ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

90 / 129
 
【前回の あらすじ】
モモンガさん一行は、カッツェ平野の遺跡に進入しました。
 



ズーラーノーン②

◆モモンガside◆

この遺跡、どうやら やはり、ユグドラシルの建物の様だ。

古城型の攻略拠点(ダンジョン)

 

「何と言いますか、これは…」

「…可愛~い?」

地下へと階段を降りる途中、ソリュシャンとエントマが、微妙な顔になっている。

壁には、此処を拠点にしていたプレイヤー達の趣味なのか(噂には聞いていた)、壁一面に猫猫仔猫…猫のイラストが描かれているのだ。

時々、虎やライオンの絵も。

それと、猫耳娘のイラスト。

…それから他には、『ねっこ!』とか『にゃんこ♡LOVE』等な書き込みも多々。

 

  

子子子子子子子子子子子子

 

  

ここここここここここここ?…何これ?

兎に角 改めて、此処が ()()()()()の拠点だったと確信。

 

「…だとしても、それは ()()()600年前の話な筈だ。

それにしては、この崩れ具合。そして、此処まで建物が地に埋もれるのは不自然過ぎる。」

「アインズ様。それは後から やって来たと言う、八欲王とやらの仕業の可能性は?」

「…うむ。」

あー。確かに()()()()なら、やりかねん。

AOG(オレたち)は確かに、ゲーマーとしてDQNだったが、奴等は現実世界(リアル)でも、ガチなDQNだったからなー。

此処をプレイヤーの嘗ての拠点と認識して、略奪に破壊、そして残ったNPCも皆殺しにした。

ん! 想像に難しくない!

ギルド武器は見付からなかったか、敢えて破壊はしなかったかで、辛うじて原型…名残を留めていると言った処か。

そして、その無人の廃城を偶々、ズーラーノーンが見付けて その儘 隠れ家(アジト)にした…そんな感じか?

この平野がアンデッド多発出現地域となったのは、その後の話か。

 

≫≫≫

『『『ガァアァ…』』』

「ハァッ!」

「え~い!」

 

バズッ!

 

この遺跡内も、今はアンデッドの巣窟になっており、それを先頭を進んでいたソリュシャンとエントマが蹴散らし。

その先も、幻術(イリュージョン)で隠された通路(俺達からすれば、駄々分かり)や、魔法施錠された扉をある時は魔法で解除、ある時は物理で開き、最初の入り口から最下層のフロアに。

 

「な…? 何者だ、貴様達は…ぃゃ、貴方様方は…?!」

其処には1体の死者の大魔法使い(エルダー・リッチ)他、人間が数人。

しかも、只の死者の大魔法使い(エルダー・リッチ)じゃなかった。

突然変異の強化種…いや、違う。

恐らくは術式で自らをアンデッドと化した、元・人間だ。

 

「もしや…アインズ・ウール・ゴウン魔導王様…で?」

俺達が何者かを察したのだろう、この死者の大魔法使い(エルダー・リッチ)が恐る恐る尋ねてきた。

ズーラーノーンにはトップに、正体不明の"盟主"と云われる人物。

その下に十二高弟と呼ばれる幹部格が。

そして その下に、平の下っ端という構成と聞いている。

コイツが盟主…いや、違うな。

確かに死者の大魔法使い(エルダー・リッチ)も、この世界では かなりの上位モンスターとされている。

しかし それでも所謂『強者』と呼ばれる人間が集まれば、決して討伐出来ないレベルでは無い。

その程度なレベルのモンスターがトップの組織が、過去に幾度も…大小は有っただろうが、都市を滅ぼす様な行動に至れるとは思えない。

 

「…如何にも。私こそが、アインズ・ウール・ゴウン魔導国を統べる王、アインズ・ウール・ゴウンその人である!」

とりあえずは聞かれた質問に応え、

「ズーラーノーン十二高弟だな?

さあ、お前達のトップ、盟主とやらの元に案内して貰おうか。」

「「「「「……………………………。」」」」

その儘に、此方の目的を伝える事に。

 

≫≫≫

あの死者の大魔法使い(エルダー・リッチ)が居たフロアが最奥だと思っていたが、まだ その先が在った。

此奴等の案内で進んだ先。

遺跡(ダンジョン)の壁をぶち破り、更に穴を掘り抜き進んだエリア。

既にユグドラシルのダンジョンでは、無くなっている。

 

「ほう? 此処の入り口を見付け、この場まで足を踏み入れるとは、流石…と言うべきか?

