ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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【今回の予習】
刃投冥土…十六夜咲夜(東方シリーズ)
関節恐慌…音速のソニック(ワンパンマン)
…のイメージで。 
 


番外席次:絶死絶命!

◆まろんside◆

スレイン法国の上役が"聖地"と呼んでいたユグドラシルのギルド拠点は、ナザリックや白い匣(ホワイト・ホーム)同様に内部を魔改造(リフォーム)されている様子だった。

壁床天井が不気味に脈打ち蠢く、まるで生物の体内の様な肉々感溢れる迷宮層を抜けると、

「しかし、全然イメージが違いますよね。」

…それな。

出てくるモンスターは殺戮機械(キラーマシン)系ばかりだったからな。

 

「臓器や肉塊みたいなモンスターも、勘弁して欲しいですが…」

…兎に角そんな、キモい造りの迷宮を抜けると、今度は鉱石造りな城の内部の様な階層(フロア)に。

 

「遂に此処まで…来ましたか。」

その広いエントランスの様な場所で待っていたのは、銀髪のメイドさんだった。

 

「名乗らせて頂きます。

漆黒聖典・刃投冥土と申します。」

…………………………………!!?

しかも このメイドさん、ユリたん♡と同等の…いや、違う…! アレは…

 

≫≫≫

 

ズパァッ!

 

「きゃぁぁあああっ!!」

 

…勝負は一瞬だった。

刃投冥土なるメイドさんが、何処に仕舞っていた?…と突っ込みたくなる程な多量のナイフを弾幕の様に投げ付けてきたが、それをシャルティア&花嫁さんズが前に出て冷静に対処、その全てを薙ぎ払った。

シャルティア、前回の恐怖公との作戦(ミッション)をギャン泣きで拒否した汚名を返上しようと今回はヤる気満々。

そして次の瞬間、一瞬にして距離を詰めたシャルティアが右の小指、その1本だけ爪を鋭く伸ばしての斬撃。

これにより胸元を斬り裂かれたメイドさん。

その斬り口からは、夥しい程の血…でなくて、

「………………………………………。」

多量の詰め物(PAD)が ばら撒かれ、宙を舞う。

やはり! あのメイドの胸、巨乳でなくて虚乳だったか!

俺の目は誤魔化されないぞ!

スイカップ・スキー舐めんな!

…て、ユリたん♡?

心配しなくても、俺はユリたん♡以外の女の下着とか裸とかには、全く興味無いから。

だから目隠しするの、止めてくれるかな?

 

「「「「「…………………。」」」」」

「ぇーと、ご、ごめんなさい…で、ありんす?」

そして何とも表現し難い空気が、場を支配する。

涙目で怨めしそうに此方を睨む彼女に対して、シャルティアも 気持ちは理解出来、 これは流石に自分が悪いと思ったのか、素で謝ったり。

 

≫≫≫

あの刃投冥土は幸いと言うべきか、あのPADが結果的だが防具の役割を担っていた様で、身体には殆んどダメージを受けてない様だった。

 

「精神的にオーバーキルですけどね!」

その通り。

『止めたげて! 彼女のMP(メンタルポイント)は もう0よ!』とばかり、完全に戦意を失った彼女をスルーして、俺達は更に先…スレイン法国のトップ、大神官が居るであろう最奥を目指すのだった。

 

 

◆まろんside・了◆

 

▼▼▼

 

◆デミウルゴスside◆

「「「「………………………。」」」」

水晶の繭(クリスタル・コクーン)の最奥、中枢の間。

現在 私は神官共と、この地に攻め入ってきたアインズ様達の様子を窺っています。

はい。この拠点には監視の機能は無く、スレイン法国の巫女でしたか?…の"眼"とやらも、それは神都の神殿でしか使えないとの事で。

仕方無く、私の使い魔を放ち、彼等の眼に映る光景を、魔水晶に投影するという形を取っております。

ああ、勿論アインズ様達には、了承頂いておりますよ?

そして先程迄、まろん殿と漆黒聖典・関節恐慌なる人間が、戦闘を繰り広げていたのですが、これは流石に…

まろん殿…貴方の血は、何色ですか?

 

 

◆デミウルゴスside・了◆

 

▼▼▼

 

◆モモンガside◆

シズが見ていたら、絶対に「うわぁ…」とか言っている場面だ。

この聖地の先を目指す俺達に、不意打ちで…いや、その存在は最初から気付いていたから、不意打ちとは言わないか?

