ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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裁判が始まる前に。
 


ズーラーノーン

▼▼▼

 

キーンコーンカーンコーン…

 

「はい。それでは今日の授業は此所迄です。」

「「「「「はーい。」」」」」

「「「「「ユリせんせー、さよーならー!」」」」」

 

ドタドタドタドタ…

 

「よし、ロウキューやろうぜ!」

「「「「「やろやろ!」」」」

「は~い はいはいはい。貴方達、廊下は走らない!」

 

エ・ランテルの孤児院兼学校。

この日の授業が終わり、子供達はボールを手にして、校庭に走っていった。

 

≫≫≫

「ふぅ…本当に、元気ですね。」

教室から、校庭に新たに作られたコートで まろんが考案した(事になっている)ロウキュー(バスケットボール)で元気に遊んでいる子供達を見て、ユリは顔を綻ばせる。

 

「もしかしたら本当に何年か後に、あの子達の中からプロの選手が生まれるかも知れませんね。」

 

キョロキョロ…

 

「……………………………。」

そんな事を考えた次の瞬間、ユリの表情は一変、 不審者の様な 慎重な面持ちとなる。

 

「……………………………………。」

そして、周囲に誰も居ないのを確認すると、教卓に置いてある まろんの写真を手にして、

「まろん様…♡( ーー)」

それに ゆっくりと顔を近付けるのだった。

 

≫≫≫

 

◆とある少年(モブ)side◆

今日の勉強が終わって、皆でロウキュー。

 

「あっ…」

パスを取り損なって、ボールはコートの外に。

そのボールが転がった先…そこには1人の男の人が立っていた。

何処かで見た事が有るな…と思ってたら、この人、この前のロウキューで大活躍してた人だ!

かっけー!背が高い!目が赤い!

この人って、ユリせんせーの お婿さんなんだよね。

せんせーの机の上に、この人の絵が飾ってあるもん。

それで せんせー、時々その絵にちゅーしてるんだよね。らぶらぶー。

 

「へぇ? 早速ロウキューやってるのか?

…ロウキュー、面白いか?」

「「「うん!」」」

「「「「面白いよ!」」」」

ボールを拾って、男の人が笑いながら話してきた。

ユリせんせーからは『知らない人に話し掛けられたら逃げなさい』って言われているけど、この人は知ってる人だから、大丈夫。

男の人の質問に答えると、この人は更に笑って、

「よし、俺も混ぜてくれよ。

とっておきを教えてやるよ。」

そう言って、どらいぶしながらコートに入ってきた。

 

 

◆とある少年(モブ)side・了◆

 

▼▼▼

 

◆デミウルゴスside◆

聖地なる場所で捕らえたスレイン法国の神官達ですが、現在はエ・ランテルに在る魔導王城(仮)の地下に幽閉しております。

所謂 捕虜。裁判までは、この地下牢で過ごして貰います。

敵国側の最高位の者達です。

牢と言えど、それなりに格式有る部屋を宛がう様、アインズ様より命じられました。

帝国と王国との戦争の時も、リ・エスティーゼの王ランポッサが捕虜として囚われた時も、バハルス皇帝は その実、国賓扱いしていたとか。

成る程。それが戦の理ならば、それに倣いましょう。

 

≫≫≫

「さあ、今日よりは、これ等の家具を使いなさい。」

「…………………………………。」

はい。ですから少しだけ、本気を出してみました。

神官等の部屋の椅子に卓、そして寝具。

私自ら吟味した、人間や獣の骨と皮をふんだんに使い…仮にアインズ様に御出しするとしても、恥ずかしくないレベルに作り仕上げました。

 

「…………………………。」

ん? どうしたのですか、大神官殿?

まさか、この期に及んで、悪魔(わたし)が差し出した家具等、使う気になれない…とか言う心算ですか?

 

「仕方無いですね…

『この席に着き、寛ぎなさい。』

 

 

◆デミウルゴスside・了◆

 

▼▼▼

 

◆まろんside◆

「そいっ!」

「「「わわゎっ!?」」」

ガキんちょ達のマークを躱してのレイアップ。

ダンクみたいな大技は やらないぞ?

