ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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【前回の あらすじ】
 
◆デミえもんside◆
いやはや、何とも素晴らしい!
強度・硬度も然る事ながら、更には不滅の属性も備わっている!
()()は本当に…本当に、素晴らしい武器です!
 



レメディオス GO FIGHT!

 

ガンガンガンガンッ!

 

◆モモンガside◆

流石に、無いな!

これは余りにも、画的に非道過ぎる。

何の話と云えば、現在のデミウルゴスの戦闘場面の話だ。

 

スーツの袖部分が破れ、マッソーな腕を露にした、嗤顔な仮面を被った悪魔が、魔法で超硬質化した聖騎士団長を鈍器の如くに振り回し、天使を(ボコ)っている図。

 

確かに あの熾天使(セラフ)は、ユグドラシルでも防御力(かたさ)に優れたモンスター。

野良のアレを倒した時は、超低確率だがレア素材をドロップ出来たらしいからな。

それに対して、設定ではユグドラシル最硬素材とされている、ロンズデーライト以上の硬さとなる《超硬質化完全防御(アストロン)》を施し、それを凶器にする戦法は…ん!やっぱり無いな!

ほら、聖王女や神官長も、ドン引きしてるじゃないか。

 

「さあ、これで最期(フィニッシュ)です!

今 必殺の…デミウルゴス・ホームラン!!」

  

≫≫≫

「き、貴様!…よくも!よくもよくもよくもよくも…!!」

「何を怒っているのです、レメディオス・カストディオ聖騎士団長殿?

貴女の お陰で、敵を斃す事が出来たのですよ?」

…結果から言えば、天使の襲撃は敵の全滅と言う形で終わらせる事が出来た。

しかし、現在その経緯と言うか戦り方で、聖騎士団長が怒り全開でデミウルゴスに詰め寄っている。

まあ、それは彼女からすれば、当たり前な話な訳だが…

質が悪いのは、デミウルゴス的には本気で、敵を倒すのに最適な方法を選択しただけで其処に悪意は無く、それ処か「彼女が居なければ、今頃は…」と、これを本当に聖騎士団長の活躍?として称えている点。

其処には先の聖王女との対話の中の、我々に対する挑発的発言に対する意趣返しな心算は、欠片も無いのだ。…多分。

それが却って、話が拗れている原因なのだが。

 

「落ち着け、のーきん団長。」

「だ、誰が、脳筋団長だっ?!

私の何処が、脳筋だと言ーんだ!?」

まろんサンが そんな、ヒートしている聖騎士団長を嗜めようとして、逆に火にガソリンぷっ()

勿論、このヒトは わざとだ。

 

「良いじゃないか、これでアンタの無礼極まりない発言連発がチャラに出来たと思えば。

どうですか? 聖王女様?」

そ、そうですね…

レメディオス。この戦果を以て、先の魔導王殿に対する態度を不問にします。…で、良いのでしょうか? 魔導王殿?」

「ああ。そもそも私は最初から、気にしていなかったからな。」

「か…カルカぁ~っ?!」

「「「「「「…………。」」」」」」

尚、戦闘終了後、まろんサンが迷宮結界を解除した事により、兵士・騎士の皆さんも女王を御護りするべく この場に雪崩れ込んできていた。

…の、だが、この一連の やり取りを見て、挙って何か言いたいのを、我慢する様していたのは余談だ。

 

 

◆モモンガside・了◆

 

≫≫≫

 

◆まろんside◆

「…アインズ様、持ってきました。」

「ひ…ひぃいっ!?」

何とか のーきん団長を落ち着かせてから少しした後、シズと後輩ちゃんが、1人の男を持っt…連れてきた。

仰向け状態で両足を持たれて引き摺られてきたのは、上等なマントを羽織った、魔法詠唱者(マジック・キャスター)風な男だ。

 

「ふむ。女王、この男の顔に、覚えは?」

「…はい。南部貴族の1人に仕えている人物です。」

モモンガさんの質問に、顔の左半分が大きく腫れ上がっている男を見て、凄く複雑そうな顔で答える聖王女。

まあ、知ってるけどね。

シズには初めから天使との戦闘が始まったと同時、それを召喚した術者を捕まえる様に指示を出していたのだ。

後輩ちゃんを一緒に連れ出したのは、この場に残すより ずっと安全だと判断したのだろう。

 

「この男、この魔水晶(アイテム)で天使を操っていました。」

「ほう? カルカ女王、この国には そんなアイテムが有るのかな?」

「い…いえ! その様なアイテムの報告、私は聞いた事も…」

「同じく…です。」

「…だとすれば、おい、魔法詠唱者(マジック・キャスター)

そのアイテム、何処で手に入れたのだ?」

シズが差し出した、天使が封印されていた魔水晶を見て、聖王女、神官長、のーきん団長が 各々な反応。

聖王女、神官長の反応からして、こういうアイテムの存在自体は、知っていた様だ。

…と、すれば、のーきん団長は どうだか判らないが、この2人は既に その出所にも見当は着けている筈。

 

「こ…これは、スレイン法国の者と思われる人物かr

()()()()とは何だ!?