よくぞ参られた、魔導王。

我は貴殿を客人として歓迎しよう。」

そして本当に最奥の部屋か?

其処にはコイツが盟主か?

死の支配者(オーバーロード)を除けば最上位の不死属(アンデッド)と言って良い存在…ナイトリッチが1体居た。

成る程。ナイトリッチなら、それなりな規模の組織の盟主と呼ぶのも、然程 抵抗も無い。

 

「「「………………………。」」」

「「「………………………。」」」

その他には、人間だったり、アンデッドだったりが数名。

アンデッドの方は、この部屋の案内役として連れて来た死者の大魔法使い(エルダー・リッチ)と同様な、元・人間なのだろう。

 

「勢揃い…ですね。」

デミウルゴスの言う通り。

既に殺している2人を除けば、十二高弟、そして盟主。

ズーラーノーンの主要人物と呼べる存在が、この場に揃っている。

 

「持て成しは結構だ。

私は あの手紙を読み、参じた訳だが…

率直に聞こう。お前達は一体、この世界で何を目指しているのだ?」

 

 

◆モモンガside・了◆

 

≫≫≫

 

◆デミウルゴスside◆

「ふん…下らぬ!」

「な、何だと?!」

アインズ様の言われる通り。…全く話になりません。

アインズ様の問い掛けに、ズーラーノーンの盟主を名乗るナイトリッチの答え。

それは、この世界全土をアンデッドが蔓延る、終焉の世界の創生。

普段からアインズ様が虚しいと仰有られている、瓦礫と屍の山に敷く玉座。

その様な、不毛な世界を目指しているとの事。

兎に角、この者共が目指す未来は、アインズ様が望む平和に日常を静かに過ごしたいという其とは、まるで対極な物。

そもそもアインズ様が魔導王…王を名乗り、国を興したのも、元を辿れば それが目的なのです。

これはナザリックが転移した当初、その地を治めていたリ・エスティーゼ王国が もう少し まともな対応が出来ていれば、その必要も無かったのですが。

あのナイトリッチは信じられない顔を浮かべていますが、私からすれば、アインズ様が貴様如きと同じレベルの思想を持っていると思っている事が、理解出来ません。

 

「つまり貴様達は、私が今、治めている魔導国を滅ぼす。…そう言う事だな?

更には我が友…ジルやドラウの国も滅ぼすと。 

はぁ…やれやれだ。本来こういうのは、たっちさんの仕事(やくめ)だろうに…」

 

 

◆デミウルゴスside・了◆

 

≫≫≫

 

◆モモンガside◆

別に、正義の味方を気取る心算は無いが、それでも この盟主の考え…いや、存在が既に看過出来ない。

俺の知らぬ地の中で支配者を気取るだけなら、其処まで気に止める事も無かったが、このズーラーノーンの考えは、それを越えている。

もしも この場に たっちさんが居合わせていたなら、問答無用の次元断切(ワールド・ブレイク)が炸裂しているだろう。

 

「どうした? 私も()()()()()()アンデッドだから、この世の破滅を夢描いているてのとでも、思っていたか?

嗤わせるな!!

この私を…貴様如きナイトリッチと一緒にするな!

デミウルゴス! ソリュシャン! エントマ!」

「「「はっ!」」」

さて、世界の掃除の時間だ。

 

≫≫≫

「ば…馬鹿な…っ?!

貴様達は、一体…?」

世界で暗躍する秘密結社と云えど、やはり この程度か。

盟主を除く者…人間はソリュシャンが身体一部、足元のみを粘体(ショゴス)に戻しての大津波を浴びせ、瞬時に体内に取り込み消化。

死の大魔法使い(エルダー・リッチ)他のアンデッドは、エントマが喚んだ喰屍蟲の群れに喰われた。

これで十二高弟は全滅。

残すは盟主を名乗る、ナイトリッチ1体のみ。

何かを話し合うで無く、殆んど一方的な交渉決裂と同時、不意打ちに近しい強襲で己の配下を全て斃された この盟主は、明らかに狼狽えている。

アンデッド特有の精神安定は、持ち合わせてないのか?

