ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました 作:挫梛道
新展開!
◆一般メイドside◆
ユリ姉様…本当なら もう、ユリ様と お呼びすべきかも知れませんが、本人が今まで通りで良いと言われたので、そう呼ばせて頂きます。
まろん様と正式に結ばれたユリ姉様は、ナザリック地下大墳墓からエ・ランテルのマカロン公爵邸に お引っ越し。
そう、この御屋敷に住む事になりました。
「通い妻卒業です♡」
…とは、当人の弁。
現在、アインズ様から任されている孤児院と学校の お仕事も、今後は此処から向かう事に。
そして私達の屋敷での お仕事も、少しだけ変化が。
まろん様とユリ姉様、御2人の寝室の掃除・食事(朝食と夕食)の仕度は、ユリ姉様が行う事になりました。
私達の仕事が少なくなるのには思う処も有りますが、これは ある意味では必然なのでしょう。新婚さんですし。
ついでに言うなら、孤児院が休みの日は2人で、または まろん様が御1人で、調理場にて何やら料理しています。
しかも単にエプロンを纏ってで無く…ユリ姉様は普段から普通にメイド服ですが…揃ってガチな調理師の格好。
これでペアルックだったら完璧でしたが、ユリ姉様は上下 白の洋食料理人風、まろん様は頭に
先日、まろん様が私達メイドの分の食事も作って下さったので戴きましたが(その日は餡掛け焼きそばと鮭炒飯でした)、凄く美味しかったです。
聞けば まろん様は、ハウスハズバンドの
≫≫≫
「皆さん。やっぱり この御屋敷の中に限っては、私の事は『奥様』と呼んで下さい♡」
……………………………。
あぁそうそう、ユリ姉様…奥様が屋敷に来られてからの変化の1つに、屋敷内での珈琲豆の消費量が紅茶以上、格段に増えた事を加えておきます。
◆一般メイドside・了◆
▼▼▼
◆まろんside◆
「御待たせしました、アインズ様。」
「遅れてしまい、申し訳御座いません。」
「いや、構わない。資料作成に時間が掛かるのは、この場の皆が理解している。」
「「恐縮に御座います。」」
ナザリック第9階層の会議室。
今から、スレイン法国に仕掛ける
俺の『俺、戦争が終わったら結婚するんだ』なフラグも回避出来たので、いよいよ本格的に攻め入る事となったのだ。
スレイン法国に対しては、既にナザリックの皆が、敵認定。
聖王国でのモモンガさんへの奇襲が、決定打となっている。
因みに今回の会議出席者は、モモンガさん、俺、セバスにパンドラにアルベド。
更には各階層守護者とプレアデスの面々。
「わ…私が この様な場所に…」
「それは一番の関係者だからだろ?」
そして、以前にスレイン法国の特殊部隊に在籍していた、占星千里だ。
デミウルゴスとアルベドが作った、法国に関する資料を皆に配り、
「それでは僭越ながら、説明をさせて頂きます。」
デミウルゴスが その資料を元にした、対スレインの計画を話し始めた。
『敵を知り、己を知れば100戦危うからず』
『戦いは、始まる前に終わっている』
ユグドラシル時代、
当時は主に ぷにっと萌えが主導で戦略を練っていたそうだが、今はデミウルゴスとアルベドが、その役割を担っている感じ、そのスタイルは転移後の この世界でも変わらない…か。
ヴァーリ・トゥードにも結構ガチな軍師ポジのヤツも居たは居たが…仮に
『待て これは、ぷにっと萌えの罠だ』
…みたいな感じな。
「…さて、では先ずは、改めてスレイン法国が如何なる国か、ですが…」
スレイン法国。
俺達より600年に、この世界に転移してきたプレイヤー…
モンスターや亜人から人類を守護する名目で作った筈が、何時の間にか人類至上思想の下、純・人間種以外の排除を掲げ進めている、宗教国家の皮を被った武闘派の軍事国家だ。
いや、そもそも宗教団体ってのが、他派を一切認めない…廃絶根絶も辞さずな、武装集団なんだよな。
それが国家規模なのだから、尚更な話なだけだ。
「他の5人は知らないが、
そっちの意味でも潰すぜ。私情?自覚してるが?」
大体、ヴァーリ・トゥードの俺が、魔導国の戦争に参加しようとしてる時点で、今更だろ。
魔導国公爵としての参戦なら名分は立つ?
