ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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先ずは、
 
レイナース、あれから どうなった?
 
…から。
 


死亡フラグを回避しよう

◆レイナースside◆

「ハッハァアァッ!!」

 

ガィンッ!

 

「…っ?!」

「よし、そこ迄だ!」

アインズ様の仲介で、ナザリックの領域守護者の1人、ペストーニャ様に私に憑いていた呪いを解いて頂いた。

しかし、その呪いこそが…ペストーニャ様はアレを"祝福"と言っていたが、私は断じて認めない!

…確かにアレは、私に皇帝直属の帝国騎士としての強さを与えていたらしいのだが…

 

「ふーむ、あの新入り殿、パワーこそ頼りないが、身体の動かし方等は、なかなかに御座るなぁ。

クロキシ君が全く、反応出来なかったで御座るよ。」

呪いが解かれた今の私の力量は、その域に至っていない。

只 元より、呪いが解けた暁には、騎士団を去る心算でいたのだ、何の問題も無い。

ジルクニフ陛下も、それを前提に私を四騎士の1人に据えていたのだから、その辺りは何の問題も無い…筈だった。

しかし、

 

 

≪≪≪

 

「君はジルに、きちんと返せたと、私の顔を見て堂々と言えるかな?」

 

 

アインズ様の、この言葉。

返せたも何も、最初から そういう契約だったのだ。

確かに陛下の後ろ楯で、私を捨てた実家(かぞく)元·婚約者(あのおとこ)の家を、潰す事も出来た。

だが、そんなのは関係無い。

そう、関係無いのだ。

…しかし、その質問には、ハッキリと答える事が出来なかった。

 

 

「恩には恩…が、私の流儀だ。

レイナース・ロックブルズ。

君には今後も変わらず…いや、今以上にバハルス帝国皇帝ジルクニフに忠誠を誓って貰う。

少なくともジルクニフから受けた恩を、堂々と返せたと言える迄な。

それが、私が君に要求する対価だ。

チカラを失ったならば、別の能力でも構わないさ、また取り戻せば良い。

その為の環境なら、私が用意してやろう。」

 

 

…そうして私は、アインズ・ウール・ゴウン魔導王の真の居城、ナザリック地下大墳墓に連れられ、鍛練の日々を過ごしている。

因みにジルクニフ陛下の方への対価だが、今回は結果的、私という戦力を帝国から奪ったという事で、とりあえずは五分(イーブン)としたらしい。

 

「ふふふ…私としては目の周りを赤く腫らせているレイナースという、レアなモノも見れたし、お釣りを払っても良いと思うのだがな?」

陛下…それはセクハラですよ?

とりあえずは後で、ロクシー様にチクっておきますからね!

 

 

≫≫≫

「…ほら、立てるか?」

「………。」

そして今、模擬戦(スパーリング)をしていたのは、通称・クロキシと呼ばれる者。

今は理由(わけ)有って、顔も名前も明かせないらしく、名の通り、全身を黒の装備で隠した男だ。

鎧や剣は、アインズ様より与えられた物。

英雄モモンの様な、光沢有る漆黒で無く、金属特有の光を全く発しない、言うならば暗黒の鎧と剣。

今の私は帝国騎士と同等の装備(これもアインズ様から授かった物)だが、其れより遥かに上級な物だ。

しかし当人自体は到って未熟者、並みの帝国騎士以下の強さ。

そして私は祝福(ノロイ)が取り除かれ弱体化したとは云え、それでも一般兵より強い自負は有った。

その装備の差で、本来なら私が圧倒する処を、互角やや有利に迄レベルが縮まった形で勝負を運び、最後は私がクロキシを吹き飛ばして決着したのだが…

 

「……。」

何て失礼なヤツ!

倒れた此奴に対して、私が こうして手を差し伸べているのに、それに応じようともしない。

 

「あ~ぁ、レイナース?

そいつは顔や名前と同じく、少し訳有りでな?

無闇矢鱈と女と話すのは勿論、身を触れたりもダメなんだ。

アインズ様とは別の、コイツの直接の主様が その辺 凄く厳しくてな?

このスパーも、何とか説得の末だったらしいぜ?」

「某も まだ直接に会った事は御座らぬが、クロキシ君の主殿は、凄く怖いらしいで御座るよ?