兎に角、ソイツは、無数の()()()を投げてきた。

しかし そのクナイは躱したり弾いたりで、俺達の身に届く筈も無く。

武器投擲という点では、さっきのメイドの弾幕ナイフの方が凄かったしな。

そして その内の1本をキャッチしたセバスが飛んできた方向に投げ返す事で、その男…漆黒聖典・関節恐慌とやらの姿を引き摺り出す事に成功したのだ。

しかし この男…クナイの時点で まさかとは思ったが、何と『忍者』らしい。

ユグドラシルでは その(クラス)となるには、レベルや その他諸々な条件が必要だったのだが、それ等を満たしている様には見えない。

これは蒼の薔薇の忍者姉妹も同じだったが、その辺りはゲームと違い、いきなり忍者の修行をしたら…等で可能なのだろうな。

これ、弐式炎雷さんが知ったら、どんな反応するかなぁ?

あの人、忍者になるのに、結構な苦労したらしいから。

兎に角これは、戻ったら調べてみよう。

そして この男の相手をしたのが まろんサン。

まろんサンも この世界の忍者に興味を持った感じだった。

俺達に『手出し無用』と言って、戦闘が開始された訳だが、以下回想。

 

≪≪≪

「さあ、行くぞ! 金色!」

忍者を名乗るだけ有り、現地人とすれば かなりのスピードで…一応、残像が見える…まろんサンを翻弄している(つもりな)関節恐慌だが、まろんサンは冷静に その動きに合わせて、カウンターとばかりに拳を前に出した…パンチを放ったとかじゃない、相手が まろんサンの突き出した拳に、勝手に ぶつかってきたのだ。超スピード(笑)で。

 

「£☆§@◇▲〒→←(∆¡™﹀)(}‥™°0°L)∀≡~?!!」

「あ…」

しかし、その拳が直撃した先が、所謂"漢"の急所だった。

もう1回言うが、決して まろんサンは狙った訳では無い。

向こうから ぶつかってきたのだ。超スピードで。

 

≫≫≫

「あのさ…お前、もう無理だろ?

先に行って良いか?」

 

そして、現在(いま)

 

ぷるぷるぷるぷるぷるぷるぷるぷるぷる…

 

余りのダメージに、内股で全身を小刻み ぷるぷる振るわせて、半泣き顔の関節恐慌に、まろんサンが戦闘の中止を呼び掛ける。

 

「くっ…!」

関節恐慌も まろんサンを睨み付けるが、これ以上の戦闘は不能と自覚しているのか、「まだ戦れる!」とかイキる事は無い。

これで、「俺を殺さなかった事を、後で悔やむが良いわ!」とか言っていたら、期待に応えてやる処だが、そんな様子も無いので俺達は この忍者には これ以上 関わらず、先に進むのだった。

 

 

◆モモンガside・了◆

 

≫≫≫

 

▼▼▼

「まさか!? 刃投冥土に続き、関節恐慌までもが?!」

魔水晶に映るモモンガ達魔導国勢の進撃に、大神官は驚きを隠せない。

 

「クス…所詮は急造で集めた連中。

"漆黒"を名乗るには、余りにも実力が不足しているわ。」

「成る程。つまりは所謂、『漆黒聖典になれたのが不思議な位の雑魚』…そういう事ですか?」

「ええ。そうよ。」

それに対して不敵な笑みを溢し、まるで他人事の様に言っているのは漆黒聖典番外席次・絶死絶命。

ヤルダバオト(デミウルゴス)の問い掛けにも、同様に応える。

 

「な、何故お前…達は、そんなに冷静で居られるのだ?!」

「それは、最初から私の出番が来るのが、分かっているからよ。」

「私としては、あの様な未熟者達を魔導王様に各個で差し向ける事に、疑問だらけです。

せめて集団で当たらせれば、まだ勝率は上がった物を。

…本当に、数値の上での、僅かな話ですがね。」

その危機感の皆無な会話に、大神官は憤慨するが、それすら2人は平然と流すかの様な対応をするのだった。

 

▼▼▼

 

◆デミウルゴスside◆

「し、しかもだぞ!? 奴等、ルーファウス様を!?」

「どうやら、洗脳されていますか?」

「それは、分かっている!

奴等、後ろ側を歩く あの女!

