ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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まろんの正体!

◆アルベドside◆

えぇええ゙ーーーーーーーーーっ??!

ま、まろん殿が、首を斬られたあ?!

スレイン法国の魔法詠唱者(マジック・キャスター)が操る天使の一撃で、まろん殿の首が天に高く、高く舞う。

 

「く、くくく…っ!」

しかし、それを見たモモンガ様は、取り乱す素振りを見せず、余裕そうに笑っている。

 

「ふ、ふははははは! 不様だな!

多少 腕に覚えが有っても、やはり数には勝てないか?

そも、我等陽光聖典に、たった3人で立ち向かうのが間違ってるのだ、ヴァカめ!

一方の敵の指揮官の男は、勝ち誇った様に高笑いを。

 

「さあ、次は彼方の2人だ!

1人は魔法詠唱者(マジック・キャスター)の様だから、注意を怠るなよ?」

「ちぃっ!」

そして次は此方に攻撃指示をしてきたので、モモンガ様を護るべく前に立ち、戦斧(バルディッシュ)を構え、迎え撃つ姿勢を。

あの程度のモンスター、如何に数が揃っていようが、所詮は私の敵じゃない。

………………………………。

()()()()()()()()()()

いや、可笑しいでしょ!?

まろん殿の戦闘力は今日 初めて、少し見ただけだが、少なくとも あの様な下級モンスターに不覚を取るレベルじゃない!

防御力的に考えても、あんなに簡単に首を落とされるなんて、不可解だ!

………………………………………??

()()()()()()()

 

「アルベドよ。漸く気付いたか?」

「モモンガ様?」

「くっくく…私は最初からネタバレしているから驚く事は無いが、まろんサンの首…高く跳ね上がり過ぎてないか?

そして、何時になったら落ちてくるのかな?」

そうだ。まろん殿の首は、一向に落ちてこない。

いや、それだけじゃない!

残された体。

あれだけ派手に首を斬られたにも拘わらず、血が噴き出ていない?

そして未だ倒れる事無くの仁王立ち!

 

「ふははははははっ!」

「!!?」

そうした中、上空から聞こえてきたのは、大きな笑い声。

 

「何?」

それを聞いた敵も上を見上げ、

「な…」

「馬鹿な…?」

「ヤツは…」

その視線の向こう…空の先には

「ふっ、首を飛ばした位で安心したか?」

凄く()い笑みを浮かべた まろん殿の首が、宙に浮いていた。

 

「「「「は…はぁぁぁあ??!」」」」

それを見て、下等生物共が間抜けな声を上げる。

 

「あ、あれは…まさか、まろん殿は…」

「ふっ、アルベドよ。その通り、まろんサンは…」

「バラ〇ラの実の、能力者…」

「いーや、違うからな!

確かに そうも見えなくもないけど、どうして そっちに持って行くかな?」

え? 違うのですか?…という事は、もしかして…

 

スゥ…

 

そして まろん殿の首は、静かに本体(からだ)の元に降り、脇に抱えられる。

 

「「「な、なななな…?」」」

それを見て、スレインの者達は、驚きを隠せない。

そう、まろん殿の種族は、人間種で無く異形種…

 

首無し騎士(デュラハン)!」

「その通り。しかも まろんサンは その上位種、首無し騎士王(デュラハン・ロード)だ!」

そうか…。人間種では無い…異形種と思ってはいたが、まさか、不死属(アンデッド)だったとは。

しかもユリと同属の、首無し騎士(デュラハン)!…って、まさか?

 

「ふむ。互いに具体的に同属とは気付かなかったが、何かしら、感ずる物が有ったのだろう。」

確かに …いきなり最初の一言が求婚だったらしい まろん殿もだが、それを完全に拒絶するでなく、然るべき()()を求めたユリ。

確かに いきなり結婚は唐突過ぎるが、交際ならば寧ろ満更で無い、好い仲になる事自体は吝かで無いかの様な反応…

もしかして これって…?