元より俺は、貴族なんかになる気は無かったんだ。
都合の良い時だけ、その立場を前面に出して利用する心算は無い。
単に気に入らないから、潰す。それだけだよ。
「しかし、少しだけ解せんでありんすね。
その、スルちゃん…殿?…でありんすか?
聞けば まろん殿アインズ様と同じく、
その様な者を信仰神の1つとしていながら、異形、そのアンデッドすら…彼方から襲ってきた者を退けるだけなら未だしも、進んで駆逐討伐の対象にするとは、矛盾でなんし?」
「あ~、それ、私も考えてた。」
それは俺も少しだけ、気にしていた。
特に今は、アンデッドの始末を最優先させている感すら有る。
「はい。それですが…」
デミウルゴスが言うには、現在スレインに残る六大神の資料や記録では、
その上で、アンデッドは人類にとって、最たる敵というスタンスを取っているとか。
スルちゃん…キミ、何時の間にか、人間にされてるぞ?
「申し訳有りません。
その事実が何時の頃から歪められたかは、確たる証拠が得られませんでしたが、少なくとも300年前には、その様な教えが浸透していたと思われます。
真実を知っているのは、一部だけな様です。…ですよね?占星千里?」
「…はい。知っているのは神官長クラス。
そして、スルシャーナ様を信仰している漆黒聖典だけです。」
ほう? 信仰する神の中に異形種…アンデッドが居るのが そんなに都合が悪いですか、そうですか。
「ま、まろんサン?」
「ああ、心配しなくても、俺は平常心だよ。」
おっと? 抑えていた心算だったが、殺気が漏れていたかな?
◆まろんside・了◆
≫≫≫
◆モモンガside◆
デミウルゴスの解説は続く。
スレイン法国の建ち行きの歴史や その国としてのスタイルの説明の次は、現在の状況。
特に他国との関係だ。
同じく宗教国家のローブル聖王国とは決して仲が良い訳では無く、寧ろ対立している状況。
更には やはり、先日の天使襲撃の件、法国が関与したという証拠が無い上で、懐疑的になっている。
竜王国とも、竜王国を攻めていたビーストマンに対して、ぼったくりレベルな対価請求をした上で、一応は その撃退の援助をしたりな関係だったが、マサトさん達がビーストマンを絶滅させた お陰で その縁も途絶え、今は殆んど、何の関わりも無い。
元より国のトップが1/8ドラゴンであるドラウと、心底に仲良くする気も無くだろう。
バハルス帝国とリ・エスティーゼ王国には、当時 王国領だった開拓村に対して、帝国騎士に扮しての虐殺行為について問われており。
これについては、現在は我が魔導国領の話でも有るので、此方からも それに対する内容の書状を送っているが、未だ何の返事も着ていない。
何の解答も示さないのは、帝国王国に対しても同様だが、これでは戦争待った無しだぞ?
王国は どうだか知らんが、少なくとも帝国…ジルは既に、戦る気満々だぞ?
そしてツアー達ドラゴンが統べるアーグランド評議国や、亜人率が人間よりも高い都市国家連合とは やはり、最初から国交も何も無い状態。
そしてエルフ王国。
純粋な人間種以外を認めないスタンスな法国だが、意外にも約100年前迄は、協力関係を築いていたそうだ。
尤も現在は、戦争状態に在るらしいが。
「約100年前、当時の…今でも現役ですが、エルフ国の王が当時のスレインにて最強だった女性を浚ったのが、切っ掛けだそうです。」
占星千里が言うには、そのエルフ王が当時のスレイン最強の女(プレイヤーの子孫らしい)を浚い、身籠らせたとか。
成る程…そりゃ戦争にもなるわ。
「エルフ王は自分の血と、スレイン最強の血を交える事で、新たな強者を作ろうとしたとか。」
しかし、その腹の中の子が産まれる前に、法国は その女の奪還・救出に成功。
子供は法国で、無事に出産した…と。
「その通りです。そして それが現在、スレイン法国にて最強の存在とされる者。
漆黒聖典 番外席次…絶死絶命。
スレイン法国の最高機密の1つだそうですが、占星千里からの事前情報で、その確認は難しくはなかったですね。」
「"番外"席次、ねぇ。
所謂No.0みたいな感じか?
