戯っぽい言葉の投げ掛けに、サイクロプスの
「それじゃ、誰が出張るかだけど、先ずは当然、俺ね。
それから、ケンちゃん。」
「はい!」
マサトの指名に、格闘胴着を着た少年が、力強く応える。
「せーこちゃん。」
「了解です。」
そして次は、眼鏡に黒のスーツにネクタイ。
ガッシリした体格を除けば、どう見ても普通のサラリーマンにしか見えない中年風な男が。
その後も次々とヴァーリ・トゥードの面々が報復というか、御礼参りに参加する様に呼び掛けられ、その全員が嫌な反応をする事無く、それに応じていく。
…中略
「ビュウ君。」
「任せろ。」
左右の腰に各々、長剣を携えた金髪の青年が。
「それから、谷屋ちゃん。…って? あれ? 谷屋ちゃんは?」
「アイツも昨日、別件でデスペナ食らったばかりだから、今日は来てないぞ?」
「互いの個人所有のアイテムを賭けた、普通のPVPだ。
…で、見事に負けてやんのw」
「同意のバトルだそうだから、コッチはギルドで どうこう、動く話じゃねぇ。」
「そうなの?…それなら、りえりん。」
「ふっふっふ…何だか谷屋の代わりみたいな指名は、少し気に入りませんが、良いでしょう!
我が魔力の真髄、特と見せて…いえ、魅せてあげましょう!」
大きな三角帽子に黒のマント。
如何にも
「…以上、このメンバーで。」
「「「「いや、巫山戯んなよ!?」」」」
「オラ、プンプンすっぞ!」
しかし、そのマサトの報復部隊選抜メンバー発表に、再び眼魔、そして最初に眼魔に冷静になるように宥めていた、黄金の鎧…の様な
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◆まろんside◆
「「「「どーゆー心算だ?!」」」」
俺にシャババさん、キャロット君他、御礼参りチームとして名前を呼ばれなかった異形種のメンバーが、マサトに詰め寄る。
「まぁまぁ、気持ちは解るよ。…でもね、」
マサトは穏やかな口調で、それに応じる。
「今回は単なる異形種狩りの報復じゃない。
ヴァーリ・トゥードのメンバーに手を上げた事での報復だよ。
解るかい? これは、ギルドとしての復讐だよ。
人間種だろうが異形種だろうが、
それを解らせる為…だから今回は敢えて、異形種メンバーは外して、人間種だけで人選したんだ。」
成る程。理解は、した。
「しかーし、それで納得すると思うか?」
シャババさんの言う通り。
特に俺は、今回の異形種狩り、その被害に遭ったスラ吉とは それこそ今日、卓球(ダブルス)のイベントに出場する予定だったのだ。
イベント管理している運営に問い合わせてみたが、事前登録していた出場者の変更は認められないとか。
それなら それで…それだけなら、仕方無いで納得してやった。
だが、あのクソ運営、出場手数料代わり、先に出したアイテムの返還にも、応じやがらねぇ!
不戦敗扱いと、来やがった!
「…ざっけんなよ! 俺もスラ吉も、
「いや、卓球の練習しろよ。」
「何だか怒りの矛先が、運営になってる気がするんですが?」
「そ、そんな事は無いぞ?
…と、マサト、お前の考えも解る。
しかし、それでも異形種代表として1人位、メンバーに入れても良いのじゃないか?
さしあたっては、見た目は人型な俺とか。」
「あっー!汚いぞ、まろん!」
「オメー、抜け駆けすっ気か?」
「「「「ぶーっ!ぶーっ!」」」」
「いや、見た目 人型に拘るなら、シャババさんは もう100
キャロット君は尻尾、コカビーは羽、鬼ぃさんは角、生えてるし。」
その点 俺なら、首を外さない限りは大丈夫じゃないか?
…ぽんっ!
「「「「「態々、外さなくていいっ!」」」」」
「「「「「恐いわっ!!」」」」」
◆まろんside・了◆
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『タィガーニーッ!』
『ぎゃぁあぁ~っ!?…』
…巨大な寝釈迦像の傍らで、眼帯をしたスキンヘッドの大男の飛び膝蹴りが、セーラー服の少女を吹き飛ばした。
「な…んだとォ??! お、俺の、俺の さ〇らが!?」
「どうだ、コカビー! 俺の勝ち!!」
…あの後、異形種も一応は1人だけ参加OKとして、それを誰かにする話し合いが行われるが、癖と我の強い面々が、平和的に他者に譲る事も無く。
最終的には 殴り合いに発展する前に、 20世紀末から21世紀初頭に掛けて人気を博していた、格闘系テレビゲームでのトーナメントで決める事に。
結果、その決勝にて まろんが天使種の男を下し、異形種枠とでも言うべきか?…報復チームに入り込んだ。
「よし、それじゃ皆、行こうか。
異形種狩り狩りの時間だ。
待ってろ…“ひき肉”にしてやんよぉッ!!」
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◆まろんside◆
【地球防衛軍】。
それが今回、スラ吉を襲ったギルドだ。
このギルド、普段から異形種狩り其れ自体を、ギルドのメインのスタイルとしているらしい。
そして奴等…その中心となるメンバーが今、何処に居るかも調査済み。
因みに その情報を持ってきたヤツに『どうやって知ったんだ?』と尋ねると、『世の中、知らない方が良い事って有るわよ?』と切り返された。
何か恐いわ!