基礎が出来てないのに変に影響受けて、そればかり真似しても仕方無いからな。

それに下手に怪我でもさせたら、ユリたん♡に怒られる。

 

「すげーっ!」

「かっけー!」

それに、バスケ初心者からすれば、基礎(レイアップ)ですら立派な大技だ。

そんなチビっ子達から拍手喝采大声援。

…何故、俺が此の場に居るかと言うと、ユリたん♡から孤児院兼学校にもバスケのコートが出来たと聞いたから、様子を見に来ただけだ。

子供達と遊んでいるのは、単なる只 何となく。

 

てんてんてん…

 

ボールがコートの外に溢れ、それを子供が取りに行った先に、

「…何故、此処に居るのですか?」

そこにはユリたん♡が。 

 

「それは勿論、ユリたん♡の顔を見に来たんだよ。」

「な…??!」

「「「「「ひゅーひゅー♡♪」」」」」

「いや~♪(≧∀≦)ゞ」

「…じゃ、ないです!」

 

≫≫≫

…例の法国の神官達の 公開処刑宣告 裁判は、ジルクニフ君ドラちゃん他、各国のトップの日程調整の折り合いで、3週間後に決まった。

因みにだが…法国領は既に、魔導国とエルフ国の軍勢によって、完全に滅んでいる。

今は もうエルフ国の兵は撤退しており、魔導国側も指揮役だったアウラ、マーレ、シズはナザリックに戻っているが、アンデッドの軍勢は未だ法国内に放置。

亡者が彷徨い暴れる、死の国と化しているのだ。

まだ隠れて生き延びている者が居るかも知れないが、それを除けば法国の生き残り…それは現在、ナザリックに捕らえられている神官達と、絶死絶命だけ。

あぁ、それから占星千里。

…"新生"漆黒のデスデス男は、既に殺している。

法国が壊滅した事は、占星千里には伝えているが、神官や絶死絶命には まだ教えていない。

この事で占星千里は最初、少しショックを受けた様だったが、

「"国"として魔導国…いえ、アインズ様に喧嘩を売ったのですから、仕方無いですね。」

…と、理解納得。そして割り切りは、した様子だった。

そして明日、その裁判前の一仕事として、魔導王から魔導国貴族への要請という形で久し振り、俺は冒険者マカロンとして、ナーベ(ナーベラル)と一緒に王国に向かう事になっている。

 

≫≫≫

「此処…か…」

「行きましょう、マカロンさん。」

そんな訳で、リ・エスティーゼ王国。

俺達は王都から少し距離を置いた海側の地方都市、とある安宿の一室の前に。

  

バタンっ…!

 

「はーい、失礼しまーす。

ルームサービス、でぇーっす!」

「……………っ?!」

その部屋に泊まっていた(おとこ)は、いきなり登場した俺達に驚いた反応を見せた。

 

「な、何なのだ、アンタ等は?

此処は、俺が泊まっていr

「黙れ、アスワンツェツェバエ。

私達は魔導王様の遣いで来たのだ。」

「…………っ!?」

 

≫≫≫

「成る程。それは本当の話だな?」

「…は、はい…。」

この男を瞬時に縛り上げ、色々と 拷問 質問。

はい、色々と…特に、一番知りたかった情報も得る事が出来ました。

 

 

◆まろんside・了◆

 

▼▼▼

 

◆モモンガside◆

カッツェ平野。

バハルス帝国とリ・エスティーゼ王国が毎年 合戦を繰り広げていた地。

そしてカッツェ平野と言えば…

スレイン法国最強と云われていた、漆黒聖典番外席次・絶死絶命。

この女が装備していたのは、ユグドラシルのアイテム【風神の鎧】。

その事から、六大神の1人は()()()だと、俺と まろんサンは推測していた。

そして それに伴い、ヤツが転移で降りた地は、此処だと予想。

何しろ『Katze』平野だもんな。

この平野、地に深く埋もれてる遺跡こそが、嘗てのギルド拠点だったのだろう。

 