アレが着ているのは、我がスレイン法国の秘宝の1つ、ケイセケコウク!

どうして奴等が、アレを…」

情けない。仮にも、国家のトップに座す者でしょう。

もう少し、堂々として欲しい物ですね。

 

「…以前、アレを所有していた者が、魔導国領域に入った事は?」

「っ………………………………。」

「成る程、そういう事でしたか。

その時に、奪われたのでしょうね。」

はい、知っていますがね。

 

「さて…私も そろそろ、持ち場に行くわ。

素通りされたら、笑えないからね。」

そんな会話の中、絶死絶命が、部屋を出ようとする。

 

「待ちなさい。私1人をこの御老体の中に残しても、大丈夫なのですか?」

「ふふふ…アナタは魔導王以外には、興味が無いのでしょう?

それに、もしも私が この場で戦うとしたら おじーちゃん達、確実に巻き添えで死んじゃうから。」

私の質問に、笑って答える絶死絶命。

これは ある意味、信用されていると思って良いのでしょうね。

あの大天使様(笑)とは大違いです。

 

「クス…()()()()()()()()()のかな…♪

出来れば あの、金色鎧の人かな?

あの人も、かなり強いのが分かる。

あの人なら、私に敗北を教えてくれるかも…

もし そうなら、子供を孕んであげても良いかな?♡」

「「「「…………………………。」」」」

その台詞に神官共が唖然茫然する中、絶死絶命は この部屋を出て行った。

やれやれですね。先日、私に子作り云々と言ってきて…勿論 丁重に断りましたが…と思えば、次は まろん殿ですか?

………………………………………………。

たっち・みー様、このヒトです。

 

 

◆デミウルゴスside・了◆

 

▼▼▼

 

◆まろんside◆

「いやいやいやいや! 俺にはユリたん♡が居るから!」

「「「「「まろんサン?」

        様?」」

        殿?」」

「…いや、すまない。何でも無い…。」

……………………………………。

何故だかは解らない。

しかし、何故か そう叫ばないといけない気がしたんだ。

いきなりの叫びに、モモンガさん達も心配そうに…特に名前を出されたユリたん♡は、何が有ったのか、解らない感じだ。

…って、

「此処で…ですか?」

モモンガさんが呟く。

肉迷宮から城みたいな階層となってからは、殆んど一本道だったのが、入った部屋の向かいの壁には4つの扉が。

部屋自体には何も無い、空っぽの空間だ。

 

「これはゲーム(ユグドラシル)的に、『其々別れて進め』ってヤツですか?」

「みたいですね。」

 

≫≫≫

4つの扉…4つの分岐に対して、此方は6人(洗脳ルーファウス数えない)。

それなら、誰か2人(ペア)が2組、1人(ソロ)が2組となり、其々の扉から先に進むのが定石な筈。

だったら、俺とユリたん♡がペアを組むのが普通だろうが!?

…それをあの骨、『いえ、今回は最初から、ユリとセバスを組ませるのが決まってましたから』とか、『敵地でバカップル・オーラ発散全開するのは流石に失礼過ぎます』とか言ってきやがった!

 

バキッ!

 

…そんな風に思いながら、コレはデミウルゴスの管轄下だな…の悪魔系モンスターを蹴散らしつつ、どんどん進んだ先には、今迄には無かった立派な装飾の大扉が。

 

ギギィ…

 

「わぁ♪…大当たりだわ♡」

「…………………………………………。」

その先、其処に居たのは髪の毛白黒ハーフ&ハーフの小柄な女。

部屋に入った瞬間、俺の顔を見て、何やら嬉しそうに話す。

あの特徴過ぎる髪…どうやら この女がスレイン最強、絶死絶命か(デミえもん情報)。

 

カチャカシャ…

 

そして、何故か その手には、懐かしのルービック・キューブが。

余裕なのか、俺が敵なのを知っている上で…一応 警戒はしている様だが…玩具(キューブ)で遊ぶ女。

 

カチャカシャ…カシャ…

 

少し経つと六面体を弄っていた手が止まり、俺に どや顔で

「どう?♪」

色が2面揃った、キューブを見せてきた。

 

「………………………………………………。

貸してみろよ。」

「…は~い。」 

俺の台詞に、絶死絶命が ぽーいっとキューブを投げ渡す。

それを手に取り、

 

カシャカシャカシャカシャカシャ…カシャカシャカシャカシャカシャ…

 

「どうよ?」

「……………………………!!!!??」

時間にして約4分。

()()()()()()()()()キューブを見せてやると この女、目を点にしてんの。

 

「どやぁ!…するなら、これ位は やらないとな。

因みに上級者は、俺より もっと速い時間で仕上げるぜ?」

「な…?!」

ふっ!…2面揃えた程度で どやってんじゃねっての!