前から思っていたが、やはり これは、アンデッド系プレイヤーのオリジナルな様だ。

…でも、まろんサンは普通にキレた後、それを持続しているけど?

これは後日、検証すべきかも知れないな。

 

「アインズ様。残すは この、ナイトリッチだけですが、如何致しましょう?」

デミウルゴスの質問、これは『自分が殺っても良いか、それとも最後の締めは俺に任せるか』という意味だろう。

そうだな…。

 

「盟主。幾つか質問させて貰うぞ。

貴様はナイトリッチという種なだけで、固有の名は持っていないな?」

「……………………。」

 

コクリ…

 

俺の問に、ナイトリッチは無言で頷く。

やはり、そうだったか。

一応は組織の頭だが、コイツの種族的立ち居地は、モブの雑魚モンスターと変わらないか。

それでは次の…最後の質問だ。

 

「私は…私の種族は、何だと思う?」

これに正解すれば、褒美に俺が直々、手を降してやろう。

 

「な…我と同じ、ナイトリッチではないのか?」

流石に この者も、俺が自分より上位の実力者なのは理解している筈。

しかし それでも、種族としては己と同じくな認識。

つまりコイツは…いや、この世界は死の支配者(オーバーロード)という種族は認識されていない?

恐らくは俺以外では、スルシャーナしか存在しなかったのか?

そして そのスルシャーナも、"死の神"という肩書きだけで、死の支配者(オーバーロード)という種族名は広まらなかったのだろう。

まあ、どちらにしても…だ。

 

「はい、0点。…デミウルゴス。」

「畏まりました、アインズ様。

…《奈落の冷炎(アビス・フレア)》!!」

 

  

◆モモンガside・了◆

 

▼▼▼

 

◆まろんside◆

「…と、まあ、こんな感じですね。」

モモンガさんがカッツェ平野から戻ってきての報告。

要約すれば、ズーラーノーンは盟主に十二高弟、そしてアジト内に居た雑魚モブは皆殺しにしたそうだ。

アジトの外に出て、何か悪さしているであろう末端も、それが潜んでいる各国に報せるとか。

ズーラーノーン、マジ壊滅の御報せですね、分かります。

しかし本当に、やはりと言うか当然と言うか…あっさりと終わったね。

尤も、モモンガさんが苦戦するなんて、想像(イメージ)出来ないけど。

組織のボスがナイトリッチ程度なら、尚更な話だ。

 

「それから、珍しい…というか、興味深いアイテムを見付けました。

このアンデッドをランダムに生産するアイテムですね。

コイツが、カッツェ平野でアンデッドが大量出現する原因だった様です。」

魔法鑑定・解析によれば、【霧の葬列(デスマーチ・イン・ミスト)】という名称らしい現地アイテム。

見た目は獣の骨の装飾がされた水晶珠(オーブ)型のアイテムで、コイツの中から多量に発生する霧より、アンデッドを生み出すか作り出すか、するらしい。

そして このアイテム、年に1度、数日程の期間 魔力充溜が必要らしく、その時はアイテムとしての機能は停止。

今までは丁度 その時期に、帝国と王国が戦争をしていた訳だ。

 

「…で、他にも何かレア・アイテムが無いかと探ってみたのですが、後は何時ぞやの死の宝珠と同等なアイテム位しか見つかりませんでしたね。

遺跡内も、ユグドラシルのアイテムは恐らくは八欲王に漁られ尽くされたか、さっぱりですよ。」

…アンタは何をしに、現場に行っていた?

実は そっちのが、メインの目的だったな?

  

 




子子子子子子子子子子子子…『ねこのこ こねこ ししのこ こじし』と読みます。
詳しくは『小野篁』『嵯峨天皇』等で検索してみよう!
 
【次回予告】
 
◆ルプスレギナside◆
ついに始まる、戦争裁判!
スレイン法国の神官達が、 ぶっ殺される 裁かれる時が来たっスよ!
エンちゃんもカルネ村の被害者代表…証人として、法廷の場に出席っス。
そして、法国側…弁護士なんか全然付かない、一方的な糾弾な予定だった筈が、弁護士として名乗り出る者が、現れた?
 
次回『匠の不死鳥 ~大逆転裁判!~(予定)』
乞う御期待っス! 感想も、よろしくっス。
 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。