ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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世界級(ワールド)アイテム

▼▼▼

「と、通せないとは、どういう事だ!?」

「いや、だから そのまんまな意味だよ、お嬢ちゃん。」

竜王国。スレイン法国との国境側の関所で、その法国から多量の空の荷馬車を率いた商団が、足止めされていた。

この商団の指揮兼護衛を務めている、白基調の軍服を着た黒髪の少女が、その対応に憤慨。

 

「大体、お前の様な子供に『お嬢ちゃん』とか言われたくは無いぞ!?」

更には その関所の代表者の明らかに自分より年下な容姿に、尚更に憤慨。

 

「いや…多分だが、私は貴殿より歳上だと思うぞ?

貴殿が私と()()とかじゃない限りはな?」

「はあ?!」

そう言っているのは深緑の軍服を着た、金髪の少女…否、幼女。

 

「法国は今、魔導国と戦争真っ只中なのだろう?

竜王国は魔導国と同盟を結んでいるのだ。

法国の者…しかも、()()()()を入国させる訳には往かないだろうに。」

彼女は谷屋あおい。

ヴァーリ・トゥード所属のプレイヤーだ。

 

「既にアインズ・ウール・ゴウン魔導王から、『スレイン法国が大量の食糧を買い求めに来るかも知れない』と連絡は受けていたからね。

しかも その際、法国の強者(笑)が来る可能性も。

()()()()()()()()()()()のだよ。」

「…………………………。」

彼女は今後の展開予測を恐怖公の所業込みでモモンガに聞かされていた、竜王国女王ドラウディロンからの要請で、この関所の守護役に就いていた。

  

「『此処を通りたくば この私を倒せ』…とは言わん。国際問題だからな。

それに どの道、法国の者に物を売る者等、今の この国には居らぬよ。

…ならば、無理矢理に強奪略奪か?

それこそ国際問題だぞ?

…だから此の場は、

素直に引き返せな?

「………………?!!」

この()の有る言葉に、"新生"漆黒聖典・鹿屍討伐は谷屋を睨み付けるも、己と相手との実力差を測れるだけの力量は持っていたのか、言われた儘にスレイン法国へと退き返すのだった。

 

≫≫≫

 

▼▼▼

「………………………………。」

「くっ!」

場所は変わり、バハルス帝国の国境関所。

此方も竜王国と同様に、空荷の荷馬車を率いる商団が訪れていたが、竜王国と同じ理由で入国拒否されていた。

竜王国同様、漆黒聖典の者を護衛に付けていたが、それは帝国も同じく。

事前に魔導国から情報を得た事により、関所警備に就いていた帝国四騎士の1人、ナザミ・エネックの無言の圧力(プレッシャー)の前に、この忍者風な青年…関節恐慌は屈してしまう。

"新生"漆黒聖典。本来の漆黒聖典が実質 壊滅した故に急遽 作られた部隊だが、その実力は本家には遠く及ばず。

英雄の域は無論、冒険者で言うアダマンタイト級にも達していない者が殆んどだった。

 

 

▼▼▼

 

◆まろんside◆

「マジか?」

「はい! マジらしいです!」

デミウルゴスからの報告。

あの『ショック(笑)』から1ヶ月が経過した。

アレ以来、侵攻みたいな事はしていないが、アレには予想以上の成果が出ているらしい。

恐怖公眷属に国内の食糧の殆んどを喰い尽くされた事での食糧難。

農作物は事実上全滅で、国内の森等で野生動物を狩ったりもするが、供給が追い付かない。

他国には食糧支援を断られる事で(魔導国の根回しw)それに拍車が掛かり、残り僅な食糧を巡っての暴動騒ぎが起こる地域も有るとか。

現状で餓死者 まだは出ていないが、それも近い内に…らしい。

 

「もう、ガタガタですね。」

「ガタガタだな。」

「ガタガタだ。」

『生活魔法』とか言う、低級の魔法で塩や砂糖を作り、それで何とか凌いでいるとか?

 

「確かに人間、塩さえ有れば何とかなると、聞いき及んでおりますが?」

それでも限度ってのが有るだろ?

因みにだが、このG大量発生を魔導国の仕業と考える者は、今のところ出てないそうだ。

余りにも下らなさ過ぎるって理由でな。

確かに普通なら、まさかGを使っての兵糧攻めなんて、思い付かないよな。

それに魔導国の戦力なら、態々そんな遠回しな事をする必要は無いと考えるのが普通。

しかし、それを本当に思い付いて普通に実行するのが、DQNギルド(アインズ・ウール・ゴウン)だ!