貴様等は そんな…素性の判らぬ者から渡されたアイテムを、何の疑問無しに使ったと言うのか?

少しは怪しむとか、何故 考えようともしないのだ!?」

そーですねー。そのとーりですねー。

初対面、少しだけジルクニフ君から予備知識を貰っていただけだが、この台詞が彼女からすれば、如何に凄い発言なのか、凄く理解出来る。

 

「それにだ、それが本当に法国の者から渡されたとなると、スレイン法国は我等がローブル聖王国にケンカを…戦争をする心算なのか?」

それは少し違うな。

戦争する気は無いから、裏から こそこそ動いているんだろう。

  

「確かに()()を調べるのも必須だが、聖王女カルカ・ベサーレス。

今回の一件、ローブル聖王国として魔導国(われわれ)に、如何なる対応を示してくれるのかな?

流石に熾天使(セラフ)を刺客に仕向けられたとなると、此方も余興では済まされない。」

モモンガさん…主天使(ドミニオン)は余興で済ますのかよ?

確かに雑魚だったけど。

しかし、他国の王様が襲われたとなると、本当に もう互いに只事では無い。

 

「ひっ?! ま、待って下さい!

確かに権天使(プリンシパリティ)主天使(ドミニオン)を喚んだのは私ですが、あの熾天使(セラフ)?は、知らない!

ほ、本当です!」

そう、それが自作自演(マッチポンプ)だとしても、だ。

 

「そ、そうだ! アレは、スレインの者が差し向けた!

そうに決まっていまs(ボギィッ!)ぅゎらばっ!?」

「見苦しいぞ! 何故、そうやって他者に責任を押し付けるのだ?

それじゃあ何か? 貴様等が我々を襲うのと同じタイミングで、偶々スレイン法国の者が攻撃してきたとでも、そう言いたいのか?」

のーきん団長のグーパンチが、この刺客に炸裂。

彼女的には「言い訳するな!」…だろうが、実際にコイツは熾天使(セラフ)上位天使(アークエンジェル)の方は心当たりが無いのだから、仕方無い。

犯人はモモンガさん。

しかし、のーきん団長は勿論、聖王女と神官長も、アンデッドや悪魔が聖属性な天使系を喚ぶという発想は持っていない様で、此方を疑っている様子は全く無い。

のーきん団長辺りが「まさか これは、貴様等の仕業じゃないだろうな?」…等の言い掛かりを付けてこないのは幸いだ。 

 

≫≫≫

「賠償金は要らぬよ。

聖王女カルカ・ベサーレス。貴女の"王"としてのケジメを見せてくれたら、それで良い。

…私を納得させる程の、ケジメをな。」

「………………………。」

聖王女側は今回の襲撃は、術者の証言から全て一部の南部貴族の暴走として弁明。

ほぼ全部の裏の事情を知っているモモンガさんも、それで一応は納得した。

後は、ジルクニフ君曰くの、"脳味噌お花畑"女王が、件の南部貴族とやらに どういう裁定を下すかだ。

先のバハルス帝国とリ·エスティーゼ王国との戦争の後。

その時に皇帝ジルクニフ君が、王国の新王ザナックに、王国の情報を(頼みもしないのに勝手に)流していた内通者に対して、如何なる裁きを下すかの…王の、国のトップとしての覚悟を見極めようとしたのと同じく。

先に言っておくがモモンガさん、加担者だけを終身刑程度じゃ、納得しないぞ?