 

「さあ、遊びは終わりだ。

どうせ『この先に進みたいなら、この私を…』なんだろ?

…ほらよ。」

 

ぽーい…

 

そう言って、凄く恥ずかしそうな顔のオセロ髪女に、キューブを投げ返す。

 

「クス…物分かりの良い男は、嫌いじゃないわよ♡」

すると、それを受け取っての この台詞。

切り換えは早いタイプな様だな。

でも ごめん、俺にはユリたん♡が居るんだ。

 

≫≫≫

「…くっ!」

その後の戦闘。

スレイン最強と言っても、所詮は現地人。

確かに今迄の奴等とは、桁違いに強かった。

プレアデスよりはレベルが上な様だが…結果論だが、ユリたん♡と一緒しなかったのは正解だった…それでユグドラシルのガチ・カンスト勢に敵う訳が無い。

守護者でも圧倒出来るレベルだ。

但し、俺も少しだけ本気を出したけどな。

コイツが戦闘開始と同時に換装した装備…

それはユグドラシルのアイテム、風神の鎧と…って、ひょっとして()()()も六大神やったんかーい!?…そして何と、スルシャーナ(スルちゃん)が愛用していた処刑鎌!

まさかのユグドラシル・プレイヤーのガチ装備で固めて、攻撃してきたのだ。

 

「どうした? もう終わりか?」

(マスク)を割られて素顔剥き出し、両掌両膝を着いて俺を見上げる絶死絶命に、一応の問い掛け。

コイツは さっきのニンジャ(笑)と違い、絶対に敗けを認めるタイプじゃないだろうからな。

戦闘の最中、侵略者(オレ)に対しての、自国を護ろうとする気構えは、真剣その物だった。

まだ戦う気なら、その時は仕方無い。

例え女相手だろうが、敵には躊躇無く…だ。

 

「クス…クスクスクスクス…」

「…………………!??」

そう思い、気を緩めずに相手の出方を窺っていると、この女は不意に笑いだした。

殺気等は感じない。

 

「凄いわ!…これ程なんて、想像以上の強さ!」

…はひ?

 

「コレが…敗北という感覚…!

流石は ぷれいやー様…かしら。何て素敵!」

………………………………………………。

 

「貴方との間なら、強い子供が出来るわ!

どうかしら? 私を孕ませる気は無い?

子作りの過程をきちんと こなしてくるなら、途中で何しても構わないわよ?♡

大丈夫。貴方に迷惑は掛けない。

子供の面倒は、全て私が受け持つから。」

…………………………………………………………………。

あー、成る程。そういう事ですか。

このコ、アカン方向に強さを拗らせているタイプだったか。

 

「♡♡♡♡♡」

しかも この頬を赤くしての惚けた表情…

ん、このコ、マジだ。

だが、当たり前だが それを受け入れる事は出来ないな。

「無理です」ってハッキリと言わないと。

…だから たっちさん。その手錠、仕舞って下さい(幻覚&幻聴)。

 

「誠に申し訳無いが、俺には(スイ)カップの奥さんが居るから、その話を受ける事は出来ない。

それに仮に、俺が独り身だったとしても、せめてFカップ位は…」

 

ぶちぃっ!!

 

…え? 今 何か、凄い音が聞こえた気が!?

 

…殺す!!

そして先程迄、少し色ボケしていた感の絶死絶命の表情が、夜叉の如く豹変。

え゙? 俺、何か やっちゃいました?

  

ゴォーン…

 

そして その背に金の針、金の文字が刻まれた時計盤を浮かび上がらせた!?

 




【虚乳(きょにゅう)】…虚構の乳の意。
事実では無いのに、例えばPAD等を仕込んで事実らしく作り上げた、偽物の おっぱいの事
 
 
≫≫≫
すいません、次回は真面目に戦闘します(多分)。
 
次回『絶死絶命② ~The goal of all life is death~』
乞う御期待!感想よろしくです。
 
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