尚、ユグドラシルのプレイヤーなら、そういう事態なら真っ先にAOG(アインズ・ウール・ゴウン)を疑うのが普通な話だ。

更には この法国、今回の戦争の自国内への説明も出鱈目。

魔導国が突然一方的に、宣戦布告してきたとか言ってるそうだ。

カルネ村や その他開拓村の襲撃や、聖王国でのモモンガさん暗殺(失敗)には、全然触れてない。

そりゃ言えないのは解るけど、それでも きちんと言うべきは言わないと。

既に首都は壊滅状態で、国民の間でも降伏派と抗戦派とで対立が起き、或いは近隣の国へと逃げ出す者も居るとか。

当然、入国は認められずに追い返されているけど。

 

「今度は此方が、刺客を送りますよ。

但し、油断は出来ません。

何しろプレイヤーが興した国。以前から此方に来た法国の者から、既に幾つもユグドラシルのアイテムを押収しています。

その中に2つ、世界級(ワールド)アイテムも有りましたからね。」

聖者殺しの槍(ロンギヌス)と傾城傾国な。

 

「つまり、法国は他にも まだ、世界級(ワールド)アイテムを持っている可能性が有る…か。」

「そうです。だから此方も、守護者達に世界級(ワールド)アイテムを持たせて送り込みます。

既にデミウルゴスにも1つ、持たせていますしね。

…そんな訳だ。また頼むぞ、パンドラ。」

おぉ、世界級(ぅワ~~~ルド)アイテム!!

世界を変え得るぅ、強大な力!

至高の ぅ御方々の偉大さの証しぃっ!

…言い忘れていたが、俺達は今、エ・ランテルのパンドラ(モモン)邸で話をしている。

 

「「「…………………………。」」」

そのパンドラの仕草(アクション)に、邸勤めやアインズ様当番のメイドさんが、『うわぁ…』と言いたいのを我慢しているかな表情。

いいぞ、もっと やれ!止めたげて。そんな顔で、モモンガさんの黒歴史を見ないであげて。

 

「…ナザリックの最奥に眠る秘法の数々がぁ、遂に力を振るう時が来たと?

そうなのですね? ~アインズ様!」

「………………………。(精神安定)

あ、あくまでも それを使うで無く、使われた時の予防線としてだがな。

…って、どうした、デミウルゴス?」

ん? どうやらデミウルゴスから、《伝言(メッセージ)》が届いた様だ。

また法国側に、何か動きが有ったかな? 

 

 

◆まろんside・了◆

 

≫≫≫

 

◆モモンガside◆

デミウルゴスからの報告。

スレイン法国が懲りずに また、魔導国に刺客を放ったらしい。

…正確には、デミウルゴス扮する、ヤルダバオトが けしかけたらしいが。

その今回の標的は、カルネ村。

狙いは村に住む、()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()を拐い、自分達の手駒にしようとしているとか。

…………………………………………。

いやいやいや、それ教えたの、お前だろ!?

一応ンフィーレアは、魔導国御抱えの薬師だぞ?

今は俺の指示で、ユグドラシルのポーション(赤)の開発研究させてんだぞ?

何、囮や餌みたいに使ってんの?

 

「それだけ大丈夫だって、信用してくれてるって事でしょ? 魔・導・王・様?」

「………………。」

しかし それは、つまり法国には まだ、使い手が限定されるが、一発逆転を狙えるヤバいアイテムが存在する事を意味しているな。

因みに現在、カルネ村にはナザリックからは護衛・監視役としてルプスレギナが。

そして、ナザリック地下大墳墓での修行を修了したとして、同じく護衛役にブレインを就けている。

前回の漆黒聖典を退けた事で、コキュートスから一応の合格認定を受けたらしい。

これはクライムやレイナースも同様。

レイナースは既に帝国に帰還していて、クライムはラナーの旦那様(ペット)だから、その儘ナザリック住まい。閑話休題。

そして その刺客の筆頭が何と、スレイン法国六大神の1人、スルシャーナの創ったNPCだとか。

俺が法国に宣戦布告した日、法国首都にて開幕一撃として喚んだ仔羊達を撃退した、あの天使だ。

 