ブレイン君は会っているので御座ろう?」

「…ノーコメント、だ。」

それに対して、ブレイン・アングラウスと森の賢王がフォローをしているが…ああ、何となくだが分かった。察した。

 

「よし、準備運動(ウァームアップ)は終わりだな。

次は…今日の締めはコキュートスやセバスで無く、俺が相手してやるよ。

お前等全員纏めて、掛かって来い!!」

「「「「!!?」」」」

そして休む間も無く、本日 本番(メイン)の相手が現れた。

金色の鎧を纏った まろん様が、自身の頭をポンポンと蹴り(りふてぃんぐ)しながら姿を見せたのだ。

 

「ふん、ホラーに遭遇したかの様な、まるで乙女が絹を引き裂いたかな悲鳴は上げなくなったか。

誉めてやるよ、レイナース。」

頭を元の位置に戻して話す まろん様。

ええ、流石に もう慣れましたから!

確かに最初は驚きましたよ!?

実は異形種とは聞かされていましたが、まさか不死属(アンデッド)首無し騎士(デュラハン)とは思っていませんでしたし!

大体 挨拶代わりと、いきなり首を「んちゃ!」って言って ぽーんと外したりします?

予備知識無しの初見で驚かないのが、可笑しいですから!

そ・れ・か・ら!『まるで』で無くて、私は乙女です! 正・真・正・銘・乙・女!!

 

≫≫≫

「スラム・ダンク!…ver.河田兄!!」

 

ごんっ!

 

「御座ぁ~あ?!」

そして まろん様との実戦さながらの模擬戦。

私、ブレイン、クロキシ、森の賢王、更には一緒に訓練していた蜥蜴人(リザードマン)数人と同時に挑むも、悉く各個撃破。

しかも一撃瞬殺等で無く、思い切り手加減された攻撃により、全身ズタズタな襤褸雑巾にされ、最後まで残った森の賢王も、強烈な頭突き…アレは頭突きで良いのですわねはあ…を貰ってダウン。

 

「よし、今日は この位にしておくか。お疲れさん。」

「「「「「「「………。」」」」」」」

ちーん…何処からか、そんな金属音が鳴ったかな死屍累々な状況に。

しかし改めてだが、成る程、だ。

この修行環境。ブレイン・アングラウスが あのガゼフ・ストロノーフに圧勝したというのも頷ける。

これならば遠くない未来、私も失ったチカラを取り戻す、それ以上のチカラを手にする事も可能だろう。

鍛練の内容は まろん様だけで無く、コキュートス様セバス様の課題も鬼畜だが。

 

「…ぅ、痛ててて…

おい、立てるか?レイナース。」

「え、えぇ…」

(カタナ)を杖代わり、体を起こしたブレインが差し出した手を取り、私も起き上がる。

 

「お疲れ様です、まろん様♡

はい、タオルとスポドリです♡」

「ああ、ありがとう、ユリたん♡」

そして まろん様には婚約者であるユリ様が駆け寄り、私達を邪悪な笑みを浮かべて痛め付けていたのとは同一人物とは思えない様な優しい笑顔で、まろん様も受け応え。

 

「「♡♡♡♡♡♡♡♡」」

「「「…………………。」」」

それからも散っっっ々と見せ付けてくれた挙げ句、このバカップル2人は鍛練場から出ていった。

…手を繋いで。

 

「はい、皆さんも回復しますから。

心配無用。ブラックコーヒーも きちんと、用意しておりますわん。」

あ、ありがとうございます、ペストーニャ様。

 

 

◆レイナースside・了◆

 

▼▼▼

 

◆ジルクニフside◆

アインズが言うには、レイナースはナザリックにて着実に以前のチカラを取り戻しつつあるらしい。

あの呪いによる、呪われた騎士(カースドナイト)の特性は失ったが、代わりに聖戦士(クルセイダー)(クラス)を得られそうだとか。

アンデッドの巣窟で、聖なる戦士が誕生?

何だ それは? 少し面白いぞ?

 

≫≫≫

「ふっ…法国との戦争は決定事項なのだろ?

それは、余裕なのか?」

『違う違う。戦争決定だからこそ、その前に終わらせる必要が有るんだよ。』

そして今は、まろんと【すまほ】で話しているのだが、その内容は先日、ヤツから私宛に届いた書状。

まろんは いよいよ以て、婚約者殿と正式に式を挙げるそうで、その招待状が届いていたのだ。

 

「…で、同行枠が3人とは?」

『ああ。一応は、こーてーへーかだから。

護衛やら要るだろ?

それと…

 

≫≫≫

さて、戦の前に結婚式とは どういう事だ?…と思ったが、まろんやアインズ…ぷれいやーの故郷では、戦の前や最中に、その戦が終わった後、結婚の約束や予定をしようとするのは『ふらぐ』とか言っていたか?…兎も角 頗る、縁起が悪いそうだ。

ふん…縁起等を気にする程に実力差戦力差が拮抗しているでも有るまいに、何を言っているのだか?