…そんな訳で俺達は今、奴等を追ってニヴルヘイムの氷樹森林地帯にやって来た。
地球防衛軍の奴等、今日は この森林に自生する、レアな薬草を採りに来ているらしいが…
「はい?」
「え?」
「あら?」
「ぬ?」
「へ?」
…確かに、連中は見付けた。
しかし奴等、現在絶賛戦闘中。
それも異形種の集団と、だ!
「あ、アイツは!?」
「え? ビュウ君、あのヒト達を知ってるの?」
「ああ、あの白い鎧…アイツは、ワールド・チャンピオンの たっち・みーだ!」
マサトの問い掛けに、そう答えるビュウ。
…って、ワールド・チャンピオンだと?!
それってユグドラシルの戦士系じゃ、最上位の
斬ッ!
「ぎゃぁっ!?」
確かに、あの剣技は凄まじい。
あ、そうか。ビュウも以前、ワールド・チャンピオン所得しようとして、優勝者に その資格(…の1片)が与えられるトーナメントに出たんだったよな。
…で、見事に1回戦負けだったと。
「そ、その相手が、アイツだったんだよ!」
必死に言い訳するビュウだが、それよりも あの異形種軍団、強いのは そのワールド・チャンピオンだけじゃない。
鬼火力な魔法を連続で繰り出す
それから見た目がTHE・侍とTHE・忍者に、その巨体にすら不釣り合いな、馬鹿でかい
そして派手な飾りが施された黒ローブを着た、
更には その他その他。
あの異形種、全員が各々に強い!
「…って、マサトさん、どうするんですか?」
「そりゃあ、決まってるでしょ?
とりあえず、『敵の敵は味方』って事で…
行くよ!!」
「「「「「応っ!!」」」」」
確かに、此処まで来て、追っていた獲物が他者に奪われるのは間抜けな話だ。
異形種軍団と共闘するのも…向こう側が それを拒んだりしない限りは、決して悪手じゃない。
その結論の元、俺達も あの大乱闘に乱入するのだった。
◆まろんside・了◆
≫≫≫
◆???side◆
地球防衛軍。
異種狩りを
もしかしたら、ギルド…いや、クランを立ち上げる前、俺もコイツ等に殺られた事が有ったのかも知れないな。
まあ、それは もう どうでも良い話だ。
現状で異形種狩りな輩なのだから、俺達からしたら、敵以外の何者でも無い。
今回は奴等が、この森林に足を運ぶと云う情報を得た俺達は、奇襲に成功した。
しかしコイツ等も、決して弱者では無い。
俺達が劣勢になる事は無いが、決定打となる一撃を撃ち込める隙も無く、泥試合な展開に入ろうとしていた。
「ねぇ~、そのケンカ、俺達も混ぜてよぉ~♡」
「「「「「「「!??」」」」」」」
そんな時、緊張感の無い台詞と一緒に、人間種の集団が、この戦闘の場に雪崩れ込んできた!
ま、不味い、新手か?
あれだけの人数が敵に加わったら、一気に形勢逆転されてしまう…!?
バキィッ!
「ぐわぎょっ?!」
…って、え?
しかし、この乱入者、先頭で
「ワールド・チャンピオン! そして異形の集団よ!
我等ヴァーリ・トゥード、故有って この
斬々ッ!
「ギャーッス!?」
更には その言葉と同時、火焔飛竜を駆る2刀流剣士の炎の斬撃が、
「礼には及びませんよ? 私達も確とした理由で、コイツ等を追ってきたのですから!」
どっかぁ~~~~~~~んっ!!!!
「「「「「ぬわーーっ!??」」」」」
そして如何にも魔女っ娘の爆裂系魔法が、地球防衛軍の面々に炸裂した!
…って、魔女っ娘も倒れた?
「モモンガさん、彼等が何者かは、後回しだ!」
「兎に角チャンスだ、一気に決めてしまいましょう!」
「
そ…そうですね!
名前が出たヴァーリ・トゥードの面々(以前から、名前だけ登場してたキャラも居ましたが)。
モデル・元ネタが全て分かった人は、上級読者(笑)
次回『First Contact②』
乞う御期待! 感想もヨロシクです。