「ルーファウスか。」

「まろんサンは、そのルーファウスと面識は有るのですか?」

「スルちゃんの拠点(ホーム)で1度、見せてもらった事が有るだけだよ。

面識らしい面識は無い。但し、その時の事をアッチが記憶している可能性は高い。

ナザリックのシモベ達も、俺とペロロンや茶釜ちゃまとの やり取りを覚えているみたいですし。」

ペロロンチーノさんと一緒に正座して、ぶくぶく茶釜さんに何やら説教されてる場面ですね。

 

「そう。タケと、それと何故かモモンガさんも一緒に正座させられてた、アレ。」

「うが…っ?! し、しかし流石にアレは、ルプスレギナやブレインには荷が重いな。」

「判ってる中じゃ、スレイン最強戦力だからね。

法国も、今回は それだけ本気って事だ。

俺も出るぜ。族長さんを()()()にさせるのは、同じ新婚として心苦しい。」

…理由、其処ですか?

友人(スルシャーナ)のNPCが出るなら、俺が出る』とかで無くて?

 

 

◆モモンガside・了◆

 

▼▼▼

 

◆魔導国兵士(モブ)side◆

カルネ村に、スレイン法国の軍勢が攻めてくるそうだ。

その情報を事前に得た魔導王陛下は、直ぐに迎撃体勢を整えられた。

モモン様マカロン様を筆頭に、エ・ランテルで選抜された兵士や志願した冒険者を、一気に集団転移でカルネ村に飛ばされたのだ。

カルネ村は前にも1度、スレイン法国からの襲撃に遇っていたそうで、それだからか防衛面のレベルは高い。

村の族長さ…あ、スイマセン…、村長さん配下のゴブリン軍団に加え、オーガなんかも居るし。

更には魔導王陛下が喚び寄せた、巨大アンデッドの騎士も何体も!

確かに怖いが、これが味方だと思うと心強い!

 

『さあ、スレイン法国!

何時でも掛かってきなさい! 殺って殺るわ!』

そしてそして、前のエ・ランテル防衛戦での主役となった、超巨大ゴーレムも!

もう、これ絶対に勝つるヤツ!

噂では、アレを中で動かしているのは、魔導国の宰相だとか王妃様だとか?

ははは…まさか、ね?

 

 

◆魔導国兵士(モブ)side・了◆

 

≫≫≫

 

◆まろんside◆

村の連中は、護り手以外は安全な場所に避難してもらっている。

尚、奴等からすれば本命のンフィーレアは、既にナザリック地下大墳墓に保護。

当然、スレイン法国の者は それを知る筈も無く…つまりは奴等、マジに無駄骨な訳だ。

 

「ほっほっほ…さて、どうしますかな?」

因みにンフィーレのナザリックでの保護を提案したのは、諸葛亮ゴブリン。

 

「この明らかに迎え撃つかの軍勢。

奴等からすれば、コイツが既に、想定外だろうしな。」

デミえもん曰く、今回はルーファウス以外は皆 一般兵士。

聖典の者は居ないらしい。

何時かの様に、急襲しての混乱の隙に法国最強(ルーファウス)がンフィーレアを見つけ出し、拉致る予定だったそうだが、悪ぃ…知ってた。

それを踏まえての、過剰な お出迎え。

正直な話、法国一般兵なら、ゴブリンズだけでも十分。

これはルーファウスを牽制する為だけに、揃えた顔振れだ。

そして、今回の対・ルーファウスの要は、実はダイフンボじゃない。

 

「その時は頼むぞ、ユリたん♡」

「はい、まろん様♡」

 




谷屋あおい…ターニャ・デグレチャフ(幼女戦記)
鹿屍討伐…バンビエッタ・バスターバイン(BLEACH)
関節恐慌…音速のソニック(ワンパンマン)
…のイメージで。
 
≫≫≫
【駄文】
『1作品1キャラ』という理由で没にしたのだが、最初は"新生"漆黒聖典のメンバーの中に、『戦慄竜巻』ていうキャラを考えていた。
しかし、今回の谷屋との絡みを考えたら、採用しても良かったかなと…(笑)
いやいやいや、()()を漆黒みたいな雑魚キャラに据えるなんて、そんな勿体無い事が出来る訳が無いじゃないですか!
 
▼▼▼
次回『大天使ルーファウス!(予定)』
乞う御期待! 感想よろしくです。
 
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