自国の王と、他国の王を同時に暗殺しようとしたのだ。

最低でも この術者は当然、関わった貴族一族皆殺し位には しなければな。

如何にマッチポンプとは云え、それでも此方が何も仕込まなかったとしても、襲撃される事には変わらなかったのだから。

 

「…私自身が、報復として南部に出向くのも、一向に構わぬがな。

但し その場合、南部の地は完全な焦土と化すだろう。

それとも、南北纏めて聖王国から攻撃されたと解釈して、この場で宣戦布告されるのを望むかな?」

「「「……………!!」」」

モモンガさんの言葉に黙り込む、聖王女、神官長、そして のーきん団長。

流石に彼女も、この場で何か余計な事を口に出せば、その瞬間に この城周辺が焦土と化すのは察したのだろう。

尤も、今回の襲撃は聖王女も暗殺の標的にされていた点で、政治面のトッブである神官長が断固たる措置を行うと、俺達の前で宣言。

そして黒幕である『司教』という人物については、自らが名乗った訳では無いのでスレインの人間というのも証拠も無く、現状では それも憶測に過ぎず…あんな天使を封印している魔水晶を所有している時点で、既にスレイン法国以外に考えられない気もするが(これも実は、かなり危険な思い込み)…法国への問い質しは敢えて控えるとの事。

此方としては、既に その司教とやらも、スレイン法国"新生"漆黒聖典第6席の人物だという調べは付けているが、それを今 口にしたら「何故、知っている?! …さては貴様!?」…等と話が ややこしくなるのは明らかなので、モモンガさんも理解を示す応対をする。

 

 

≫≫≫

「はぁ…甘かった…ですかね?」

「別に、そうは思わなかったですよ?」

魔導国に帰還後(帰りは転移)、聖王国への対応について、モモンガさんに相談された。

その問い掛けに、少しだが違和を感じた俺は、「何か有ったんですか?」と尋ねてみると、

「実は…」

返ってきた答えは、予想の上だった。

新婚モモンガさん、アルベドとXXX(ちょめちょめ)する時はアイテムを使って人化しているのだが、その影響か、精神と言うか物事の価値観が、異形種(アンデッド)から人間寄りに引っ張られる感覚が有るそうなのだ。

そして それは、骸骨(オーバーロード)に戻っても、変化しないらしい。

 

「今迄の、敵に対しての…殺しに対する恐怖や後悔、嫌悪感や罪悪感は、まるで無いのですがね。

そしてスレイン法国に対する殺意が、失せている訳でも無いのです。

ただ、そうで無い者に対しては、普通と言いますか…」

………………………。

ユグドラシルでは人化アイテムは、単に種族・アバターを変化させるだけな物だったが、ゲームの外の世界では更なる効果…副作用?…も付いてくるのか?

他者に対する情け。

俺の現状は、精神が異形種寄りになっているのを自身で自覚、気付けたからこそ、それを意識的、無理矢理に理性で抑えている形。

弱者を弄ぶ考えには至らないが、それでも敵や悪人に対する慈悲なんかは持ち合わせていない。

殺しに関しても、相手が敵や悪人ならば、何の躊躇も抱かない。

俺も1度 試しに、人化アイテム使ってみるか?…と思ったが、止める事にした。

何となくだが、最初に『ヤバイ』のを自覚したからか、俺には大した変化が無いという、根拠無き確信が有るのだ。

逆にアルベドやデミウルゴス、ナーベラルやソリュシャンの様な、元からカルマ極悪に使ったみたら、どうなる?

…という好奇心が少しだけ湧いたが、それもナザリックの外の俺が言う事では無いので、口には出さない事にした。

とりあえず、マサトには連絡だ。

カスミ…は多分 大丈夫だとしても、戦闘狂なシャババさんには、確認が必要な気がする。

外が異形なのは仕方無いが、精神(ココロ)人間(ヒト)で在るべき…俺自身が そう在れとするのは自由だが、それを他人にも押し付けるのは我儘か?

 

 

◆まろんside・了◆

 

▼▼▼

モモンガが聖王国から魔導国に帰還後して5日後。

モモンガの元に、転移の巻物(テレポート・スクロール)が届く。

聖王国を後にする際、モモンガが聖王女カルカ・ベサーレスに渡していたマジック・アイテムだ。

それには、魔導王一行が聖王国訪国の際の襲撃事件、それに関わっていた貴族3家の一族を基、この襲撃計画に関係した全ての者の断罪の報告と共に、改めて、この書の交わしを最後、ローブル聖王国とアインズ・ウール・ゴウン魔導国との関わりを()()中断する旨の文が記されていた。

 




①のーきん団長…ヤベぇ。この言い回し、地味に気に入ってしまった。
今後、もう彼女の出番は無い予定だったのだが、準レギュラー位なら有るか?
因みに元ネタは、某作品に登場、作者お気に入り♡の慎ましい胸をした眼鏡の生徒会長の愛称。
②"新生"漆黒聖典…司教ペテ松さんを6席としましたが、残りは新しい隊長(第1席次)と もう1人(席次未定)しか、まだ考えていません。
多分、13人も揃いません(笑)。
③次回からスレイン法国編!…の前に、所謂『日常回』を挟む予定です。

 
乞う御期待!感想よろしくです。
 
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