しかし、つまりはソレ、ハーフエルフなんだろ?
純人間至上主義、何処に行った?
そして まろんサン、辛辣。
「へぇ~?…だったら、そのエルフ王国?と、共闘とか出来ないのかな?」
「ああ。私も それは選択肢の1つだと思い、エルフの国についても少しばかり調べたのだがね…」
≫≫≫
「「ホウガン…だと?!」」
まろんサンと声が被った。
デミウルゴスの説明から出た、エルフの王、デケム・ホウガン。
デケムの名は知らないが、ホウガンという名のエルフには、心当たりが凄く有る。
「時期的にも、辻褄は合うな。」
「そうですね。」
六大神の次の時期に、この世界に姿を見せたと思われる8人のプレイヤー、通称・八欲王。
前にツアーから聞いた八欲王の特徴からして、俺と まろんサンは それを
八欲王は最終的、その欲を冠する名に相応しく仲間同士の財を奪い合った挙げ句に共倒れの全滅したらしいが、その死ぬ前に子供を残しているというのは、別に可笑しい話じゃない。
≫≫≫
「…うむ。とりあえず今回はエルフ国とは、拘わらずで話を進めよう。」
「そうですね。モモンガさんなら殺りかねない。」
そして続くデミウルゴスのデケム・ホウガンなるエルフ王の説明を聞き、少なくともエルフ国とはスレイン法国との戦争が片付く迄は、関わりを持たない事にした。
このエルフ王、一言で言えば あらゆる意味でクソヤローだ。
仮にスレインへの共闘を申し出たとしても、その やり取りの最中で先にエルフ王を殺してしまう自信が出てきた。
エルフ国の民も、この王に良い感情は持っていないそうなので、それが理由でエルフ国とも戦争となる事は無い…寧ろ それは民から歓迎されると思われる…らしいが、要らぬ衝突は時間の無駄だ。
「何よりもプレイヤーの子供相手なら、此方も相応の準備が必要となるだろうからな。」
≫≫≫
「…よし、それでは その方向で、事を進めるとしよう。」
その後も色々と話し合い、先ずはスレイン法国には俺自らが其方に赴くという内容の手紙を送り、向こうの上層部が
その後も如何にして国を滅ぼすかの、具体的な計画も ほぼ決まった。
とりあえずは、降伏や和平交渉は認めない。
土地や物資を略奪した上で支配するとかで無くな、基本は完全なる殲滅…皆殺しだ。
多少の生き残りが出るかも知れないが、それに構う事も無い。完全なる放置だ。
「それでは最後に、何か質問は?」
「あ…あの…すいません…」
会議を締める前のデミウルゴスの言葉に、申し訳無さそうに、マーレが手を挙げた。
「いや、何かの疑問を持つのは、全然 構わない事だよ、マーレ。」
「そうだな。解らない事を聞かず、解らない儘にする事の方が、余程 問題だ。
それに私は、マーレが どんな疑問を持っているかに興味が有る。」
「は…はい!」
デミウルゴスと俺の台詞に、安心した様に表情を明るくするマーレ。
「そ、それで質問というか思った事ですけど…何だか その…少しだけ、まわりくどいかな…と。
宣戦布告とかしないで、一気に攻めて滅ぼしてしまえば…とか思っていましたから…」
「そう言われたら確かに…でありんすねぇ?」
「あ~、それは…だね、マーレにシャルティア?
今回は あくまで、我々魔導国とスレイン法国との
確かに予告無し、いきなりナザリックの戦力を投入して法国を滅ぼすのは容易い。
しかし それは、規模の大小の違いだけで、法国が当時 王国領だった開拓村へ行った、虐殺行為と何ら変わらない。
魔導国を恐怖の対象と見られるなら未だしも、只の暴徒の国だと思われるのだけは、絶対に避けたいからね。」
【次回予告】
◆アルベドside◆
モモンガ様の いきなりの登場に、恐れ戦くスレインの神官達。
そんな彼等にモモンガ様から告げられたのは、慈悲無き宣戦布告だった。
次回『超・大虐殺(予定)』
乞う御期待よ。