 

「うむ!正しく両方一目惚れ(ビンゴ)ってヤツだな!」

 

 

◆アルベドside・了◆

 

≫≫≫

 

◆モモンガside◆

「や、殺れ!あのアンデッドを殺せ!」

「はっ!《火炎球(ファイヤー・ボール)》」

「《金剛石弾(ダイヤ・ミサイル)》!」

「《風刃(ウインド・カッター)》!」

「《魔氷槍(アイス・ジャベリン)》!」

「《雷撃(ライトニング)》!」

敵指揮官は、正体を見せた まろんサンに対して総攻撃を指示。

ヤツの後ろに控えているのを除く、天使全てが突撃する同時、部下の魔法詠唱者(マジック・キャスター)も様々な属性の魔法攻撃を集中させてきた。

…が、やはり、ユグドラシルの魔法か…

誰から教えて貰ったか、いや…誰が広めたか、調べる必要が有るな。

 

「…笑止!」

まろんサンの方は、全くの余裕。

上位の物理や魔法の無効スキルを備えているので、あの程度の攻撃では、何のダメージも受けていない。

 

ぽーぃ…

 

そして抱えていた頭を、再び天高く、勢い良く投げ上げた。

 

「あれは、ユリの?…いや、違う!?」

 

ヒュンッ!

 

アルベドが驚く中、まろんサンの体も、それを追う様に飛翔…からの、

ジャンピング・頭スパイク!

 

バシィッ!…ドッゴォォン!!

 

そこから繰り出されたのは、自分の頭をバレーボールに見立てた様な叩き付け。

天使の群れの中心に急降下した(まろんサン)は その威力で一度に数体の敵を撃破。

一見、ユリの必殺技(フェバリット)に似てなくもないが、まろんサンの それは数多い持ち技の1つに過ぎなく、そしてユリの それよりも遥かに威力の有る技だ。

 

「…シュッ!」

 

バシッ!ガィン!ドガッ!

 

更には其処に()()も駆け付け、燃える拳や蹴りで残りの天使も片付けた。

 

「ば、馬鹿な?!あ、有り得ん!有り得ん有り得ん有り得ん有り得ん有り得ん有り得んん!?」

これを見た敵指揮官は、間抜け面を晒して『有り得ない』を連呼しているが、残念ながら これが現実だ。

 

「天使だ!ててて、天使を追加召喚しろ!

同時に、魔法攻撃だ!」

指揮官が手下に命令を下しているが…まろんサンには そのレベルの天使では、どうする事も出来ないのを、まだ理解出来ていないのか?

 

ダッ…!

 

その まろんサンは、雑魚天使が再召喚されるのを、素直に待つ事も無く。

敵ボス目掛けて一直線。

 

「ひぃっ?!」

その迫力に圧されてか、一瞬 情けない顔、そして声を出すが、傍らに控えさせていた…あれは確か、中級の天使だったな?…を前に出して、

「ふ…ふははははははっ!

コイツは下級の天使とは、レベルが違うぞ!

殺れ! 殺ってしまえ! 監視の権天使(プリンシパリティ・オブザベーション)!!」

前衛に据えた天使に絶対の自信を持っての高笑い。

この天使は聖棍(メイス)を両手持ちで、突進してくる まろんサンを迎撃する構えを見せる。

 

ボゥ…

 

しかし まろんサンは突進を緩めず、己の右手に闇属性魔法…黒炎を宿らせ、

地獄爪殺法!」

 

斬!

 

「なな、何とおーーーーーーっ??!」

またも間抜けな雄叫びが、場に響き渡る。

天使は構えた武器を振る事無く、獄炎の爪によって その身を斬り裂かれ、そして焼き尽くされ、消滅した。

 

ベキッ!

 

「ぎゃんっ?!」

そして その儘、まろんサンは()()の左拳を、指揮官の顔面に叩き込む。

数㍍吹き飛ばされ、転がされた男は起き上がると怒りの形相で、

「オ、オノレェエ…!」

 

ゴソ…

 

まろんサンを睨みながら、懐から水晶の様な物を取り出した。

あれは…確か…

 

「ならば! 最高位の天使を召喚する!」

やはり、そうか!

輝きからして、アレは第10位階までの魔法なら封印可能な魔封じの水晶。

アイツはユグドラシルのアイテムも、所持してる訳か…って、ヤバイ!

如何に まろんサンでも、最上位天使相手は流石に相性が少しだけ悪いぞ?!

 

 

◆モモンガside・了◆

 

≫≫≫

 

◆まろんside◆

「最高位天使…だと?」

「ふははははははっ!そうだ!

貴様には、コレを使う価値が有ると、判断させて貰った!」

顔面を殴られ鼻血ぶーな男が、どや顔で言い放つが、確かに種族(アンデッド)的に、最上位天使は少しだけ分が悪い。

俺は戦闘時、敵が変身とかパワーアップとかしてるのを、素直に待つ思考は持っておらず、即座に潰そうと思ったが、

「ちぃっ!ウゼェ!」

その他大勢が召喚した下級天使が数・数・数で迫ってきて、其れ等を片付けている間に、

「さあ、神の化身たる姿をその眼に焼き付けるが良い!