「成る程…此処か…」

「確かに上手く、擬装(カムフラージュ)されておりますが…」

俺は今、まろんサンが仕入れた情報を元に、デミウルゴス、ソリュシャン、エントマ達と共に その平野に僅かに顔を出している遺跡の一角の前に来ている。

理由・目的は少し時が遡るが、俺達が法国を攻めている最中、ナザリックに宛てに1通の手紙が届いた。

差し出し先は、リ・エスティーゼの都市の1つ。

そして その手紙の内容。

それは、魔導国(われわれ)にとって、決して益には ならない…と、判断。

そこで この手紙を出した者の所に、まろんサンとナーベラルを送り出した。

 

 

「そいつ、『何故、此処が分かった?』みたいな顔をしてたぜ?w」

 

 

…とは、まろんサンの弁。

実は この者、この世界にて色々と暗躍している秘密結社・ズーラーノーンの一員だったのだ。

まろんサンが その者をその場で締め上げ、色々と問い質し。

因みに、何故この男が王国に居たかと言うと、組織拠点からは郵便物を出せないとして、先ずは王国に潜入。

其処から魔導国宛の手紙を出し、組織に戻ろうとしたタイミングで、国境関所の出入国の審査が急に厳しくなり、王国から出るに出られない…仕方無く、宿屋に籠る状況に。

それ多分、戦争が関係してるな。

そんな時に、まろんサンが押し掛けて来たという訳だ。 

…そして その上で、ズーラーノーンの一番の拠点が、実は このカッツェ平野に在る事が判ったのだ。

成る程…この平野が常に、一定時期を除けばアンデッドが大量に発生して跋扈しているのは、もしかしたら此奴等の所為かも知れないな。

 

幻術(イリュージョン)で誤魔化している様だが、私には無意味だ。」

 

スゥ…

 

一見、只の壁だが、実は崩れ落ち、空いている大穴の中、そして その先、地下へと繋がる階段に…端から見れば壁に溶け込むが如くに、俺達は進んでいく。

手紙の内容。

ふん…、何が『至高のアンデッドである貴君と、良好な関係を築きたい』だ。

『至高のアンデッド』である俺と『良好な関係』とやらを築き、貴様等は何をする? 俺に何をさせる心算だ?

ズーラーノーン…貴様等の最終目的が何かなのかに興味は無いが、過去にアンデッドを使い、幾つもの都市を滅ぼしてきた貴様等だ。

どうせ、碌な物では有るまい。

俺をトップ…もしや神として祭り上げ、世界を混沌に陥れる心算か?

俺がアンデッドだから、世界の破滅を望んでいるとでも思っているか?

逆だよ。俺は単に、仲間達と平和に静かに過ごしたいだけだ。

この世界について調べていた際に貴様等の事を知った時から、俺達にとって邪魔な存在になると思っていた。

だからこそ、手紙という形で接触を図ってきた時は、足元を掴むチャンスだと思ったよ。

前のエ・ランテルでのアンデッド騒動で捕まえた者達は下っ端だったのか、有用な情報は持っていなかったしな。

たらればな話だが、それなりに事情を知っていたであろう、あの時の幹部格2人を直ぐに殺してアンデッドにしたのは、今からすれば、正直 失敗だった。

不山戯るなよ…。

これは決して、陳腐な正義感なんかじゃない。

只、俺にとって邪魔だから、潰す。

只、それだけだ。

知らなかったのか?

俺は非常に、我儘なんだよ。

 




デミえもん作製家具…アニメ2期5話(…だったかな?)に出てきた椅子、並びにアレと同系の家具をイメージして下さい。
 
≫≫≫
 
◆パンドラside◆
皆様 御存知ですか?
『Katze』とはドイツ語で、猫の事を言うのですよ!
 
▼▼▼
次回『ズーラーノーン②(予定)』
乞う御期待! 感想よろしくです。
  
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