 

 

「「いや、これはマジにアカンヤツなんだよ!!」」

 

 

ん? 幻聴か?

 

≫≫≫

「さて…3人、か。」

そして その結婚式は魔導国で無く、竜王国に在る、まろんの本来の拠点にて開かれるらしい。

…で、招待状に記されていた3人の同行枠だが、とりあえずはバジウッドにナザミと、

「陛下。私は既に、まろん殿から招待状を頂いております。

勿論、出席する予定です。」

あー、ニンブルは普通に、まろんと仲が良いからな。 この前アイツに紹介された あっち方面の店で、無事にDT卒業したんだったよな?w

レイナースは魔導国側から出席するらしいから、となると もう1人は…

 

「……………!」

目の前、無言で「儂!儂!!」と訴えている妖怪が居るが却下だ!

大体お前、前に別件で白い匣(ホワイト・ホーム)に招かれた時に盛大に やらかして、出禁喰らっているだろうが!

よし、ロクシーに声を掛けるか。

アイツはアインズ達の事を興味深そうに聞いていたし、彼女ならナザリックの皆さんを目にしても、瞬間 硬直するかも知れないが、悲鳴と共に気絶とかな心配は無いだろう。

 

「…処で、私は まろんの婚約者殿には まだ会った事は無いのだが、どんな女性なのだ?

お前達は会っているのだろう?」

「知的な女性です。」

「……………………。」

「スイカップ美女でしたね。」

 

≫≫≫

『ああ、ロクシーさんか。

ん、ジルクニフ君なら、あのヒトを誘うと思ってたよ。』

そして まろんに改めて連絡したら、こんな返しが。

さては まろんめ、ニンブルは直接に、そして(フールーダ)白い匣(ホワイト・ホーム)出禁されているのを前提として、私が彼女を同伴させるのを読んでいたな?

最初から それを踏まえての3人枠か?

 

『てゆーかジルクニフ君、こんな場所にロクシーさん同伴させるって、ジルクニフ君も いよいよ?』

「愉快な勘違いだな。

私は兎も角、彼女に その気が無いのだよ。

アレは、私を継ぐ者の教育係になると言っている。

それに私自身、正式に娶るなら内で無くて、外からだと考えている。」

『…ドラちゃん?』

「愉快な勘違いだな?!

誰が あんな、若作りBBAと!?」

『いや、でもドラちゃん本当に見た目、可愛いじゃない。

ペロロンチーノ、感涙レベルだぜ?』

「…アインズも偶に その名前を出しているが、一体 誰なのだ、それは?

そも、私も決して年下は嫌いでは無いが、限度が有るだろう?」

『あ、それなら大丈夫だろ? ドラちゃんて実年齢

「まろん、私も決して年上は嫌いでは無い。

実際、ロクシーも私より2つ上だし。

しかしな?

世の中、何事にも限度という物が有るだろう?

 

  

◆ジルクニフside・了◆

 

▼▼▼

 

◆ドラちゃんside◆

「むむ? 何だか誰か、私をディスっている気がするぞ?!」

「気になさらずに。

どうせ また、ジルクニフ皇帝や まろん殿が、貴女の見た目と実年齢の件で、詐欺とか合法とか言っているのでしょう。」

「なさるわっ!!!」

「…で、まろん殿と云えば、例の招待、どうなされる心算で?

出向かれるならば、それに会わせた執務日程を組む必要が有りますが?」

「う…ん、宜しく頼む。」

 




【作者の私的死亡フラグ・10撰】
 
①蝶ネクタイの眼鏡のチビと知り合いになる
②北斗七星の脇に、小さな星が見える
③普段は極悪非道なヤ〇ザが、まるで大雨の中で捨て猫を拾う不良学生の様な優しさを見せる
④湖の畔のキャンプ場で、カップルが他のメンバーに隠れてXXXしようと、集団行動から黙って脱け出す
⑤『俺、この戦争が終わったら、故郷に帰って恋人と結婚する約束をしているんだ。』
⑥井戸から何かが這い出てくるビデオを観る
⑦『この中に殺人鬼が居るかも知れないのに、一晩も一緒の部屋に居られるか!私は自分の部屋に戻る!』(バタンッ!)
⑧弟子の悪行をその弟子を●してでも止めようとする、肺や心臓に病気を持つ師匠
⑨足下にバナナの皮
⑩皆で突入!ナザリック地下大墳墓!!
 
 
▼▼▼
次回『嗚呼 疲労宴(予定/笑)』
乞う御期待! 感想もヨロシクです。
 
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