そして死ね!」

結果的、天使召喚を許してしまう。

 

「出よ!威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)!!」

 

カッ!

 

水晶が眩い光を放つ。

そして この場に現れたのは、無数の白い翼の集合体に腕が生えたかの様な、謂わば異形の天使。…って?

 

「それが…最高位天使…だと?」

「そうだ!この神々しさに恐れ戦いたか?

しかし、今更 命乞いは赦さんぞ?

貴様を殺し! 後ろの2人を殺し!

そしてガゼフ・ストロノーフを殺し!

ついでに村人共も皆殺しにしてやるわ!」

…いえ、自信満々どや顔で言ってるけど、別に恐れ戦いてなんていませんから。

最高位天使とか言うから、最大限に警戒していたのに、そんな()()()な天使を出されて拍子抜けしただけですから。

と、言うか、折角の上級アイテムに、そんな中途半端なの封じてるなよ。

何という無駄無駄無駄無駄無駄使い!

其処は熾天使(セラフ)だろ?

 

「最早、面倒!」

警戒の必要が無くなり、一気に片付ける事にした。

ついでにゲーム(ユグドラシル)で無く、現実《リアル》でも、()()()が使えるかどうかの実験だ。

ゲームでは即死技扱いだったが…

 

「殺れ!総攻撃だ!」

敵ボスの指令の下、雑魚天使が突撃してきて、最上位天使(笑)も魔法で攻撃。

しかし それも、少しだけ痛い程度。

鬼畜ギルマスの()()に比べたら、全然大した事も無く…あら?何か、涙が出てきた…

 

シュゥ…

 

そう思いながら、発動させるのは転移系魔法。

普通なら戦闘時は、逃亡・離脱以外に使う事は無いが、コレは魔拳士の(クラス)を得た、(多分)俺だけのオリジナル。

 

ゴゴゴゴ…

 

転移系魔力が宿った両掌を前に突き出すと、目の前の空間が歪み、横一直線に裂かれた。

 

「ひっ?!」「何だ?アレは?!」

スレインの魔法詠唱者(マジック・キャスター)達が、その裂けた奥に広がる黒い空間を見て慌てふためくが、もう遅い!

 

「さあ、異次元の彼方に飛んで逝け!

異次元転葬(アナザー・ディメンション)!!

 

ゴォォォオオオッ!

 

「ぎゃぁゎっ!?」「ヒェッ?!」

最上位(笑)と雑魚…天使の集団は全て、この時空の狭間に吸い込まれた。

ついでに巻き添えで、敵兵も何人か消えていったが…この後 直ぐ、この時空の裂け目は何事も無かった様に静かに閉じられる。

とりあえず、この技も此方の世界で使えるって認識で良いかな?

 

「ひぃえええっ???!」

そして今日、最大最高な間抜け面&大声な敵ボス。

 

「もう、終わりか?

それとも、まだ何か有るか?」

「ま、待て!…っ下さい!

言い値で金を出す!…ますから!

どうか私達…いや、私の命だけは!」

ゆっくり歩み寄る俺に、この指揮官は完全に戦意喪失しての命乞い。

しかし、却下だ。

…………………………………………。

不味いな。本当に殺ろうと考えている。

さっき異次元に送り込んだヤツも そうだったが、如何に敵…此方を殺しにきた者とは言え、本当に殺しに躊躇が無くなっているか…

 

≫≫≫

「すまなかったな、モモンガさん。

何だか全部、持ってっちゃって…」

「いえ、気にしてませんよ。」

「見事な戦い振りでした、まろん殿。」

…この後、指揮官含む残りの敵は、麻痺させた状態でナザリックに転送させた。

俺の正体を知ったヤツを、王国戦士団に引き渡したり、野放しにしたりは出来ないからな。

村で拘束していた偽帝国騎士は、1人だけ こっそり逃がして残りはガゼフ・ストロノーフに押し付けた。

どんなに役立たずでも、少しは働いてもらわないとな。

 

「さて…調べるべき事が、沢山 出てきましたね。」

「…ですね。」

因みに逃がしたスレイン騎士や、王国戦士達には、モモンガさんが各々に数体のシャドウ・デーモンを憑けていた。

これで王国王都や法国の情報収集や転移登録(マーキング)が可能になった。

 

 

 

 

 

『…んちゃ~ん?まろんちゃん、聞っこえてる~?

聞こえてるなら、返事してよ~?♪』

 

 

 

…って、《伝言(メッセージ)》? ギルマス?

 




 
結局、指揮官の名前、出なかった。(笑)
 
次回『尋問』(予定)
乞う御期待!
 
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